ドラゴンボールad astra   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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準最強タグ「待 た せ た な」


第六十三話 サイヤ人絶滅計画②

 捌く、捌く、捌く。

 ミラの猛攻を必死にいなしながら勝機を探るが、まるで光明が見えてこない。

 ハッチヒャックは何とかセルが抑えてくれているが、このミラだけでも充分過ぎるほどに難敵だ。

 まずそもそもの地力で圧倒的に劣っており、あのブロリーとの戦いを彷彿とさせる程に身体能力と気に差がありすぎる。

 その上ミラはブロリーと違い戦闘技術も決して低くない。

 なかなかカウンターを合わせる事も出来ず、戦闘技術を総動員しても防戦が手一杯だ。

 それでも両者の戦力差を思えば防御出来ているだけで拍手喝采ものなのだが、やはり勝敗の天秤は完全に偏ってしまっていた。

 ミラのアッパーカットがリゼットを跳ね上げ、その瞬間に脱力! ぐるんと一回転して衝撃を逃し、更に回転の勢いを殺さずに股間を蹴り上げる。

 

「ッ!! 貴様、また……!」

 

 ミラが脂汗を流しながらも即座に反撃し、リゼットの華奢な身体を殴り飛ばした。

 これも脱力で何とか流してフワリと着地。

 だが逃しきれなかった威力がダメージとなり、リゼットの口の端からは血が流れていた。

 指先で血を拭い、あくまで表面上は静かに佇む。

 

(急所への攻撃もあまり効果なし、ですか……これは参りましたね)

 

 リゼットはげんなりしながらも、ここから繰り出せる攻撃を模索する。

 まずレイジングブラストやスパーキング・メテオによる気の大出力攻撃は真っ先に除外。

 今やっても無駄に疲れるだけだ。

 気弾連射は論外中の論外。超能力も効果なし。

 接近しての急所狙いすらあまり効かないときた。

 加えて、この場にはハッチヒャックもいる。

 セルも頑張ってくれているが、やはり厳しいのだろう。

 時折ハッチヒャックの攻撃がこちらにも飛んできて、非常に苦しい戦いとなってしまっている。

 

「ミラ、いつまで遊んでるの? さっさと片付けるわよ」

 

 トワが杖を構えてリゼットの後ろに浮かぶ。

 ただでさえ勝ち目が薄いというのに、ここにきてトワの参戦だ。

 彼女の力は未知数だが、まさか弱いという事はないだろう。

 これでますます勝ち目は減り、戦局は逆転不可能な所まで追い詰められてしまった。

 

「そら!」

 

 トワが気弾を放ち、リゼットがバリアで防ぐ。

 だがすぐにミラが距離を詰めて蹴りを放ち、リゼットが避けた所でまたトワが気弾を放つ。

 遠近の息のあったコンビネーションだ。リゼットに反撃の暇を与えない。

 リゼットは二人の攻撃を避けるだけで精一杯となり、劣勢へと追い込まれていく。

 防御の緩んだ隙を突いてミラの拳が当たり、リゼットが殴り飛ばされる。

 だが壁に激突する寸前にセルが受け止める事でダメージを抑えた。

 

「大丈夫か?」

「いえ、あまり大丈夫とは言えませんね。そちらは?」

「同じようなものだ。あのハッチヒャックとやらは一人では手に余る」

 

 どうやらセルの方も優勢とは言い難いらしい。

 だがそれも仕方の無い事だろう。ハッチヒャックはパワーだけならばブロリーにも匹敵するのだ。

 せめてどちらか片方だけでも倒せればまだ希望も見えてくるのだが、問題はそのどちらもリゼットとセルの二人がかりでも勝てるかどうかという難敵だということだ。

 ましてやそんな相手が3人同時となれば、もうこれはどう勝つかよりもどう逃げるかを考えた方がいい次元である。

 だがセルはまだ勝算があるのか、リゼットへと念話で話しかける。

 

『聞け、義母(リゼット)よ。この状況を逆転する手段が一つだけある。

宇宙中から貴女へと集う信仰の念を使うのだ』

『……それで勝てるとはとても思えませんが』

『勝てる。サイヤ人に対するツフル人の怨念だけでもあれだけのパワーが引き出せるのだ。

宇宙から貴女へと向かっている信仰はあんなものとは比較にもならん。

その力をハッチヒャックのように我が物と出来るならば必ずや勝てる』

 

