ドッタンバッタンフロントライン   作:鮪薙

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え、幾ら掛かったのかって?カルが二ヶ月程、口を利いてくれなかった位かな(死んだ瞳)(少しは金銭感覚を学べ三十路)


出張時の相棒

昼食を終えたリベルタは一人で入浴をしていた、これはカルが気を利かせ事前に用意しておいた物であり、それをありがたく思いながら熱いシャワーで自身の体を流していく、それからゆっくりと湯船に浸かる

 

熱すぎない丁度いいお湯の熱さで赤く火照る肌に浮かび上がる無数の傷跡、昼食時、ケレスがこう言っていた

 

「その体、傷跡も残さずに綺麗にする、それは約束するよ」

 

「まぁ、院長は腕は確かですからね~」

 

トゲしか感じられない言い方に本当に折れるからね!?と叫ぶケレスを思い出し、フフッと笑みが溢れる。いい人達だ、と、だが同時にもしあの時、ケレス院長に見つけてもらわなければ私はとIFを考えてしまいギュッと傷跡を手で抑える、ついさっきまで自身がされていたこと、あの男たちの下卑た顔、それを思い出し身体を震え呼吸が若干乱れる

 

「リベルタちゃん、替えの服置いておきますね!」

 

「っ!あ、はい、ありがとうございます!」

 

「いえいえ、お湯加減とか大丈夫ですかね?」

 

「大丈夫です、とても、気持ちいいです」

 

「良かったです、じゃあ何かあったら呼んで下さい」

 

その後、軽くのぼせそうになるくらいにお風呂を堪能し、用意してもらった服に戸惑いながらも着替えてお風呂場から出てくればちょうど洗濯物を干し終えたカルが彼女を見て

 

「あ、やっぱりよく似合ってますね!」

 

「ありがとう、ございます……本当にいいんですか、こんないい服」

 

「私が作ったのですが院長も私も着ないタイプの服だったので実はタンスの肥やしになってたんですよ、なので着てくれた方が嬉しいですよ」

 

「作った!?す、凄い……」

 

いや、唯の趣味ですよと笑うカル、そのタンスだけではなくクローゼットにもまだまだ様々な服が眠ってる事を知りリベルタが更に驚くのだがそれはまだ先のお話

 

そこでふと周りを見て気付いたリベルタがカルに聞く

 

「あの、ケレス院長は?」

 

「院長だったら車の整備に行きましたよ」

 

「車ですか?」

 

「ええ、この整体院、一応出張サービスもしてますから。グリフィン本部や基地の指揮官、重役、他の街からも噂を聞いて偶に連絡が来たりします」

 

「だから必要なんだ……」

 

「良かったらそこの扉から車庫に行けますから見て来てもいいですよ、多分、ここの手伝いを始めれば嫌でも乗ることになりますし」

 

言われ、では行ってきますと教えられた扉を開き廊下を少し歩いてけば、そこには小ぢんまりしているが車庫になっていて壁とかには工具やら整備に必要なものが一通り揃っており、中央には黒の【ミニクーパー】が鎮座していた

 

だが肝心の院長の姿が無い、何処に居るのかと思っていると車の下から声が聞こえた

 

「これで、よし。ごめんな~最近走らせてやれなくて……だが今日は本部に行く用事があるから存分に走れるからなぁ」

 

「ケレス院長?」

 

「ん、その声はリベルタ?ちょっと待ってて」

 

ガラガラと車輪の音と共に車の下から先程までの格好ではなくて作業着姿のケレスが現れる、先程のセリフから車の整備をしていたためか顔も少々汚れている

 

彼女はヨイショと立ち上がりつつ首に巻いてある手ぬぐいで顔を拭く、それからリベルタの近くまで行き

 

「車庫は、当然始めてよね。いらっしゃい、彼処に居るのが私の相棒の一人【ラムレイ】見た目こんなんだけど色々イジってあるから下手な軍用車よりも頑丈よ」

 

「えっと、どのくらいイジったのですか?」

 

「よくぞ聞いてくれました。窓や外装は勿論、耐弾耐爆仕様に、タイヤも勿論それよね。それから内部も全て出来るだけ正規軍で使われてるようなものを引っ張ってきて速度も余裕でブッちぎれるほどにしたわ」

 

正規軍、その言葉が出てきた時、ケレス院長は何者なのかと言う疑問が湧いた。簡単に言ってるがどう考えても普通に手に入るそれではないのは彼女だって理解できる

 

まさか、引っ張ってきてっていうのは盗ってきたという意味なのではという心配すら出てきて、思わず聞いてしまった

 

「あの、ケレス院長、正規軍から盗んだものを使うのはマズイのでは?」

 

「なんでそうなったの!?これは私が正規軍に居た時のパイプ使って格安で買ったお古よ、だから安心して頂戴」

 

「……え、正規軍に居た?ケレス院長って正規軍の人だったのですか!?」

 

あれ、話さなかったっけ?と不思議な顔をするケレスにしてません、聞いてませんと答えればあ~、そうだったかと呟いてから

 

「私、少し前まで正規軍の特殊部隊の隊長してたのよ、でまぁある作戦で成功のためにと滅茶苦茶な無茶をして左目と右腕と両足失ってね、前々から整体院をやりたかったのと人形の扱いに不満に思ってたこともあってそれを機に退役。今に至るってわけ」

 

出てきたのは予想を遥かに超えたケレスの経歴、聞いたリベルタは口を閉じるのも忘れるほどの衝撃を受けていた。その反応が面白かったのか少々笑ってから彼女はでもまぁと続ける

 

「今じゃそこまで連絡も取ってないわ、たま~に昔の仲間や技術部のヤンチャ連中が手紙を寄越したりするけど」

 

「は、はは、そうですか……(凄い人に拾われたのかもしれませんね私)」

 

乾いた笑いしか出ないリベルタ、そんな彼女には気付かずケレスは着替えが置いてある場所に向かい、徐に作業着に手を掛けて脱ぎ出した

 

「ちょ、あ、待って下さい、すぐに出ていきます!」

 

「え?別に気にしてないけど?」

 

「私が気にするのです!!」

 

そうかなぁ?と悩む声を背にリベルタは車庫を後にする、後にその事をカルに伝えれば

 

「ああ、気にするだけ無駄ですよ、同性なんだから気にしなくてもとか何とか言って治りませんし」

 

「えぇ……」

 

今日だけで一気に疲れてるリベルタ、だが世界はまだ彼女を休ませる様子はなかった

 

「カル、リベルタ、グリフィン本部行くわよ、準備して」

 

爆走、独走、激走、暴走、ラムレイが走る。リベルタは目を回す




ラムレイ
見た目は黒のミニクーパー、実態はカスタマイズが施されモンスターマシンと化した車。出張時や遠出の際に使われるがケレス以外には操縦は難しい程になっている、傷つくくらいじゃ問題ないが半壊とか壊れるとかなり凹む姿が見れる

リベルタちゃんの服は変更なし、あの服装。あの服のデザインかっこよすぎて困る
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