FGO ANOTHER TALE   作:風仙

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第102話 100話記念の水着回(本編2)

 その後光己が改めて謝ったら、ヒロインXXは大らかに許してくれた。

 

「そんなに気にしないで下さい! びっくりはしましたけど、そんなにイヤってわけじゃありませんでしたから。あ、もちろんマスターくんだからですよ。えへへ」

「う、うん、ありがと」

 

 XXのはにかんだ笑顔の眩しさと可愛らしさは光己がついどもってしまうほどだった。

 思わず抱きしめそうになったが、この場は理性を総動員してこらえる。

 

「それじゃ気を取り直してもう1回やってみましょうか。もちろん付き添いますから」

「え、付き添ってくれるの?」

 

 驚いて聞き返した光己に、XXは当然のように大きく頷いた。

 

「はい! さっきはいきなりでしたからダメって言っちゃいましたけど、もう心の準備はしましたから」

「え、胸さわっていいの!?」

「わ、わざとはダメです!

 あ、でもマスターくんでしたら……いえ恋人同士でもないのにそれははしたな……でもマスターくんにダメとかイヤとかあんまり言いたくないですし……と、とにかくやりましょう!」

 

 XXは光己とのスキンシップについて葛藤があるようだったが、結論は出なかったらしくぐわーっと咆哮して棚上げにしてしまった。

 光己も今は突っ込むのを避け、言われた通りボディボードを再開する。

 

「今度は慎重にやるから」

「はい、でもそこまで気にしなくていいですよ。マスターくんの思うがままにやって下さい」

「うん、ありがと」

 

 というわけで2度目の挑戦である。光己は波をくぐって沖合に赴くと、今度はゆっくり慎重にUターンを試みた。

 

「うおおっ、波のせいでうまく曲がれん!」

「力が弱すぎだ。もっと強く足を動かせ」

 

 光己が苦戦していると、メイドオルタも反対側に来てくれた。

 至れり尽くせりのサポートにより、何とか半回転に成功する。

 

「よし、やった! 2度目で成功するのが上手なのか下手なのかは分からんけど」

「いえいえ、十分上手だと思いますよ! 多分」

 

 XXは光己を褒めてくれたが、彼女も基準を知っているわけではないので単なるリップサービスと解釈するのが順当と思われる。

 

「おおぉ、波に流されていく……何か不安だ」

 

 まるで浪間に浮かぶ木の葉になったような気分だ。そういえば沖田オルタが「水に浮くのが不安」と言っていたが、こんな感じだったのか。

 

「でも面白みもあるな。何かこう激流に身を任せどうかする、じゃなかった同化するって感じがする」

 

 いやそんな大げさなものではないのだが。

 そのままふわふわと波に乗って、岸のそばまで流れた。

 

「どうでしたか?」

「うん、なかなか面白いかもしれない」

「そうか。ではこんな機会はあまりないことだし、この場でいっぱしのボディボーダーに仕込んでやろう」

「アイエッ!?」

 

 こうして光己はHPが減るほどのハードなコーチングによりボディボードの基礎を習得したのだった。

 メイドオルタ自身が言った通り、この技能を使う機会があるかどうかは不明だが。

 

 

 

 

 

 

 その後光己(とルーラー)はいったんXXたちと別れて浜辺に戻っていた。

 ちょっと疲れたから一休みというわけである。

 

「せっかくビーチチェアが出てきたんだし、トロピカルドリンクでも飲んでバカンス気分にひたってみようかな」

 

 光己がそう言いながらチェアを広げていると、ルーラーがプラスチック製のボトルを持って話しかけてきた。

 

「しばらく水に入らないのならサンオイルを塗った方が良いのでは?

 マスターに必要なものかどうかは分かりませんが、害にはならないかと」

「じゃあ塗ってくれる?」

 

 光己が渾身のさりげなさを装ってお願いしてみると、ルーラーは彼の本心を見抜いたのかどうかは不明だが簡単にOKしてくれた。

 

「はい、いいですよ。ではマスターは横になって……いえ、腕にも塗るなら座っていただいた方がやりやすいですね」

「うん、ありがと」

 

 光己はなおもさりげなく礼を言ったが、実はもう心臓がばくばくし始めていた。

 ルーラーは超美人で雰囲気も性格もいいし、2人きりというのはローマでテルマエに入った時とは違う緊張感がある。

 光己が胡坐をかいて座ると、ルーラーもその傍らに膝をそろえて座った。

 

「じゃ、塗りますね」

「う、うん」

 

 右手にオイルをまぶし、左手は光己の手を軽く握る。そのたおやかな感触に思春期少年はまたドキッとしてしまった。

 ルーラーはそれには構わず、指先から順にそろそろと塗っていく。

 

