その後ルクスは集合十分前には校門でクルルシファーを待っていた。
そして十分後、クルルシファーが到着した。
「あら早いのね。結構時間厳守なのね貴方は。」
クルルシファーがそう言うとルクスはクルルシファーにこう返した。
「いやクルルシファーさん、僕もさっき来たばかりなのでお相子ですよ。」
デートにおける代名詞を言うとクルルシファーはそうと言うと共に学園から
一番街区の大通りを歩いた。
一番街区は主に富裕層をターゲットとしており商売区画には高級宿やレストラン、
仕立て屋、修道院、施療院、広い敷地に聳えたつ豪邸と言った場所がある。
それはこの国の諸事情によるものである。
ここクロスフィードは遺跡を調査する際の拠点として機能しておりアカデミーでも
分かるようにドラグナイトになっているのは大半が貴族クラスであり王都に住む人間の別宅として使用されることがあるようだ。
それは帝国時代から変わらない。
ルクスは雑用時代だけでは無く宮廷にいた時にも来たことがなかったので物珍しそうに見ているとクルルシファーがボソッと呟いた。
「面白いわね、元皇子のあなたがそんなに珍しく周りを見るなんて思っても
見なかったわ。」
クルルシファーがそう言うとルクスはこう返した。
「いやーー。こんな所来たことがなかったんですよね。クルルシファーさんは
どうなんです?よく来るでしょうこう言うところ。」
「いいえ・・・私こう言うところ来ないわ。」
「え?こう言う街の雰囲気クルルシファーさんと結構合うと思うんですけど?」
クルルシファーの答えにルクスがそう言った。
見た目から見てもクルルシファー程の人間ならばここで優雅に紅茶を飲んでいるといった所だろうがクルルシファーはそれに視線を前に向けたままこう答えた。
「私ね・・・貴族とかっていう人たちが嫌いだからよ。」
「・・・・は?・・・・」
ルクスが間の抜けた言葉を言うとクルルシファーはそのまま前進して行くのでルクスはそれを追いながらもこう考えていた。
「(ユミル教国の伯爵令嬢でもあるクルルシファーさんが貴族を嫌うなんて何か理由があるのかな?・・・もしかしてそれが今回の政略結婚に対する事なのか?)」
ルクスがそう考えている中クルルシファーが足を止めたのでその場所を見ると美麗な看板と彫り物で作られた飾りが付いた洋服屋であった。
「ここで何するんですかって高そうですね。」
ルクスがそう言うとクルルシファーは少し笑ってこう答えた。
「あら、元皇子のあなたにとっては慣れたところじゃないの?」
そう聞くとルクスは笑いながらこう答えた。
「宮廷での暮らしなんてもう覚えてませんよ。僕が覚えているのは・・・。」
するとルクスは嘗て過ごした九十九家を思い出した。
決して大きな家じゃなかったがそこで過ごした二年間はルクスにとって
かけがえのない場所であったのだ。
家族が揃って食べる食卓
家でテレビを見たり宿題をしていたリビング
嘗ては倉庫だった場所を自分の部屋にしてくれたこと
仕事部屋であると同時にルクスに色々な事を教えてくれた明里の仕事部屋
そして遊馬の部屋であり数々の遺跡の物が飾ってある部屋
学校での授業
クラスメイトとデュエルした放課後
友達になった凌牙との雑談
遊馬と一緒に屋根に上って見た星空
ルクスが本当に望んでいた場所
家族があった場所がそこにあったのだ。
「・・・ス君。ルクス君。」
するとクルルシファーがルクスの顔を覗き込んでいた。
「大丈夫ルクス君。」
「あ、はい大丈夫です。」
ルクスがそう言うとクルルシファーはルクスにこう言った。
「それじゃあ・・・服を買いましょ。」
買い物は高いよ。(特に服が)