IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き   作:クレイモア地雷

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————————待たせたな!(誰も待ってない)










ルパパトの最終話で大泣きしました


Ver.24 起床と遠雷/ごたごたの始まり

———————やぁ、こうして逢うのは初めてになるのかな?

 

 

——————…えっと、どちらさま?つか、ここどこさ。全く見当つかないんだけど

 

 

——————別に俺が誰だろうが君が誰だろうがどうでもいい。些末な問題だ。それよりも君、どうだい?こちらの世界に来て何か変わったかな?

 

 

——————…特に何も。

 

 

——————噓はつかないほうがいいね。過去の意思は噓では欺けない。君は確かに元の世界に戻りたいのだろう。君と君の妹の心はいつも一緒だ。しかし、最近ほんの少し、ほんの少しだけ考え始めているんじゃない?この世界もいいもんだってさ。

 

 

 

——————……で?確かに俺は少しだけだけど最近思い始めている。ここもいいもんだってな。だけどよ、やっぱり俺は妹のところに帰りたい。なぁ、家族と一緒にいたいって感情は持っちゃダメなのか?

 

 

——————…いや、そんなことはかけらも言っていないだろう?分かっているさ、君が本当に、本当に元の世界に帰りたがっている事も、逆説的に言えばほんのかけらしかこの世界に未練がなく、すぐに切り捨てられる範疇だと言う事も。

 

 

——————じゃあ、何でまた俺をこんなところに呼び寄せたんだよ。

 

 

——————これは先達からの忠告だ

 

 

——————忠告ぅ?

 

 

——————そう、君を見てるとなんか俺の跡をたどりそうで怖くてね。君は強大な力を持ち、くらーい過去を持ち、そして守るべき物を持っている。言うなればヒーローといったところか。たった一つの大切な物を守るために世界を敵に回せる系の。

 

 

——————お褒め頂きありがとう。それが?

 

 

——————うん。君はその大切な物を守る為に多くの物を切り捨てるだろう。そして世界に敵が一つもいなくなった時に、大切な物にやっと手が届いた時に、切り捨てて来たものから足をすくわれるんだ。そうして君の手にはなーんも残らない。残ったのは君とその余りある強大な力だけだよ。

 

 

 

——————そうか、それは困るな。

 

 

 

——————ああ、相当困るだろうさ。

 

 

 

——————どうせ、答えは自分で探せとかいうのだろう?お前が誰だかわからんがお前の性格は大体わかった。

 

 

 

——————察しがいいじゃあないか。おや、そろそろ時間だ。ま、残念だけどお別れだ。全部このことは忘れちゃうだろうから、まあせいぜいこれから頑張るんだね~

 

 

 

——————おいなんだその適当な〆は

 

 

 

——————ああ…そうだ、一つ言い忘れていた。

 

 

 

——————なんだい?

 

 

 

——————転校生2人と織斑一夏、この三人に気を付けたまえ。

 

 

 

——————転校生2人と織斑ぁ?あの三人がどうしたのさ。。

 

 

 

——————いやね、彼らの、うーん、歪みというものだろうか、それが君に新たな心労を引き起こさせるよ。

 

 

 

——————そうか

…面倒ごとは大っ嫌いだ。

 

 

 

——————まあ精々頑張り給え、雪村悠一。応援しているよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと、目が覚めた。数日間篠ノ之との訓練に付き合い、彼女の身体を壊れない程度にボロボロにして来た雪村だったが、流石に疲労がたまりすぎるのは良くないと思い、IS学園の休日に合わせて土日は休みとしていた。

 

 

夢の内容はあまり覚えていなかった。どっかで見たような顔と対面していたような気もするが…と反芻している間にもスルスル記憶は抜けていく。

 

 

本日は休日、土曜日、Suturdayである。低血圧気味の彼は上半身を起こしてボーっと虚空を見つめている。隣の楯無は既にいなくなっていて、枕もとのデジタル時計は午前九時を表示していた。

 

 

のそりと起き上がり、冷蔵庫から2Lの天然水を取り出す。コップに移し替え飲んでいるとだんだん頭が冴えてきた。

 

 

ふと、通信が入る。発信者は…メタボリックシンドローム?誰だっけ。

 

 

「…はい、どちら様?」

 

 

「表示!いい加減失礼だよゆーくん!!温厚な束さんもそろそろ怒るぞー!!!」

 

 

ああそうか、表示を変えたのを完全に忘れていた。

 

