FGO ANOTHER TALE   作:風仙

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 今回は前回よりは安全度高め……のはず。



第158話 150話記念お風呂回4

「はふぅ~~、人生で最高のウォッシュタイムだった。ありがと3人とも」

 

 最後に湯で泡を流してもらうと、光己はワルキューレズに心の底からそうお礼を言った。

 美少女3人に胴体は胸で、頭と腕と脚は手で丁寧に洗ってもらうなんて生まれて初めての超グッドイベントである。目隠しはされていたが、それでも最高だったことに変わりはない。

 こちらの手が空いている時はおっぱい揉んだりお尻撫でたりさせてもらえたし!

 さらにはローマでもあった一体感体験も起こったし、「最後のマスター」とは何と素晴らしいお役目であることか。

 

「好いてくれてる美女美少女と(精神的に)合体とか、もう文字にするだけでたまらんからなー」

「も、もうマスターってば。それじゃ目隠し外しますね」

「うん」

 

 光己は目隠しを外してもらうとすぐさま3人の姿を目で追ったが、当然3姉妹とも湯浴み着をちゃんと着ていた。しかし3人とも顔に朱がさして吐息も濡れた感じがして、何だかすごく色っぽい。見ているだけでドキドキしてしまう。

 

「うーん、これが戦乙女の本気ってやつか……」

「ううん、マスターとひとつになって気持ち良かっただけだから今は関係ないよ」

「そっか、そこまで悦んでくれたなら本懐だな。うんうん」

 

 ヒルドは光己と付き合いが長い上にノリが近いだけあって、こういう狙ったような表現もしてくれたりするのが大変ポイント高かった。

 なおスルーズとオルトリンデはまだ体に力が入らないのか、光己の体にもたれかかって余韻にひたっている。湯浴み着越しではあるが、おっぱいの感触はやはりいい。もちろん光己もお返しとして、オルトリンデの背中を撫でていた。

 ヒルドはお話しつつもさりげなく手を握っていてくれるところにワルキューレ式男性籠絡(ろうらく)術のスゴ味を感じる。

 

「で、マスター。マスターの次のセリフは『もし俺がヴァルハラに行ったら、ヒルドたちを独り占めできる?』だよ!」

「ところでヒルド。もし俺がヴァルハラに行ったら、ヒルドたちを独り占め……ハッ!」

 

 気持ちが通じるようになった分、思考も読まれやすくなったようだ。光己は己の単純さをちょっとだけ反省した。

 

「それで答えだけど、もちろんイエスだよ。マスターだったら追加で10人くらい専属にできるんじゃないかな。マイホームも多分つくよ!

 あとマスターは昼間は殺し合い的訓練だと思ってるみたい、というか実際そうなんだけど、マスターならそうはならないと思うよ」

 

 実戦同然といってもあくまで訓練なのだから、わざわざ光己に竜殺しの武器を当てるような嫌がらせはしない。そうなると彼の無敵アーマーを破れるエインヘリヤルなんてまずいないから、実質的にはちょっときつい部活程度の内容になるだろう。

 

「ほむ、なるほど……」

 

 それならヴァルハラに行くハードルはだいぶ下がる。モルガンの悲願を簡単に無碍にはできないし、アヴァロンやユニヴァースにも興味はあるが、選択肢として有力になってきた感はあった。

 

「でもこれすごいね。マスターと()()()()()()のがこんなにはっきり感じられるなんて」

 

 これならさっきXXと景虎が余裕あったのも当然かな、とまでは口にしなかった。

 

(でもこの、あったかくて満ち足りた感じ……これがスルーズが言ってた、お姉さまを落としたもの……?

 だとしたらあたしたちもいつか)

 

 ただもしそうなっても、彼がヴァルハラに来て専属ワルキューレにしてくれれば―――いや極論、彼が普段はどこにいようとラグナロクの時に味方してくれるなら―――何も問題ないのだ。がんばろう!とヒルドは内心で握り拳を固めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 ところでこれだけのサービスを受けた以上、それなりの対価を支払うべきだろう。光己は3姉妹のお背中、いや全身を流すことを提案した。

 

「洗ってもらったからにはお返しにこっちも洗う。当然の礼儀だよな?」

「え、ええっと。あたしたちが洗うのがお礼だったんだから、お礼のお礼まではいらないと思うよ?」

 

 というか胸とお尻をいっぱいさわられたし、すごく気持ち良くしてもらったりもした……というのはむしろおまけで、今こうしてあたたかいものを感じていられるだけで本当に満足だから、蛇足はいらないと思うのだ。

 もっと簡単にいうなら、今はお腹いっぱいだからちょっと待ってということである。もちろんその時は今回よりもっと美味しいご馳走を用意するので!

