ルクスが守衛に城門内部に入ることが出来る許可状を見せると暫く
確認して・・・こう言って返した。
「確かに本物だな、然し雑用王子と呼ばれた君がこの全竜戦が終わったと同時にリーズシャルテ様の騎士になるとは最弱無敗から始まって死神、そして騎士とは
何とも世の中分からないことだらけだな。」
「ですねえ・・・僕もこの前までそんな事思いもよりませんでしたよ。」
ルクスは守衛の人に向けてそう言うと其の儘中に入って行った。
「お待たせしましたリーシャ様。」
「おおルクスか、セリスとフィルフィとクルルシファーとの付き合いは
如何だった?」
ニヤニヤと何か言いたげな感じでリーズシャルテがそう聞くとルクスは
こう答えた。
「ええとですね・・・クルルシファーサンなんですけどまあ色々とねえ。」
「・・・未だ続いているのか婚約者偽装。」
「・・・はい。」
「まあ・・・頑張れ。」
リーズシャルテはルクスの何とも言えない表情を聞いて励ますと他はと聞いてこう続けた。
「フィルフィの方は・・・疲れていた事が分かっていたのか眠らせてくれて。」
「いい幼馴染ではないか、ちゃんと大事にしないとな。」
「はい、僕にはもったいない程って」
「それでセリスティアは?」
そう聞くとルクスは・・・視線を逸らしてこう答えた。
「ナンデもアリマセンでしたヨ。」
「カタコトがある時点で信用0だぞ、何したんだお前?」
「いや事故なんですけどーー!?」
ルクスは何とかしてでも違うという事を説明しているとリーズシャルテは
こう返した。
「・・・お前が暗がりの中あの堅物に見えた内心エロ娘を連れ込んだ時点で何で何もしなかったんだと私は逆に文句言いたいな。」
「何ソレなんで!?」
酷くね!?とそう言うとリーズシャルテは・・・笑ってこう言った。
「ああ、少し笑うと何だかすっきりしたな。何だか気が楽になった。」
「もしかしてリーシャ様・・・緊張しています?」
「当たり前だろう?変な気負いせずに自然に振舞えば良いこと位
分かっているんだがな・・・私は皆を騙してばかりだから正直何とも
言えなかったが今お前と喋っていると心が落ち着いているのが分かる。さてと・・そろそろ行くぞ我が騎士よ。」
「はい、リーズシャルテ様。」
ルクスがそう言うと2人は其の儘挨拶するがために城内二階部分にある
バルコニーへと向かって行った。
「皆の者、今宵はよく集まってくれたな!此度の建国記念祭が無事
執り行われたことに感謝すると同時に皆に話さなければいけないことがある。」
リーズシャルテがそう言って一呼吸入れるとこう続けた。
「私は長話をするのは性に合わないため単刀直入に言うが今日私は
専属の騎士を選ぶことと相成った、私の片腕となりこれから様々な
公務、護衛、補佐と言った場面に同席することとなったその者の名は・・・
『ルクス・アーカディア』だ!!」
そう言ったと同時にルクスが前に出ると民衆たちが驚きに固まって
どよめきながらこう言った。
「お、おいあれって。モシカシテ雑用王子じゃないか?」
「そう云やあ最近王都で見ることなくなっちまったがそうだよな。」
「旧帝国の・・・咎人。」
民衆の間で動揺が広なっている中でリーズシャルテはこう続けた。
「皆も知っていると思うが彼は旧帝国の者だ、私がこいつを選んだ理由は
嘗てこの国を腐敗させた一族の生き残りだから咎人としての罪を
贖わせるなどという殊勝な事は言わない。私がこいつを任命した理由は
ただ一つ・・・この男の実力と精神どちらにおいても最も今私が欲する人間だと
理解したからだ!!確かに旧帝国が滅んで未だ5年足らず、嘗ての悪習を
忘れられる程の年月は経ておらず皆が戸惑う理由は理解できる。批判も反対もまあ城内にいる連中から耳からタコができる程言われたが・・・それでは駄目なのだ我々は!?私が今後目指す国づくりは過去との因縁や因習に囚われることなく常に未来へ!明日へと!!失敗も成功も何もかも受け入れて、その上で最善の道を
模索し誰一人も・・・この国にいる全ての民たちが幸せにいられるために・・・
ここにいる全ての者達が!私達皆を見守っていて欲しいのだ!!それが未だ・・・未だ未熟な私からの願いなんだ!!」
頼むと言った後に頭を下げるとルクスもこう続けた。
「僕は・・・正直皆さんに受け入れられてもらえるかまだ不安です・・・ですがこんな僕を認めてくれたリーズシャルテ様やアカデミーの皆、そして何よりも
僕を僕として見てくれた人たち!こんな僕の事を想ってくれていた
大切な人たちの為にも僕は必死で成し遂げたいと思っております!!だから・・・これからもリーズシャルテ様の事を応援してあげてくださいよろしく
お願いいたします!?」
そう言ってルクスも頭を下げると暫くして・・・拍手が鳴り始めたのだ。
未だ小さいがその拍手は2人の信念に対して認めて貰っている証だと
思ったからだ。
そして裏町
「そうですが主様、なれば私も引き下がるわけには参りませんわ。」
夜架はそう言ってサニアと共に去って行った。
そして・・・作戦が始動しようとしている。