最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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最深層に・・・いらっしゃ~い

あれから暫くして後ろから声が聞こえた。

 「おおい!ルクス、皆。無事かーー!!」

 「リーシャ様!」

 ルクスはリーズシャルテの声を聴いて返事した。

 「はい!全員います!」

 そう言うとリーズシャルテはレリィに近づいた後にこう言った。

 「全く、フィルフィの病気の件についてはルクスから聞いたが私はこれでも

女王なんだぞ。信用しても良いじゃないのか?」

 「・・・・え?」

 レリィはリーズシャルテの言葉を聞いて何言ってるのかと思っていると隣にいた

ルクスが・・・。

 「・・・・・」ニコ

 笑顔で頷いていたのでああなと分かった。

 その後もちらほらと話した後に吹き飛ばされた後に目が覚めたラ・クルシュが

クルルシファーを見てこう言った。

 「さあて、クルルシファーさん。この扉の紋章、見えますか?」

 「ええ・・・それにしても変な紋章ね?」

 そう言いながらクルルシファーはその紋章を見ていた。

 六芒星の尖がっていた部分がそれぞれ離れており、中央には竜のマークが

象られていたのだ。

 「ん?あのマーク何処かで・・・」

 ルクスはその紋章を見て何処で見たのかと思っていた。

 昔この島で・・・何で見たのかと思っていた。

 するとラ・クルシュがこう続けた。

 「それでは『開ける』と念じてください。それで最深層の扉が開くのです。」

 「随分簡単なのねえ・・・ここまで来てそれだけってのがどうにも罠臭い。」

 『ああ・・・確かに』

 普通に考えたら開けるのはそれだけって罠しか言いようがないわなと思う。

 そう思ってる中ルクスは透流の隣にいるアイリに近づいてこう聞いた。

 「アイリ、角笛は持ってるよね?」

 「はい、それはもう肌身離さずですけど」

 「なら少しお願いがあるんだ。」

 「お願いですか?」

 「そ、もし僕の予想していた通りの事態になったらそれを使って欲しいんだ。」

 「・・・どう言う時にです?」

 「それは・・・。」

 ルクスがアイリにとある事態に備えての打ち合わせをしている中で

クルルシファーは扉に近づいてその紋章に手を翳した。

 すると・・・・。

 フォオォォォォオオンと言う音と共に紋章が輝いた。

 そして幾つもの青い稲光が門の表面に走ると・・・・。

 「ッツ!」

 クルルシファーはいきなりの事で小さくうめき声を上げた。

 そして門の表面から無数の光る文字が浮かび上がってきた。

 文字にはこう書かれていた(尚、古代文字であるため他の人達は

分かりません)。

 『エクスファーの認証を確認・・・接続完了。使用制限問題なし。これより

エクスファー権限に基づき精神操作における解錠を開始します。』

 「・・・分かったわ。」

 クルルシファーは何故かそれが分かっていた。

 それはラ・クルシュが精神操作で通信して解読してくれたからである。

 そして暫くして・・・。

 ガシィイイイイインと・・・花が開くかのように扉が六方に開かれた。

 そして彼女たちが見たのは・・・・想像だもしない光景であった。

 「ここが・・・最深層なの・・・か?」

 リーズシャルテは周りを見ながらそう言った。

 硬質の金属壁で囲まれたドーム型の空間。

 頭上から光が照らされたそこはまるでコロシアムのようであった。

 「・・・本当にここが最深層なのですか?ラ・クルシュ」

 遺跡の最深層、それは巨大な宝物庫であるイメージが強かったのかこの状況に

色んな意味で驚いていたのだ。

 するとラ・クルシュが笑みを浮かべながらこう言った。

 「ハイそうでなのですよ・・・皆様を始末する場所です。」

 そう言った次の瞬間に扉が勢いよく閉じた。

 「よくやってくれたな。ラ・クルシュ」

 そして後ろには黒いローブ姿の人間が三人ほどいた。

 「これはこれは主。お褒めに預かり光栄です。」

 ラ・クルシュはそう言いながらお辞儀をするがローブの人間はクランリーゼを

見てこう聞いた。

 「それで・・・何で手前はそっち側だ?そいつは『裏切りの一族』だぜ?」

 そう聞くとルクスはそれを聞いて何だと思っていたが直ぐに答えを出した。

 「『裏切り』・・・成程ウェイドおじいさまの事だろうな。」

 そう思っている中クランリーゼはこう答えた。

 「確かに彼ら一族はそうかもしれません。」

 「然し・・・私は彼らは裏切ったのではないんじゃないかと思っています。」 

 「何?」

 「彼らもまた信じる者のために戦っただけです。それに・・・」

  クランリーゼはそう言いながらルクスが纏っている《ギャラクシーアイズ》を見てこう続けた。

 「カイト様が信じて《ギャラクシーアイズ》を託してくれたお方が悪人とは到底思えません。」

 「クランリーゼ・・・」

 クランリーゼの言葉を聞いてルクスは少し気恥ずかしそうに思っていた。

 クランリーゼにとってカイトは恩人であると同時に自分に自己で考える力を

与えてくれた人間である。

 そんな人間が自分の分身を託した人間を信じたいと願っているのだろうと

思う。

 するとローブの人間はチッと舌打ちしてこう言った。

 「け、なら手前も死ねよ。こいつによってな。」

 そう言うともう一人のローブの人間がローブを脱ぎ捨てた。

 その人間の正体は・・・。

 「そんな。」 

 「ナンデ・・・」

 「嘘だろおい。」

 全員がその気持であった。

 それはルクスも同じであった。

 「ナンデ・・・」

 何せ・・・。

 「どうして・・・」

 本来なら・・・

 「ここにいるのさ・・・」

 いないはずの人間・・・。

 「ねえ・・・答えてよ。」

 救うと決めた・・・幼馴染だからだ。

 「フィルフィ!!」

  


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