ルクス達がカミト達を引き入れてダンジョンに向かった後にルクスはライグリィ教官からある事を伝えらえた。
「神装機龍持ちは固まらずにばらけて行動する事となっている、この試験はチーム戦でのアビス討伐を旨としているため本来ならそうするべきなのだが・・・後ろにいる
其の子達の事を踏まえてルクス、お前が面倒見ることだ。
それと他の者達は他チームとの援護だ・・・各員解散!」
ライグリィ教官の言葉を聞いて全員がばらけるとそれじゃあとルクスはカミト達に
目を向けると彼らは其の儘ダンジョンの中にへと向かって行った。
パレスの屋根の天蓋の端、普通ならば謝って落ちれば間違いなく命がないであろう
場所で・・・シングレンが何時もの恰好で寝そべっていると自身の副官であるシーツを
被ったかのような純白の外套と白仮面を身に纏った老騎士である『ツヴァイ』が
シングレンに向けてこう言った。
「ただいま戻りました我が主よ。」
「遅かったな『ツヴァイ』、奴らは尻尾を出したか?」
シングレンがそう聞くと『ツヴァイ』がいいえと言ってこう続けた。
「沈黙を保っておられます、恐らくは主よりも先に仕込を終わらせているのでしょう。
又は元々から何もしていないのか。」
どちらでしょうねと答えるとシングレンはそうかといってこう続けた。
「だが俺様ならこの時を逃さないな、ルインが封印できる可能性が見つかると
同時に危険性が高まり各国が警備を固めている今こそが動くに相応しい機会だ。」
「・・・そうですね、確かに主でしたらこの状況を逃すと言う愚行を犯すことは
すみますまい。では私は引き続き白嶺騎士団にルイン一帯の警戒を怠らないように指示を出しておきますのででは。」
そう言って『ツヴァイ』が下に降りていくとシングレンはいや待てと
『ツヴァイ』に向けてこう言った。
「待て『ツヴァイ』、お前は昔から有能だが事を急かし過ぎだ。俺達は確かに公国から依頼されたこの都市の守りについたところでまだ小火程度で片してしまえば
だれ一人として評価する事はあるまい、もう少し利巧に動け。」
「・・・となれば・・・何といたしましょうか?」
『ツヴァイ』がそう聞くとシングレンはくくくと嫌な笑みを浮かべて・・・
こう言った。
「餌と魚は泳がせておけ、取りあえずはミルミエット公女の院身を守っておけ。
白嶺騎士団にもそう伝えておけ。」
「御意。」
『ツヴァイ』がそう言って下がるとシングレンは・・・含み笑いをしてこう言った。
「さてフギルよ、お前の弟であるあの男はどう出ると思うかな?俺の期待に
応えてくれることを願っているぞ。もし駄目だったら所詮は其処迄、だがもし
それ以上であれば・・・使わせて貰うぞ?貴様の弟を・・・な。」
「これが・・・ダンジョン・・・いや、ルインか?」
カミトはダンジョンを見てそう呟いた、遺跡と言うからにはまるで洞窟とか前に
ヨルムンガンドがあったガドと同じような場所かと思っていたがその印象が・・・
まるっと違っていた。
地下のゲートから転移されて着いた場所が・・・綺麗な場所であった。
吹き抜けの祭壇の様なルインの床、円形のその周囲には一面の花畑が広がっていて
青空の代わりにやや高めの天井が存在するが苔の様な物から放たれる
淡い黄色の燐光が辺りを照らしていてあまり暗くは感じない。
「これは・・・庭園みたいだな。」
カミトがそう言って辺りを見渡しているとへへへと近くにいるコーラルがカミトに
向けてこう言った。
「ここは外界への出入り口だよ、勿論離れていけば洞窟みたいな場所もあるけど湖とか林とか色々景色が変わって面白いよ?」
コーラルがそう言うとルクスもへえと言って辺りを見渡していた、
まるでピクニック場か公園の様な場所だなと思っているとルクスはコーラルに向けてこう聞いた。
「ねえコーラル?一つ良いかな??」
「?」
「このルインって・・・今何階層が攻略されてるの?」
ルクスがそう聞くとええとねと言って・・・こう返した。
「記録上だと4階層の入り口前だね、ダンジョンは見た目よりも広くて然も構造が
複雑な物だから攻略に時間が掛かってるんだ。それにアビスのレベルが環境が
苛酷になればなる程強さも厄介さも格段に上がってるから。」
「そうなんだ(まだオートマタが出ていない事を考えるとまたヘイズが関わってるって可能性は捨てて良いだろうな、だけど・・・竜匪賊とか言う面々が関わっていると
考えると・・・面倒だよなあいや本当に。)」
ルクスはコーラルの言葉を聞いてそう思っているとコーラルはルクス達に向けて
こう言った。
「それじゃあルクス君、今回はカミト君達と一緒だから今日は引率の教師みたいに
宜しくね。」
「OK、それじゃあ始めるよ皆。ここからは出てくるアビスに合わせて訓練するけど
油断せずに君達は何時も通りにやって行こうね。」
ルクスの言葉を聞いて全員がこくりと頷くと・・・何処からか人外の唸り声が
聞こえると同時に見えたのは・・・巨大な鹿型のアビスであった。
「あれは確か『ハインド』だね、見た目に寄らず凶暴で獰猛だしあの角が
厄介だから気を引き締めて始めるよ。」
ルクスの言葉を聞いたと同時にカミト達が身構えると『シラヌイ』・
『カオスブレイカー』・『メイルストーム』が互いにこう言った。
「(さあて・・・初めてのアビス狩りだ!行こうぜ相棒!)」
「(我を楽しませて貰うぞアビス共よ、その命を持ってな!)」
「(行きましょうレオノーラ、貴方にとっての初陣を勝利で飾りましょう。)」
互いの言葉を聞いてカミト達もこう言った。
「ああ行こうぜシラヌイ、アビスをぶっ飛ばす!」
「ああそうだな、奴らを打ち倒し我らオルデシア帝国の強さを他国に見せようぞ!」
「メイルストームを使ったこの初陣・・・絶対に負けられません!」
そう言うと共に全員が立ち向かって行った。
次回はアイリ達からです。