IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き 作:クレイモア地雷
数十か月、世界の何処かにて
————ま、ISを希望の宇宙服とみるか、バットかグローブのように競技の道具としてみるか、はたまた戦場の殺戮兵器としてみるかは人それぞれだけどさ、あいつらは、自分が人を殺せる力を持っているってことが、人を殺すってことを本当にわかってんのかな?
帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。帰りたい。
それは、その日の夜の出来事だった。俺は≪炎翼≫のことで頭がいっぱいになりながら帰巣本能のみで部屋に向かって歩いていた。≪炎翼≫が消失した理由や、誰かに拾われた可能性、そして「≪炎翼≫自体が自我をもった可能性について」だ。
≪炎翼≫自体に意識も自我もない。こちらから「超能力」という形でアプローチをかけなければの話だろうが。もし何らかの偶発的要因で発生したとしてもそれは限りなく浅薄なものになるだろう。あっちへ行きたいや、何かを食べたいや、あるいは「帰りたい」…だろうか。もしかしたら「一つになりたい」も浮かんでくるかもしれない。
そんなことを考えていたからだろうか。部屋まであと少しの廊下を曲がった時に疾走してくる
彼女の意図しない頭突きはものの見事に俺の鳩尾に入り込み、動いているものは止めづらい、という慣性の法則に従って俺は後ろに跳ね飛ばされた。
そして壁に頭をぶち当て、脳震盪が発生した俺が最後に目にしたものは二振りにまとめられた所謂ツインテール。廊下を走ってはいけません。こんなシチュエーションな女の子との出会いはやってみたかったけどこうじゃない。様々な言葉が最期の俺の頭をよぎり、しかし発声することは出来ず、俺の意識は闇に沈んでいった。
「や、やっば…」
一夏がある約束を思い出してくれるどころか勘違いしていた。私の最大の想いを込めた約束だったのに。耐え切れず一夏をひっぱたいて出てきてしまった。もう頭の中がぐちゃぐちゃになって泣きながら廊下を走った。一刻も早く自分の部屋に戻りたかった。しかし廊下を曲がった時に何かに激突してしまった。
「痛いわね!どこ見て歩いているのよ!」
と、完全にあてつけな逆ギレを起こし、八つ当たりを仕掛けた途端、相手がヤバい事に気が付いた。雪村悠一。二人目の男性IS操縦者。それが白目を向いて、ピクピク痙攣しながら口から泡を吹いていた。完全に自分が轢いてしまった事故。そう、これは事故だった。悠一は何故か自ら後ろに飛び込み、壁に頭を強打して死んだ。いや、死んではないかもしれないけどもそういうことだ。頭から血を流しているけどこれは絵具だ。壁が凹み穴が開き亀裂が走って血がついているのはそういう壁紙だ。
そう結論付け逃げようとする。例え意図せず事故を起こしても逃げたらそれはひき逃げだ、ということは知っているのだろうか。
「あーあー、私はなんも見てませーん」
「そう、おねーさんはちゃんと一部始終見てたわよ」
「おっ、おねーさんはちゃんと見てても私は…」
そこでようやく気が付いた。自分は誰と喋っている?
