最弱無敗の決闘機竜   作:caose

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 それは自分の運命を決める戦い。


決闘開始!!

 夜、クルルシファーは決闘場所として指定された城塞都市三番街区の外れにある

教会跡地に来ていた。

 ここは二年前に大規模なアビスとの戦いにより荒れ地となったのだ。

 バルゼリットとアルテリーゼは人払いを済ませてそこにいた。

 「時間通りよく来てくれたな。我が未来の妻よ・・・・ルクスはどうした?」

 バルゼリットはクルルシファーを見た後ルクスが来ていないことに疑問を抱いた。

 「彼は遺跡でちょっと戦いがあってベッドに安静しているわ。」

 するとクルルシファーがソード・デバイスを持ってこう言った。

 「これ以上彼に茶番を付き合わせたくないから早くしましょ。」

 それを聞いてバルゼリットが笑みを浮かべると高らかに宣言と説明をした。

 「今これより、決闘開始とする!決着は纏った機竜が解除されるか決闘相手が

戦闘不能になるかこの跡地から逃亡するかで勝敗を決するがそれ以外は王都のトーナメント試合ルールに則るが異論は無いか。我が未来の・・・。」

 「さっさと始めるわよ。」

 そう言うとクルルシファーとバルゼリットは≪ファフニール≫と≪アジ・ダカーハ≫を纏い、アルテリーゼは詠唱府を唱えた。

 「-来たれ、不死なる象徴の竜。連鎖する大地の牙と化せ。

≪エクス・ワイアーム≫!」

 現われたのは強化型のワイアームであった。

 「流石エインフォルク家だ。執事のドラグナイトもエクスクラスとは

クルルシファーとの婚約が楽しみでならないな。」

 するとクルルシファーは冷ややかな声でこう言った。

 「いい加減にその芝居がかった台詞やめたら。私こう見えて相手の本心が

分かるから。」

 「ほう・・・?」

 それぞれが自分の武器を構えるとアルテリーゼが合図を鳴らした。

 「決闘、開始!!」

 その瞬間≪ファフニール≫を飛翔させたクルルシファーはダガーナイフをバルゼリット目掛けて投擲すると同時に特殊武装≪フリージング・カノン≫を構えた。

 するとダガーナイフを障壁で防いだ≪アジ・ダカーハ≫目掛けて射撃した。

 然しそれを察知したバルゼリットはハルバードで瓦礫を飛ばしてこう言った。

 「中々手際が良いが面白みに欠けるな。」

 するとそれが着弾して瓦礫が凍っていった。

 「よそ見は厳禁ですよ。お嬢様。」

 「ちっ!」

 アルテリーゼの≪エクス・ワイアーム≫が中空にいる≪ファフニール≫目掛けて

跳躍して双剣を振りかざした瞬間クルルシファーがこう言った。

 「甘いわね。」

 それを≪オート・シェル≫で塞いだが今度はバルゼリットが横からこう言った。

 「これならどうかな?」

 ≪アジ・ダカーハ≫の特殊武装≪デビルズグロウ≫がクルルシファーに向けて

火を噴いた。

 然しそれをクルルシファーは神装≪ワイズ・ブラッド≫で見切って躱した瞬間

アルテリーゼを置き去りにしてバルゼリットに強襲した。

 「ほう、俺に接近戦で挑むか?クルルシファー。」

 バルゼリットはハルバードを構えて受けて立とうとした。

 然し彼女はそれをするりと躱して・・・右肩に攻撃した。

 「何!!」

 クルルシファーは初めからキャノンと出来ればフォース・コアを砕こうとしたのだ。

 それを知りバルゼリットはにやっと笑ってこう言った。

 「見事だなクルルシファーよ。少々難があったが俺の右肩を砕いたその腕に

免じて・・・本気で相手をしよう。」

 「そんなことする余裕も与えないわ。」

 そしてクルルシファーはブレードを出してフォース・コアを砕こうとした。

 アルテリーゼが来るのにかかる時間は三秒足らずだがそれだけあれば十分と

クルルシファーは考えたのだ。

 そしてクルルシファーのブレードがフォース・コアを砕こうとした瞬間・・・

≪ワイズ・ブラッド≫と未来予知の軌跡が消えた。

 「な!」

 すると≪アジ・ダカーハ≫の左肩のキャノンが0距離で発射しようとした瞬間

≪オート・シェル≫がクルルシファーの前で展開されてそれを防ぐも爆炎と衝撃で

≪ファフニール≫が吹き飛ばされそうになった瞬間バルゼリットがこう言った。

 「俺の実力を舐めないでもらおうか。」

 すると≪アジ・ダカーハ≫が横に突如現れた瞬間ハルバードで胴体に命中した。

 「がは・・・。」

 そのまま≪ファフニール≫ごと瓦礫の山にぶつかった。

 「がは・・・何故・・・≪ワイズ・ブラッド≫が・・・?」

