最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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 出会いがあれば別れもある。


別れ。

 何で俺は生きてるんだ?

 何故俺は死んでいないんだ?

 何で俺は・・・ここにいるんだ?

 

 

 

 ・・・イト

 ・・・カイト

 「カイト・・・カイト!!」

 カイトが目を覚ますとルクスが目の前にいた。

 するとカイトはある事を告げた。

 「なあルクス、俺は考えてたんだ。」

 「?・・・何を?」

 「何で俺は生きてるんだってな。」

 「!!それって一体!?」

 ルクスはカイトの問いに疑問を持っていた。

 確かにあの時カイトは月で死んだところを見た。

 そして璃緒もそうだ。

 何故二人が蘇ったのかを。

 「お前がこれ迄の事を話してくれたおかげである答えにたどり着いた。」

 「一体何!!??」

 ルクスはカイトに問うとカイトはこう言った。

 「俺達は・・・もう人間じゃないってことにだ。」

 「・・・え?」

 ルクスはそれが何なのか分からなかった。

 だって彼らが霊体ならこうやって触ることが出来るわけじゃないし、デュエルも

出来ないからだ。

 「ルクス、俺達は・・・。」

 「待って。」

 カイトの言葉に待ったを掛けたのはルクスの隣にいる璃緒だった。

 「私が話すわ。」

 「・・・分かった。」

 カイトは璃緒の目を見て了承すると璃緒はルクスの目の前にまで近寄ると璃緒は

悲しげな表情でこう言った。

 「ルクス君、私達はね・・・Noのエネルギーから生み出された物質を持った

霊体なの。」

 「え・・・?」

 ルクスは璃緒の言葉に一瞬訳が分からなかったのだ。

 「私達が消滅した時や死んだとき、最後に使った時にNoや思い入れのあるカードが

残留思念となって取り込まれていたのよ。」

 「そしておそらくだけどそれがこの遺跡の力で実体化したり別の生命体に乗り移って意識を乗っ取ったりと色々な方法でこの世界に存在してるのよ。」

 「そんなことって・・・。」

 ルクスは取り乱していた。

 そんな非現実な事があるのかと思ったが異世界の力を持ったNoの力なら恐らくはと思ってそれを口にしなかった。

 「カイトはずっと前から目覚めていたけど私が目覚めたのはついさっき、あなたのデュエルを見たからかな。」

 「ずっとあの時、別れた時からこう思っていたの。」

 「(もう一度あなたに会いたい。)」

 「(もう一度あなたと話したい。)」

 「(もう一度あなたと触れ合いたい。)」

 「消滅してもこの思いはずっと残っていたの。そして貴方が戦っているところを見てこう思ったの。」

 「(彼の力になりたい。)」

 「そう思ったらここに来れたの。・・・けどもうだめね。」

 するとカイトと璃緒の体が青白い粒子を放ち始めた。

 「な、何で!何だよこれ!!」

 ルクスが大声を上げると璃緒はルクスに近づいてこう言った。

 「もうお別れの時間ね。ルクス。」

 「そ、そんな・・・やっと逢えたのに・・・やっと・・・。」

 ルクスは別れたくなかった。

 親友や自分が愛した人間がまたいなくなると言う恐怖は嘗て母親を失った時に

味わったからだ。

 「ねえルクス君。あの言葉を言って。・・・最後に言ったあの言葉を。」

 「イヤだよ・・・言ったらいなくなっちゃうって分かってるのに!!・・・

そんな事・・・。」

 ルクスは涙が出そうになりながらもそう言った。

 すると璃緒が両手でルクスの顔に触れるとこう言った。

 「お願いルクス君。・・・これが最後の・・・我儘だから・・・。」

 璃緒の顔を見ると彼女の両目からも涙が溢れそうになった。

 そしてルクスも璃緒の顔に近づくと璃緒にこう言った。

 「・・・大好きだよ。璃緒。」

 そう言うとルクスは璃緒の唇を自身の唇を重ねた。

 「「!!!」」

 クルルシファーとノクトがそれを見て驚いていると璃緒は目を瞑って

そのままでいた。

 するとルクスは璃緒を抱きしめるとこう言い続けた。

 「大好きだよ璃緒。大好きだ。」

 「うん・・・うん・・・。」

 カイトはそれを見届けるとクルルシファーとノクトに向けてこう言った。

 「すまないがルクスに伝えてくれ。・・・『ギャラクシーアイズ』を頼むって。」

 「・・・ええ分かったわ。」

 「YES、必ず伝えます。」

 それを聞くとカイトは只これだけを言った。

 「・・・ありがとう。」

 そしてカイトは粒子となって消えた。

 そして璃緒はルクスに向けてこう言った。

 「私もよルクス君。・・・貴方と一緒にいたかった。」

 その言葉を聞くとルクスは泣きながら本心を語った。

 「逝かないでよ璃緒。・・・逝っちゃヤダよ・・・。」

 「私を愛してくれて・・・ありがとう。」

 すると涙と共に璃緒もまた消えて行った。

 「あ・・・。」

 ルクスは消えた瞬間崩れ落ちるように倒れると手に何かがあったことに気づき

掌を開くとそこにあったのは・・・。

 「あ・・・アア・・・!!」

 嘗て璃緒と買い物していた時に一緒に買った鳥のデザインが入ったネックレスで

あった。

 それはルクスと同じモノであり最後のデュエルの時にも身に着けていたモノで

あった。

 「あああ・・・アアアア・・・。」

 ルクスはもう耐えられなかった。

 親友と愛する人を失い、そしてそのネックレスにある彼女の思いを知り

最早止まりようがなかった。

 「あああ・・・アアアアア・・・・ア”ア“ア“ア“ア“ア“!!!!」

 思いのたけを叫ぶように泣き叫ぶルクスをクルルシファーとノクトは止めようとは

しなかった。

 すると後ろから何か音がしたのでクルルシファーとノクトは後ろを向くと

声が聞こえた。

 「おーい!!クルルシファー、ノクト、ルクス!!ここにいるのか!?」

 「リーシャ様!!」

 リーズシャルテの声がした瞬間天井を破壊してドリルランスを持った≪ティアマト≫を纏ったリーズシャルテとティルファーとシャリスが出てきた。

 「貴方達どうやってここに!!」

 クルルシファーがそう聞くとシャリスがこう答えた。

 「私たちの他にもドラグナイトが迷っていてねその時に≪ドレイク≫を使用して君達を探したのさ。」

 そう言うとティルファーがこう聞いた。

 「そう言えばルくっちは?一緒じゃないの?」

 するとクルルシファーとノクトは少し暗くなった表情になった。

 え、何と思っているとリーズシャルテがルクスを見たので呼ぼうとした。

 「おお、いたぞ。おーいルく・・」

 するとクルルシファーがリーズシャルテの前に手を伸ばすとこう言った。

 「今はそっとしてやってくれないかしら。」

 三人はよく見るとルクスが何か泣いているような感じがした。

 そしてルクスは未だ泣いていた。

 もう届かない願いを・・・共に戦った親友を・・・愛した女性とのかけがえのない日々を思い出しながら・・・自分自身に後悔しながら泣いていた。

 「うあああ・・・アアア・・・アアアアアアア!!」

 慟哭は天に届くように響、そして開けられた穴から出てくる僅かな光はそんな彼らを天に召すかのように輝いていた。

 

  

 

 「・・・逝ってしまわれましたか。カイト様。」

 ある部屋の一つで少女の声がした。

 それはまるでカイトの死を察知したかのように・・・。

 悲しい顔でそう言った。




 それでも前に進まなければならない。
 前に・・・ただひたすらに。
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