「-以上が、私が遠距離から確認した情報だけど他にはある。・・・ルクス君。」
ルクスはリーズシャルテ達の方へ向かう途中引き返しているクルルシファーに
出会って情報を聞いた。
ルクスはその情報を聞いて予測した中でも最悪な状況に苦虫を嚙み潰したような
顔をしていた。
「私はこれからこのことをアカデミーで待機している皆に報告しに行くけどあなたはどうするの?」
クルルシファーはルクスに問いかけた。
今から引き返して最終防衛ラインである王都に戻るかリーズシャルテ達がいる場所に向かうかである。
「今から行っても多分間に合わないしそれなら最終防衛ラインに加わった方が
得策よ。」
そしてクルルシファーはこう言った。
「あなたなら分かるはずでしょルクス・アーカディア。何を捨てて何を守るか?
大義だけじゃ守れないことくらい旧帝国の皇子ならそれくらい・・・。」
するとルクスはこう言った。
「それじゃ駄目だよ。クルルシファーさん。」
「何ですって?」
ルクスはクルルシファーの言葉を切った後こう言い続けた。
「何を捨てて、何を守るか?確かに世界はそうやって進んできたけど
そうやって・・・何かを失って・・・何かを得ても・・・一緒に喜んでくれる人が
いないなんて・・・悲しいじゃないですか。」
そしてルクスはこう言った。
「僕の知っている人はいつも、どんな時でも自分の仲間の為に諦めずにこう言ってるんです。」
「何を?」
クルルシファーの問いにルクスはこう答えた。
「『かっとビングだ!!俺!!』って。」
「その言葉ってあなた前にも私と戦った時も言っていたわね。」
クルルシファーは初めてルクスと出会った時のことを思い出してそう言った。
するとルクスはこう言った。
「この言葉はどんな時でも諦めずに踏み出せる言葉なんです。例え愚かだとしても
そこで妥協してしまえばこれ以上上に行けないと思うから・・・前に行くんです。」
その言葉を聞いてクルルシファーはルクスにこう言った。
「・・・わかったわ。行きなさい。でも私の依頼がクリアされるまで死んじゃ
駄目よ。」
「分かりました。」
そして二人が分かれるとクルルシファーは王都に、ルクスはリーズシャルテ達がいる場所にへと向かった。
するとルクスはクルルシファーにこう言った。
「クルルシファーさん。」
「何?」
クルルシファーは何事かと言うとルクスはある事を言った。
「朝聞きましたよね。『何をなくしたのか』を。」
「ええ。」
クルルシファーが返事するとルクスはこう言った。
「僕が失ったのは・・・守りたかった人・・・かけがえのない人・・・
僕にとって・・・。」
そしてルクスはクルルシファーにこう言った。
「・・・初恋の人を失いました。」
「え・・・?」
クルルシファーはちょっと驚いているとルクスははこう続けた。
「だからもう失いたくないんです。これ以上・・・目の前で誰かがいなくなるのは嫌なんです。」
そう言ってルクスはリーズシャルテ達のいる戦場へ、クルルシファーは王都へと
それぞれ向かった。
一方荒野の戦場ではガーゴイル型のアビス三十体とそれを操っているベルベット・バルト相手に戦っているのは既にリーズシャルテ一人となってしまった。
他の仲間は機竜が戦闘不能手前になり撤収していた。
ここまで仲間の助けと自身の機竜の持つ武装全て使って戦っていたが・・・
「はあっ・・・、はあっ・・・、はあっ・・・。」
残存しているガーゴイル型のアビスは十一体となったが既に体力が限界に達しようとしていた。
リーズシャルテはその中でもチャンスを待った。
それは・・・
「(あいつがアビスに襲われないのはあの笛を持って統制しているから
だろう。・・・ならば!!)」
ベルベット・バルトを倒すという目標の下に作戦を立てていたのだ。
するとベルベット・バルトはリーズシャルテにこう言った。
「-無様だなリーズシャルテ。我々に媚び諂うしかない雌が王女になるなど
笑えるな。」
するとリーズシャルテはこう返した。
「はっ。お前みたいに絶対有利な時でしかモノを言えないような屑な連中が
多かったから帝国は滅びたんだろ。」
そう言うとベルベット・バルトは角笛でアビスを下げらせると大型のブレードを
上段に構えてこう言った。
「いい度胸だな。ならば一騎打ちでどちらが強いかはっきりしようじゃないか?」
「笑えんな。お前みたいな小物にやられるほど私の首は安くないぞ。」
その言葉にリーズシャルテはほくそ笑みながらそう返した。
本来一騎打ちであれば≪ティアマト≫と≪ワイバーン≫では≪ティアマト≫が勝つのは明白であったが現在のリーズシャルテは疲労が激しく飛ぶことも出来ないほどで
あった。
「死ね!!偽りの姫よ!!!」
ベルベット・バルトの大型のブレードにフォース・コアのエネルギーを伝達した瞬間リーズシャルテは持っていた≪セブンスヘッド≫を眼前に投げた。
するとベルベット・バルトはそれを切り捨てて離れた瞬間爆発が両者の間を襲った。
「くそっ!!」
ベルベット・バルトはリーズシャルテを探そうとするとリーズシャルテは大声で
こう言った。
「ここだ!!」
上を向くとリーズシャルテは≪ティアマト≫から≪キメラティック・ワイバーン≫に
纏い直していた。
いかに半壊していても≪ティアマト≫よりかはまだ使えるためベルベット・バルトはリーズシャルテのその行動に虚を突かれていた。
「貰った!!」
完全に奇襲成功と思った次の瞬間ベルベット・バルトはニヤリと笑ってこう言った。
「残念だったな・・・偽りの姫。」
いつの間にかベルベット・バルトは大型のブレードを振っていた。
そしてリーズシャルテの≪キメラティック・ワイバーン≫が破壊されていた。
「ぐあっ・・何が起きて・・・。」
リーズシャルテは呻きながらそう言うとベルベット・バルトは不敵に笑って
こう言った。
「『神速制御(クイック・ドロウ)』ー。嘗ては帝国軍に伝わる3台奥義だ。」
クイック・ドロウとは肉体と精神操作による制御を同時にすることによりほんの
一動作を一瞬で行う絶技である。
無論新王国でも伝わっており一つでも会得するだけで超一級のドラグナイトと
認定されるのだ。
「俺はな、あのクーデターの日から5年間お前らの番犬になるという苦渋を飲んで会得したのさ・・・この日の為にな!!」
ハハハハハハとベルベット・バルトが笑う中リーズシャルテは下唇を噛みながらこう言った。
「下衆が・・・。」
「その下衆にやられるお前は犬以下ってことだよリーズシャルテ。」
そう言ってリーズシャルテの顔を踏みながら角笛を吹いた。
「さてと・・・目的を果たそうじゃないか。」
ベルベット・バルトは王都の方を向いてニヤリと笑いながら言った。
リーズシャルテ(原作)「お前初恋の人っていたのか!!」
ルクス(原作)「この作品の中のぼくはですよ!!」