女子寮の食堂は基本休日でも解放されておりご飯を食べるだけでなくだべるところとしても使用が許されている。
そして誰もいない食堂でルクスとアイリは紅茶を嗜んでいた。
「それで兄さん今日のご予定は何ですか?」
アイリは知れっと聞くとルクスはこう返した。
「ああ、ティルファーが昨日伝えてくれてね取り敢えず今日は朝ごはん食べたら学園内の『工房(アトリエ)』に行ったあとはちょこちょことあるってところかな。」
アトリエとは端的に言うと機竜の整備所である。
生徒は有事の際そこに集まった後機竜に乗り込んで戦闘に参加するのである。
アイリは面白くない様子でこう言った。
「そうですか。そのちょこちょこって言うのはお嬢様方のデートでしょうね。」
「いやいや待ってよアイリ!デートとかそんなものじゃないよ。只荷物運びしたりお茶会の話し相手だったりそんなものだよー。それにデートなんて僕にはもう・・。」
「・・・兄さん?」
ルクスは嘗てハートランドシティである女性に大切な人に送りたいものの
リストアップに同行してほしいと言われて町中を散策した事を思い出した。
(まあ道中その大切な人にデュエルを挑まれたが・・・。)
そして別れる際に貰った鳥の装飾を模ったネックレスを貰いこう言われた。
『ありがとう。・・・ルクス君。』
少し俯いていたルクスが気にかかりアイリが心配そうに声を掛けた。
「兄さん。大丈夫ですか?気分が悪かったら仕事を代わりに受けても良いですよ。」
そして気が付いたルクスは顔を上げてこう言った。
「大丈夫だよ、アイリ。ちょっと昔を思い出していただけだよ。」
「そうですか?それならいいんですが然しちょっとほおけてしまいますよね。
この騒ぎは・・・。」
アイリは呆れて言うとルクスがこのように言った。
「仕方ないよアイリ。新王国が建国して未だ5年しか経ってないから人々からすれば長い間圧政を指示してきた帝国がいなくなって楽しいお祭りの最中だと
思っているんだよ。」
ルクスは嘗て滅んだ国がどうなったか?その勉強をあっちでしているためこの後の
祭りの終わった後どうしたらいいのかを女王陛下に進言して
対策を立てているところだ。
するとアイリが声のトーンを下げてこう言った。
「そのために必要な事ですが例のあれの出力に関する解析は
もうすぐ終わりますから・・・何があっても・・・あれだけは!!・・・使用しないでくださいね。」
「・・・うん分かってるよアイリ。あれは本当にこの国がヤバい時しか
使わないから。」
アイリは最後の一文ら辺で文句を言おうとしたときルクスの顔を見て黙った。
・・・覚悟を持った目つきで。
「・・・はー分かりました。でしたら何とか間に合わせるんでそれまでは
それを使ってくださいね。」
「わかった。」
そう言うとアイリは席を立って立ち去ろうとした。
「あれご飯一緒に食べないのアイリ?」
「これ以上ここにいると他の人達から嫉妬の対象になりますし、それに・・・。」
するとアイリは顔をそっぽ向けてこう言った。
「これ以上一緒にいたらもう少しだけって思っちゃいますから。」←小声
「え?なんて言ったのアイリ?」
「・・・もう知りません!!」
とアイリが怒って立ち去るもなぜ怒るのかが分からなかった。
もし時が戻せれるならあの時の・・・あの別れの時に行って彼女を救いたい。