 セルの言葉はリゼットには信じられないものであった。

 このドラゴンボールの世界の強さとは基本的には気の力強さである。

 超能力だの魔法だのといった特殊な力は存在しているしリゼットも使っているが結局は腕っ節の強さが物を言うのだ。

 そこに信仰だの怨念だのを持ち込まれてもイマイチぴんと来ない。

 信仰を集めて強くなるなんて聞いた事がない。

 

『信仰はあくまで切っ掛けに過ぎん。その力を踏み台として貴女は真なる神の領域へと至る事が出来る』

『生憎ですが、信仰の使い方なんて私は解りませんよ』

『貴女には元気玉を元に編み出した、他者の気を集めて力へと変える技があるはず。

あの要領で宇宙へと語りかけるのだ』

 

 セルが言っているのはリゼットが使える元気玉モドキの事だろう。

 普段も食事が必要なくなる程度に太陽などから気を分けて貰ってはいるが、リゼットが本格的にこれを使用したのはターレスが撒いた神精樹を処理する時の一度だけだ。

 思えば我ながらおかしな話ではないか。

 いかにモドキとはいえ、この技を使えば確かに力を増す事は出来るはずなのに、何故かそれを使おうと思った事がなかった。

 クウラと戦った時も、ボージャックの時も、ブロリーの時ですらも。

 どれも苦しい戦いだったし、格上との戦いだった。

 だがこの元気玉モドキを使えば逆転とは言わないまでも、戦況を変える一手にはなったはずだ。

 何故、使おうと思わなかった?

 そう考え……リゼットの心を僅かな恐怖が過ぎった。

 

(怖い……? そうか、私は怖かったんだ……。

あの技を本気で使った時に陥るトランス状態……それがまるで、自分ではなくなるようで……)

 

 元気玉モドキを使わなかった理由。それはリゼットの中にある恐怖心が原因だった。

 あの技を本気で使う時、リゼットは妙なトランス状態へと陥る事があった。

 柄にもなく地球やそこに生きる全てを愛おしく思い、守りたいという気持ちが増大した。

 ターレスとの戦いではそこまでは至らなかったが、いつも自分を保てるとは限らない。

 それがリゼットは嫌だった。だから使わなかったのだ。

 ましてや宇宙からの気の集約などと……。

 

『……あの技は……欠陥品です。とても使える物ではありません』

『違うな。貴女が意図せずして編み出してしまった、オリジナルの元気玉をも超える究極の技法だ。

偶然と呼ぶにはあまりにも出来すぎている。貴女は偶然その技を編み出したと思っているようだがそれは違う。得るべくして得たのだ。宇宙が貴女を選んだのだ。

私ですらあの技だけは真似出来ん。私は選ばれた者ではないからだ』

『それをここで使えと?』

『それしか逆転の手はない』

 

 セルから伝わる念話に、気のせいか熱が篭る。

 この熱には覚えがあった。メタルクウラとの戦いが終わった後にセルが垣間見せたあの狂気にも似た熱い視線。己へかける何かの期待。

 この男はまだ自分に何かを隠している。

 

「何をコソコソと話しているの?

ああ、ひょっとして孫悟空達が地球のデストロンガス発生装置を破壊して『ジャジャーン! 待ってました!』と物語のヒーローのように駆け付けてくれる事を期待してるのかしら? ふふふ、それなら無駄な事よ」

「何ですって?」

「これをご覧」

 

 どうやらリゼットとセルの密談を誤解したらしいトワが一方的に嘲笑し、空中に映像を映し出す。

 あの技いいな、今度真似しよう、などと思いながらリゼットはそれを見上げる。

 そこに映っていたのはゴースト戦士達に苦戦する悟空達の姿であり、あろうことかゴースト戦士の面子がリゼットの知識と異なっていた。

 本来はフリーザ、クウラ、ターレス、スラッグで面子が構成されるはずなのに、何故かそこにはターレスとスラッグではなくボージャックを始めとするヘラー一族とパラガスがいたのだ。

 

