霊夢ちゃんのワンピース世界冒険録   作:壁の苔寺

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 始めといて難だけど、霊夢って一人称視点の主人公としては書きにくい部類だと思う。もう少し内面の出やすいキャラにすればよかったかもしれない。……………チルノ?


それはともかく本編


C・クロ

 

 

 残る敵は催眠術師の変な男だけ。後は死に体ばかりの烏合の衆。何本か針をぶっ刺してやれば、私達の勝ちだ。そう思っていたのに面倒なことになった。

 まだ船の中に敵がいた、それも二人。面倒なことに今の雑兵をすべて合わせてもこの二人の方が強いだろう。ここに来て増援なんて面倒なことこの上ない。

 ふざけた格好をしたニャーバン兄弟と名乗った二人組はデブと細マッチョの二人。しかしなにやら二人は戦いたくないようで、船長の変な男と揉めている。

 

「お前ーーー!! 覚悟しろーーーっ!! このカギヅメでひっかくぞーーーっ!!」

 

 べそをかきながら走ってくる細マッチョ、私はそんな3文芝居に付き合ってやるほどお人好しじゃない。振り下ろされたカギヅメを3本の針で受け止めて、もう片方の手に持っている針で相手を斬りつける。

 

「ッ!!??」

 

「何驚いてんのよ。糞みたいな芝居するならせめて殺気と戦意を隠しなさい」

 

 受け止めた方の針を引っ込めて、拳を作っておもっきり振る。しかし細マッチョにはかわされ、いとも簡単に腕を捻りあげられてしまった。

 

「あっ………ぐぅ……」

 

「なんだ? 猫かぶりを簡単に見破ってくるからかなりのやり手かと思ったが、そうでもねぇのか?」

 

「っ………。あんな三文芝居に騙される奴がいるなら、それは相当鈍いか間抜けな奴ね」

 

 体が重い。いや違う、体が覚えているほど動かないが正解だ。技術的な物は体が覚えているで何とかなる。針を狙ったところに当てるとかは殆ど何も考えなくても出来る。

 しかし、身体能力が単純に落ちている。頭に描いたビジョンは、向こうに反応される間もなく、細マッチョを殴り飛ばしていた。しかし現実は、私の認識よりも拳が遅い。これは記憶喪失だけじゃない、私は本来あるべき能力も失ってやがる。

 

「やれブチ!! 出番だ!!」

 

「がってんシャム!!」

 

 ブチと呼ばれたデブは、細マッチョの声を聞くと空高く舞い上がる。あの巨躯でなんつー身軽な。

 そこで相手が何をしようとしてるのか理解した。あのデブ、私を踏み潰す気だ。

 腕を掴まれて逃げれない私は、必死に抵抗するが逃げる術がない。 

 

『猫殺っ!! キャット・ザ・フンジャッタ!!!!』

 

 それが炸裂する瞬間、私とデブの間に一筋の光が差し込む。それが刀が太陽の光を反射した物だと気付いたとき、私は解放されていた。

 

「ッ!!」

 

 間に入ったゾロは、私を拘束しているシャムと呼ばれた男を斬りつけた。それをかわす為に私の拘束を解くしか無かったのだろう。

 

「っぅーーーーーっ!! おっそいわよゾロ!! 何してたのよ!!」

 

「うるせぇ!! 先々行きやがって!! ギリギリ間に合ったんだからいいだろうが!!」

 

 正直今のは危なかった。助かったのは事実だが、それを認めるのはシャクで、文句を言う。

 

「それに関しては感謝してるわよ」

 

 軽く舌打ちをしながら感謝の言葉を吐いて、針を構え直す。

 ともかくこれで2対2だ。自分の戦力を下方修正して、状況を考える。向こうの増援が最後ならこれで勝ちだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゾロの参戦。呑気に爆睡中のルフィはともかく、あの二人組相手なら負けやしない。少し息を吐いて、体の力を抜く。どうにかしてルフィを叩き起こせないかなぁと思うが、立ち位置的に厳しいものがあるな。

 ニャーバン兄弟に押し込まれて、坂の中腹位まで戻されてしまった為にルフィを起こすためには二人と変な男を抜く必要がある。ルフィさえ起こせれば詰みなんだけれど、中々に難しい。

 そんな時だった。敵の集団が怯え始めたのは。

 

 振り返るとそこにいたのは見覚えのある執事服の男。昨日軽く会っただけで会話も交わしていない。その形相は本当に同一人物か疑わしい程に怒り狂っていた。

 

