IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き   作:クレイモア地雷

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やあ、二か月ぶりだよ。


Ver.27 開始と直前/ひと時その2

夢を、見ていた。ある男の一生を追った物語だった。つまらなく、お涙頂戴の三流映画のような人生だったと記憶している。その男?女?それとも………

………神経を落ち着かせる。訂正しよう。ひっどい物語だった。これをスプラッター映画として見るには最高の一級品だった。だんだん目が覚め、内容が欠落していっている今でもそれは脳裏に気色悪くこびりついていた。研究所の一面や、戦場で敵を屠りまわっている姿は、暗部に入って幾年月経った自分が久々に酸い味を覚えた。

 

 時計の針は午前三時を回っている。風呂桶の湯を一杯ぶちまけたかの様な膨大な汗はこのまま二度寝を許しそうな雰囲気になかった。

 仕方なく替えの下着やパジャマ、シーツを用意していると、何の前触れもなく同居人が目を開けた。

 

 

「起こしてしまったかしら…?」

 

 

世界で二人だけの中の一人はまだ夢の中を揺蕩っているようで、虚ろな双眸は遥か上の景色を見渡している様だった。

 

 

ふと、彼がこちらを向く。その瞳から一筋、無垢な水が滴り落ちる。

 

 

 

それは、まるで、生涯彼が吐き出せなかった悲しみを、代替しているかのようで。

 

 

 

少女は、少年のように、少年の心に寄り添うように、涙を流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツ代表候補生及び男性操縦者()暴走事件から数週間が経過した。ぬぁぜか二人には一切のお咎めはなく、一方的に機体を破砕された英中は割を喰ったような感じになって、俺は申し訳ないと思ったような思ってないような気持ちになっていた。なーんでまたあんな理性蒸発のバーサーカーモードになったのかは今でも分からぬ。俺は俺であの暮らしに楽しみでも、はたまた気の休めでも覚えていたのだろうか?

 ま、こんな事をいちいちくよくよし、たまに自己嫌悪に陥りつつ、O教諭の薄気味悪いやさしさについ、ついつい本音が零れ落ちた次の瞬間、一日ぶん経過した日付に戦慄したりしていると、まるで亜光速のようにトーナメントの日となっていた。

 

学年別トーナメント。それは一年生が必死に稼働させるのをああ、あんな時もあったなぁ。と二年が上から目線で懐古し、二年生がやった一年分の苦労を三年がまぁ、私たちに比べればまだまだね。と先輩風をビュンビュンなびかせ、三年生が就職の為、より良いところを(ファンサービス)をスカウトに見せつけているところを教諭が冷酷に、残酷に成績をつけるところを見せつけられるとても悲しい戦場である。

そんな中、隣の織斑くンと私雪村くンは揃ってスクリーンを見上げつつこれまた揃ってバカみたいに口を開けていた。

 

 

 

 

「なぁ織斑」

 

 

 

スクリーンには、一年トーナメントの一覧表。

 

 

 

「あぁ悠一」

 

 

 

事前にペアとして申請しなかったものはランダムで決められた、らしい。

 

 

 

「こんなことって、あるんだなぁ」

 

 

 

運命の一回戦。表示されているのは織斑・デュノアペア。

 

 

 

「ほんとになぁ」

 

 

 

そして、対戦相手。ランダムペアのラウラ・ボーテウィッヒ。

 

 

 

「あのゴリラかそれとも上の判断かなぁ」

 

 

 

そして、俺。

 

 

 

「ここまで相性が最悪なペアなんて五劫が擦り切れるほどないんじゃないのか」

 

 

 

「いよぅし、何かけるか織斑!食堂の最高級黒毛和牛でどうだ!」

 

 

 

「誰がかけるかそんな不利なもんに!あ、でも仲間割れ誘えるかも」

 

 

 

「はッ!いざ仲間割れしたら俺が≪炎翼≫で吹き潰すだけだからな!客席もろとも」

 

 

 

「馬っ鹿じゃねえの、お前!」

 

 

 

「ほおう?ほっほう?卿は前回の現代IS理論の小テスト、おいくつでございましたかな?残念ですがこれにてlectureは中止とさせていただきましょうぞ?」

 

 

 

「まっ、待ってくれ、待つんだ悠一!」

 

 

 

「賭け事とは何だ?ゴリラとは何だ?」

 

 

 

「事実でございます。…ん?」

 

 

 

「あ」

 

 






大学生活ってほんとに時間取れないね。
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