IS Infinite Stratos 《炎翼》の輝き   作:クレイモア地雷

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やっとこさルビが振れるようになりました。わーい、やったぁ。
ググったら一発で出てきました


Ver.5 自由と固執/話を聞いていない男

「ちょっと、よろしくて?」

 

二時間目が終了し、体を動かしていると、一人のお嬢様的女子が話しかけてきた。雪村はその特徴的な金髪ドリルにどっかで見たような既視感を覚える。ああそうだ、こいつは確か―――

 

「イギリスの代表候補生のセシリア・オルコットさんだったっけか。何の用だい?」と質問してみた。

 

 

「あら?わたくしのことを知っていらして?」

 

 

「ああ、失礼だが君の試合を幾つか見させて貰った。特に君のレーザーライフルの取り回しは十分参考にさせて頂いたよ」

 

とあたり触りのない返答を返しておいた。

 

彼女はISの国家代表候補生にして専用機持ちである。彼女のISは『ブルー・ティアーズ』だったっけか。確かに67口径のレーザーライフル『スターライトmkⅢ』からはじき出される正確な閃光は他の操縦者にとって厄介の一言だろうか。そして最大の特徴であり、本機と同じ名前を冠する自立兵器『ブルー・ティアーズ』だろうか。というか何でエゲレスは機体名と代名詞となる兵器名を同じにしたのだろうか。一番厄介なのは彼女本人ではなくこれがどっちを指しているのかが分かりづらいという事だろう。何だっけ、そうだ『ブルー・ティアーズ』だ。いや自立兵器の方だ。やっぱり厄介だ。俺は面倒くさいのが大嫌いである。そうそう、こいつは、まあ、あまり気にしなくていいだろう。これを稼働している最中は彼女自身は動けない、という明確な弱点があるし、BT兵器最大の特徴の偏向射撃(フレキシブル)が使えないという弱点もある。まあ俺の敵ではないだろう。

 

そんな下らない事を考えていると、彼女は彼女で勝手に納得してくれたのか、

 

「まあ、もし分からないことがあったら私が教えてあげますわ」

 

的なことを言って織斑の方向へ去って行ってくれた。ま、恐らく彼女の中身は女尊男卑にまみれているだろう。会話の節々からその様な気が漏れ出していた。かといって今の世界情勢や彼女の思考回路に一々文句を言ってもしょうがないし、言ってもあの兎に憂さ晴らしの蹴りをぶち込むしかないだろう。あるいは男ばっか見下しても何も始まらない、と言う事に気がつけば話は別だろうが、あいにくそこまでわざわざ手を貸してやる義理もない。一々そんな面倒くさい事に首を突っ込む暇もないのだ。一刻も早く俺の家に帰りたい。妹の作ったホワイトシチューが食べたい。嗚呼、日に日にホームシックならぬワールドシックは増してゆくばかりだ。

 

 

俺は織斑が何らかの彼女の逆鱗に触れたのか、怒鳴り散らしているセシリア・オルコットと若干怯えている織斑を見て、小さく笑った。イケメンめ。ざまあみろ。

 

 

 

三時間目、織斑姉が教壇に立ち、どうやらクラス代表とやらを決める事を述べた。自推他推問わず、更にこれは一年間変更がないらしい。冗談じゃない。絶対やってたまるかってんだ。ただまあそう簡単にほっといてくれないのがこの教室であり、この世界だ。

 

「はいっ。私は織斑くんを推薦します!」

 

「私もそれがいいと思います!」

 

「私は雪村君!」

 

「じゃあ私も...」

 

だろうね。うん。知ってた。俺は背中と服の間にこっそりと≪炎翼≫を現出させ、「委託」「管理」「分配」などの知恵を総動員してどうやって織斑に押し付けようか考えていた。

 

「待って下さい!納得がいきませんわ!」

 

お、彼女が立候補してくれた。こりゃあ重畳。俺は彼女がクラス代表を努めてくれる事に期待し、早々に思考を切り替えた。俺は因果律と≪炎翼≫の関連性、簡単に言うと、俺が擁する≪炎翼≫及び「超能力」は通常の物理法則を軽く捻じ曲げる。これは因果律に対しても効果を発揮するのではないか。と言う話に思考を潜らせた。

 

 

…「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

 

そもそもこの特異的過ぎかつ莫大な力を秘めている≪炎翼≫のエネルギーは一体どこから発生し、賄われているのか。

 

 

…「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来たのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

 

このエネルギーは明らかに超自然的なものである。これは俺がこの世界にトバされて来たものと関係があるのだろうか。あの兎なら平行世界ならともかく並行世界は容易く超えてきそうだ。しかし、今現在アイツは俺に与えたISからデータを取っている。それでもこの前「サッパリわからなーい!」と言う泣き言が飛んできたため、天災ではない俺が理屈で理解するのは難しいだろう。

 

 

…「大体文化的も後進的なこの国にいること自体屈辱だというのに!それを珍しいから…」

 

 

凄まじい勢いで文句を言い続けるセシリア・オルコット(イギリス代表候補生)。別に彼女がどうなろうと知ったこっちゃないが一応この国にも白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫があるのを彼女は知っているのだろうか。あれは経済白書だっけか、「最早戦後ではない」というフレーズは。

 

 

…「イギリスだって対したお国自慢ないだろ。世界一まずい料理で何年覇者だよ」

 

 

いやそれは違うだろ織斑。イギリスにも美味い料理を出す店は確かにある。具体的には日本料理店だ。いやイギリスにも美味い料理はある…?あったっけ…?あくまで俺が行った中で美味い料理は…オレンジ?

 

 

…「決闘ですわ!」

 

 

いやこの国には決闘罪というのがある。最もほぼ使われることはないが。「決闘罪二関スル件」だったっけか。応じたものは六月以上二年以下の懲役だっけ。いやIS学園(ここ)では独自の法があるんだっけ。

 

 

…「それでいいよな!悠一!」

 

 

意識が急浮上する。回答に関する思考が高速回転する。≪炎翼≫及び「超能力」を従える高性能な彼の頭脳がはじき出した答えは、

 

 

「いや、文化的に遅れてはいないさ。特に高度経済成長期の目覚ましい発展には目を見張るものがある。君たちは知っているかい?新三種の神器というものを。Color television・Cooler・Carの三つだ。3Cともいわれるね」

 

 

 

 

 

 

 

「…いつの話題ですの、それ」

 

 

 

 

 

 

空気が、冷え固まった。

 

 

 

 




雪村 「空気を「固定」「調整」!!」

世界の座標をさっさと見つけて帰るのでセーフ。
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