IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き 作:クレイモア地雷
セシリア戦最終話。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
とあるプロレスラーにつけられたその異名は、今現在彼女に最も当てはまっている言葉だった。
彼女は左手にインターセプター、右手にスターブレイカーmkⅢを持ち、雪村悠一という圧倒的な壁に当たってゆく。
しかし雪村もさる者、彼は≪炎翼≫と片刃の大剣「
現在、試合開始から30分、彼女のIS「ブルーティアーズ」の損壊レベルはCにまで達していた。
剣がはじかれ体制を崩すセシリア。そこに雪村の強烈な一撃がかまされるところを彼女は転がって避け、追撃のレーザーを彼の腹部にねじ込む、しかし横から飛び出してきた≪炎翼≫に全てが掻き消える。その時彼女は既に離脱を終えていた。
そして
————つまり、だ。
意味不明とは言え莫大なエネルギーの集まり≪炎翼≫。それらを
もちろん、普通のISでは耐えきれるはずもなく、普通の人間なら加速時のGで粉々になってしまうだろうだろう。
しかしそれが全てのISの生みの親であり、世界が生み出した希代の
それにセシリアが気づけたのはただの運だけだったのだろうか。
普通のISの数倍の速度の
彼女は吹っ飛ばされた体制のまま、再び
それを見た彼は、飛ぶ彼女のルートを軸として周りを
とても微細な調整をしつつ自身は何十倍にも加算されたGに対応するマルチタスク。
それはまさに人間には到底なしえない神技だった。
セシリアが第一アリーナの床に転がる。
これは十分に響いただろう。雪村はそう確信する。≪炎翼≫を再び出現させて、一撃で葬り去るように。
しかし彼女はまだ立ち上がる。インターセプターを構え、満身創痍の体で。貴族の務めなどでは断じてなく、自分の意志でここに立っているのだと。
―――――思い返せばやはり「超能力者」としての慢心があったのかもしれない。
彼女は最後の
≪炎翼≫に掠り、体制を崩され、彼女は不時着する。それを雪村は仕留めようと「靫葉」を携え、その首に振り下ろそうとして、彼は彼女の表情に気づいた。
(確かに彼女は敗北を覚悟した眼をしている。だけどまだ何か残っているような・・・?)
しかし勢いのついた「靫葉」は止まらない。それは、彼女の細首に、吸い込まれるようにして、
―――――「
対価として砕け散るスターブレイカーmkⅢと僅かに目を見開く雪村。それに相反するように口の端を曲げるセシリア。
そして彼女の口から最後の最後に本当に、本当に少しだけ慢心した愚かな「超能力者」に罰として彼女は鉄槌を下した。
「おあいにく様、ブルー・ティアーズは六基あってよ!」
ミサイル型のビットがスカート状の装甲から射出される。
しかし雪村も人類の数歩先を歩くものとしての意地を見せる。≪炎翼≫でミサイルを無理矢理からめとり、彼の後ろにぶん投げ、
―――――セシリア本人の対処が僅かばかり遅れた。
彼女が≪炎翼≫を割って突撃する。インターセプターが彼の装甲を叩き、当の昔に限界を超えていたそれがバラバラに砕け散り、そして、彼女のシールドエネルギーが0になった。
―――――試合終了。勝者雪村悠一。
現在10時40分。試合時間40分ジャスト。
雪村悠一は織斑一夏との約束を完全に守りきり、しかし彼は呆然とした表情で、気絶したセシリア・オルコットを抱きかかえていた。
雪村「はい雑ー魚ー!」
セシリア「ザクー」
雪村「 」
m9(^Д^)プギャーーー
途中で雪村が見せた彼女を軸にして回転がどうのこうのってやつ、分からなかった方はブルーインパルスのコークスクリューをご参照ください。