「こ、これは……」

「ちょっと面白そうな奴等がいたからねえ。怨念を導いてあげたのよ。

そしたらほら、この通り。孫悟空達はとても貴女を助けになんて来れる状況じゃない。

むしろこのままだと全滅するんじゃないかしら?」

 

 リゼットは唇を噛み、苦悶の表情を浮かべる。

 不味い。最悪一歩手前の事態だ。

 本当ならば自分がライチーやその近辺の戦力を全て削り取って、地球のガス発生装置を破壊した悟空達と共にハッチヒャックを始末するつもりだったのだが完全に裏目に回ってしまった。

 これではただの戦力分断。各個撃破の機会を敵に与えただけだ。

 ナメック星の時といい、この魔族二人組はどこまでもこちらの策を潰してくれる。

 特にヘラー一族は不味い。フリーザなどはまだ、今の悟空達ならば簡単に蹴散らせるが、ボージャックは今の悟空でようやく倒せるという実力者だ。

 加えて厄介なのは、彼等はチームプレイでこそ力を発揮するという事である。

 それでも超サイヤ人2の悟飯まで加えた今の皆ならば勝てない相手ではない。

 実際、映像の中では悟飯が劇場版さながらの無双ぶりでヘラー一族を次々と葬っている。

 しかし、ゴースト戦士は復活するのだ。

 映像の中では復活したボージャックがベジータを殴り飛ばし、他のヘラー一族が総掛かりで悟飯に襲い掛かって体力を削っている。

 このままでは、悟空達が全滅してしまう可能性は低くない。

 ……唯一の救いは、ブロリーがいない事くらいだろうか。

 流石のハッチヒャックも自分より強い相手はゴースト戦士に出来なかったと見える。

 

義母(リゼット)よ、私の言っている事の意味が解っただろう。今、地球を救えるのは貴女だけだ。

仮に私の言う事が間違いだとしても、単純なパワーアップにはなるはずだ。使って損はあるまい』

『……まあ、確かにそうですね』

 

 セルの言う事はとても信じられない。

 だが本来の使い方をするならば、確かにあの技は最善手の一つだ。

 単純にリゼットを強くしてくれるし、そうなれば逆転の目も出て来る。

 セルが何を考えているかは知らないが、ここでミラ達に殺されてしまってはその企みを看破する事すら出来ない。

 それに何より、このまま悟空達を死なせるわけにはいかないのだ。

 ならば決断する他ない。自分しかこの窮地を脱する術を持たないのだから。

 ここで魔族二人とハッチヒャックを退けて地球へ行き、悟空達をも助ける。そんな夢のような逆転劇を起こすには、些細な事を恐れている場合ではない。

 だからリゼットはまず、全力でこの窮地を突破する方を選択した。

 

 選択、してしまった。

 

「……――Xenoverse(ゼノバース)

 

 技名を静かに宣言し、目を閉じる。

 両手を祈りの形にし、己の内へと意識を埋没させた。

 一体何をする気かは分からぬミラとハッチヒャックが突撃するが、それを四体に増えたセルが阻んでリゼットを護った。

 そうしているうちにもリゼットの意識は更に深層へと沈み、完全なトランス状態へと移行する。

 地球、太陽系、銀河系、そして宇宙……。

 今や遥か先、幾百光年先まで感知可能となってしまったリゼットの超規格外感知能力を全開放し、知覚出来る限りの全宇宙へと意識を飛ばす。

 否、亜空間を用いる事で距離の制約すらも超えるリゼットの感知域に限界などない。

 彼女は未だ名すらも知らぬこの第7宇宙全域へと意識を拡散し、そこに生きる全ての命を同時に感じ取った。

 人間の感応限界などとうに超過し、ありとあらゆる命の光を受け止め、己へと注がれる信仰を力へと変える。

 

(……だ、駄目! これ以上は、もう! 私が私でなくなる!

