インフルエンザにかかり一週間を無駄に致しました泣
かといってその間のことが無くなる訳でもなく……
皆様もお体崩さないようお気をつけ下さい。
何事もなく始業式が終わった。
まあ、始業式ごときで何かあってはこちらとしてはたまらないのだが。
俺は始業式などの学園行事が嫌いではない。運動会や学園祭は大嫌いだが。黙って学園長の話しを聞いていれば、その日1日の学園生活が終わるのである。これほど楽な行事はない。
対して、運動会や学園祭の場合だがこれは俺にとって地獄である。インドア派の俺はとにかく人と接するということが面倒くさいのだ。それ以外にも、俺の学園生活の雰囲気で皆様お察しだろう。
そんな感じで、俺と楓は今学園から帰宅している最中である。予定より早く終わったのか、まだ昼前だ。
本来なら俺はこれから適当に昼飯を食べた後、絶賛プレイ中のRPGの続きをしようとしていたのだが……
(行くって言っちゃったしなぁ……トホホ)
表情には出さないように、心の中で呟く。今朝楓と約束してしまったことを今更後悔した。
意気消沈してると、楓が心配してくれているのか様子を伺うように俺の顔を覗いてきた。
「零也どうしたの?さっきから浮かない顔してるけど大丈夫?」
「えっ、いや!?だ、大丈夫です!」
「ほんとに?」
急に楓に聞かれたので誤魔化すように慌てて答えたが、楓は不審に思ったのか頬を膨らませてじっと俺を見つめて近づいてくる。そして何を思ったのか、楓は自分の額を俺の額に重ねていた。
「うーん?熱はなさそうだね」
「楓さん、それで熱が測れてると思います?」
「なっ!?もう!人がせっかく心配してあげるのに~」
楓は恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にして拗ねている。こういうことを平気でしてくるところは、ほんとに音葉さん譲りである。拗ねているところを見るあたり、精神面は全然余裕がなく似てないが。
「楓が朝起こしに来てくれたときから普通にいつも通りだっただろ?まあ、元気だったかどうかは怪しいけどさ」
「だって、零也いつも私に黙って無理するから……少しは私のこと頼ってよ。その、幼馴染みなんだし……」
「ぐふっ!?」
「ちょ、ちょっと!?ほんとに大丈夫!?」
さすがの俺もこれには心に少しダメージを負った。心配してくれているのはちょっぴり嬉しいのだが、その原因が楓だったとは口が裂けても言えないのである。
「す、すまん。全然大丈夫だから気にしないでくれ。それより時間あるし昼どっか食べにいくか?」
「ほんとに!?あ、でも私お財布持ってきてないや」
「財布ぐらい俺が持ってきてるし構わねーよ。それより音葉さんに言わなくて大丈夫か?夜勤ってことは一応夕方まで家にいるんだろ?それに俺らブレザーのままだし、着替えた方がいいしな」
「それはぁ、そうなんだけど……家に帰るとお母さん絶対一緒に来るし。その、今せっかく二人きりだから……ね?」
楓が俺に近づきながら上目遣いで言ってくる。
こいつ最近特に俺との距離近くないか?いくら幼馴染みでも限度があるだろ。とはいっても、俺は楓の尻に敷かれてるので断れるはずもないのだが。音葉さんには黙っていれば問題ないだろう。
「はいはい、わかったよ。音葉さんには秘密ってことでいいんだな?」
「さすが零也様♪わかっておられますな♪」
楓はそう言いながら俺の腕に抱きついてくる。二人きりのときにそうされるのは別に構わないのだが、教室とかでこれはさすがに勘弁してほしい。
「ほんと都合のいい女だな」
「なんか言った!?」
「いえ、なにもございません。それよりどこ食べに行くのか決まってるのか?俺は特に希望ないし、楓に任せたいんだけど」
「えー、そういうのって普通男の子が決めるんじゃないの?せっかくのデートなのにー」
「普段ニートしてる奴が急に決めれると思うか?知ってて駅前のファミレスか近所のラーメン屋ぐらいだろ。それに悪いけど俺がデートだと思ってないからな。それは成立しない」
「うわぁ、ないわー。女の子がその気でいるのに最低な返答ね」
楓が俺を軽蔑した目で見る。いや、どうせ俺が決めたら決めたで絶対文句言うだろ。本当に女の扱いというのは難しいものである。
「お前その目は元々あんまり期待してなかったろ」
「テヘッ♪バレた?じゃあさ、美月のとこ食べに行こうよ♪零也は行くの初めてでしょ?」
「え?マジで?」
やっぱりこういうのは男がリードしたほうがいいみたいだな。俺はまた後悔することになった。
「楓~、もしかして私に会いに来てくれたの?」
「ぐ、ぐるじひぃ……た、助けて零也」
「いい加減その腕離さないと死ぬぞ」
「あら、やだ。ごめんなさい。可愛すぎてつい……で?なんであなたがいるの?」
小清水が楓の首に後ろから抱きつかせてた腕を離しながら、当然のようにそう言った。そう、これが俺がここに来たくなかった原因だ。
ここは小清水の母親が経営している駅前の喫茶店である。といっても、経営し始めたのはつい最近らしい。俺も存在自体は楓に聞いていたが、母親だけなら問題ないが娘もバイトしていると聞いたのだ。楓はもう一人で何度も来たことがあるみたいだが、娘がいるのであれば話しは別である。