「何だ このザマはァ!!!!」

 

 なるほど、コイツは海賊だ。自分がウソップに語った海賊像と完全に一致している。

 

 

 キャプテン・クロがそこにいた

 

 

「まさかこんなガキ共に足止めくってるとは………、クロネコ海賊団も落ちたもんだな。えェ!!?? ジャンゴ!!!!!」

 

 声量だけで空気が震える。周りにいるだけの私が煩わしいと思うそれが、直接向けられるジャンゴやニャーバン兄弟はどんな思いだろうか? そんなもの連中の顔を見てみたらすぐに解る。脂汗にまみれながら蒼白な顔になっているのだから。

 

「だ、だがよ?! あんたあの時、その小僧は放っておいても問題ないって………、そう言ったじゃねぇかよ!!」

 

 勇気を振り絞ってと言った様子でジャンゴはキャプテン・クロに言葉を発する。

 

「言ったな。言ったがどうした? 問題はないはずだ。こいつが俺達に立ち向かって来ることくらい容易に予想できていた。ただ、てめェらの軟弱さは想定外だ」

 

 軟弱。その言葉に怒りをあらわにするニャーバン兄弟。ブランクのある相手に負けるほど落ちぶれちゃいない。そう叫んで私たちをそっちのけでキャプテン・クロに斬りかかった。

 それで終わりだった。音もなく、気配もなく、ただキャプテン・クロの姿だけがかき消える。‘抜き足’と呼ばれた高速の移動術を前にニャーバン兄弟は目覚めた反抗心を根本から叩きおられた。

 

「五分やろう。 五分でこの場を片づけられねェようなら、てめェら一人残さず俺の手で殺してやる」

 

 悲鳴を上げる海賊達。私とゾロを殺せば切り抜けられる。そう叫んでニャーバン兄弟は私たちに突っ込んできた。

 

「あの細いのは私がやる。デブは任せた」

 

 私の言葉にゾロは刀を構える。

 

「俺一人で十分だ」

 

 ゾロは両手に刀を構え、一本を口にくわえる。そうか、そこそこマトモかと思ってたけどこいつも変人枠か

 しかしまぁ一人でやると言っているなら任せるか。そう思って息を吐いた。少し疲れた。

 

『虎狩り!!!!!』

 

 一撃。二人に3本の刀を叩き込み、その一撃で二人は吹き飛んだ。

 ってか強いわね、特に顎の力が。あれ、歯とか折れないのかしら?

 

「せ、船長。俺に、俺達に催眠をかけてくれ!!」

 

 二人とも息があった。デブは厚い脂肪で致命傷に届かず、もう片方は目測を誤らせる為に着込んでいたであろう内張に阻まれて軽傷だ。しかし彼らは今のゾロの一撃で、力の差を理解してしまったのだろう。藁にもすがる様な様子でジャンゴに催眠をかけるように懇願していた。

 ………………あれ? やばくね?

 

「うぉおおおおあああああああああああああ!!!!」

 

 さっきかけた催眠術、パワーアップしてキズが治るあれだ。ゾロが斬りつけた痕は残っているが、そこそこ深い傷だったにも関わらず塞がっている。マジか、さっきの雑兵でも崖を砕くほどにパワーアップした催眠を、あの二人がするなんて。

 

「なんだぁ? ありゃ」

 

 さっきのを見ていないゾロは呑気にそんなことを言う。

 

「催眠よ。思ってるよりはバカに出来ないパワーアップだから気を付けて」

 

「パワーアップか、そりゃいい。あまりにも手応えがなくてどうしようかと思ってた所だ」

 

 二人とも仕留め損なったくせに偉そうな。そんな言葉が浮かぶが助けてもらったのも有るのでスルーすることにした。

 

「起きろぉ!!!」

 

 そんなことをいっている間に、いつのまにか走っていたナミがルフィの頭を踏んづけていた。

 

「ナミ危ない!! よけろっ!!!」

 

 ゾロが叫んだタイミングで私は手に持った針を投擲する。ナミがルフィを起こすために走っていったのを察していたジャンゴが、催眠術に使っていたチャクラムを投擲していた。

 気付いたのはギリギリ。正直、ゾロが叫んでいなかったら間に合わなかったかもしれない。投げた針はチャクラムに命中して弾かれ、地面に落ちた。

 

「ナミ!!よくも顔を踏んづけやがったな!!」

 

