MOMO TAROU   作:源治

9 / 20
第九話 償いの道

 

前回までの生存者と被害者。

 

 

バーテンダー(死亡)

漁師A(死亡)

漁師B(死亡)

漁師C(死亡)

美女

カウンターの酔いつぶれ

おじいさん

妙に怪しい子供

 

 

事件は終わりました。

最有力容疑者である美女が、目の前で現行犯な犯行をしてしまったからです。

 

推理もクソもありません、現行犯です。

 

そして美女は、アイスピックを握ったまま、放心状態です。

ですが油断はできません、なぜなら不倫相手のバーテンダーのあとを追うと先ほど叫びながら刺していたからです。

 

怪しい子供は、動揺しながらもゆっくりと美女に近づきます。

そしてなぜこんなことをしたんだと、教えてくれと美女に聞きました。

 

美女はぽつりぽつりと、この島でただ一人自分に優しくしてくれたバーテンの彼とのなれそめや、これまでの楽しかった日々の思い出を話し始めました。

 

バーテンを支えていたのは彼の妻ではなく、自分だったと。

 

内容は家庭版にありそうな感じでした。

でもまぁ、どう考えても結末は火曜サスペンスエンド以外あり得ない感じでもありました。

 

美女は最後に、私は悪くない、そして彼があんなことを言わなければ、きっと幸せになれたとテンプレ白状タイムを締めくくりました。

 

ここぞとばかりに、怪しい子供がスーパー説教タイムを始めます。

 

バーロー!

 

どんな理由があったとしても、殺人は許されない罪だ。

でも、それでも罪を犯してしまったものは、償うべきなのだと。

 

ちなみにおじいさんは、ピンク色を通り越して深紅に変わったカクテルをじっと見つめています。

正直途中からなにを混ぜたか覚えていません、しかもなぜか微妙にカクテルから声が聞こえてきます。

 

たぶん生きた人間の魂だけを抽出後、凝縮した石ができちゃった感じです。

 

うっかり飲み込んでしまったら、身体の中から内なる声が聞こえてきて、536,329人全員との対話に成功しないと、毎日騒音に悩まされて睡眠不足になりかねない金属製の錬金術師に出てきそうな紅い液体金属状の石な感じです。

 

正体を知ってしまうと、地獄を見る事になる感じです。

 

魂無しでつくってしまった感じも含め、相当マズイです。

でもおじいさんは 地獄ならとうに見た! 状態なので、ノーダメです。

 

バーロー!

 

子供はノリノリでセッキョウボーナスタイムです。

コインがじゃんじゃん出てくるボックスを叩き続けるビジュアルです。

 

美女はうつむいたまま、子供のセッキョウを聞き続けます。

 

どんな理由があったとしても、殺人は許されない罪だ。

でも、それでも罪を犯してしまったものは、償うべきなのだと。

 

おじいさんは処理に困ったカクテルを、カウンターの酔いつぶれの鼻を摘まんで口を開けさせ、頑張って流し込んでみました。

 

 

バーテンダー(死亡)

漁師A(死亡)

漁師B(死亡)

漁師C(死亡)

美女

カウンターの酔いつぶれ(死亡)

おじいさん

妙に怪しい子供

 

 

どんな理由があったとしても、殺人は許されない罪だ。

でも、それでも罪を犯してしまったものは、償うべきなのだと。

 

散々説教してすっきりした子供は、肝心の最初の一杯のトリックについて聞くことにしました。

 

一生懸命考えてわかった気になっていたのですが、結局よくわかりません。

おじいさんを利用してなんとか自白させようとした計画もパーになりました。

 

美女は言いました、なんのこと? と。

 

漁師A、B、Cについては、一切なにも知らないと。

彼らの死に自分は一切関与していないと、きっぱり否定しました。

 

あるぇ?

 

完全に色々な前提が崩れた子供の推理は、灰になって空中に霧散しました。

そして美女はアイスピックを自分の胸に向け、突き刺そうとします、後追いです。

 

あ、すまん、それちょっと待ってくれ。

 

一仕事終えたおじいさんが、いま、ようやく口を開きました。

超ウルトラスーパーミラクル清々しい顔です。

 

おじいさんの存在を忘れていた美女と子供は、驚いた顔でおじいさんを見ます。

隣の酔いつぶれた人は、普通に酔いつぶれてるものと認識されています。

 

なぁ坊主、オーガ機関って名前に聞き覚えはないか?

 

その機関の名前を聞いて、子供に激震が走ります。

音は閃きの効果音です、効果音の設定がミスってます。

 

話を戻すと、子供は確かにその謎の組織の名前に聞き覚えがありました。

 

子供は一瞬とぼけようとしましたが、おじいさんの目ぢからに圧されて、正直に話し始めました。

自分の正体を、かつては身体は大人、頭脳も大人な名探偵……ではなく。

 

未解決事件を扱う窓際部署所属刑事だった。

 

だが、ある日謎の組織であるオーガ機関の取引現場を目撃してしまい、気絶させられ特殊な毒で毒殺されかけた。

だが、その毒の副作用で子供になってしまったんだと。

 

謎の子供の正体。

 

それは、特捜部O、と呼ばれる未解決事件解決のスペシャリスト部署。

そう、かつて“キジ殺し”と呼ばれた難事件を解決した刑事だったのです。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。