注ぎ込まれる信仰の念が、予想よりも桁違いに多すぎる! 信仰に、私自身が塗り変えられる……。

わ、技を、中断……)

 

 これ以上はもう無理だ。信仰が強すぎてもう毒にしかならない。

 そう判断し、リゼットは技を中断する事を決意した。

 まだ充分とはいえないが戦力は確かに高まっている。

 だから、もうここで止めた方がいい。自分がこの技に薄々感じていた恐怖はやはり正しかった。

 もうこれは元気玉モドキではない。元気玉を真似るつもりで、全く異なる技を編み出してしまっていた。

 こんなものはもう制御出来ないし、手に負えない。

 セルは究極技法と呼んだがとんでもない。制御出来ない技などただの欠陥品だ。

 だがそこに、今まで聞いた事のない冷たいセルの声が鼓膜に響いた。

 

「止めてはならん」

 

 完全に無防備となっていたリゼットの額に不意打ちで何かが嵌められる。

 それが何かはリゼット自身からは見えない。

 だがセルの手にある『コントロール装置』には覚えがあった。

 あれは……あれは、ブロリーを無力化する為にブルマに造らせた装置!?

 

「なっ……それは!?」

「破壊されたはず、か? ふふ、甘いな。未来の貴女が同じ策を考えなかったとでも思ったかな?

結局未来ではブロリーがこんなものでは制御出来なくなってしまい、お蔵入りした策だが今の貴女ならばまだ制御出来るぞ。

そして私には貴女の細胞がある。貴女の気にしか反応せぬこの装置も私ならば使いこなせる!」

「セル! あ、貴方は一体何を……」

 

 ここにきて突然被っていた猫を捨てたセルに動揺し、すぐに額の装置を外そうと手をかける。

 だがもう遅い。リゼットは『一手』どころか『二手』も『三手』も遅れたのだ。

 セルは壮絶な笑みを浮かべ、そして命令を下す。

 

「さあ、技を続行しろ! 信仰を集めた先の未知の領域へと至るのだ!」

「――っ! ……は、い……」

 

 セルの『命令』を受け、リゼットの眼から光が消える。

 そして再び発動するのは、彼女自身が欠陥品と断言した技だ。

 その力を用い、宇宙中から気と信仰の念を己へと注いでいく。

 かつてサイヤ人に伝説在り。

 一人の正しきサイヤ人を五人の正義のサイヤ人が囲み、力を与える事でサイヤの神を誕生させた。

 正しき祈りと力は時に人を神の領域へとシフトさせる。それほどの力がある。

 

 ――愛おしく思う。

 この宇宙に生きる、今を必死に生きる命達を護りたいと願う。

 創造の前に破壊在り。

 破壊の後に創造在り。

 破壊と創造は表裏一体。

 ならばこの世界を護る為にまずは壊そう。

 悪しき全てを殲滅し、その後に種を撒こう。

 破壊を司る神は未だ深き眠りに就き、創造を司る神はその力を失って久しい。

 ならば破壊も創造もこの手の中に。

 

 今ここに信仰に満ち、彼女の魂は完全に一つ上の領域へとシフトした。

 その気は完全に透明となり、最早同じ領域の神以外感知は出来ない。

 祈りが終わったリゼットは最早先ほどまでの彼女ではなかった。

 見た目が大きく変わったわけではない。

 まるで元気玉を思わせる白い輝きに包まれているが、外見はいつも通りの彼女だ。

 あえて違いを上げれば白い翼が消えて輝く光輪になっている事くらいだろう。

 だが――存在感が違う。

 まるで一つの宇宙そのものが人の形を模してそこに立っているような、そんな有り得ないほどの馬鹿げた存在感が彼女にはあるのだ。

 

「ふっ……何かと思えばまた下らぬ変身か。

キリもまるで感じれない……そんなこけおどしで俺に勝てると思ったか?」

 

 ミラが冷や汗をかきながらもハッタリだと切り捨て、蔑むように笑う。

 そして一足先に今のリゼットの危険さに気付いたトワの制止も聞かずに愚直に飛び出し、拳を放った!

 

『……』

「っ!」

 

 ミラの拳を受けてもまるで動じず、リゼットが静かに目を開く。

 その()色の瞳に映るミラは、まるで虫か何かのように映っていた。

 文字通りの羽虫でも見るかのような神の視線。それを侮辱と取ったミラが激昂し、更に怒涛の連撃を放つ。

 だが通じない。直撃しているはずなのに全く意味がない。

 その滑稽な姿を見て、セルが心底馬鹿にしたように笑った。

 

「愚かな奴だ。貴様如きが勝てる相手ではないと解らんのか。

まあ役には立ったよ。私の予定通りに彼女を追い詰めてくれた……故に感謝だけはするぞ、時間を越えた道化よ」

 

