IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き 作:クレイモア地雷
戦闘が、始まった。
管制塔で見守る人物の反応は三者三様だった。
セシリア・オルコットは恐怖する。あんな化け物がこの世に存在していいのかと。
織斑千冬は悔やむ。本来ならば守らなければいけない相手に戦わせてしまっていることを。
更識楯無は呆れる。どこからこんな力が出ているのかを。
無人機が「気象」によって発現させた竜巻は、第二アリーナを暴風の渦に叩き込んでいた。そのせいでカメラはほぼ全損。雪村によって超強化された遮断シールドがなければ客席など跡形もなく消し飛んでいただろう。その暴風の中、雪村は何もないかのように佇んでいた。いや、雪村の周りだけ本当に何も発生していないのだ。雪村は「防衛」を発動させ、自身の周りのみ、完全に風を防いでいる。
「ほらほら、そんなもんか?」
一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つになりたい一つにな————————
「うるせえな!」
雪村が「相殺」を使い竜巻を消し飛ばす、と同時に「合流」で後ろに周りこみ靫葉を振り回す。しかしそこに無人機はいない。「模倣」を使いさらに後ろに周りこんでいた。雪村は体制を崩している。その無防備な腹に鋭い≪炎翼≫が叩き込まれ—————
「「虚像」だよマヌケ!」
靫葉が今度こそ愚頓な頭を分断した。今相手は視覚という有力な手を失っている。しかし雪村は油断をしていない。
「ま、だよなぁ」
「確保」を使い足から生えたレンズがこちらをぎょろりと見つめる。足の形が変形して槍のようになる、と同時にその槍が射出された。直撃を食らった雪村は大きく体制を崩す。好機と見たか、無人機は腕も槍に変化させて倒れた雪村に追撃してゆく。雪村は動かなくなった。
「そこでちゃんととどめを刺さないからこうなる」
―――――――――過去30秒に起こった「俺が攻撃され、倒れ伏した
次の瞬間、強烈なボレーキックが無人機の腹部を打ち据える。「変更」された
「今回は出血大サービスだ。原子一かけら残れると思うな!」
そのまま雪村は靫葉を召喚、大きく振りかぶると無人機の腹目掛け、一直線に突き出した。狙い通り腹をうがった靫葉はその勢いのままアリーナの壁に突き刺さり、無人機を完全に固定した。
――――――――「靫」という漢字には「うつぼ」という読み方がある。それは本来筒のカタチをしていて、中に矢を入れて持ち運ぶものだ。それを雪村は武器を入れて持ち運ぶという解釈に捉えた。つまり何が言いたいかというと、
雪村は、大剣という靫から、一筋の槍を取り出した。
――――――――魔槍・黄昏
雪村は助走をつけるため、一度下がる。雪村の「必殺技」は相手を文字通り原子の塵に帰し、ついでに半径500kmも塵に帰してしまうはた迷惑なものだ。そこで雪村は、何らかの触媒を使用し、規定量のみを放つ事で、塵に帰す範囲を縮められるのではないかと。結果として範囲
黄昏が≪炎翼≫に接続され、灰から眩いばかりの緋に染まってゆく。
雪村は、再び超速の世界に突入し、その方向を「変更」し、高く飛び上がる。
それは原初の光。毎日繰り返される永劫の時の中でなお、人類を惹きつける神秘的な夜明け。
「
――――――――極光・白緋!
その輝は遠く離れた宇宙からも観測された。無人機に突き刺さった黄昏は原子の塵に帰すエネルギーを直接注入し、過剰分が光エネルギーとなって放出される。今回満身創痍の無人機を消すのに必要だったエネルギーはごくわずか。残りが全て光となって放出され、眩いばかりの爆発を発生させたのだ。
戦闘が終わったアリーナで、一人雪村は寝っ転がる。
「…逃がした」
あーあ、やってられるかってんだ。確かに俺は見た。≪炎翼≫の欠片が無人機から逃亡するのを。こんだけ力を見せてこんなオチとかありかよ。もうやってらんない俺は寝る。
――――――――≪炎翼≫は、俺を取り込んで何がしたかったんだろう。
答えは当然出るわけもなく、雪村の意識は微睡へと吸い込まれていった。
いまっさらなんですが暫く更新できません
サーセン