八幡「俺は…俺は死なない…!」   作:とらんざむ

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それでも彼女は理解者が欲しかった

オペレーターA「ゼロ、敵空襲部隊の殲滅を確認!しかし、さらに後ろにいた航空機からGCSと思われる反応を感知!」

平塚「何のGCSか分かるか?」

オペレーターB「エピオンです!」

 

と報告を聞いていた平塚の耳に

色んな声が聞こえた

「なんなんだ、あいつ」

「本当に人間か?」

「私たちを巻き込んで楽しんでない?」

「今ので何人死んだんだろう…」

「まぁ、平気で人を殺ってそうな目をしているし、違和感ねーや」

 

ある程度は予想していた。しかし

部下がここまで言われると凄く嫌な気分だ。

 

「やめてよっっっ!!」

 

私が口を開こうとした瞬間に

1人の女子生徒が声を張り上げた。

そう、由比ヶ浜結衣だ。

比企谷と同じクラスの生徒であり、奉仕部の部員でもある

 

結衣「ヒッキーはみんなの命を守るために戦っているんだよ!?どうして悪い方向にすぐ考えるの!?人を殺すのを平気と思う人なんているわけないでしょ!?巻き込んで申し訳ないと思うでしょ!?むしろ何で感謝しないの!?意味わかんないよ!!」

 

彼女は涙を目に溜めながら我慢していたものを全て吐き出した。あいつの気持ちを分かっての上で。今日知った彼の正体。しかし、彼女は気づいていたのだろう。比企谷が1人の人間を傷つける度に本人が味わったかのように苦しい顔をしていたことに。

 

優美子「結衣の言う通りだし。あんたらマイナスな方向に考えすぎだし。確かにあいつは口が悪くて、目付き悪くて、みんなにとってはやな奴かもしんないけどさ。」

 

それでも。と彼女、三浦優美子は続ける。

 

優美子「こうしている間にもあいつは、誰かを守るために必死に戦っているんだよ」

 

その言葉により、今まで不快にしか感じなかった言葉が一瞬で無くなった。

かのように思った。

 

???「えぇ~?あいつのことそんな風に言えるの~?あんただって被害者なのにー?」

 

朱色のショートヘアーに耳にピアスを付けているクラスメイト、相模がここで発言をする

 

相模「あたし見ちゃったんだよね~。三浦さんのことをビンタしている比企谷の姿を。写真も撮ってあるから、証拠はバッチリだよ~」

 

そう言うと彼女は写真をみんなの前で公開した。そう、そこの部分だけの写真。比企谷が2人相手にテニスで優勢を取っているところなんてひとつもない。

 

葉山「こんなの…盗撮じゃないか!」

相模「あいつがどんなやつなのか知ったこっちゃないけどさぁ…女の子殴るのはちょっと酷いし?」

葉山「やめろ!こんなところでバカみたいなことを…!」

相模「葉山くんはさ…お父さんが弁護士なんだし、これ出したら比企谷を逮捕してくれるよね…?」

葉山「なっ!?」

結衣「さがみん!いい加減に…!」

 

しろっと言う前に三浦が口を開く。

 

優美子「別にいいんじゃない?」

相模「はっ?」

優美子「だから別にいいって言ってんじゃん。やられたあーしがちゃんとした理由を証明すればいいだけの話だし、ここにいるみんなもそういう風に受け止めても構わないから」

 

だってと三浦は続ける

 

優美子「比企谷はあーしを変えてくれた。友達の嫌なところを直して欲しい余りに酷いことを言った。そんなあーしをあいつが叱ってくれた。あいつが叱ってくれなかったら結衣はもう、友達じゃなかったのかもしれない。」

結衣「優美子…」

優美子「相模、あんたがどれだけ拡散しようが、あいつはあーしの友達だから。そんなのばらまいたところであーしが許しはしないから。」

 

静寂が訪れる。1部は比企谷に酷いことを言ってしまったことに対しての反省をしている者がいたが、相模は三浦を睨めつけたまま、動かない。

 

戸塚「っ!八幡!」

 

戸塚の叫び声と共にモニターに皆が目を向ける。そこには…

ビームサーベルで鍔迫り合いをしている比企谷とその敵の姿があった。

 

____________

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__

 

バチバチバチバチバチ

ビームサーベルが互いに重ねるように迫る2人の人間。

比企谷八幡と謎の少女。

顔はよく見えないが多分中学生くらいだろう。

 

???「アナタノ、ナマエハ?」

八幡「…比企谷八幡だ。」

鶴見「ワタシハ鶴見留美。アナタトオナジ、ミライガミエルノ。」

八幡「ゼロに似たシステムか…しかもこんな幼い子まで…」

鶴見「アナタノミライノ、サキマデミエルワ。アナタハワタシニカテナイ。」

 

そう言うと鶴見は比企谷の力が抜けたと同時に押し返す。比企谷はバックパックのブースターの出力を調整し、体勢を立て直す。

 