 セルの言葉を肯定するようにリゼットが無造作に手を振るう。

 まるで虫か何かを払うかのような一撃。

 だがそれだけでミラの右半身は『無くなった』。

 あまりの出来事に悲鳴すらも上げる事が出来ないミラとはうってかわり、トワが狂ったように叫ぶ。

 

「ミラ!? 嫌っ、ミラ! 私のミラァァァ!!」

『…………』

 

 泣き叫ぶトワへ、リゼットが無情にも手を向ける。

 悪へ向ける情けなどない。

 命を脅かす者への躊躇などない。

 その瞳はトワとミラを映してはいるが、見てはいない。

 今のリゼットにこの二人は排除すべき塵芥でしかなく、それ以外の何者でもなかった。

 だが、その彼女に背後から怨念の塊であるハッチヒャックが強襲をかける。

 無論敵ではない。

 後ろを向いたまま、まるで身体が勝手に避けている(・・・・・・・・・・・)かのようにハッチヒャックの拳を回避して掌を向ける。

 

『――浄化(はかい)

 

 一言、呟く。

 たったそれだけの事でハッチヒャックは悲鳴をあげて余りにも呆気なく消滅し、残骸すらも残さない。

 だが彼が稼いだほんの1秒にも満たぬ間にトワは時間跳躍を果し、この時代から逃げ出した。

 

『…………』

 

 消えてしまったトワ達を見送り、リゼットは首をかしげる。

 この宇宙のどこからも居なくなってしまうとは不思議な技だ、とでも思っているのかもしれない。

 だが、まあいいと思ったのだろう。

 消すべき悪はまだ他に存在している。まずはそれを消してしまうのが今の彼女にとっては先決だったのだ。

 向かうべきは――地球。

 己が護るべき愛する惑星だが、そこにずっと前から害虫が住み付いている。

 『サイヤ人』という宇宙の悪が我が物顔で暮らし、過去の罪を棚に上げてのうのうと生きている。

 ……消さねばなるまい。

 愛する宇宙を護る為に、悪は全て排除する。

 その為にリゼットは白い光の軌跡を残しながら飛翔し、宇宙を飛んだ。

 

「……素晴らしい!!

まさに予想通り……いや、それ以上! これぞ私が求めたパーフェクトを超える究極なる存在だ!」

 

 そしてそんな彼女を見て、セルは一人狂喜した。

 やっとだ。やっと……己の計画に王手がかかった!




綺麗なセルなんていませんよ……メルヘンやファンタジーじゃあないんですから……。

というわけで、長く続いたボスラッシュ編のラスボスが出現しました。
最後の敵は暴走リゼットです。これを倒せば少なくとも7年後までは本当にボスキャラは出ません。
ちなみにゴーストブロリーに関しては、流石にハッチヒャックよりも強すぎたせいで召喚出来なかったようです。
なので代わりにゴーストパラガスが来てくれました。

Xenoverse(ゼノバース)
リゼットが編み出した元気玉モドキ……と本人が思っていた技。
その実態は『サイヤ人以外でも出来る超サイヤ人ゴッド作成』。
気を集めて強化するのは、その前段階のオマケのような能力に過ぎず、偶然元気玉に効果が似ていただけ。
サイヤ人ではないので、作成に必要な人数は5人では足りず、相当数の信仰がなければ成立しない欠陥技。
つまり元気玉には掠ってすらいない、完全な別物。
本人はドヤ顔で完璧な論文を書いたつもりで、実は全く別の論文を書き上げていた。
技を作る才能があるんだか無いんだか。

【戦闘力】
・神域リゼット:計測不能
(22兆)
『気が表面化しない』神の領域へと完全に踏み込んだリゼットの姿。
ボスラッシュを解決する方法……それは私自身がラスボスになる事です。
戦闘力はもはや計測不能であり、少なくとも魔人ブウくらいならば一撃で消滅させてしまえるだけの戦闘力は持っている。
ぶっちゃけるとビルスと戦いが成立するレベル。
漫画版悟空と同じく、神の気を集約させての『破壊』も使う。
現状、このリゼットを力で沈静化させる事が出来るのは第7宇宙ではビルスとウイスしかいない。
助けてビルス様!

ビルス「Zzz……」

……駄目みたいですね。

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