IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き   作:クレイモア地雷

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待っている人がいたら心底びっくり



奥さん聞きました?こんなところに半年も放置していた小説があるんですって!


Ver.29 大恐慌と大苦戦/m#ET

突如、彼女の体から異変が生じる。彼女の乗る機体、シュバルツィア・レーゲンの外装がさなぎの内部のようにドロリと溶けだし、急速に再構築を始めていた。

 

 

「おいおい楯無、あれなんぞ?」

 

 

「知らないわよ!今こっちで解明と増援、後避難の手配をしているから、雪村君にはそっちの足止めを要請するわ!できるなら対象の沈黙も!」

 

 

「えぇー、自分に期待持ち過ぎじゃねえ?」

 

 

「あなたさっきまでなんもしてなかったんだからSE余りまくってんでしょ!

……頼んだわよ」

 

 

あと、こっちを狙って撃っていた恨みは絶対忘れないわよ、という非常に不吉な伝言を残して通信は切断された。

 

 

「さぁ、めんどくさいことになってきたぞ!!」

 

 

見ればヒト型に収束してきたそれは、身体の関節の至る所から血のような炎を吹き出し、カクカクと破損寸前のロボットが倒れそうな、不死鳥が炎に包まれ復活するような、完成に向かいつつも崩壊しているような奇妙なアンバランスさを持っていた。

 

 

炎はやがて背中へとまとまり、一対の翼となって顕現する。

 

 

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  MceVc a#e 

 

 </body>

 </html>

 

 

…嘘だろ!

 

 

「織斑ああァァッッ!!伏せろおおおっっ!!」

 

 

次の瞬間、翼が()()()()()()()()()、浮遊する。飛び出した≪炎翼≫はさながら二匹の蛇のように頭上で絡まりあい、見る間に膨張していく。そして、その炎の塊がピタリ、と動きを止め、消えるように凝縮した。

 

 

その爆発は本来ならばアリーナを全壊どころか影すら残らないレベルで消し飛ばすはずだった。

雪村は咄嗟に「遮断」「隔離」「分離」「分割」その他数種類の「超能力」を補助、バックアップとして最大限に自分と織斑、及びアリーナを守ったはずだったが、如何せん相手の威力が桁違いすぎた。また、余り余人に自らの能力を晒したくなかったというのもあり、≪炎翼≫六本で展開したことによる出力不足が原因だったのかもしれない。

――――つまるところ。

 

 

「ゔっ……げっほごほっ…ごはっ」

 

 

ビシャビシャと真っ赤なものが辺りに広がる。

雪村は全身のありとあらゆる穴から血を垂れ流していた。目から、耳から、鼻から、口から、上から、下から。

なんてことはない、殺し切れなかった衝撃を全て体内に「転移」させただけである。

 しかしながら代償は少なからず存在している。身体のカタチこそ無理矢理保っているものの、内臓は衝撃により残らず消し飛んだすっからかん状態であり、命の危険どころの話ではなかった。

 それは彼が「超能力者」という人外にカテゴリされる存在でなければの話だが。

 

 

「遡及!」

 

 

身体にダメージを負った事実を「あった」から「なかった」に変更!

 

 

と、彼は無理矢理回復した。が、無論それは大きな隙になってしまっていた。

 

 

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  g#eT/ i#N 

 

 </body>

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≪炎翼≫が伸びる。音速を超えて肉薄したそれは雪村の機体を容易く貫く。突き出た≪炎翼≫は枝分かれし取って返し再び貫く。弾ける。焼き尽くす。執拗に何度も。何度も。何度も。

 

 

「お”おぁッ!!」

 

 

だが雪村も負けてはいない。自らの背中から顕現させた≪炎翼≫を振り回し、拘束を引きちぎる。解放された瞬間、「飛翔」を使い、一瞬でアリーナの屋上まで移動した雪村は「回帰」で身体と機体を回復しつつ織斑のところまで急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

最初は純粋な怒りだった。俺と悠一を侮辱したあいつは俺の姉の力まで侮辱してきたからだった。

だけど、だけど。足が一歩も動かない。怒りがくすぶっているはずなのに、仇を討ちたいはずなのに…

そんな感じにひたすら二の足を踏んでいるさなかにも殺し合いは進んでゆき、その間に悠一は何発も攻撃をくらい、とても辛そうな表情で戦っていた。

 速い。相手のスピードが、悠一のスピードが。強い。一瞬一瞬の攻撃の重さが、悠一が引けない俺という存在の重さが。勝てない。俺では舞台に上ることすら許されない……!

 

 

そんな時だった。悠一がこちらに転がってきたのは。

 

 

 

あの一瞬の攻防で何があったのか。それは自分にはわからない領域にあった。しかしただ唯一分かることとして、彼は俺をここまでかばってボロボロになっているという事実だった。

それは考えなくともそれは分かることだった。寄生されている人物(ラウラ・ボーデヴィッヒ)は俺のことを娼嫉していたし、そもそもこの場で一番弱いのは俺だ。ならば奴が俺を狙い、悠一がかばったと考えるのは当たり前だった。

 

 

「悠一……ごめん、どうすればいいのかが、わからな、くて」

 

 

ここはもはや戦場となっている。戦場で迷いがあり、恐怖で逃げ惑うことすら出来ない人間の果てなんて分かりきっている。

しかしながら数ヶ月前まで本当に、本当にただの一般人だった彼に最善の行動を取らせるなんてことは無理難題に決まっている。更にいえば今現在ISですら捉え切れない、言葉通りに異次元の怪物同士が殺し合いを繰り広げている。言うなればISとISが戦っている最中に生身の人間が介入するのと同義だ。いや、それよりもっと差は大きいのかもしれない。この中に首を突っ込んで生還できる人間など世界を見ても数人いるかも怪しい。

 

 

だからこそ雪村は織斑一夏を許した。もとより怒ってなどないのだが。

 

 

「あー、うん、それについては全然いいんだけどさ、」

 

 

と、雪村は続ける。

 

 

「正直お前を奮起させるつもりはなかった。一般人を戦場に立たせるなどただの外道に過ぎない。ただ……」

 

 

雪村は苦虫を噛み潰したような苦しみ迸った顔を向ける。

 

 

「今のお前を守りつつ戦闘を続行するのはやはり不可能だ。どうやっても守り切れない」

 

 

周りの被害を考慮せずに存分に戦え、と言われれば30秒もあれば決着がつく。しかしながらいずれは帰るとはいえ、この男がこれまでの生活を手放すはずもなかった。

 

 

だから、だから。

 

 

「ここでお前を奮起させなければならない。

……織斑、あいつはお前の姉を汚したぞ。お前の努力も汚した。お前を貶めるために友達にも手をかけた。……ああ、こんな陳腐な言葉じゃない、いいか、こっぱずかしいしめんどくさいから一言でいうぞ。

 

 

彼は嘆息し、顔を赤らめた後、真剣な表情でこちらをを振り向き一息に言った。

 

 

「助けてくれ」

 

 

 

「頼む」

 

 




ヒント・前回と今回の≪炎翼≫の中身は違う


≪炎翼≫語、解読しようと思えば出来ます
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