(うぉぉぉ……)

 

 まだ腕なのにゾクゾクしてきてヤバい。これが水着とバニ―の2つの力を併せ持つハイパー騎士王の魅惑力というものか。

 

「フフッ。マスターがちゃんと気分転換できてるようで何よりです」

「へ!? そ、そりゃまあみんな綺麗だし仲良くしてくれるし、その上ルーラーにこんなことしてもらえたら嫌でも転換しちゃうというか」

「そうですか、それは光栄です」

 

 本当に嬉しそうに微笑むルーラー。あまりの眩しさに光己は10秒ほども見惚れてしまった。

 それをごまかすため、自分から話を振ってみる。

 

「……あ、でもルーラーの方は大丈夫? そばにいてくれるのは嬉しいけど、ちゃんと気分転換できてる?」

 

 ルーラーにはいつものサーヴァント探知に加えて船の操縦もお願いしているのだから、特に念入りにリフレッシュするべきだ。そういう趣旨の発言だったが、当人は気にしていなかった。

 

「はい、それはもう。こうしてマスターと穏やかな時間を過ごせるのは、私にとってとても喜ばしいことですよ」

 

 ぶっちゃけ生前の難易度ブリテンマストダイに比べれば、この人理修復の旅は(今の所は)あらゆる面でイージーモードな上に、美味しい食べ物や面白い体験が多い天国のような環境なのだ。せっかくの思いやりをくさすような発言は控えたけれど。

 

(別に嘘でもありませんしね)

 

 彼は能力面は申し分ないし、人格的にも善良で仲間想いだ。気質は平凡な一般人で英雄や勇者や騎士なんて柄ではないが、その分逆に接しやすいし、本当にいい出会いをしたと思う。

 XXがあそこまで懐いている理由はよく分からないが。

 

「2人きりになれるなんてめったにないことですし、日頃のお礼をさせて下さい」

「そっか、そこまで言うなら」

 

 そんなことを話しているうちに、ルーラーは光己の両腕を塗り終わっていた。

 

「それじゃ横になって下さい」

「うん」

 

 光己がうつ伏せになると、ルーラーは足からオイルを塗り始めた。

 指の間までていねいに塗ってくれるのが何ともいじらしくて男心をくすぐる。これがバニーさんのサービス力か……!

 ついでふくらはぎ、太腿、腰、背中、肩まで塗ったら仰向けになって体の前面を塗ってもらうことになる。また足先から始めて太腿まで来たところで、ルーラーが珍しく悪戯っぽい口調で訊ねてきた。

 

「マスター、水着の下も塗りますか?」

「!?」

 

 衝撃的な質問だったが、その答えは1つしかない!

 

「YES! YES! YES!」

 

 その魂の欲求に対して、ルーラーの反応は―――。

 

「あ、あの、すみません。冗談だったんですが」

「やっぱりかよぉぉぉぉ!」

 

 表情と口調で何となく察してはいたがやはりそうだったか。光己は男泣きに泣いた。

 するとその大げさなリアクションにルーラーは罪悪感が湧いたらしく、光己の顔の真ん前ににゅっと顔を突き出してきた。

 

「それじゃ、お詫びさせて下さい」

 

 そう言いながら、光己の頬に軽く唇をつける。

 

「!?」

 

 まさかの不意打ちに硬直する光己。ルーラーは数秒ほどして唇を離すと、ちょっと顔を赤くしながらまた訊ねてきた。

 

「これで許してくれませんか?」

「そ、そりゃもう……でも今日のルーラーずいぶん積極的だな」

 

 光己がこちらも赤面しながらそう言うと、ルーラーはちょっと考え込むような顔をした。

 

「そうですね。私も今は水着サーヴァントですから、こういう場所では気分が高揚するみたいです。もちろん嫌じゃありませんけど。

 それじゃ続きしますね」

 

 ルーラーが元の位置に戻り、光己の水着の部分は飛ばして腹と胸、首まで塗っていく。

 

「説明書きによると顔に塗ってもいいようですので、塗りますね。目を閉じて下さい」

「ん」

 

 そうして顔まで塗り終わったらおしまいだが、光己にとってはこれからがメインである。ただ今回はローマでテルマエに入った時と違って彼女にオイルを塗る必然性はないので、言葉選びが重要そうだ。

 ルーラーは大人で話も分かる女性だが、あまりがつがつ迫られるのは好みでなさそうに思える。ここは紳士的にことを運ぶことにした。

 

「じゃあお返しに、俺もルーラーに塗りたいな」

 

 しかし緊張のあまりちょっと本音が出てしまったような気がしたが、ルーラーは一瞬目をぱちくりさせたものの微笑んで頷いてくれた。

 

「はい、マスターのご希望なら……」

(いいやっほーーーーーーい!!!)

