とある蒸気船の物語   作:トッキー

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ようやく書けた…。

でもたいして進んでない…。

イヤアアア嗚呼アアああああアア……!!


第二話 

 

 彼が二人の少女を見つけた時、二人とも先程の少女達のように巨大で、彼は一瞬遠近感が狂ったような錯覚を受けた。しかし彼女達の怪我を見て、慌てて近づいていった。

 

 

 「嬢ちゃん達、大丈夫かね!?」

 「うるせぇ!!それ以上近づくんじゃねぇ!!」

 

 

 そうして眼帯をしている少女が、なにやら大砲に似た、銃のようなものを突きつけてきた。これには流石に彼も、先程少女達に出遇うことよりも驚いた。

 まさか、銃のようなものを突きつけられるとは思ってもみなかったからだ。

 

 

 「おいおい、いきなり何をするんじゃ。そんな物騒なものを向けて」

 「うるせぇ!それ以上近づくんじゃねぇ!!てめぇ一体誰だ!」

 「う、うう…」

 「お、おい龍田!しっかりしろよ!!」

 

 

 龍田と呼ばれた少女は、うっすらと眼を明け、そして眼帯を付けている少女を見て、安心したような笑顔を浮かべていた。

 

 

 「派手にやられちゃったな~。ああ、天龍ちゃんだ~……よかった~……」

 「おい、龍田!龍田!!」

 

 

 そして再び目を閉じ、天龍と呼ばれた少女の腕から離れ、彼女は徐々に沈み始めた。天龍と呼ばれた少女は、必死に沈み行く彼女を支えようとするが、それでも沈むのを止めることは出来そうになかった。

 

 

「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょう!!」

 

 

 沈み行く仲間を救えないということに、彼女が涙を流し絶望する中、目の前にロープがいくつも垂れてきた。ふと顔を上げると、今しがた砲口を向けた巨船の多くのクレーンから、そのロープが垂れていたのである。

 

 

 「早く、そのロープを嬢ちゃんに結ぶんじゃ!!」

 「て、てめぇ何言って…」

 「わしがなんとか、その嬢ちゃんを支えてみる!だから早くそれを結ぶんじゃ!!」

 「いきなりそんなこと言ったって、信じられるか!!」

 「いいから早く、それを結ぶんじゃ!!その子を殺したいのか!!」

 

 

 先程よりも確実に沈みつつある龍田は、もはや海から出ているのは肩から上だけになっていたのだ。彼の言うとおり、迷っている暇などなかった。

 

 

「クソッ…!」

 

 

 彼女は毒づきながらも、相棒でもある龍田にロープを幾重にも巻き、しっかりと固定した。これが他の船だったならば分からなかったが、彼女達よりも数倍の排水量を持つ彼は、転覆の恐れなどは全く抱いていなかった。

 船体が僅かに傾いたが、それだけであり、そして固定されたことによって、龍田はそれ以上沈むことはなくなった。だが彼にはまだ、懸念することが残されていたのだ。

 

 

「さぁ嬢ちゃん。お主も早く結ぶんじゃ」

「ああ?俺はいいよ」

「何を言っとるんじゃ。わしが見た限り、お前さんはこの嬢ちゃんと同じくらい酷い怪我をしとる。いつ沈むか、分かったものじゃない」

「うるせえ!!いいからさっさと龍田を運べってんだ!!」

「ああ、勿論そうさせてもらうぞ。じゃが、お前さんをロープで固定してからな」

「だから俺はいいって言ってんだろ!!」

「いいから、ほれ」

 

 

 天龍の怪我は、龍田のそれと同じくらい酷く、それこそ浮いているのが不思議なくらいだったのだ。

 しかし、なんと彼女はそのままで、彼を鎮守府まで連れて行こうとしたのだ。放っておけば、沈むのが必至であるにも関わらず、である。

 見かねた彼はクレーンを使いロープを渡そうとしたが、天龍はそれを頑なに受け取ろうとしなかった。

 

 

「だからいらねぇって言ってんだろ!」

「…ふむ。じゃあ、わしのバランスを取るというのが理由なら、どうかね?」

「ああ?」

 

