つまり今回はそういうお話ですのでご注意下さい。
夏の魔王様はただでさえすごい美人でスタイルも抜群なのに、今は湯に濡れて肌が火照って、しかも布面積少なめの白い湯浴み着が肌に貼りついて微妙に透けて、思春期男子のリビドーをそれはもう刺激しまくる大変なことになっていた。
(これはヤバい……なんてエロスだ)
さっきカーマは「光己1人を堕とすのに特化したスペシャル形態」と言っていたが、それだけのことはある破壊力だ。もし2人きりだったら堕ちていたかも知れない。
それでも色々さわりたくなるのをガマンして彼女を湯舟の外に出して、隅にあった長椅子に横たえる。
しかしこのまま放置もできないのでしばらく見守っていると、カーマは意外と早く目を覚まして起き上がった。
「あー、えーと。何か手間をかけてしまったようで……」
ただ取り繕う言葉に悩んでいるようだったので、光己は助け舟を出してあげることにした。
「気にしなくていいよ。好いてくれてる証みたいなものだと思うから」
「そ、そうですか。ど、どう致しまして。
じゃあお礼代わりにお背中流してあげます」
カーマは2度も敗退したのでそろそろアヴェンジャーの霊基が紙防御であることを理解し始めていたが、だからこそ攻めの姿勢を崩さなかった。後で彼の思春期のリビドーを丸ごと受け止めてあげる時間は取りた、いや取ってあげてもいいと思うが、その前に一矢報いておかないと魔王のメンツにかかわるのだ!
「そ、そっか。ありがと」
光己としては断る理由はないのでOKしたが、そこに待ったをかける者が現れる。
「おおっと、それは待ってもらえるかな。今回マスターのお背中を流すのはあたしたちだよ!」
「んん!? 何でそんなこと断定口調で言えるんです?」
カーマだけでなく清姫も、あと湯舟から上がってきたヒロインXXと景虎もヒルドのこの物言いをちょっと奇妙に思ったが、当人はむろんその反応は想定済みである。
「それはもちろん、あたしたちがこのお風呂を直した功労者だからだよ。だからちょっとくらいワガママ言ってもいいよね?
別にずっとってわけじゃなくて、明日からは順番制にしてもいいんだし」
「んー、そう言われると弱いですね」
ヒルドが言うことは実にもっともで反論の余地がなかった。
今夜にも事件解決してカルデアに帰還ということにでもならない限りチャンスはあるわけだから、1番を譲るくらいは仕方あるまい。
「みんな理解してくれたみたいだね。それじゃマスター、日頃のお礼に全力でサービスするよ!」
「マジか。じゃあさっそくしてもらっちゃおうかな」
光己は「日頃のお礼」とまで言ってもらえるほど立派なリーダーができているとは思っていなかったが、サービスしてくれるというなら受け取る用意は万全だ。0.3秒で了承した。
「うん、マスターは正直でいいなあ!」
「ではこちらへどうぞ」
姉妹としてはここで光己にいい子ぶって遠慮されると面倒くさいし、個人的にも女としての魅力が足りないと言われているようで面白くない。しかし光己はすぐ乗ってくれるので、公的にも私的にも大変好ましかった。
3人は光己を壁際の洗い場に連れ込むと、椅子に座らせてその前後左に陣取った。
なお清姫たちは勇士の饗応役、つまり男性接待のプロである3人がどのようなサービスをするのか、
3人は次は手拭いをつくって、光己の顔に巻いて目隠しをした。
「……? 目隠し?」
何のつもりなのだろう、と光己も清姫たちも訝しんだが、その答えはすぐに分かった。ああ、なんと! 3姉妹は湯浴み着のトップスの裾に手をかけると、勢い良く脱いでしまったのだ!
((脱いだぁーーーっ!?))
清姫たちは驚愕の声を抑えるのが精一杯だった。まさか3人はあの禁断の魔技を使おうというのだろうか?
その推測は当たりだった。3人は無駄にさすルーンを使って秒で石鹸を溶かして前半身に泡をまぶすと、そのまま光己の前と後ろからしなだれかかったのだ!
