ポケットモンスター -暗躍のウルザード-   作:ポケポケ

2 / 5
第2話 チェインと新たな出会い

広大な自然に囲まれているここメルデ地方。

三年前に発見された地方で、その頃から各地の人々がここに移住してきた。

まだまだ人口は少ないが、三年前と比べたら格段に増えた。

 

(本当の良かったのか? あんな別れ方で)

 

(いいんだ、あまり話し込むと別れるのが辛くなる)

 

(ドライな性格をしているのだな)

 

(余計なお世話だ、それよりも研究所が見えてきた)

 

家から出た後、ナギサはリオルと波動の力で何気ないことを話していた。

別れは辛い。だけど、長くなればなるほどそれはもっと辛くなる。

胸が痛みながらもナギサは前へと歩き続けることにした。

 

「ねぇ、大丈夫? イワンコ」

 

そんな時だった。ナギサは女の子と地面に倒れているポケモンを発見する。

犬型のポケモンのイワンコ。なかなかの新種のポケモンだ。

どうやら、足を怪我しているらしく女の子は困っている様子。

ナギサはそれを見てゆっくりと近付いて行く。

 

「怪我をしているな」

 

「え? あの……」

 

「ちょっと待ってな」

 

ナギサは困惑する少女を押しのけてイワンコに触る。

集中力を高めて、こう口に出す。

 

「【チェイン】【ヒール】」

 

緑色の光がイワンコを包み込む。

すると、足の怪我がみるみるうちに治っていく。

イワンコは尻尾をふりながら少女に飛びつく。

 

「これでもう大丈夫だ」

 

「あ、あの……ありがとうございます!」

 

「全然、それよりもポケモンを大事にしてあげなよ」

 

ナギサはそう言って少女から離れて行く。

これがナギサだけが使える不思議な力【チェイン】。

このようにポケモンの傷を治したり、ポケモンの攻撃力を上げたりと。

応用出来て、これによってナギサはリオルと共に様々な苦難を乗り越えてきた。

 

ただ、これに弱点がある。

 

(よかったのか? 貴重なチェインを使ってしまって)

 

(なに、一日に数回しか使えないと言っても別にこれぐらいは問題ない)

 

(うーむ、ナギサがそう言うならいいんだが)

 

チェインは一日に使用回数に限界がある。

それにこれは人には効果がない。ポケモンにしか適用されないということだ。

 

「これは父さんから教えられて、与えられた力……俺はこの力を信じてる」

 

ナギサは力強くそう言って研究所の前へと着いた。

いよいよ、ここから始まるんだと。

胸に手を当てて、ナギサは研究所に入って行った。

 

 

「はいはーい! いらっしゃい! 待っていたわよ、ナギサ君」

 

研究所に入るなり、出迎えてくれたのは【コアライ】博士。

美しく長い茶髪をかきあげながら、座っていた椅子から立ち上がる。

 

「久しぶり、コアライちゃん」

 

「な、なぁ! コアライ博士よ! たく、まだ若いからってなめないでよ」

 

「いやいや、だってコアライちゃんが博士なんて、笑っちゃうよ」

 

「むきー! その言葉二度と言えないようにしてあげるわ!」

 

そう、ナギサとこのコアライは小さい時からの知り合いだった。

年こそ、離れているが泣き虫だったコアライのことをおちょくる仲なのだ。

ただ、コアライの博士としての実力は確かなものであり、その点はナギサも信用している。

 

間を開けた後、コアライ博士はナギサに説明をする。

 

基本的なこと。トレーナーとしての心得などなど。

 

そして、最後にいよいよ、ナギサはコアライからポケモン図鑑を受け取った。

 

「これでいよいよナギサ君も正式なポケモントレーナーだね」

 

「まあね」

 

「それでポケモンなんだけど……」

 

「ああ、それなら別にいい、俺はこいつと旅に出ると決めているからさ」

 

ナギサはちらっとリオルの方を見る。

もうこれは決めていたこと。

リオルも分かっていたようで、相槌をうつ。

 

「ふーん、確かに私からポケモン用意するより長年のパートナーと冒険した方がいいかもね」

 

「まあね、それでまずは街に向かってそのジムリーダーを倒せばいいんだろ?」

 

「大まかな目的はそうだね! でも、ナギサなら大丈夫! あたしが保証する」

 

「……ほんと?」

 

「疑ってるの!? むきぃー博士の私が言うことは間違いない……」

 

 

「すいません! お、遅れました!」

 

ナギサとコアライが話している中。

とても慌てながらこの研究所に入って来る少年の姿があった。

黒髪の普通の顔と言った感じか。身長はナギサより少し高いぐらいだが。

だが、トレードマークのメガネがななめになっており、よっぽど急いでいたのだろう。

 

「だ、大丈夫よ! だから落ち着いて、キョウヤ君」

 

「……誰だ、こいつ」

 

ナギサはその少年を見て無表情でどうでもよさそうに見ていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。