 

 思わぬ提案に、天龍は呆気に取られた。それを彼は無視し、話を続けた。

 

 

「実を言うとな、お前さん達を家に送り届ける間、その嬢ちゃんを看てて欲しくてな。あと見ても分かるように、この嬢ちゃんを固定して、わしが傾いちまっとる。これだと、どうにも舵を取るのに、いくらか不具合が生じるんじゃ。お前さんがその嬢ちゃんの隣にいてくれたら、浮力のバランスが取れて、どうにかなるんじゃが」

「………チッ、分かったよ」

 

 

 しぶしぶながらも、天龍は龍田の隣に行き、自分の体をローブでくくり固定した。彼はそれを確認した後、彼女達が所属するリンガ泊地を目指し、外輪のみを動かし出航した。

 スクリューを使わなかったのは、もし龍田の沈んでいる部分がスクリューに触れてしまったら、さらに傷ついてしまうかもしれなかった為である。その事を恐れ、彼は外輪のみを動かしているのだ。

 僅か数ノットという決して速いとは言えないながらも、その巨体が海を走る姿は、軍艦とは違いながらも、かつて多くの乗客や貨物を輸送していた時のように、威風堂々としたものであった。

 

 

 「おい龍田、しっかりしろ。これで無事に帰れるぞ」

 

 

 天龍は隣で彼に固定された龍田に、絶えず話しかけていたが龍田は目を閉じたままだった。だが彼女の顔には、どこか安心したかのような雰囲気を感じる表情であった。

 そのような中で、天龍は彼に話しかけてきた。

 

 

 「…なぁ、爺さん。あんた、どこかで会った事、ないか?」

 「なんじゃ。突然」

 「いや…さっきの、ひどい事したってのは分かってるんだけど…こう、どう言ったらいいのか分かんねえんだけど…なんか爺さんとは前に会ったような、そんな気がするんだ」

 「ふうむ…いや…すまんが、ちょっと分からんな」

 「そうか…」

 「…のう嬢ちゃん。その子とはどういった関係なんじゃ?」

 「…天龍」

 「何?」

 「俺の名前だよ。俺は、天龍型軽巡洋艦の一番艦、天龍だ。こいつは妹の龍田って言うんだ」

 「軽巡洋艦の…天龍?龍田?はて、どこかで聞いたような」

 「爺さん、あんたの名前はなんて言うんだい?」

 「わしか?わしは…」

 

 

 彼は彼女の名を聞いたとき、思わず懐かしいものを感じた。そしてそれは人の時のものでなく、船の中での記憶によるものだとも、うっすら感じ取っていた。

 そして自身の名を口にしようとしたが、思わず噤んでしまった。今の彼は「グレート・イースタンⅡ」号であったが、一世紀以上もの年月を重ね、「幸運船」と呼ばれていた船の名を、簡単に口にして良いものかどうか分からなかったからだ。

 

 だが今名乗らずとも、いつか話さなければならない時が、必ず来る。また彼女は彼を信用して自らの名を明らかにしたのだ。それに応えなければ、非常識極まりないだろう。

 それらを考え、彼は自身の名を明らかにした。

 

 

 「どうしたんだよ?」

 「…いや、大丈夫じゃ。ああ、わしの名前じゃったな。わしは『グレート・イースタンⅡ』号という名前じゃ」

 「え…」

 

 

 彼の名前を聞き、天龍は信じられないものを見たような顔つきになった。そして慌てて話を続けた。

 

 

 「な、なぁ!あんたもしかして、昔横須賀かどっかの港でタグボートがいないからって、代わりに軍艦があんたを湾外に引っ張ってったとか、そんなことなかったか!?」

 「なんじゃと?」

 

 

 彼女の話を聞き、ふと記憶を巡らせてみると、確かにそのような事もあった。「彼」がいた前の世界では、「グレート・イースタンⅡ」号は第二次大戦前、氷川丸と同様に、日本―アメリカ間を結ぶ旅客航路で働いていた。その中で、横須賀港で船員達が石炭を過剰に積んでしまった為、満足に動く事が出来ず、その重さからその巨船を牽けるタグボートが一艘もいなくなってしまったのである。

