MOMO TAROU   作:源治

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第十七話 鬼を倒す者

 

結果から言うと、鬼ヶ島への潜入には成功しました。

 

しかし潜入かと聞かれれば、突入かな……と答えざるをえません。

そして、突入に成功したメンバーはおじいさん、犬、雉の三人。

 

そうです、猿は貴い犠牲となったのです。

 

鬼ヶ島への突入にあたり、英軍から提供された超音速・高高度戦略偵察機『SR-71』

米軍から提供されてたそれに、英軍がさらに改造を施し、もはやどれだけ速く飛べるかの身を追求した芸術的な航空機に、おじいさんと犬が乗り込みました。

 

そう、この機体は複座とはいえ、乗員は二人。

メンバーはゴジラを含めて五人にもかかわらず、乗り込めるのは二人。

 

なので猿は背中にゴジラを乗せ、機体の先っちょにダクトテープで一緒にくくりつけられました。

猿は抵抗しましたが、無意味でした。

 

雉は普通に飛べるので、後ろからついていきました。

マッハ4を超えていましたが、普通についてきました。

 

さすが雉です。

 

そして鬼ヶ島が射程に入った瞬間。

ゴジラのレーザーが炸裂しました。

 

ゴジラのレーザーは、猿とひっついていられたので愛のパワー200%まで充填が完了状態。

それは現役時代よりも高出力なうえ、サイズが小さくなった都合25倍以上に圧縮されていたので、余裕で鬼ヶ島のバリアーに穴を空けることができました。

 

が、そのまま鬼ヶ島を落としてしまう前に猿の拘束が解けてしまい、そのまま海に真っ逆さま。

もっとも、高度一万メートルを超えていましたが、誰も心配しませんでした。

 

むしろ犬は「あの野郎うまく逃げやがった……」と口にするくらいでした。

 

そんなこんなで、SR-71は一時的に空いたバリアの穴をくぐって島に強制着陸。(墜落)

という経緯で、おじいさんたちは島への突入に成功したのでした。

 

しかし直ぐに数百人を超える、オーガ機関の戦闘員達がやってきます。

おまけにその戦闘員達は全て、吸血鬼化した兵士でした。

 

こっちだけズルして無敵モードだもんな、最高に勃起モンだぜ!

 

状態と見せかけて、吸血鬼化した程度でどうにかできるようなメンバーはここには居ません。

というか、すでに雉の聖なるグレネードランチャーによる鏖殺が始まっていました。

 

オーガ機関の吸血鬼兵達は必死に反撃しますが、重火器程度で雉がどうにかできるなら、とっくの昔に悪魔の軍団がやっています。

 

銃では駄目だ!手榴弾、手榴弾だ!

お前はいったいなんなんだぁあ!?

 

といった悲鳴が聞こえましたが、気がつけばオーガ機関の兵士達は全滅していました。

普段は悪魔相手が多いですが、雉にとっては吸血鬼も駆除対象なので当然と言えば当然でした。

 

さすが雉、酒が入ってなくて、腰痛が治まっていれば相当強いです。

 

ですが、雉の前に赤いコートを着た吸血鬼が立ちはだかります。

マズイです、明らかにヤバイ原初の吸血鬼です、串刺し公です。

 

雉は言います、コイツの相手は俺がするから行け、と。

 

おじいさんと犬はその言葉に頷きます。

そして雉の背中を軽く叩き、走り出しました。

 

赤い吸血鬼は言います。

鳩(神の鳥)では私を倒せない、鬼を倒すのはいつだって人間だ、と。

 

雉は聖なるグレネードランチャーをリロードしながら言い返します。

 

そりゃおたくらの住んでた地域の話だろ……。

俺らの常識ではな、鬼を倒すのはいつだって桃太郎一味さ。

 

ガシャン、とリロードを終えた聖なるグレネードランチャーを原初の吸血鬼に向けて、雉はこう続けました。

 

それに俺は鳩(ハト)じゃない、雉(キジ)だ。

 

 

 

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鬼ヶ島の心臓部っぽい建物を見つけたおじいさんと犬。

彼らはボスがいそうな場所を探しながら走っていました。

 

適当に破壊工作しながら走っていましたが、やはりこれだけ大きい島だとそう簡単には落とせません。

『バベルの光』の事を考えると、相当強力な動力炉があるはずなので、そこを破壊する必要があります。

 

なんて考えたところで、分かれ道があらわれました。

 

案内板には『左:動力炉』『右:最高司令室』と書かれていました。

わかりやすすぎな気もしますが、組織の規模的にわかりやすく書いていないと大問題です。

 

なので二人は信用することにしました。

 

犬はおじいさんに言います。

俺は動力炉を潰す、だからあんたは落とし前をつけてこい。

 

おじいさんは昔、そしてつい最近言った気もする言葉を思いだし、口にします。

死ぬなよ、天国の門は俺たちには似合わない。

 

犬はニヤリと笑い、こう言い返しました。

まあ、俺らが行くのは地獄だろうさ。

 

そして二人は拳をぶつけ合って口をそろえて言いました。

 

 

『次は地獄で鬼退治だ』と。

 

 

そして最高司令室に向かって走り去るおじいさんを犬は見送ります。

ふと懐かしい気配を感じて、動力炉に続く方向をみると、そこには何時ぞやの完成形人型生物兵器が、重防弾コートや重火器を装備した完全装備状態で立ちふさがっていました。

 

ラスボス(人型生物兵器)は、嬉しそうに指をクイクイとします。

 

それを見て、犬はやれやれと口にしながらも、楽しそうに力を解放しました。

 

すると身長が伸び、筋肉が隆起し、牙が生え変わり、瞳は鋭く、鼻が長くなります。

そして犬の体は、銀色の毛で覆いつくされました。

 

ワーウルフ(狼男)状態となった犬はゆっくりと壁際まで移動し、壁に体を擦りつけてマーキングし、ここは自分の縄張りだと宣言しました。

 

人型生物兵器も負けじと胸元に縫い付けられた社員証を指さしました。

 

こうして、因縁のリベンジマッチが開始されたのです。

 

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