ルクスよ。
今から5年前の4月
帝都より北東の領主、アディスマータ伯が総勢7万の軍(その内機竜使い270機)を
率いれて帝都に攻め入るという超重要機密をルクスに伝えるためフギルは城下町の
外れにある小さな屋敷に来ていた。
フギルはフード付きのローブを着ながらこう言った。
「ルクス、革命の件は計画通り上手くいっているようだ。」
そしてソファに座って対しているルクスがこう言った。
「こっちの方も準備は整っているよフギル兄さん。」
「そうか、お前は俺の予想よりも遥か上にいるようだなルクス。帝国軍の訓練と
模擬戦で史上最年少で機竜使いとなりその実力を示したが・・・そんな前人未到な
功績を帝国は妾腹の第七位皇子で帝国の政治体制を真っ向から否定しているだけで称えないという腐った連中がのさばる国に何の未練があるルクスよ?何もわざわざ
敵を救おうとあんな戦い方しなくてもお前ならもっと安全に相手を倒せるはずだ。確かに犠牲が出るが軍の大半は皇族の傀儡だ。ドラグナイトと言う凶器を振りかざしては
言われるがままに無辜の民を締め付け、虐殺するような連中を殺して
悪習を断ち切るべきだルクスよ。変革の意味を分からせるまで問わせる
愚鈍な連中とそれが分かる賢者、どちらが立派なのかよく考えたほうが良いぞ。」
ルクスが準備の程を聞いた後フギルは皇族として、一人の人間として
この国をどうしたいのかを聞いた。
「・・・僕は・・・。」
ルクスは答えを考えているとフギルは思い出すようにこう言った。
「ああそれとお前が頼んだ調査だがやはりあったぞ、人体実験についてのな。」
「やっぱり・・・。」
ルクスは帝国軍が年端もいかない少女を使って人体実験をしているという情報を
耳にしたのだ。
表向きは疫病を治すための薬品における人体の影響を調べるという臨床実験と称しているがその実毒薬や兵器の人体実験でありそれにより良くても後遺症が出て
最悪死に至るという言葉も出ないほどである。
「幼くてある一定の基準をクリアした子供が被験者となりとうとう貴族の子女にまで手を伸ばしたようだ。・・・その中には・・・お前の幼馴染
フィルフィ・アイングラムも含まれているそうだ。」
「フィーちゃんが!!」
幼馴染の名前が出た瞬間ルクスが狼狽するとフギルはこう続けた。
「姉のレリィは泣きながらこう言ったそうだ。」
『私を使っていいからあの子を見逃してください!!』
「・・・と言っていたそうだ。」
「レリィさん。」
ルクスはレリィの気持ちが痛いほどわかる。
もし妹のアイルがそうなったら自分もそういうと思っているからだ。
「・・・ま、にべもなく追い返されたらしいが早くて2週間以内に実験が
始まるそうだ。」
「そんな・・・。」
ルクスは力尽きるようにソファに座るとフギルは扉の前まで行きこう言った。
「3日後又来る。それまでに決めておけ。俺のバハムートと共にお前のワイバーンで
協力するかそれとも・・・」
雷鳴が鳴り響く中ルクスにある事を聞いた後扉から出て行った。
そしてその部屋に残っていたのはルクスと調査報告書、そして揺らめく
蝋燭の光だけであった。
僕はどうすればよかったんだろう。