CHRONO A CROSS 〜CHRONO in Elnido〜   作:Pazz bet

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アルニ村にて その3

 

 

 クロノは、農場で鍬を大きく振り上げていた。

 

 初めて訪れたあの日から一週間が過ぎ、現在は太陽が真上にある真っ昼間である。

 

 とりあえず、自分はただの旅人に違いはなかったと言うのに、親切にしてくれた村人達に何もしないわけにはいかないだろうと、こうやって仕事を手伝っているわけだ。

 

 

 

 ちなみに得た情報についてだが、

 

 短い間だったが、わりと結構なことを知ることができた。...まあそのほとんどがたわいもない情報だったが、重要なことは2つほど聞けた。

 

 まずひとつ目。

 

 一応地理情報も含めて言っておくと、ここエルニド諸島には、このアルニ村のある島の他には異種族の島、未開の島、そして、六竜の島が存在するらしい。

 

 その中でも一番興味を引かれて最後に聞いたのが、その「六竜」の島についてだった。

 

 クロノはその話を聞いたとき、ふと六竜とは何だ、と聞き返したのだが、村人からはそんなことも知らないのかというような驚いたような顔をされたものだ。このことは彼らの中ではわりと常識なのだろう。

 

 しかし、これからエルニドにどれ程いるか分かったものではないので、自分も無関係ではすまされないかもしれない...ということで、彼は恥も承知で詳細を聞くことにしたのだった。

 

 

 ここに話の内容を書き記しておくと、

 

 どうやらその六竜というのは、文字通り六体の竜のことで、ここの守り神みたいなものらしい。

 

 それぞれの名前は、天竜、炎竜、水竜、黒龍、緑竜、土竜。

 

 彼らは皆固有の力をもっていて、民たちはそれの恩恵を受けて過ごしている。

 

 具体的な例を挙げるとすれば、「エレメント」。

 

 エレメントとは、ペンデュラム状になっている魔力の結晶で、それぞれの竜に対応して赤、青、黄、緑、黒、白の六種類があり、探せばそこかしこに落ちているらしい。

 

 だから、民たちにとっては一家に二三個はもっているのが当たり前で、使い方はそれに念を送ってかざすだけ。そうすると中の魔力が放出され、だれでも「疑似魔法」が使えるようになるとのことだ。

 

 中に何の魔法が入っているかは個々によって違うが、ほとんどの場合威力の強さは同じで、しかも何度使っても六竜達から魔力が供給されるためなくならないのだという。ただし、多少のタイムラグはあるから連続して使うことはできない。

 

 ちなみに、中には絶大な力をもつエレメントもあるらしいが、そんなものは滅多に見つからないか、真に六竜達が力を認めたものにしか与えられないのだそうだ。

 

 

 

 

 つまり、この諸島の人間は、自分のように苦労して次元の狭間にいってあの蛙野郎に特訓してもらわなくても良い訳だ。

 

 それはずるい。

 

 まあそれはいいとして、そこでクロノが思ったことは、じゃあ自分の習得している魔法は正常に使えるのか、ということだ。

 

 そもそも、六竜から出ている魔力と、自分が今使っている魔力は、別物なのではないかと思う。

 

 だから、自前の魔法は、その六竜の魔力によって阻害されて正常に発動できない可能性がある。

 

 というわけで、一週間の間に実際に試してみた。

 

 

 

 

 

 ....結果、うんともすんともいわなかった。

 

 なるほど。自分の予想は当たっていたわけだ。

 

 ではどうしたら良いか。無論、エレメントを手に入れるしかないのである。

 

 この島にも魔物はいる。前に戦ったトカゲはたまたま弱かったものの、他の奴はどうか分からない。だから剣一本ではどうしても心もとないのだ。

 

 だからエレメントを探しにいくしかなかったが、

 

 

 なぜか村の外で妙な兵士が大量にうろついている。

 

 勝手に見つかって変な騒動になってはまずい。

 

 というわけで、迂闊には動けない状態なのだ。

 

 

 

 そして、2つ目は、この北にテルミナという大きな街があること。

 

 彼らが帰ったら、エレメント探しのついでに、こっちに行ってみようかと思っている。

 

 いつまでもお世話にはなれないしな...。

 

 

 そんなわけで手伝いをして時間を過ごしているわけだが。

 

 

 

 

 うん?と、クロノはふと横を見た。

 

 なにやら入り口が騒がしい。どうしたのだろうか。

 

 

 

 よくよく見てみると、...あの兵士が二人。それと、...大男?紫色の着物のような物を羽織り、斧を腰に下げている。何をしに来たのだろうか。

 

 不思議におもっていると、大男はおもむろに口を開いた。

 

 

 「この村に、ガキの亡霊ってやつは来てねえか?」

 

 

 

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