 

 そこで、近くの海軍基地に停泊していた軽巡洋艦の二隻に、白羽の矢が立った。当初、軍関係者の中には「帝国海軍の軍艦は、牽き船などではない」と、反対する者もいた。だが乗船客の中に、アメリカ政府の高官の息子もいる事が判明し、最終的に許可が下りたのである。

 演習帰りで燃料も少ない中、それをものともせず無事に過重積載の船を湾外に曳航した事に、軍関係者の多くを大いに喜ばせた。そして巨船を曳航するその姿が、図らずも日本の軍艦の優秀さを見せ付けるものとして、国の内外に大きく報じられたのである。

 そして過剰に積まれた石炭は、何故か港では積み下ろさず、湾外で二隻の軽巡洋艦に補給されたという、そんな逸話も残っている。

 その事を彼は、はっきりと覚えている。

 

 ちなみに、この出来事は日本だけに留まらない。

 この事を切欠に、この船が世界各国で補給する時、石炭の過剰補給による重量超過で湾外に出る事が難しくなってしまった時は、タグボートの代わりに軍艦が彼を引っ張るという事が多く起きていた。

 19世紀に建造され、石炭を大量に必要としなければならない機関を積んでいるとはいえ、これは明らかに運行会社や、軍にとって問題となっていた。

 そして度重なる超過原因を作った船員達は、解雇されたという。

 

 戦争が勃発する前の、平和を象徴するなんとも暢気なエピソードとして、今日でも語り継がれているのだ。

 

 

 「そういえば、そんな事もあったのう。平時で軍艦に牽かれる貨客船なんて、わし位のもんじゃろうのう。じゃが、何故その事を知っとるんじゃ?」

 

 

 彼は笑いながらそう口にしたが、天龍は確信したかのような顔になっていた。

 

 

 「なぁ、爺さん。その軍艦の名前って…覚えてるか?」

 「名前か……いや。結局の所、その軍艦の細かい名前を知る事はなかったんじゃ。なんでもその当時、軍機に引っかかっちまったらしくてな。船員の話を聞いても、ドラゴンがどうとか言うとったが、よく分からなかったんじゃ」

 「そうか…」

 

 

 それを聞き、彼女は黙ってしまった。しばらく無言が続いたが、それまで口篭っていた彼女が意を決するように言葉を紡いだ。そしてそれは驚くべきものだった。

 

 

 「その軍艦ってさ…多分、俺達の事だと思う…」

 「何?」

 「いや、だからさ…その時、爺さん引っ張ってったのって、俺達かもしれないんだ」

 「なんじゃと?」

 

 それを聞いた彼は、驚きの声を上げた。

 それもそうだろう。戦前とはいえ貨客船を曳航した軍艦が、まさか人型となって再び彼の前に現れたのだ。しかも今度は、彼が彼女達を曳航している。

 その事によって、それまでどこか張り詰めていた空気が、幾分柔らかくなっていた。

 

 

 「…なんと、そうじゃったのか!いや驚いた。まさか、こんな所で会えるとはのう!」

 「てことは、やっぱりあの時引っ張られてたのって、爺さんか?」

 「恐らくそうじゃろうな。あの時は、当時の船員達が太平洋を横切るっちゅうんで、念には念を入れる形で石炭を余分に積んだんじゃ。だが、ちいと積み過ぎての。まさか、牽き舟が牽けなくなるとは思わなかったんじゃ。いやはや、あの時嬢ちゃん達がいなかったら、一体どうなっとったか…」

 「あの時は俺達も大変だったんだぜ?疲れてる時に、いきなり重たいもん引かされたんだから」

 「あの時は、本当にすまんかったの」

 「いいよ、別に。後で石炭もらったんだし」

 「ふうむ。じゃが…また会う事が出来るとは思わなんだ」

 「俺達も…会えるとは思わなかった」

 

 

 しかし、「この世界」では彼等は実際に遭遇してはいない。だが何故か、彼女達が彼を曳航した事は、記憶に残っていた。つまり何かしらの形で、『グレート・イースタンⅡ』が歩んだ歴史が、「この世界」にも現れ始めていたのである。

