ポケットモンスター -暗躍のウルザード-   作:ポケポケ

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第4話 謎の少女

これはナギサとキョウヤがポケモン図鑑を貰って、一人のポケモントレーナーになって数時間後の話。

コアライが資料を整理しながら、休憩しようとした時だった。

 

「失礼します」

 

「えぁ!? ああ、ごめんごめん! 別にサボってた訳じゃないの! あははは……」

 

「別にいいです、ポケモンを貰いに来た【ルキナ】です」

 

黒を基本とした服装。スカートも黒色。動きやすい恰好である。

整った顔立ちと落ち着いた雰囲気。

そして、コアライはまず注目したのが胸の大きさだった。

 

(うう、年頃の女の子に負けてる私って一体……)

 

気付かれないぐらいにため息をつく。

気を取り直して本題を入ろうとした時だった。

 

「それじゃあ、ポケモンを選んでね! とは言ってもすぐには……え?」

 

「ゼニガメ……個体値、普通、努力値、初期状態、性格……」

 

「えぇ、何を言っているの?」

 

コアライにとってルキナの言っていること。

それは理解出来なかった。

博士にとってまだそんなに日が経っていないコアライ。

それで言い訳は出来るが、致命的までに知識も経験も不足している。

 

自分の力量の無さをコアライは痛感しながら、目の前の少女をただ見ているだけしか出来なかった。

 

その後も、次々とモンスターボールからポケモンを出してはこの作業を続けていた。

 

そして、ルキナはある一匹のポケモンに焦点を定める。

 

「アチャモ、個体値〇、性格〇、良い感じね」

 

「あ、あの……それって」

 

「コアライさん、もういいです、私はこのアチャモにします、正直言って他のポケモンは駄目みたいなので」

 

「だ、駄目って! 何でそんなこと」

 

思わずコアライは声をあげてしまう。

きっぱりとそう言ってルキナはコアライと向き合う。

思ってみればここまで、ルキナはポケモンを見ていなかった。

見ていたのは数値化された謎の能力。

 

ただ、一般の人には分からないだろう。

 

その証拠にポケモンの強さとは信頼や愛情と信じていたコアライ。

それは博士となった今でもそれが真実だと思っている。

しかし、ルキナの行動はそれを全否定されているようだった。

 

そんなコアライにルキナは冷たくこう告げた。

 

「知らないんですか? ポケモンも人間と同じで、ある程度の才能が決まっているんです……もしかして、愛情とか信頼とそんな不覚的要素なパラメーターで決まると思っていたんですか?」

 

「……っ!? でも、それだけじゃないはずよ、ポケモンにも人間にも心があって」

 

「でも、それは強さには関係ありませんよね? さてと、こんな無駄な話をしている時間はないので、私はこれで失礼します」

 

「あ……ちょ、ちょっと待ちなさい!」

 

ポケモン図鑑を奪うようにルキナは持って研究所を後にした。

呆然と立ちすくし、コアライは何も的確なことを言えない自分。

そして、ルキナの歪な考え方と言動に気持ち悪さを感じていた。

 

「分からない、あの子の考えていることが、何なのよ」

 

知らない単語。自分とはかけ離れた考え方。

どちらにせよ、ルキナにポケモンと図鑑を渡したのは失敗だったのか。

 

様々な葛藤に悩まされながら、コアライはパソコンの前へと座る。

 

「調べないと……あの子が何を言っていたのか」

 

そして、同時にナギサとキョウヤのことを思い出す。

 

二人の顔を思い浮かべながら、コアライはこう強く願った。

 

「二人はあの子みたいにならないでね、絶対に」

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