ヒルドとオルトリンデが体を上下に揺するたびに、泡まみれの生おっぱいが思春期少年の胸板と背中で柔らかくたわんで理性を蕩かすような甘い刺激を与える。スルーズは彼の左側で、両手で彼の手の指の股の間までそっと慈しむように愛撫していた。
「ちょ、あ、これ、まさか!?」
当人もようやく何をされているのか分かったが、驚きと気持ち良さで呂律が回らない。
ここまでしてもらっていいんだろうか? いや、いいんだけどヤバい。何が?と思考も空回りするばかりであった。
「とか言って、空いてる右手はしっかりあたしの背中抱きしめてるんだよね。さすがマスターブレないね!」
「そりゃまあそういうお年頃だからさ。でも何で目隠ししたの?」
「うん、最近マスターのこと好きな娘が増えてきたからちょっとインパクトあることしようと思ったんだけど、これで見せちゃったらさすがに段階飛ばしすぎかなーと思って」
それぞれ事情はあるとはいえ、初対面の異性を夫や
しかも光己はアルビオンなる最終的にはファヴニールの50万倍強くなる超存在になったという話なので、アプローチのギアを2~3段上げていくという新方針が姉妹会議において全会一致で承認されたのだった。
特に今はストッパーのマシュがいない絶好の好機だし。
「いやこれも十分飛ばしてるとは思うけど、何かもうおっぱいが良すぎだからいいことにしよう! あ、スルーズが手と腕撫でてくれるのも気持ちいいよ」
「……マスターはいつも気にかけて下さって嬉しいです」
手や腕を洗っているだけのおまけポジでも彼は放置せず、ちゃんと言葉をかけてくれる。
後で場所交代する予定ではあるが、スルーズはその前にお礼をすることにした。
「それでは、こちらをどうぞ」
「ほえ?」
次の瞬間、光己の左手に
これはまさか、胸をさわらせてくれているのか?
「や、やさしくして下さいね」
「う、うん」
目隠ししていても、普段冷静沈着な彼女が恥ずかしそうに顔を真っ赤にしてうつむいているのは分かる。興奮しすぎてつい手に力がこもりそうになってしまうが、自制心を総動員して彼女の希望通りやさしく揉むのにとどめた。
「んっ……あ……マス、ター……」
「ちょ、声がえっちぃ!?」
さすがワルキューレ、ちょっと喘ぐだけで男の理性を蕩かしてくる。しかも前と後ろのヒルドとオルトリンデまでもが、耳元に濡れた吐息をもらしてきた。
「あたしも……いろいろ……擦れて……んぅン」
「んんっ……私も何だか気持ち良く……」
「あわわわわ……」
だんだん空気が桃色に染まっていって、光己は意識までぼやけてきた。ヒルドの背中を抱いていた手が少しずつ下がって、彼女のキュッとしまったお尻を撫で始める。スルーズの胸を揉んでいる左手の方も動きが大胆になってきた。
「きゃんっ……マ、マスターってば」
「あぁっ、ふぅ……そ、そんなにされたら……」
2人はもう夢心地で、光己にご奉仕しつつもされるがままになっていたが、スルーズは手が彼の肩までたどり着くとふっと顔を上げた。
「はぁ、はぁ……あの、ヒルドにオルトリンデ。交代の時間です……」
どうやら肩まで洗ったら場所を変わるという予定のようだ。
呼ばれた2人もいったん上下運動をやめて、ふらっと彼から離れた。
「はぁ、はぁ……そ、それでは場所を変わりますね……」
「う、うん」
ヒルドとオルトリンデもここまでに彼の胸と背中は洗い終えていたので、次は腹と腰になる。しかし今の椅子の高さではやりづらいので、いつものようにルーンで背が高い椅子をつくった。
「さ、それじゃマスターはこっちに座って」
「ホント便利だなルーン……」
しかし椅子に座った状態でお腹を胸で洗ってもらえるとは。いろいろ素晴らし、いや危険なことになりそうな予感がするが、むろん光己は黙っていた。
スルーズが彼の後ろに、ヒルドが右手側、オルトリンデは前に回る。さっきまでと同様にカラダで洗い始めた。
「―――な、なんとはしたない……しかし参考になります!」