 その後も彼等は和やかに話しをしたが、天龍の目がだんだんと重くなっていくのを、彼は見逃さなかった。

 

 

 「嬢ちゃん。眠かったら、寝ても大丈夫じゃぞ」

 「え?いや…俺は別に」

 「さっきから目がまどろんで、涎が垂れかかっとったぞ」

 「うそっ!?」

 「いや涎云々は冗談じゃが、まどろんどるのは本当じゃぞ」

 「冗談かよ!?んだよ。あんたも人、じゃなくて船が悪いな…」

 「行き先も行き方も分かっとる。しばらくお主も休んでおきなさい。着いたら起してあげるから」

 「…分かったよ」

 

 

 そしてしばらくすると、寝息が聞こえてきた。ふと後ろに目をやると、妹に抱きつく姉の姿が目に入った。彼女達は、互いを気遣いながらも安心している、なんとも穏やかな表情を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 彼らがリンガ泊地の基地を目指し、航行して数時間ほど経った頃、彼女達が所属する司令部内では、情報が錯綜し騒然となっていた。遠征に出した天龍と龍田が、本来ならばその海域にいないはずの深海凄艦―――それも今まで見た事もないような艦で、それも男だったらしい―――の襲撃を受け、連絡が取れなくなったのだ。

 今すぐに救出に行こうとする艦娘もいれば、それを嗜み情報収集をする事が先決だとする艦娘もいた。しかしその言い争いによって、さらに収拾がつかなくなり、事態は混乱を深めていった。中には「私の不幸のせいで」と歎く戦艦の艦娘もいた

 そしてその中で、軍服に身を包んだ、どこか幼さが抜け切れない頼りなさげな少年が、その場にいた。彼がこの司令部に配属された提督だが、進学半ばで徴兵され、即席で提督に仕上げられた後に、ここに配属されたのだ。

 だがその幼い雰囲気のせいか、その印象は彼が着込んでいる厳めしい軍服とは、どことなく不釣合いともいえるものである。そうして彼は、部下の艦娘達の怒号を耳にしながら、うつむき、自身の不甲斐なさを恥じていた。

 

 何故彼女達二人だけでなく、もっと他の艦娘を付けなかったのか。

 何故深海凄艦が不意打ちをすることを考えなかったのか。

 何故、何故、何故…。

 

 彼は負の思考の海に押し潰されそうになり、目が潤みかけた時、ふと顔を挙げると秘書艦である日向が、少々呆れたように微笑みかけてきた。

 

 

 「やれやれ。いつから我らが提督は、そんな弱虫になってっしまったのかな?」

 「ひ、日向は、天龍とた、龍田が心配じゃないの」

 「そんな訳ないだろう」

 「じゃ、じゃあ何で」

 「提督、あなたは我々の指揮官だ。指揮官たるもの、そんな不安げな表情を、皆の前でおいそれと見せるものじゃない」

 「で、でも…」

 「提督」

 

 

 泣きそうになりながらも、「提督」と呼ばれた少年は不安げな目を向けながら日向に問いかけた。彼女はそれに対し、言葉を続けた。

 

 

 「確かに、あなたは我々の指揮官だ。だが…部下である我々は、そんなに信用できない存在なのか?」

 「ち、違う!そんな事ない!!」

 「だったら」

 「わっ!」

 「もう少し…我々を信じて欲しいな」

 「…う、うん」

 

 

 日向は穏やかな笑みを浮かべ、提督の頭を撫でた。それによって落ち着いたのか、提督は先程の心配そうに浮かべていた表情をなんとか引き締め、言い争っている艦娘達に言葉をかけた。

 

 

 「皆、聞いてほしい事があるんだ!」

 「提督」

 「知っての通り、天龍と龍田が行方不明になっている。しかし、本土の総司令部からは現状維持としか命令が来ていない」

 「そんなの知ってマース。でも…」

 「でも総司令部は、偵察までは禁止していない」

 「それはどういう…」

 「だから」

 