 

「ああはいはい、運がよかったらいつか変えるよ。で?」

 

 

んもう、とため息をつき、

 

 

「やっぱりそうだねぇ、ゆーくんの言う通りさ!」

 

 

「じゃあ…」

 

 

「うん」

 

 

女。これが何を意味するのかはもはや明確だろう。

 

 

シャルロット・デュノアねえ。世も末だ。

 

 

 

 

 

 

「いやーフランス政府もまさかこんな手を打ってくるなんてねぇ!束さんもびっくりだよ。どうしてこんなのがばれないと思ったんだろうね?束さんは今この情報を全世界に公開したくなる衝動に駆られているよ!」

 

 

「やめなさいよめんどくさい、まあ100%俺か織斑の情報だろうなあ、めんどくさい、ああ、めんどくさい。俺はこの状況から一刻も早く逃げ出したい衝動に駆られているよ」

 

 

「もう、そんなこと言わずにさあ、じゃあ、情報面は束さんがばっちし守るからさ、ゆーくんはいっくんの護衛ね、まあないだろうけど暗殺とかの指示があるかもしれないからね」

 

 

「はいはい分かった分かった、頼むから面倒ごとは引き受けないでくれよ、まったくもう…」

 

 

通信を切り、ため息をついた雪村は遅めの朝食でも摂ろうかと、足を食堂に向けた。

 

 

 

 

 

 

「遅いよ、まったくもって遅い遅い」

 

 

「くそっ!何で当たらねえ!!」

 

 

「一夏さん、援護を…きゃあ!」

 

 

「バレバレだよ、オルコット、ハイパーセンサーを忘れるな」

 

 

(一夏!私がすぐ真後ろに付く!お前は突っ込め!)

 

 

「分かった!」

 

 

雪村は、コッソリ後ろに迫っていた鳳をショートブレード「葵」で叩き落しつつ、アサルトライフル「ヴェント」で体制を崩しつつあるセシリアに弾をくれてやる。それと同時に瞬時加速(イグニッションブースト)で上方に回避、突っ込んで来ていた二人に後ろから切り裂いた。

それと同時に設定していた5分をタイマーが知らせる。何とか時間内にシールドエネルギーを削りきれた。

 

 

 

その日の午後、織斑に、特別に!と訓練を頼まれた雪村は、くっついてきた代表候補生の二人と織斑、篠ノ之と対峙し、戦闘訓練を行っていた。対価は何かをおごる、という至極大雑把なものだったが雪村はそれでも了解していた。どうやら雪村は今夜、学食で一番高いA5黒毛和牛ステーキをおごってもらうようである。こいつ、鬼か。

 

 

「もう!全然当たんないじゃないの!」

 

 

「当たり前だ、だれが好き好んで当たりに行くんだ」

 

 

「さ、最後どうやって見ていましたの…全く見えませんでしたわ」

 

 

「ハイパーセンサーの応用、やればできる…じゃなくてお前はやれなきゃ駄目だろスナイパー」

 

 

そしてだ、と雪村は振り返り、

 

 

「まず篠ノ之」

 

 

呼ばれた篠ノ之はビクッと体を震わせつつ、

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

「いや、別に叱ろうって訳じゃない。お前は最近視点が広くなり始めている。昔のお前ならまず間違えなく後先考えずに突撃していただろうしな。その点今日は周囲に気を配れていた。まあ、始めてすぐだしな、コンビネーションは後からでもいいだろうよ」

 

 

「そ、そうか…それは良かった」

 

 

「次に織斑、お前だ。正直言ってこの中で一番弱い。無論他が代表候補生で専用機持ちだということもあるだろうがそれにしてもだ。お前のカッツカツ機体でどこまでできるかはお前次第なんだ。あせれよ、置いていかれるぞ。」

 

 

「おう、分かった!」

 

 

「次にお前ら二人だ。オルコット、お前は第一に並行思考の運用と近接戦闘だ。一番最初の俺との戦闘で剣だして突っ込んできただろう、それはどうした?」

 

 

「それは…その、あれ以来イメージが思い浮かばなくて…」

 

 

「そうか、まあそれはそれだ。それよりも並行思考処理が一番重要だ。援護がなくなれば前衛は崩れる。崩れたら結局はお前しかいなくなるんだからな」

 

 

雪村は振り向き、続ける。

 

 

「最後に凰、お前。ささいな事で一々逆上するな。そんくらい」

 

 