「しかしこれはあれですね。明日私たちがやるとしたら、あれ以上に刺激的なことをしないとかまっていただける時間が減……る恐れはまったくありませんが、先に手の内を見せた相手に負けるのは面白くありませんね」
顔を真っ赤にしながらも4人から目を離そうとしない清姫と、羞恥心より対抗心の方が勝っている模様の景虎。
「でもあれ以上となると、目隠しなしとか最後までしちゃうとかそういうレベルですよね……。そ、それはさすがに正式にお嫁さんにしてもらってからというか。
あとはえっと、ファーストキスはやっぱり2人きりで、ロマンチックな雰囲気のあるところでしたいですし」
「マ、マスターにあれ以上って……あわわわ」
XXとカーマは
なおその間も、光己たちは幸せそうに
「あッ、ん、ふぁ……マスターの手、熱いね……胸が溶けちゃいそう……」
「うん、こんなに柔らかいもんなあ……でもヒルドにこんなことできるなんて思ってなかった」
「あたしは最初から予感あったよ……マスターは剣士や槍兵や魔術師ってガラじゃないけど、でも『勇士』になれる天分はあるって思ってたから……」
「そっか……」
お話しながらもヒルドの胸を揉む手は止めない光己。その腹と腰には、オルトリンデとスルーズがサービスを続けていた。
泡に包まれたおっぱいに柔らかく擦られる感触はまことにもって気持ちいい。
「特にお腹の下に当たるとヤバいなこれ……!」
「本当、です、か……? マスターが、喜んで、下さる、なら、嬉しい、です……んッ、ふ、はぁ。
でも変……サービスしてるだけなのに、私の方までこんなに気持ち良くて、ぼうっとして……」
4人で(ほぼ)ハダカで密着して、しかもとても興奮しているからだろうか。マスターとの同調率が異常に上がって、魔力だけでなく感情や気分まで流れ込んでくる。
もちろん一方通行ではなく、こちらの感情と気分も彼に伝わっている。それをなぜか、とても嬉しく感じた。
つまり自分が気持ちいいのは彼が気持ち良くなってくれているからで、彼がこんなに悦んでくれているのは自分も悦んでいるからで―――何だか鶏が先か卵が先かみたいな話になってきたが、そろそろ気持ち良さ2倍で難しいことが考えられなくなってきたし、みんなが気持ち良くて嬉しいのなら何も問題はないのでこのまま流れに任せ―――。
―――ようとした時、何かすごいのが来た。
それは今まで考えたこともないような、誰かとの一体感。単に情報や経験を伝達したり共有したりというコンピューター通信めいたものとは違う、脈動する生命と精神がひとつになる感覚だった。
たとえるなら水銀と硫黄から黄金ができるような、陰と陽が交わって太極に至るような―――そんな至高至福の境地のように思う。
(これがスルーズがローマで体験した、あの……。
マスター、マスター……!)
次に全身の細胞の1つ1つが歓喜で爆発するような感覚に襲われた後、オルトリンデは意識を失った。
…………。
……。
「オルトリンデ、大丈夫?」
「……あ、マスター」
光己が頭を撫でながら声をかけてくれているのに気づいて、オルトリンデはふっと頭を上げた。
先ほどまでより彼をはるかに身近に、親しく、大切に感じる。
「はい、もう大丈夫です。マスターは?」
「大丈夫だよ。
今回はなぜかえちえちな感覚重点だったけど」
「そうですか……」
ちょっと胸がチクッとしたのは、ヤキモチなどやいてしまったからか。オルトリンデはそんな自己分析をしたが、態度に出すのは控えた。
まだ心身ともにほわーっとして力が入らないが、これも気にしないことにする。
「……ええと、これで胴体と両腕まで洗い終えましたね。
あとは顔と髪と脚ですか」
「え、まだやってくれるの?」
「はい、がんばります」
予想外の、いや予定通りのアクシデントはあったが、そんなことでサービス中止はされないのだ。戦乙女を甘く見ないでもらいたい!
オルトリンデは内心でふんすと荒い息をつきつつ、光己の頭のてっぺんから足の爪先まで、念入りに手洗いしてあげたのだった。