店内を見渡すと結構繁盛しているのか、空席がなく外で待っている人もいるみたいだ。
「うるせー、俺は客だぞ客。バイトがそんなんで大丈夫なのかよ」
「そういう男のお客様一番嫌いだわ~。男の癖に器小さいとか生きてる価値ないわね。そ・れ・に!お店にもお客様を選ぶ権利はあると思うけど?ね~楓~?」
「え、私!?んー……まあ、小さいより大きいほうがいいよね」
小清水が嬉しそうな、でも何か言いたげな顔で俺を見てくる。こいつ言わせたな。お巡りさん確信犯です、捕まえて下さい。
「楓なんて下品な言葉を……でも可愛いいから許しちゃう♪」
「楓……お前それ話し途中から聞いた人勘違いするからやめとけ……」
「ん?私なんか言ったけ?」
「いや、やっぱいいわ……」
自覚がないのが一番たちが悪いとは上手いことを言ったものだな。全部小清水が悪いことにしておこう。
「で、とりあえず注文いいか?俺オムライスランチセットで。アイスコーヒーでよろしく」
「じゃあ私はナポリタンにしようかな~」
「はーい♪じゃあ楓の為に急いで持ってくるから待っててね♪」
じゃあ急いで家に帰ろうかなって思った俺であった。
数分後、この混雑の中すぐ注文したものが運ばれてきたのだが……
「なんでお前までいるんだよ?バイト中じゃなかったのかよ?」
「なんでって、楓いるからに決まってるでしょ?それぐらいわからないの?」
当たり前と言わんばかりに楓の横に座って小清水が言う。いや、理由になってないんですけどね。
「お前もしかして楓が来たらいつもバイト抜けてんのか?よく親が許してくれるな」
「いつも不定期で入ってる私が少し抜けたぐらいでなにも変わらないわよ。それに、お母様は全部知ってるし」
「それマジで言ってんのか?何も言われないのかよ……」
「そんなことでいちいち文句言ってたら大手会社の社長の妻なんか務まらないわよ」
「へぇー、あの見た目キツそうな人が何も言わないのか……」
「お母様は私には甘いわよ。お父様もだけど」
俺にそう言うと小清水はまた楓と喋り始めた。言い忘れていたが小清水はお嬢様である。小清水いわく両親は俺の親父と縁があるとかないとか。
「それで?今日は何でここに来たの?あなたが外に出るなんて珍しいじゃない?」
「それは零也に私が夕飯作るのお願いしたからだよ。で、お昼まだだったから美月のとこ行こうって」
「あなた料理出来たのね、意外だわ」
「ほっとけ」
小清水は少し驚いていた。俺そんなダメ人間に見えてたのか……ちょっとショックだな。
「じゃあこの後楓と神代君は買い物行くわけね……チッ、こんなことならバイト入れなければよかったわ。まさかこんなに始業式早く終わるなんて」
「残念だったな。そのまさかで」
「うっわぁ……その顔芸腹立つわね。張り倒したいぐらい」
「大丈夫だよ美月。朝に一発入れてるから」
「そうなの?さっすが私の楓♪いい子だわ♪」
「でしょ~♪」
「おい、全部聞こえてるぞ」
小清水が楓の頭を撫でながら言う。楓も満更でもないのか嬉しそうにしている。なんだこいつらできてんのか?なら話しは早い、さっさと結ばれてくれ。俺はもう小清水に巻き込まれるのはごめんである。
ふと辺りを見渡すと美少女達の百合プ中だからなのか周囲の視線を感じる。この喫茶店の女性の店員さんも釘付けなのだ、仕方ないだろう。しかし、よく見てみると俺に向いてる視線もある。俺と同じブレザーを着ているあたり、同じ学園の奴らか。大方、小清水を拝みに来たのだろう。なぜか視線が痛いのは気のせいでしょうか?
「おい、小清水。俺ってお前のファンから睨み付けられるようなことしたかな?むしろ被害者だと思うんだけど」
「そんなこと知らないわ。私を勝手に好きになろうが私には関係ないし。大体陰からジロジロ見てきて気持ち悪いのよ。何かあるなら直接言ってきたらいいのに」
「美月に直接は無理だよ……だって男は近付き難い御高いオーラ出てるもん。これで零也に飛び火するのはなんとも言えないよね」
楓が苦笑いしながら言う。いや楓さん?多分あなたのほうが原因ですよ。
「それでいて外面だけ無駄にいいからなー。はぁ、俺全然関係ないと思うんだけどな。小清水もわかったらいつもの営業スマイルしに行けよ」
「外面だけとは心外だわ。全く仕方ないわね。じゃあまた明日ね、楓♪ここでバイトする気あったらいつでも言ってね?歓迎するから♪」
「オッケー♪考えとくね~」
小清水は楓にウインクしながらそう言うと接客に戻った。しかし仕事になると凄い笑顔だな。裏の顔をばらしたいものである。
「凄い変わりようだね……男の人なら勘違いするのものなのかな?零也から見て美月はどう見えてるの?」
「いや、俺はあいつの本性知ってるからな……今更それが拭えると思うか?」
「無理だね……」
「よくお分かりで」
俺の不安の種は増すばかりである。
拙い文章ですが最後まで読んで頂きありがとうございます。ようやく日常生活が落ち着いてきたので、出来る限りは更新していきたいと思っております。
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