 そして顔面を踏まれたルフィは立ち上がり、戦線に復帰した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆殺しまで、あと3分」

 

 ルフィの復活に悲鳴を挙げた海賊団は、その言葉に絶望の声を上げる。

 そんな時だった。件のお嬢様が現れたのは。

 

「クラハドーール!! もうやめて!!!」

 

 思わず舌打ちをしてしまう。最重要の護衛対象がなんでこんなところに……

 

「メリーから全部聞いたわ」

 

「ほぅ? あの男まだ息がありましたか。ちゃんと殺したつもりでしたが……」

 

「ッ!!??」

 

 お嬢様は‘クラハドール’に語りかける。もうやめてくれと、自分の持っている財産は全てあげるからと。

 しかしそれに対する‘キャプテン・クロ’は欲しいものはお金だけじゃない。欲しいものは平穏だと答えた。

 

「ここで3年をかけて培った村人からの信頼はすでに、なんとも笑えて居心地がいいものになった。その平穏とあなたの財産を手に入れて、初めて計画は成功する」

 

 お嬢様はその言葉に決意をしたような瞳で銃を構える。お嬢様はそれでも

 

「覚えていますか? 3年間いろんなことが有りましたね。あなたがまだ両親を無くし床に伏せる前から随分長く同じ時を過ごしました。一緒に船に乗ったり、町まで出掛けたり、あなたが熱を出せばつきっきりで看病を……。共に苦しみ共に喜び笑い、私はあなたに尽くしてきました。夢見るお嬢様にさんざん付き合ったのも………」

 

 一息

 

「それに耐えたことも……。全ては貴様を殺す。今日の日のためっ!!!」

 

 ウソップは激昂する。当たり前だ、端で聞いているだけの私でさえ胸糞が悪くなってくる話なんだ。お嬢様と同じ村で過ごして、仲良くしていたウソップは怒りで前も見えなくなってしまっている。そして実力差や恐怖なんて完全に頭から消え失せたのだろう。

 

「クロォオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」

 

 怒りで前が見えなくなったウソップは、キャプテン・クロに殴りかかる。しかし例の無音の移動術で簡単にかわされて、キャプテン・クロが手に装着した猫の手と呼ばれる長いカギヅメで彼を殺そうとした。

 私は再び針を投擲しようと構えたところで後ろから

 

「レイム!! そこを退け!!」

 

 そんな声が聞こえてきた。咄嗟に頭を下げるとそこに凄まじい速度で拳が飛ぶ。それはキャプテン・クロの顔面を捉え、ぶっ飛ばした。

 

「ちょっと!! 危ないじゃない!!」

 

「だから退けって言っただろ?」

 

「言ったけど、言ってから殴りなさいよ」

 

「それじゃあ間に合わねぇじゃねぇか」

 

 益体も無いことを話しながら、ルフィの腕を見る。伸びた腕はもう戻っている、まるでゴムみたいだな。この世界の人間はみんな伸びるのだろうか? いや、クロネコ海賊団の連中も驚いているし、そう言うわけではないのか。

 その直後、ウソップの子分が現れてキャプテン・クロの顔面をフライパンだのこん棒だので殴りまくる。しかしそれを意に介した様子もなく、興味深そうな目でルフィを見て、言った。

 

「随分と奇っ怪な技を使うもんだ。貴様、悪魔の実の能力者だな………!!」

 

「あぁ、俺はゴムゴムの実を食った、ゴム人間だ」

 

 その言葉に、海賊たちはまた悲鳴を上げる。あいつらあれしか出来ないのだろうか?

 にしてもゴムゴムの実ね。なんだそりゃって言いたいが、納得だ。ルフィの体はそれこそゴムのように縮むし伸びている。体質か何かかと思っていたが、変な食べ物を食べてそうなるとは。拾い食いは出来るだけしないでおこう。

 

「ジャンゴ!!! その小僧は俺が殺る。お前にはカヤお嬢様を任せる。計画通り遺書を書かせて殺せ」

 

 キャプテン・クロが叫ぶ。どうやらルフィと戦るらしい。ルフィなら多分問題ない。あいつならきっと何とかなるだろう。なら私の役目は簡単だ。

 

「ゾロ、お嬢様につきなさい」

 

「あぁ?」

 

「あの二人は私が足留めする。ルフィがあの鬼畜眼鏡を相手にするなら、私たちがやるべきはお嬢様を守ることよ」

 

