CHRONO A CROSS 〜CHRONO in Elnido〜 作:Pazz bet
道のりしばらくは沿岸の岩場が続いていた...、というより、どうやらオパーサの浜は陸繋島になっていたらしく、浅瀬をずっとわたっていた、という表現の方が正しいかもしれない。
それにしても、道中やたらとトカゲが飛び出してくる。巣でもあるのだろうか。
大地に段々と草が見え始めた地点で、一際大きなトカゲが突然クロノに襲いかかってきた。
こいつは、今まで自分が戦ってきた魔物の気配に似ている。...まさかそうなのか?
ならば、倒さねばなるまい。クロノは、腰に手をあてがい、剣を抜く。
自分が今持っている剣は、かつて冒険で手に入れた「虹」ではなく、ただの安い銅の剣。...「虹」は最終決戦で折れてしまい、修復不可能な状態になってしまっている。とはいえ、自分は少なくともプロの剣士程度の腕前はある。このような相手に不覚はとるまい。
トカゲは雄叫びをあげ、やみくもにクロノに向かって突進を繰り出してくる。しかし、クロノにそんな攻撃ががあたるはずもない。
彼はそれを何の苦もなくかわし、相手がよろけた隙をついてすれ違い様に胸を一閃した。
ズズン、と背後で音を立てて崩れ落ちる魔物。心臓を真っ直ぐに貫ぬかれた魔物は、もう目をあけることは無い。
クロノは、相手の絶命を目で確認し、剣を鞘に納める。他愛もない相手で良かった、と内心ほっとして、振りかえって相手の横を通ろうとした。
...?視界の端に何か光るものが見える。
その方向へ目を向けると、何かが魔物のすぐそばに落ちていた。
近づいて、それを拾い上げてみると...ペンダント?何だろう。魔物の所有物だったのだろうか。
いや、よくみると、柄に何かが書いてあるのが分かる。なになに...
「アルニ村 レナ」...?
...これは明らかに所有者の名前だ。なるほど、人間が落としたものを、こいつが拾ったのか。
それにしても、村だって?
クロノはそれをポケットにいれて、トカゲ岩礁(命名)を抜けた。
草原に入ってしばらくすると、遠くにうっすらだが複数の建造物のようなものが見えてきた。
あれは...人間の集落か?
今、自分がどこにいて、どんな状況にあるのか把握できていないクロノにとって、そのような環境はありがたい。聞き込みをして情報を得ることができる上に、さらに知らない土地での味方である宿がとれるかもしれないのだ。
それに、そこが「アルニ村」である可能性も非常に高い。レナ、という人物が一般的な村の人間ならば、そこまで遠出はしないはずである。
行ってみて損はないはずだ。
とりあえず、次の目的地が定まった。クロノは、靴の紐を結び直し、そこへと足を向けることにした。