「あっあっ、なんか用事ができる気がするんで帰りまーす」
「逃がすわけないでしょ?」
「あっ、やだ、織斑先生!」
うえぇ!?と水色の髪のおねーさんとやらが後ろを見た瞬間に逃げる。ちなみにこの瞬間雪村の傷口を思いっきり踏みつけ、致命傷を与えた事に鈴は気づいていなかった。しかしそれで鈴はすっころぶ。具体的には湖となっている血に足を滑らして。
「痛ったいわね何よこれ…血ぃ!?」
「これは悠一くんの仕返しか呪いかはたまた因果応報というべきか…とにかく捕まえたわよ中国代表候補生、凰鈴音さん」
完全に捕まった鈴は、涙目でうなづくしかなかった。
「完全に俺は致命傷を負った。俺には織斑姉に訴える権利があるはずだ」
頭に包帯を巻き巻き、雪村は不貞腐れながらそう答えた。死んだと思った雪村はところがどっこい生きていた。≪炎翼≫とゴキブリ並みの生命力のおかげで。
こりゃ完全に作る必要が出てきた。「再始動」の点を。
「再始動」とは最近区分けした「超能力」のうちの一つである。リスクは高いがなかなか強いものである。「再始動」点を作ることによってそこにバックアップを置き、肉体が損傷した時に作り直すものである。肉体が完全に消滅した場合は作り直すのに二週間はかかるが。さらに最大二つしか点を置けない、ということや、一度使うと「再始動」の効果が切れることや、「再始動」点そのものが破損すると効果も切れる点、あと疲れるだとか様々な制約がある。めんどくさいかつピーキーなのでほおっておいたのだが本格的に稼働する必要があるやもしれん。
嗚呼、めんどくさい。実に、めんどくさい。
「で、言い訳を聞こうか」
「いや、あの…い、一夏が私との約束を覚えていてくれなかったのよ!」
「ほうほう、一夏が約束を覚えていなかったら廊下で俺に突撃してもいいと。ほーう」
「茶化さないの、悠一くん。で、なんて約束をしたの?おねーさんにはなしてみなさい」
「いや、あの、その…」
鈴は顔を真っ赤にして俯く。頭から煙が上がった。
「ハイハイ、こんなんでオーバーヒートしてんじゃないよ、どうせ告白したけどヘンな約束にすり替わってたーとかそんなもんでしょ。で、具体的になんて言ったのさ」
「す…」
「「す?」」
「酢豚を毎日食べてくれる?って…」
「……?あー、あのアホはただ飯食わしてくれると勘違いしたのか」
「そうよ!!あの一夏ったらぁぁぁぁ!!」
「ハイ、近所迷惑。で、それはいつ言ったのさ」
「えっと…離婚して中国に帰る時だから、中学二年生?」
「…あのさ、織斑も織斑だけど若干お前も悪い。確かに改変して伝えたのはいいけど相手はあの織斑だぞ。普通気づくわけねえだろ。というか今の俺でも気づくのが遅れた。あの織斑なんだからもっとどストライクに行かないと無料ゲーだ。」
「じゃあ…じゃあどうしろっていうのよ…」
簡単な話だ、と雪村は前置きし、
「襲えよ」
と、ド単純かつあまりにも短絡的な方法を提示してきた。
「なっっ…襲う?」
「そうだ。変化球が効かないなら直接好きっつってもおう俺も親友として好きだとかいって返されるに決まってる。だったもう襲え。織斑姉の目をかいくぐって既成事実を作ってしまえばもう逃げられん。あの性格だ。最後まで責任はとるだろう。今こそIS学園が出来て史上初、購買のコンドームが始めて買われ、使われるる時なのだ!」
「えっっ!購買にコンドームなんて売ってんの!?」
「ああ、誰にも気づかれんようこっそりとな」
「えっ悠一くん、私も始めて知ったわよ?」
「なんだ、生徒会長のくせに知らなかったのか」
「一夏と…セッ、セッ、セッ」
「ちょ、ちょっと見てくる!!」
と更識は駆け出した。
「え、本当に売ってるの?」
「馬鹿か、ここは99%女子校だぞ。そうじゃなくとも普通の高校だろうがIS学園だろうが女子校だろうが万が一にも高校の購買に売っているわけないだろう」
「は…?」
そしてこれは確認だ、と雪村は何故か自慢げにいった。
「こんなサルでも分かる嘘に騙されてあまつさえ顔を真っ赤にして全力疾走していったアイツは…
廊下をこちらに駆け抜けてくる音が聞こえる。雪村は急いで鍵を閉め、チェーンをかけた。
…まだ生娘だ」
「だましたわねぇぇぇぇ!!!」
「はっ!騙される方が悪い!この処女が、年齢=彼氏いない歴が!バーカバーカ」
「馬鹿って言ったわねぇ!馬鹿って言った方が悪いのよこの馬鹿ぁぁぁぁ!!」
凄まじい飛び蹴りが扉に襲い掛かる。扉は簡単に突破されその爪先は見事に雪村の顎を捉えた。雪村はこれが既視感というものか…と嘆きつつ、今夜二回目の闇に消えていく。
「悪は滅びた…」
「ほう、いろいろな所からクレームが届いている貴様こそが悪だとは思わんか?更識」
「…あ」
更識家17当主、更識楯無及び中国代表候補生、凰鈴音はこの夜、全治二週間の致命傷をその頭に負い、保健室に入院した。
最近嬉しいことがなんもない…