 この戦いはお嬢様を守り抜く事が出来れば勝ちだ。そして、ジャンゴとキャプテン・クロを倒しきれば完勝だ。

 催眠でどれだけパワーアップしてるか知らないが、二人のうち片方でも行かれてしまえば負けは確実。ゾロがついていればジャンゴだけなら何とかなるはずだ。それに何より

 

「あの二人に集中させて。なら勝ってみせるから」

 

 自分の体のスペックは理解した。それなりに使ってしまったが、針はまだ残ってる。それになにより負けっぱなしはムカつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウソップが子分三人を促して、お嬢様を連れて森に入る。それを追いかけるジャンゴ、ルフィにかかりきりになっているキャプテン・クロは、ゾロを追いかける事が出来ずに、こちらのもくろみ通りゾロをお嬢様の護衛につけることが出来た。後は任せるしか無い。

 

「すぅぅーーーーーーー」

 

 息を大きく吐く。催眠で我を忘れているのか、常に激昂しているニャーバン兄弟が飛びかかってくる。

 

「ーーーーふぅ!!」

 

 息を吐き出して、目の前の敵に集中した。

 目の前のカギヅメを、両手に構えた針で受け止める。指の間に挟むやり方だと握力が足りないから、一本の針をおもっきり握りしめてだ。

 ギィンなんて音がして、カギヅメが止まる。バカみたいな力がかかって足元の地面に亀裂が入った。このままじゃ力負けする

 後ろに引いて、針を投擲。それは相手の掌を捉え、突き刺さる。

 

「ぐぅうううう!!!」

 

 針は貫通してそのまま地面に落ちた。デブの方の腕は潰した。これなら

 

「ブチィ!!!!」

 

「ッ!!??」

 

 気がついたら後ろにいたシャム。後ろから突撃してきたせいで私は体勢を崩した。そのまま私はシャムに押し倒され、体を固定された。

 

「ッ!!……この!!」

 

 動かない。膂力では完全に負けている。

 

『キャット・ザ………』

 

 気がついたら、ブチの方が飛び上がっていた。あの地面を割ったアレか。あれが頭に直撃すればさすがに死ぬ。しかし押さえられた腕はピクリとも動かない。頭に直撃するまであと一秒もない。

 どうにかしないとと思った所で頭のすぐそばでそれを見つけた。

 

『フンジャッ…………ッ!!??」

 

 それは私が投げ散らかした針だった。咄嗟に口でとって、地面と垂直に立てた。足の裏で私を踏み潰そうとしていたブチの足に針が突き刺さる。痛みでブチは技を解き、転げ回ってしまった。ってかあの針何でできてるんだろ? 始めから持っていたけど、あの地面を割るような攻撃を受けても折れないどころか突き刺さってるなんて。

 

「ブチ………がぁっ!!!??」

 

 ブチをやられて気が緩んだ隙に渾身の力でシャムの腕を振り払う。チャンスだ。

 袖口から針を取りだしながら体勢を立て直し、シャムの顔面に全力の蹴りを叩き込んだ。吹き飛んだシャムは転げ回り続けるブチの隣まで滑った。

 

『封魔ァ針!!!』

 

 針を取り出して投げる。一回の手の振りで3本、両手で6本。2回やれば12本。4回で24本。20回も繰り返せば100本を超える針の投擲。その全てがニャーバン兄弟に突き刺さった。

 

 

「よし………終わり!!」

 

 

 もはや剣山の様な見た目になってしまったニャーバン兄弟を見て、勝利を決めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「モンキー・D・ルフィ。名前を捨てて海から逃げるような海賊に俺が負けるか!! 海賊が名前を捨てるときは死ぬときだけで十分だ。俺の名前を一生覚えていろ。

 

 

俺は、海賊王になる男だ!!!」

 

 

 

 勝った。ルフィは勝った!! 信用していなかった訳じゃないけれど、あの速度で翻弄されたら負けても仕方ないかもしれない。仕方ないから加勢しようかと思ったが、ルフィに目線だけで止められた。『杓死』とか言う技を使われたときは危なかったくせに。調子いいやつめ。

 

 ゾロも無事、自分の仕事をこなしたらしい。最後はゾロの背に乗ったウソップが決めたそうだ。アイツも中々やるじゃないか。

 私は撒き散らした針を回収する傍らウソップの話を聞いている。この針無駄に頑丈だけど何で出来てるんだろう? 鉄っぽくもないし、なんだったら金属っぽくもない。

 