 巫女服姿の艦娘が抗議の声を挙げようとする中、彼はそそれを制するように一度口を閉ざし、そして意を決するかのように続けた。

 

 

 「主力部隊を…『威力偵察』に向かわせたいんだ」

 『!?』

 

 

 その言葉に、そこにいた艦娘全員が驚愕した。そして同時に提督に対し、様々な事を矢継ぎ早に口にした。『無理』『無謀』『さすが提督』『凛々しい提督ハアハア』『ボーキサイトください』等々…。

 若干おかしな艦娘もいたが、それを咎める艦娘と賛同する艦娘と二分し、執務室に再び怒号の嵐が巻き起こった。彼はそれをなんとか収め、自分に言い聞かせるかのように、彼女達に概要を説明した。

 

 

 「確かに無謀かもしれない。でも実際に、男型の深海凄艦が現れたとなると、今までの戦力では太刀打ちできないかもしれない。だから少しでも情報が欲しいんだ」

 「でも!」

 「提督」

 「初春、何?」

 「お主、本当にそれだけか?情報欲しさなら、他の艦隊から出回ってくるのを待つというのもあるのに、何故じゃ?」

 「え、いや…それは」

 「何故かのう?」

 

 

 初春と呼ばれた艦娘は、扇で口元を隠しながら疑問を述べた。それだけを聞けば、提督が何か別の目的のために、わざわざ艦隊を危険に晒そうとしているのを見抜いたかのような内容である。

 だが当の本人は、その口元を隠していても、表情は何か面白いものを見つけたような笑みを浮かべていた。

 

 

 「…………あ、あの二人は、僕がここに着任して、初めて建造して…生まれたのがあの二人なんだ。だ、だから…」

 「そんなの最初から分かっとるわ」

 「え?」

 

 

 初春はニヤつく口元を隠しながら、彼の言葉を一刀両断するように遮った。

 

 

 「ふむ…どうやら嘘偽りはなさそうじゃな」

 「え、そ、それってどういう」

 「もし、本当に情報だけが欲しい等と抜かしよったら、闇討ちしようかと思ってな。だが、それも杞憂だったようじゃな」

 「え…」

 「冗談じゃ」

 「洒落に聞こえんぞ」

 「で、提督。いつ『偵察』に向かうんじゃ?」

 「え?」

 「え?ではないぞ提督。皆、お主の命令を待っておるんじゃ」

 

 

 初春と日向の漫才じみたやり取りの後に、初春は彼に周囲を見るよう促す。そして彼が言われたとおり周囲を見回すと、先ほどの怒号は鳴りを潜め、皆嬉々とした表情を浮かべ、命令を待っていたのだ。

 それを見た彼は、彼女達に命令を下した。

 

 

 「第一艦隊、第二艦隊は天龍と龍田が襲撃を受けた場所へ、至急偵察に行ってほしい。第三艦隊は念の為、この鎭守府近辺の警戒に当たってくれ。それと、日向と伊勢は該当箇所に近づいたら、偵察機を出して、襲撃された近辺を捜索してもらいたい」

 『了解しました!!』

 「提督、電探より緊急入電!この鎮守府に、わずか数ノットですが接近する大形の艦船あり!その姿は艦娘等ではなく、明確な船舶の形をしているとの事です!本土の鎮守府に問いただしても、本日ここに向かう予定の輸送船はいないとの返答あり!」

 「なんじゃと!?」

 

 

 電探員からの報告によって新たな問題が浮上し、艦娘達は提督に意見を仰いだ。提督は少し逡巡し、新たに命令を下した。

 

 

 「こんな時に…」

 「提督、どうする?」

 「よし。ならその不審船には第二艦隊が向かってくれ。第一艦隊は最初の命令どおり、該当する海域へ偵察を頼む。もし何か不審なことがあったら、すぐに撤退して報告して」

 「しかし…」

 「お願いだ。この通り!」

 「……はぁ、仕方ない。我らの提督には困ったものだ」

 「本当にのう」

 「う…」

 「こらこら、あまり提督をいじめるな」

 

 

 そうして彼女達はそれぞれの任を受け、抜錨した。

 

 

 

 

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