 するとある事が浮かんできた。

 これは確かあの時の遺跡のときにもあったのだ。

 ≪アジ・ダカーハ≫が近くに来た後に同じ現象が起きたことを。

 「まさか・・・≪アジ・ダカーハ≫の・・・神装って・・・。」

 「おおっといけないいかない。俺の子供を孕ますのに大切な所を

叩いてしまったな。」

 バルゼリットの言葉には上辺だけしか聞こえてこなかったがクルルシファーは全てを繋ぎ合わせた結果答えが導かれた。

 「成程・・・これが貴方の筋書ね。」

 するとバルゼリットがこう聞いた。

 「ん?何のことだ?」

 そしてクルルシファーはこう返した。

 「とぼけないで欲しいわね。貴方の機竜の神装は相手の神装を盗むこと。

その為にあの時、富裕層の居住区で出会った貴方の私兵でしょうね。私とルクス君の

機竜の情報を手に入れようとしたんでしょう?」

 「・・・流石だなエインフォルク家・・・いや・・・遺跡の『鍵』よ。」

 それと同時に体を破壊せず機竜にダメージがいくような力加減で≪ファフニール≫の殴った。

 「がは・・・。」

 「その通りだよクルルシファー。俺が仕組んだのさ。お前の情報を買ってあの執事に婚約を持ち掛け、盗賊どもを嗾け、ディアボロスを呼ばせたのは俺だ。」

 クルルシファーに囁くような声で真実を話したバルゼリットはこう続けた。

 「だが真実などどうとでもなる。『道具』にしか過ぎないお前の言葉を

誰が信じる?」

 クルルシファーは歯噛みしながらこう思っていた。

 『道具』--遺跡の鍵として利用される自分そのものだ。

 クルルシファーはエインフォルク家の血が繋がっていないのだ。

 彼女は・・・遺跡のボックスで見つかったのだ。

 自分が養子である事は小さい時から分かっていたが認めてもらおうと彼女は

努力に努力を重ね神装機竜を拝命されるまでに至ったが結局は家族のだれもが

こう言ったのだ。

 「自分達と違う」・・・と

 彼女は自分がエインフォルク家の子供だという証明が欲しかった。

 だから遺跡調査に参加したのだ。

 自分と同じ人間に会えると信じて・・・。

 「クルルシファー。お前は遺跡の技術と財宝、そしてこの国を手に入れるのに欠かせない道具だ。おとなしく俺に従えば可愛がってやるから言え。

『あなたに忠誠を誓います』とな。」

 機竜の指先でクルルシファーの腹を撫でようとした瞬間クルルシファーの頭の中で

ある事を思い出し・・・右腕にブレードを突き刺した。

 「何!?・・・貴様ぐお!!」

 バルゼリットがクルルシファーに何か言おうとした瞬間今度は腹に拳で殴った。

 突然の事でバルゼリット自身が体制を崩しかけるとクルルシファーはこう言った。

 「『道具』・・・えー分かっているわ。この世界には私しかいないかもしれないってことも・・・それが何?」

 「・・・ナニ・・・?」

 「まだ他の遺跡があるしユミル教国の遺跡にまだいるかもしれない。

私は信じているわ。可能性を信じてる。」

 するとバルゼリットが立ち上がって大声でこう言った。

 「阿保らしいな!そんな理想ごときでまだ戦うなど何処迄俺を失望させる気だ

クルルシファー!!」

 するとクルルシファーはバルゼリットにこう返した。

 「ルクス君が遺跡でこう言っていたのよ。『どれだけ倒れようとも立ち上がって立ち向かう。』・・・私も立ち上がるわ!!どれだけ意地汚くても足掻いてやるわよ!!」

 そしてクルルシファーはこう言った。

 「『かっとビングだ!!』ってね!!」

 然しバルゼリットはクククと笑いながらこう言った。

 「ならば足掻いて思い知らせてやるわ!!『道具』如きが粋がるなと・・・・!!」

 するとクルルシファーとバルゼリットの間に青い光を放つブレードが突き刺さった。

 空を見るとそこにいたのは・・・青だった。

 星のようにきらめく白い体

 その周りに青いミスリルダイトが爛々と輝いていた。

 片手にある赤いブレードと相まってまるで芸術のように感じられた。

 するとその機竜から声が聞こえた。

 「すいませーん。決闘場所ってここですか?」

 クルルシファーはその声の主を知っており驚いてこう言った。

 「な、・・・何で?」

 そしてその人間はこう宣言した。

 「決闘相手の一人ルクス・アーカディアこれより介入いたします。」

 今銀河竜が新たな姿で新たな主人と共にこの世界に現われた。




 次回、ルクスの新たな機竜についてです。
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