MOMO TAROU   作:源治

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第十話 新たな仲間

 

謎の子供の正体を聞き終えたおじいさんは、未開封の桃缶を少年に渡しました。

それをやるから、オーガ機関について知っていることを教えろと聞きます。

 

謎の子供は首を左右に振りました。

 

なぜなら、謎の子供も特に知っていることはなかったからです。

おじいさんは特に落胆もせずに、そうか、と返事をしました。

 

ならもうここには用はない、とっとと面倒ごとを片付けて次に行こう。

 

そして、おじいさんはふところから銃を取り出します。

全長33.5cm、重量4kg、口径454カスール、装弾数7発、使用弾 13mm爆裂徹甲弾。

 

そんな規格外の拳銃を片手で持って構え、発砲しました。

 

美女と謎の子供はその迫力と爆音に驚きます。

そしてなにより、発射された銃弾の着弾先に。

 

弾は、一人目の被害者である漁師Cの遺体に着弾して爆発しました。

 

美女と謎の子供は唖然とします。

しかしおじいさんは吹き飛んだ漁師Cの遺体を未だににらみつけています。

 

 

『やれやれ、ひどいことをする』

 

 

突然酒場に響いたその声は、なぜか吹き飛んだ漁師Cから聞こえてきます。

そして漁師Cの身体がむくりと起き上がり、吹き飛んだ部分の身体が一瞬にして再生しました。

 

そして漁師Cだった存在は、黒い肌の恐ろしい悪魔に変わりました。

なんと彼の正体は人に紛れて諍いを起こし、それによって失われた魂を集める悪魔だったのです。

 

うるさいゴキブリやろう。

 

おじいさんは間髪を容れずに、残った弾を悪魔に全て撃ち込みます。

しかし、悪魔は身体を吹き飛ばされるものの、すぐに再生してしまいました。

 

おじいさんは舌打ちをします。

手持ちの装備では殺しきれないと理解したからです。

 

悪魔はくくくと笑います。

 

たまたまエサ場にしていた島で、久しぶりに人間の魂にありつけ。

おまけに因縁のあるおじいさんに、復讐できるチャンスが訪れたからです。

 

下級といえど悪魔、生半可な装備ではどうにもできません。

 

おじいさんは、弾をリロードしながらめんどくさそうな顔をします。

そして、こう言いました。

 

おい、いい加減に起きろ。

 

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一人殺せば、一人救ったことになるのか。

その命は、よい命か?

 

 

 

五十年前のその日、地獄の門が開き、世界に終わりが訪れようとしていました。

 

迎え撃ったのは、若かりしころのおじいさん。

いつだってそのそばに付き従っていたおばあさん。

ぶつくさと文句を言いながらも、共に来てくれた犬。

 

そして……

 

 

 

なんだ、せっかく気持ちよく寝てったってのに。

 

カウンターで死亡していた酔っ払いが、むくりと立ち上がります。

酔っ払いは、おじいさんと同じくらいの年齢のおじいさんでした。

 

ですが、くぼんだその目は深い絶望と凄みがあります。

 

酔っ払いは頭を振りながら、近くにあったワインを手に取りラッパ飲みをします。

そしてチラリと悪魔のほうに目をやりました。

 

悪魔が目に見えて動揺します。

 

なぜなら、その酔っ払いの男に見覚えがあったからです。

 

その男は、死んだ息子が地獄ではなく天国に送られるよう天と取引した父親。

 

その引き替えに何十年も神の代理人として戦い続けている修道士。

数々の名のある悪魔を祓い続けた、悪魔にとって恐るべきエクソシスト。

 

そしてキージ礼拝堂に所蔵されているベルニーニの彫刻「ハバククと天使」。

 

かつて神に捧げるその彫刻を守る為に、数百の悪魔を一夜で葬り去った聖騎士。

その功績から自らも、キージ、と名乗ることを許された、伝説の司祭だったからです。

 

なんだか色々な立場や肩書きがごっちゃになってる気がしますが、気にしてはいけません。

 

ああ、なんか気配がするから張ってたんだが、ようやく姿を現しやがったか。

 

キージの両の手に、黄金のグレネードランチャーが現れます。

それは『ダネルMGL』と呼ばれる装弾数6発の連射可能な擲弾発射機に似ていました。

 

しかし、その見た目はあまりにも神々しく、どう見ても神の加護を受けています。

 

悪魔は慌てて逃げだそうとしました、相手がやばすぎます。

しかし逃げるには既に遅すぎました。

 

キージの背中から純白ではなく、物語の都合上の演出でキジの羽が現れます。

 

そして聖なるグレネードランチャーを構え、逃げる悪魔に向けて撃ちます。

発射された弾は空中で破裂し、中から聖水に浸した純銀製のニードルが何十本も現れました。

 

12発全て発射されたため、そのニードルの数は百を超えます。

 

悪魔は逃げること叶わず、一瞬にして数百の杭により磔にされます。

そして恐ろしい断末魔の叫びをあげて、崩れるように溶けて消えてしまいました。

 

キージは悪魔の最期を確認して、そこでようやくおじいさんに気がつきました。

 

おじいさんはニヒルな笑みを浮かべて、挨拶をします。

そして、ちょっと一緒に来て欲しい場所があるんだ。と、言いました。

 

キージはなにがなんだかわかりませんでしたが、それはいつものことなのでこう返事をしました。

 

取りあえず一杯奢れ。

 

その言葉におじいさんは、もう奢ったよ、と笑みを浮かべます。

こうして、おじいさんの復讐の旅に、心強い味方が加わりました。

 

そう、おじいさんの復讐の旅は、次のステージに進もうとしていたのです。

 

 

MOMO TAROU 雉編(シーズン2) 完

 

 

 

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