「…わかってるわよ、そのくらい」

 

 

「…まあいいや。よし、以上。かいさーん」

 

 

呑気に解散宣言を放った雪村の声にみんなはそれぞれの練習に戻ってゆく。今日は休憩の予定だったが篠ノ之に余裕があるのなら個人練習を再開しようかな、と考えていた雪村に一人の人物が現れた。

 

 

シャルル・デュノア。フランスの代表候補生。フランス大手IS製造メーカーデュノア社の御曹司にて三人目の代表候補生。

 

 

実は雪村自体はISに乗れてはいない。≪炎翼≫をISに無理やり接続し、ISを誤認させて乗っている状態だ。

その雪村を除くと人類唯一の例外だったはずの織斑一夏。それを覆すかの如く現れたシャルル・デュノア。

 

 

しかしながら、こいつも例外ではなかった、というわけである。さすがに人類最強の(ゴリラ)、わが師織斑千冬やドジっ子ヤンデレ虚数きょぬーのヤマヤ、その他何やってるかようわからん上層部が見逃すわけもないだろうから何らかの意図が合ってスパイという建前でこの学園に放り込まれたのだろうか。

 

 

「やあ、初めまして。僕の名前はシャルル・デュノア。この前、授業の時にあいさつできなくてごめんね。君は雪村悠一だよね。よろしく!」

 

 

ふむ、Hello,my mame is Charles Dunois, and Are you a Yukimura Yuichi! nice to meet you! と中学一年生の英語の教科書に出できそうな文章をどうもありがとう。君たちは何の教科書を使っていたのだろうか。俺はSunshineだった。

 

 

そんなことはどうでもよく、なぜ接触してきたか、は当たり前だが近づくためだろう。データを取ることや、頃合を見計らって自らの正体をあかし、懇ろな関係に陥らせる事で男性操縦者の庇護下に入ればそれはそれはホクホクだろうしな。今回は偶々近くにいた俺に声をかけたということだ。

 

 

「ああ、初めまして、知っての通り雪村悠一だ。よろしく頼むよ」

 

 

と、あたり触りのない答えを返しておく。

 

 

「それにしてもさっきの訓練凄かったね!僕、感動しちゃったよ!」

 

 

「そうか、それは何よりだ。いつかは代表候補生である君の操縦も見てみたいものだ」

 

 

「ううん、僕なんて全然大したことないよ。それよりも、今度僕も入れてくれないかな?」

 

 

「ああ、それなら織斑に言ったらどうだ。俺は普段から参加していない。今回特別に参加しただけで普段はあんまり織斑と訓練していないんだ」

 

 

さて、織斑と俺を分断した。どう動いてくるだろうか。人類最強の姉という絶大なバックアップを誇る織斑。突然現れた所在不明な俺。君はどっちを選択する!?

 

 

「……そっか!じゃあ織斑君に頼んでみるよ!」

 

 

少しの間目をそらしたシャルル・デュノア。彼は織斑を選択した。ふむ、性格上の問題だろうか。この前の授業の時に織斑と会話をしていたからな。そのときに面識があるのだろう。あの時のヤマヤは凄かった。凄まじい砲撃をあいつらにぶっ放していたからな。

 

 

…彼女がどこまでデータを採取してくるかはまだわからない。束が織斑の似非データを仕込んだ話を聞いたため、データの心配は全くしていないが彼女の目的が暗殺やハニートラップなのだとしたら話は別だ。最悪の場合彼女を排斥しなければならなくなってしまう。それはそれで面倒くさい。

 

 

 

だが、それでもなお、雪村の顔はのんびりと緩んでいた。それは油断か慢心か。

 

 

 

…それともこの世界を楽しみ始めた証左なのか。

 

 

 

 

それは誰にもわからない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

未だ不穏な動きを見せるシャルル・デュノア。

 

 

 

更に行動が過激になってゆくラウラ・ボーデヴィッヒ。

 

 

 

気づいてはいけない真実に気づいてしまった織斑一夏。

 

 

 

そして、「超能力者」雪村悠一が下す決断とは。

 

 

 

次回、「交差」

 

 

 

科学と魔術が交差する時、物語は始まる――――――――

 

 




いや、本当に申し訳ございません。漸く我が受験が終了しまして、春からは医療関係の大学に入学できそうです。


のんびり更新してゆきますので、これからもどうぞよろしくお願いします。


UAだけでも励みになってますぜ、お兄さん方。
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