ルインスギアの分厚い門を抜けて更に整備された公道を十数分ほどかけて歩いていると
試験会場となる軍施設とそこと併設されている宿場が広い。
クロスフィード以上に広いその場所をルクス達は馬車から降りて積み荷を下ろして外壁に囲まれた敷地内に入るとティルファーが大きく伸びをしてこう言った。
「ふぁー!本当に疲れたよお・・・馬車は狭いし背中とかお尻とかあちこち痛いよ~。」
ティルファーはそう言っていると降りて来たルクスを見て手を振ってこう言った。
「ああルクッチ!元気~~?」
「まあ元気だよ、其れよりも見たあの艦隊?」
それを聞くと見たよ見たよとティルファーは興奮しているとシャリスがこう続けた。
「それにしてもヘイブルグ共和国だけではなかったのだな、国旗も違っているし何よりもあれ程の艦隊を持っている国家がまだあるという事に驚愕だな。今後の戦い方を
変えるべきだな。」
「YES、何よりもあのような艦があるという事自体が想定外です。対策を
講じるべきです。」
ノクトがそう言う中ルクス達はヴァンハイム公国の武官と士官候補生達への挨拶を兼ねて施設の利用方法と基本的なルールを説明を聞いた後ルクス達は広い通路を歩いていると
リーシャはこう呟いた。
「それにしてもだが視線がチクチクして面倒だな、この国の軍人は随分と好戦的だな。」
そう言うがルクスはまあそうですねと言ってこう続けた。
「まあ新王国みたいに女性のドラグナイト所有は珍しいですからね、
戦場は男の仕事と言うのは何処の国でもありますからね。」
まあそれだけじゃないと思いますけどねとルクスは内心そう思いながら
ヴァンハイム公国の男性達の声を聴いていた。
「見ろよ、あれが新王国の次世代と呼ばれているアカデミーの連中らしいぜ。」
「何だ、女子供ばかりじゃないか。幾ら機竜適正の点で有利とはいえ次世代の
代表として出て来るとはよっぽど男の武官達はだらしないと見えるな。」
「それに見ろあいつ、噂に聞く旧帝国の没落皇子迄この試験に挑むようだが
情けないな。女王に首輪つけられてた儘で無様と言うか何と言うか・・・。」
「見ろお前の事言っているがあいつらお前と一回試合えばお前の実力が分かるぞ。」
だから徹底的に心をへし折ってやれよと言うとルクスはいややりませんよと言うが・・それは仕方ないと思われる。
過去にアーカディア帝国は軍事介入と名を騙った・・・侵略という戦争を他国に
吹っ掛けて来た事からいろんな国からまあ色々と白い目で見られる事があるが
それだけではない。
何せルクスやリーズシャルテが複数ソードデバイスを持っている事も視線を
向いている事の一因であるが・・・ヴァンハイム公国の武官の一人が他の所を見てこう言った。
「おい見ろよあの一団。」
「あれ・・・おいマテあれってワールドランクトップのマギアルカじゃねえか!」
「あんな『ちっこい』癖に一位なんてな。」
「誰が『豆粒ちびっこ』だごらあ!」
「リーシャ様あんたの事じゃない!」
「それにしても見たことがない奴らだな、学生服もそうだがあいつらどっから
来たんだ?」
「お前知らなかったっけ?今年の試験は確か会議の時に合わせて他国の・・・
非加盟国も来ているそうだぜ??」
「非加盟国?どこの国なんだよ??」
「さあな、だけどあいつら機竜持っているらしいからまあ・・・下級クラスを
受けるんじゃないのか?」
「他国・・・非加盟国・・・機竜?」
何だろうとルクスはそう思って振り向いた先にいたのは・・・10人近い少女達と
一人の少年であった。
すると・・・イセリアが魔術印越しからこう言った。
「マスター、彼女たちは精霊使いです。」
「精霊使い・・・じゃあ非加盟国ってまさか!」
「恐らくはドラグニアと同じでしょうがあの男性からも同じです。」
「同じって・・・確かあの子たちの話だと・・・。」
そう言ってルクスは精霊使いの少女たちの事を思い出していた。
王国防衛線後、ルクスは彼女たちを解放した後にアカデミーにいれるようにした後。
「魔王・・・何それ?」
ルクスがそう聞くと一人の少女が前に出てこう言った。
「今より千年近く前に実際にいた男性の精霊使い『スライマン』は72体の
強力な精霊を使い多くの国を打ち倒し精霊使いの少女達をその・・・/////」
「ああはいはい言わなくて良いわ分かったから、それでその魔王は打倒されたの?」
「はい!聖女『アレイシア・イドリース』によって魔王は討ち果たされました!!
それは歴史に名を刻むほどであり幾つもの書物がありましてですね」
「熱い熱い、けどイセリアちゃんがその・・・精霊王だとして何で僕に?」
それを聞くと・・・精霊使いの少女はこう答えた。
「分かりません、精霊王は常に異次元にある精霊王の祭壇にいるはずなのですが・・・何故ここにいるのかは謎です。」
それを聞いてそうなんだとルクスはイセリアの魔術印を見て・・・一体何なんだと
思っていた。
「本当に・・・一体何なんだろうね。」
ルクスはそう呟きながら外を見る事しか出来なかった。
次回へと続く。