CHRONO A CROSS 〜CHRONO in Elnido〜 作:Pazz bet
...え?
今、この男は自分になんといった?
クロノは、今のところをもう一度、と、男に言った。
「うん?だから、ガルディアは15年前に滅んだはずだって...」
...なんだって?
そんな馬鹿な。A.D.1020年。これはまだ分かる。自分はこれまで様々な時間の旅をしてきたのだ。自分なら意識がなくても、勝手にタイムワープすることぐらいあるかもしれない。
しかし、だ。
ガルディアが、15年前に滅んだ?
ということは、A.D.1005年...。
...待った、そんな
嘘だろう?
「...そんな難しい顔をされても。」
男が顔を覗きこむ。
正直いって、冗談を言えるような気分ではない。自分がいたのはA.D.1000年。ということは、今の話が本当なら、わずか5年の間にガルディアは滅ぶということだ。
何という一大事。
いや...。そもそも、その時の王は、いったい誰だ?
俺ではないのだろうか。
「...うーん。その様子だと、ふざけているわけではなさそうだなぁ。」
男は腕を組み、複雑な顔で自分を見る。
「何というか...。じゃあ、お前さんはこことは違う別の世界から来たってえのか?俺は別に、ポルターガイストとか幽霊とか、そんな得体のしれんものを信じるほうじゃあないんだが。」
...別の世界。そうだったらいいな。
これ以上自分のことについてこの男にもらすのはまずい。
そう考えながら、クロノは食事と情報についての礼を言い、金を払って外に出た。
「あ!ちょっと待...」
話の腰を折ってしまったが、クロノは正直それどころではなかったのだった。
...さっきの話のことを信じたくない自分がいる。これは夢か何かなのだと。数々の時代を旅してきたクロノだが、このような話は聞いたことがなかった。
しかし、これが現実だとすると、目を背けていてはならないのだろう...。
まさか、未来を変えたことによる副害なのか?だとすると、自分は...。
「んー?怖い顔してどうしたでしゅる?」
気の抜けたような声が聞こえてきた。ふと我に返り、足元を見てみると、ピンク色の犬のような生物がいた。
この村の者か。...自分は、そんなに怖い顔をしていたのだろうか。
「何か悩みがあるんでしゅか?」
悩み、か。そうだな。今、それに直面している最中だ。不思議そうに顔をのぞきこんでくるが...。どうしたというのだろう?
「あれ?よく見たらどこかで見たような顔でしゅるね。はて、あったことが?」
は?いやいや、それはありえないだろう。このアルニ村のことなど、今まで聞いたこともみたこともなかったのに。
どうせ他人のそら似だろう。クロノは、そう犬に伝えた。
「そうでしゅか。うーん...。でもま、この村の人間じゃなくても、あったのは何かのご縁でしゅ。考えてることを話してみるでしゅよ。」
...初見なのになかなか親切だ。しかし、これは簡単に話すことができない問題である。クロノは、断った。
「えー?残念でしゅ...。」
悪いな。そう思って、立ち去ろうとすると、彼?は、クロノのズボンをくいくいとひっぱった。
「ちょっと待つでしゅ。おまえ、そのペンダント、自分にわたすでしゅ。」
ペンダント?見ると、自分の手の中にあった。どうやら、無意識のうちにそれをにぎりしめていたようだ。
そういえば、もともと渡すつもりだった。クロノは肯定の意を示し、それを手渡した。
「レナ、ちょうどなくしてたんでしゅよ。ありがとうでしゅ。」
犬はそう言うと、どこかに去っていった。
...会話をしたことで、少し気持ちが落ち着いてきたようだ。
それでも、どうしたらよいのかわからなくなっているのは本当のこと。とにもかくにも、まずはもっと情報が欲しい。
...やはり、この村に少し滞在することになるかもしれない。