「ありがとう。お前達のお陰だよ。お前たちがいなかったら村は守りきれなかった」

 

 清々しい笑顔でウソップは言う。全く。

 

「なに言ってやがんだ。お前がなにもしなきゃ俺は動かなかったぜ」

 

「おれも」

 

「私も…………って、あ。あいつらに私の事知ってるか聞くの忘れてたわ…………まぁいいか」

 

「そうよ、どうでもいいじゃない。宝が手には手に入ったんだし♪」

 

 皆、私も含めて上機嫌だ。ナミに関しては即物的な理由みたいだけれども。

 針の回収が終わって、また袖口の中に入れる。最後の一本を収納したところでウソップは声をあげた。

 

「おれはこの機会に一つ、ハラに決めたことがある」

 

 彼はそんな言葉を、清々しい笑みで言ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 お嬢様の計らいで、今回の一件の報酬と言うとあれだが、船をもらうことになった。型はキャラヴェルと呼ばれる帆船で、名前を『ゴーイング・メリー号』と言うらしい。

 立派な船だ。私たちが乗ってきた小舟なんか轢かれたら砕け散りそうだ。

 

 説明をナミが聞いている間に、待っていた奴がやって………転がってくる?

 

「ぎゃぁああああ!!!! 止めてくれェええええーーー!!!!!」

 

 大量の荷物のせいで転がっているウソップ。来るとは思ってたけど、ハデな登場のしかただわ。

 船に直撃すればせっかく手に入れたのに穴が空きかねない。そんな理由でウソップはルフィとゾロに足蹴にされて止められていた。せっかく立派な鼻もへしゃげている。

 

「お前らも元気でな!!またどっかで会おう!!」

 

 お嬢様との別れを済まして、私たちになにやら検討違いな台詞を投げ掛けてくる。全く何をいってるんだか

 

「何言ってんだよ。早く乗れよ」

 

「え?」

 

「いつまでも出港できないでしょ? その荷物こっちに移しなさい」

 

 その辺でウソップの顔に驚愕の色が浮かぶ。まさか本当に別々にいくつもりだったのだろうか? こいつは。

 

「俺達、もう仲間だろ?」

 

 その台詞でウソップは飛び上がった。世話のかかるやつめ。

 

「キャ……!! キャプテンは俺だろうな!!」

 

「ばかいえ!!俺がキャプテンだ!!!」

 

 そんなやり取りの後、船は出向する。荷物の整理をしていると、気が利くわね。酒もいっぱい積んであるじゃない。それをルフィ達にみせると、満場一致で宴が始まる。

 

『乾杯だーーーー!!!!!』

 

 私は珍しく、きっと本当に珍しく、満面の笑みを浮かべながら皆と一緒に叫んだのだった。

 

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 

「私を呼び出すなんていい度胸しているじゃない? ねぇガープ?」

 

「ふん、たまにお前さんの所在を確認しとかんと何をしてかすが解ったもんじゃないからの。ほれ、付き合わんかい」

 

 シャボンディー諸島にある一件の酒場でモンキー・D・ガープは呼び出した相手と酒を飲みかわしていた。ガープの前に座る女はふわふわとした緑色の髪をしていて、特徴的なチェックの柄の服を着ている

 

「まぁこの酒に免じて許してあげるわ。それなりに長い付き合いだしね」

 

 そういって、刹那でグラスを空にする。

 

「早いわ!! もうちょっと味わって呑まんか!! お前を引っ張り出すためにかなりの金額を叩いたんじゃぞ?」

 

「だからこうやって来てるじゃない。で?何なのよ?まさか酒を奢ってくれる為だけに呼んだんじゃないでしょ?」

 

「全くお前さんは………。ワシを振り回すのは孫のルフィとお前さん位じゃわい」

 

「あら? あなた孫なんかいたの? そう言えば、あなたの息子にも、あったことないのよねぇ、私」

 

「ふん、あの時代の海を知るものも随分と減った。ワシは老いたが、お前さんはあの頃のままだの。え?幽香?」

 

「……………」

 

 その言葉を聞いた風見幽香は軽く息を吐いて、目の前のジジィの息の根を止める方法を考えたのであった。

 

 

 

 




 幽香りんかわいいよ幽香りん。東方からの参戦キャラは確定してる奴以外は地味に決まってない。減らすつもりはないけど増やすのは未定な感じです。

 今年も後僅かです。皆さん体調にはお気をつけください
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