八幡「鶴見は、射撃武装がないようだが…格闘戦を重視しているのか?」

鶴見「射撃武装なんて必要ない。どうせ相手にはもう死んでもらうんだから」

八幡「けどまぁ、俺が勝つけどな…そらっ!」

鶴見「っ!」

比企谷はバスターライフルを右手に持って、距離を置くように後ろに下がりつつビームを撃つ。さっきの高威力のものとは違って何発でも撃てるように出力を弱めている。

 

鶴見「ソノテイドノホウゲキデ…!!」

 

後退しながら射撃を行う比企谷に対し、鶴見はそれを交わしながら間合いを詰めてくる。

そのまま戦闘していると突然比企谷が何も構えずにブースターを前回にし、鶴見に突っ込んできた

 

鶴見「!?」

 

思わぬ行動に鶴見は反応出来ず、比企谷と衝突する。バランスを崩したところを比企谷はビームを撃ち、装甲を壊していく。そしてそのまま抑え込むかのように地面に叩きつける。

 

八幡「…降参してくれ。俺は幼い子供を傷つけたくないんだよね。」

鶴見「マダ…マダ…ヤレル!ヤラナキャ…ワタシガシヌ…!」

八幡「死なせない。」

鶴見「…エ?」

比企谷「お前を死なせない。絶対」

鶴見「ソンナコトバデ…!」

八幡「俺が守るよ、だから一緒に戦おう…」

 

すると力が抜けたかのように

鶴見のGCSは解除され、

 

鶴見「…どうして?」

八幡「お、普通の喋り方に戻ったな」

鶴見「どうして、殺そうとしていた私をあなたは助けようとしたの?」

八幡「答えは3つある。1つは小さい子を殺すことに抵抗があったこと。2つ目は君はシステムに精神を呑まれていたから。そして3つ目は…

君が俺を殺したあとの未来を見たことかな。」

 

_________ゼロシステム。

それはこれから起こる未来を見せてくれる、または予測してくれるシステム。それは勿論、自分が勝つ未来もあれば負ける未来、死ぬ未来、生き残れる未来、全部見られる。

だから俺が見た未来はその彼女が俺を殺した後の未来。

 

鶴見「どうなったの…?」

八幡「心臓にサーベルが刺さった俺を見てあんたは泣いていたよ。」

鶴見「…」

八幡「なぁ、もしかしてだけどさ。」

 

やめて、言わないで

今まで考えないようにしないとって思っていたのに…

捨ててきた。友達という偽りの仲良しごっこや、周りからの評価、家族からの愛情。全部が全部犠牲になったもの。

その犠牲をなかったことになんて_____

 

「本当は一人ぼっちのが嫌だったんじゃないか?」

 

_______あぁ…ダメだ。こいつには敵わないや…全部分かってる。いや、こいつも私と同じのかな…

 

鶴見「…うん」

八幡「そうか…ちょっと前の俺と同じだな…」

鶴見「え?」

八幡「俺もな、中学生の頃にクラスの奴らにいじめられて、家族には疎遠にされ、もはや1人が心地よくなっていた時期があった。けれどつい最近、高校の先生が勧めてくれた部活で仲間が出来たんだ。」

鶴見「…」

八幡「他愛のない会話をし、笑い合って、時には喧嘩して、それらを幸せって今は言える。俺は…自分の生き方が変わった気がしたよ。」

鶴見「…るい」

八幡「え?」

鶴見「ずるいっ!!」

 

比企谷の言葉についに我慢の限界を迎えた鶴見は唐突に叫びだした。

 

鶴見「私にはそんなこと1度もなかった!家族は私が帰ったらいないし!クラスメイトは関わっていないのに私の悪口を平気で言うし!何より軍に利用されるただの人形の私が…幸せな話を聞いて何になるの!?私もそんな生き方したかった!」ポロポロ

八幡「…」ギュッ

鶴見「!!」

八幡「そうか…今まで辛かったな。」ナデナデ

鶴見「な…何を…」

八幡「ただ1つ間違いがある」

鶴見「え…?」

八幡「お前は人形じゃない。鶴見留美という名前を持った。可能性を見出してくれる女の子だ。人形はそんなふうに感情を表に出せないし、涙は暖かくない」

鶴見「あっ…」

八幡「まだ溜まってるもん、あるだろ?全部吐いちまえ。しばらく、胸は貸してやるからな。」ナデナデ

鶴見「うっ…あぁ…」

 

さっきまで静寂だけが存在していた市街地のはずれにあった、山に今までの自分が体験した辛さを全て表したかのように比企谷に泣きつく。

辛かった。怖かった。寂しかった。

それをそのまま優しく頭を撫でながら比企谷は受け止めた。

 

鶴見「八幡…」

八幡「早速名前呼びなのね…ちょっと恥ずかしいな」

鶴見「私、あなたと一緒に戦いたい」

八幡「本当か!?」

鶴見「…八幡が嫌じゃなければ」

八幡「嫌じゃねぇよ。むしろ心強い。」

鶴見「これからもよろしくね、八幡」

 

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