「帝都から・・・だと!?」
リーズシャルテだけではない。
そこにいた「シヴァレス」の全員が驚いていた。
帝国軍に入っていた生き残りのドラグナイトの中には戦犯として牢には入れられた後新王国への忠誠を誓うとともに身の潔白を証明された人間は士官として
新王国軍に加わった。
これらは新王国側に加わったドラグナイトが少なく、国内の戦力低下による
他国からの侵略を食い止めるためであったのだ。
然しベルベット・バルトが言った言葉でリーズシャルテはある真実にたどり着いた。
それは・・・
「目的は帝国の復権・・・だがどうやってアビスを従えているんだ?」
リーズシャルテが聞いた言葉はルクスが悩んでいたところと同じだった。
然しベルベット・バルトは角笛を出してこう言った。
「さあ、孵れ。卵よ。」
そしてにっこりと笑った後角笛を口に当てた。
その音は本来なら不快極まれない音だがその音が鳴りやんだ途端スライム型のアビスの体の一部が膨らみ始めると中で小さな泡が高速で大きさを増してはじけ飛ぶと
ナニカが出てきた。
「あれはーー!?」
「シヴァレス」のメンバー全員が驚愕した。
ガーゴイル型のアビスがそこから出てきたのだ。
すると他の所でも同じ現象が起きた。
「ちょ、ちょっと待ってよ・・・」
「私達・・・二体以上のアビスと戦った事なんてないのに・・・」
「こんなの・・・ウソだよ・・・」
「然も軍の警備隊まで敵だなんて・・・」
「シヴァレス」の団員たちの恐怖の声があちこちで聞こえる中ガーゴイル型のアビスが次々と産まれて行った。
その数は三十体であり機竜に換算すると一人前のドラグナイト百二十機分に相当する戦力であった。
リーズシャルテは半壊状態であった≪キメラティック・ワイバーン≫を解除して自身の機竜を召喚した。
「ー目覚めろ、開闢の祖。一個にて軍を為す神々の王竜よ、≪ティアマト≫。」
リーズシャルテがティアマトを纏って攻撃しようとした瞬間「シヴァレス」の団員の一人がリーズシャルテを止めた。
『リーシャ様!撤退してください!!この戦力差で交戦は自殺行為です!!!』
するとリーズシャルテはこう返した。
「駄目だ!!ガーゴイル型は全て翼を持っている。城塞都市の中だろうが奴らはそれを越えれるんだぞ!!」
するともう一人の「シヴァレス」の団員がこう言った。
『ならば我々が時間を稼ぎますからリーシャ様だけでも逃げて下さい!!あなたを失えば新王国の人々は行き場を失ってしまう!!!』
そう言うとリーズシャルテは自嘲してこう言った。
「それなら私は王女じゃないかもしれんな・・・誰かが犠牲になって生きのこる?
そして私はそれを演説で拍手されたくないんだよ。」
そしてリーズシャルテはこう締めくくった。
『シヴァレス総員に次ぐ、これより我々は交戦を再開する!!戦えないものは城壁内に待避してこのことを王都にいる者たちに伝えよ!!戦えるものは私の≪レギオン≫に
当たらないように少し引いて援護せよ!!・・・ノクト!!!』
「YES 、ここに」
するとリーズシャルテはこうノクトに指示した。
『お前は撤退する皆の殿を務めよ!!出来るな。』
「YES 、了解しました』
そして戦えないものと一緒に去って行くところを見送るとリーズシャルテはベルベット・バルトに≪セブンスヘッド≫を向けてこう言った。
「さてと・・・反逆者共・・・お仕置きの時間だ!!」
「口の減らないお姫様だな。」
そしてベルベット・バルトが再び笛を吹いた。
・・・未だ戦いは終わらず。
また次回。