 

 内心では飛び跳ねてガッツポーズを決めつつ、それを顔には出さないよう懸命に自制しながらまずはルーラーの手をそっと握る。

 

(おおぉ……)

 

 柔らかくてすべすべできめ細やかで、いかにも女性の肌という感じだ。光己はその手を握ったまま、もう片方の手でゆっくりとオイルを塗っていく。

 

「ん……」

 

 するとルーラーが小さくため息をついたのでびっくりしたが、嫌な感じがしたとかではないようだ。

 しかもこのポジションだと、彼女のキレイなお顔やXLサイズのおっぱいの谷間を至近距離で拝めるのがたまらない。

 そうして両腕を塗り終えたら、光己が塗ってもらった時と同じようにルーラーにうつ伏せになってもらった。

 

「じゃ、塗るね」

「はい」

 

 彼女の時と同じように、ちゃんと指の先から始める。そこから少しずつ上に、足裏、ふくらはぎ、膝裏と進めた。

 

「次は太腿か……」

 

 すらっと伸びた白い美脚を愛撫、もといていねいにオイルを塗っていく。濡れそぼっててらてら光る柔肌が実にえっちい。

 

「んっ……ふ……はぁ……」

 

 さらには光己の手が太腿に届いたあたりから、時々ルーラーが悩ましい吐息をもらすのが聞こえるようになった。気持ちいいのだろうか? 思春期男子としては理性を保つのが大変だった。

 それに太腿に塗るために脚を少し開けてもらっているので、間近で股の間も鑑賞できる。白い布がちょっと食い込んでいるようだ。

 だから何だというわけではない……ないが、思い切り目を引かれるのでついつい凝視しているとさすがに咎められてしまった。

 

「あ、あの、マスター……あまりじっと見つめられると、その」

「え!? あ、ああ、ごめん」

 

 やはり強い視線は分かってしまうようだ。

 しかし塗る方は言及されなかったので、当然そのまま続行する。

 

(脚の付け根まで来たけど……)

 

 ルーラーの水着はお尻側のVカットもなかなか鋭く、しかもレース模様で半分透けている部分もあるので露出はかなり大きい。どこまでさわっていいか悩む所だが、「肌が見えている所」はOKだろうと判断した。というかすぐそばで見ると超えっちだ。

 

(……よし、いくぞ!)

 

 息を詰めて精神を集中し、震える手でそーっと彼女のむき出しのお尻に触れる。

 

「んッ……!」

 

 するとルーラーがびくっと小さく身を震わせたのでドキッとしたが、嫌がる様子はないのでこのたびもそのまま続けた。今のこの感触を魂のHDDに永久保存で刻みつける勢いで!

 

「はぁぁっ、ン……ふ……ぁ」

 

 しかし彼女の声がますます艶めかしくなってきたのだがどうしろと!? などと意味不明なことを考えつつ、撫でるだけじゃなく少しずつ力を入れて揉むようにしていくと、さすがに止められてしまった。

 

「あの、マスター……お尻はもういいですから」

「そ、そっか」

 

 仕方ないので、お尻はそこまでにして背中に移動した。

 背中も露出高めで塗る所は広いし、たわんだおっぱいが体の横にはみ出しているのが鼻血モノである。

 それにしても彼女の肌はどこもかしこも白くてきれいで眩しい。触れていると感動すら覚えてしまう。

 さらには―――こんな心臓がバクバクしている状態で近づいたからか、彼女の心臓の鼓動をはっきり感じる。しかもそのリズムがだんだん揃ってきた。

 

「ルーラー……感じる?」

「はい……マスターの鼓動と、まるでつながってるみたいです……。

 魔力もいっぱい入ってきて……体の芯まで、熱くて溶けそう、です……」

 

 光己は胸の鼓動とまでは言わなかったのに、ルーラーには通じていたようだ。

 

「うん……俺もルーラーの鼓動と魔力を感じるよ。やわらかくてやさしくて……気持ちいい」

「マスター……」

「ルーラー……」

 

 同調率が一時的に上がったのか、大量の魔力が行き来したため2人ともぼんやりした様子で呂律も怪しくなっていた。

 ただ光己の両手だけは思春期男子の本能で通常通り稼働しており、ルーラーの背中やうなじを愛撫したり横乳をつついたりと縦横無尽の活躍をしていたが。

 

「はぁっ……ぁ……ふぁ……マス、ター……」

「ルー……ラー……」

 

 さて、この後2人はどうなってしまうのであろうか……。

 

 

 


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