「-さっきはゴメンねルクス君、勝手に決闘を申し込んだりして。」
クルルシファーとルクスは学園に帰る途中でルクスにさっきの件について謝罪するとルクスはこう返した。
「ううん。それよりもバルゼリッド卿との決闘となると厄介ですね。あの時は何とか
引き分けに持ち込めたけど≪アジ・ダカーハ≫は神装の名前以外知らないし今回は確実に勝つための対策を考えなければならないしね。」
ルクスが考える中クルルシファーはルクスに皮肉たっぷりでこう言った。
「勝つことは良い事だけどアルテリーゼを殺さないように且つトラウマ
植え付けないでね。貴方そう言うところがあるから。」
それにルクスは苦笑いで言いながらアカデミーに戻るが門限に間に合わなかった事で二人とも掃除当番の罰則を受けるも他の生徒たちから誤解を招いていることとなった。
その夜王城内部においてある会議が執り行われていた。
シャンデリアの下にある円卓の席には七人の男女がおり上座から女王
「ラフィ・アディスマータ」宰相「ナルフ・ファイブリオン」と軍の副指令であり
シャリスの父親である「ディハイベル・バルトシフト」である。
そして残り四人は旧帝国時代からこの国の領地を治め、多大な影響力を持っている
面子である。
血色のいい中年の偉丈夫「ディスト・ラルグリス」、眼窩の窪んだ骸骨のような白髭の老人「ゾグァ・シャルトスト」、眉目の整った壮齢の紳士
「バグライザー・ガシュトフ」、鋼の装飾のついた臙脂のマントを羽織っている長身の男性「ワーグ・クロイツァ―」である。
そして宰相が全員を集めた目的を話した。
「この度お忙しいところ訪れたことに感謝します。それでは今回の事ですが事情が
二つあります。」
「二つだと?」
バグライザーが何事だと聞くとこう続けた。
「今から二月ほど前にヘイブルグ共和国から三国同盟に関しての申し立てについてですが・・・終焉神獣(ラグナレク)についてです。」
するとディストが目を細めてこう言った。
「ラグナレクか。旧帝国時代に多くの国が総出で倒したあの化け物か。」
ラグナレクとは遺跡に一体ずつ存在するボスクラスのアビスでありその力は八年前に旧帝国の領地内の村を幾つも消し、他国の領地を滅ぼし小国を地図から抹消させる程の力を持ってるのだ。
「今から五年前のクーデターの際に他国へ逃れた執政官が旧帝国時代に遺跡をこじ開けてラグナレクを解き放ったという資料を持っておりその際の被害の賠償と責任を追及しておりこれを断れば・・・。」
「我々は世界中から迫害されるでしょう。」
ナルフの言葉にラフィが完結させるとゾグァはラフィにこう聞いた。
「だがラグナレクは七年前に討伐されているのではないのか?」
その言葉にディハイベルが答えた。
「それが一時的に休眠状態になっていただけでありリドネス海沿岸で石化されていたラグナレクが復活の兆しを見せ始めているだそうです。」
そしてバグライザーがこう言った。
「それを我々だけでとなると無理がある!!数の少ないわが軍が保有する
神装機竜持ちの部隊を頂点とするドラグナイトの討伐部隊を作り上げても勝ち目が
あるか分らんぞ!!」
バグライザーが言うのももっともだと思う。
神装機竜持ちはリーズシャルテを含めても何機かある程度で上級のドラグナイトも加えて勝てたとしてもそれで国が守れる人間が不足する事態だけは避けたいのだ。
するとワーグがこう言った。
「それでは我が息子はどうでしょうか?」
「・・・ワーグ卿!?」
ラフィは警戒していた。
クロイツァー家には独自の兵隊を保有しており元々旧帝国時代から乗っ取りを
画策していたんじゃないかと思われるからだ。
「我が息子も一年前から神装機竜≪アジ・ダカーハ≫を保有していますし
それなりの力をトーナメント試合で発揮しています。それに・・・リーズシャルテ様に万が一があってはいけないので任せてくれないでしょうか?」
仰々しく頭を下げて申し出るワーグにラフィは今後のことも考えてこう言った。
「・・・分かりました。」
するとワーグはこうラフィに申し出た。
「しかしこれほどの大役を受ける以上、兵や機竜、軍資金だけではどうかと
思われます。万が一我が息子や神装機竜を失った時のリスクを兼ねてある事を
お約束してほしい。」
「・・・何です。」
そしてワーグは野心を持った目でこう言った。
「我が息子がラグナレク討伐を成功した暁に私をアディスマータ新王国の将軍にしてほしいのです。」
くっくっくっとワーグが笑う中ナルフが咳き込んでこう言った。
「それでは次に・・・世界連合非加盟国についてです。」
その言葉に全員が目を点にした。
非加盟国の国は機竜が存在せず戦力は嘗ての機竜発掘前と同じぐらいだという程度であるのだ。
「その非加盟国に何か動きがあったのですか?」
ディストがそう聞くとラフィがこう答えた。
「ここ最近骸連盟(マーダーズ)と言う裏社会の組織が加盟国のブラックンド王国を中心に各国からある物を使っているそうです。」
「一体何をだ?」
バグライザーが不躾に聞くとラフィはこう答えた。
「・・・ドラグライドです。」
「「「「何!!」」」」
ドラグライドが非加盟国で使用されているという事に驚くと同時に何処から密輸したのかを考える中ラフィは全員にこう言った。
「皆さん何処の国でどうやって盗んだとばかり考えてもう一つの可能性を考えていないでしょうか?」
ラフィの言葉を聞くとディハイベルがこう返した。
「まだ我々が確認していない遺跡ですな。」
「「「あああ!!!」」」
そう遺跡が確認されているのは加盟国だけであり非加盟国にまで調査は
していないのだ。
それを考えた瞬間全員が嫌な顔をする中ラフィはこう言った。
「ここで考えても仕方ありません。もし遺跡が他にあるなら非加盟国にも調査権を
行使できるかどうかを考えなければなりません。・・・我々はまだまだ戦わなければ
ならない相手がいることを忘れてはいけません。」
その言葉の後ラグナレク討伐は数日後にある第六遺跡の調査終了の後
考えることとし、非加盟国については追って知らせがあるまで他言無用で言及した。
遺跡調査・・・何時になるかなーー。