 

「あの、私もこれ以上してもらうのは申し訳ないですから……」

「私も今はこれで十分ですから」

 

「……? うーん、3人がそう言うなら」

 

 3人は嫌がっているわけではないが、光己に「何かしてもらう」のは気が引ける様子である。光己は無理強いはできないタチなので、また次回を待つことにした。

 

「じゃあ代わりに、3人が洗いっこするのを鑑賞させてもらうってことで手を打つよ」

「め、目隠ししてて下さいっ!」

 

 するとスルーズが後ろから手拭いで目を隠そうとしてきた。こちらは妥協したのに何という横暴な!

 

「圧制だー! 反逆してやるー!」

「あ、圧制などではありません! 羞恥心を主張しただけです」

 

 とか言いながら4人でじゃれ合っていると、いいかげん蚊帳の外がガマンできなくなったのか清姫が割り込んできた。

 

「ますたぁぁぁぁ! 先ほどのあの、桃色空間はいったい何だったのですかぁぁ!?」

「おおっ!?」

 

 光己は清姫のバーサークなお目々ぐるぐるぶりにちょっとびっくりしたが、わりといつものことなのですぐ落ち着いた。

 

「ああ、そういえば清姫はこれ見るの初めてだっけ」

 

 彼女はローマの時もルーラーアルトリアの時も(現場には)いなかったから、今回が初見で、しかもローマの時と違うえちえち風味だからそれは驚くだろう。

 要はすぐそばで同じような強い、あるいは深い感情・気分になることによる魔力的・精神的同調現象である旨をなるべく丁寧に説明すると、当然というべきか、清姫はくわっと身を乗り出して迫ってきた。

 

「ではわたくしとも! わたくしともさっそく! 今これからしましょう!!」

「ま、まあまあ落ち着いて清姫。これはあんまりがっついてるとかえって起こりにくくなるし、()()()だいぶ()()()から」

「…………むう」

 

 彼の口調は何だか言い訳めいていたが、嘘は言っていないようである。

 まあ両者の気分が違っていたら同調が起こりにくいのは分かるし、()()()()()を立て続けにやるのは実際大変そうである。やはり明日を待つしかなさそうだ。

 

「では明日! 明日を楽しみにしておりますので!」

「アッハイ」

 

 良くも悪くも、清姫のこの率直さと行動力は大したものだと光己は素直に賛嘆した。

 そして清姫が下がると、スルーズがまた光己に目隠ししようとしてきた。もちろん1人で挑むのではなく、光己の両腕にはヒルドとオルトリンデが組みついておっぱいを押しつけている。

 

「くっ、ひ、卑怯な!」

「よし、終わりました。では今の内に、みなさん体を洗うのです!」

 

 スルーズの呼びかけはものすごーく茶番めいて聞こえたが、ヒロインXXたちにとってはそれなりに切実である。

 

「マスターくんにいろいろお見せするかどうかはまだ決めかねてますからね……」

「サービスもみんなでするか、2人ずつ分かれてするかという問題もありますし」

 

 4人でやるより2人でやる方がたくさんサービスしてあげられるが、そうするとチーム分けの問題も出てくる。とにかく彼と一緒にいたくて、ついでに()()()()えっちなお肌のふれ合いも期待して混浴しに来たのだが、細かい計画はまだ未定なのだった。

 今回はワルキューレズに美味しい所を取られてしまったが、お手本を見せてもらった上に計画を練る時間を得られたと考えるのが建設的だろう。

 

「なのでここはお言葉に甘えましょう」

「ではちょっと急ぎで」

 

 3姉妹はヒルドが自分の体を洗うためいったん離れたので、荒ぶるドラゴンを鎮める役は今たったの2人きりだ。しかもスルーズは彼の後ろで目隠しを両手で押えているので、ドラゴンの前に立ちはだかる勇者はオルトリンデ1人だけなのである!

 少しでも早く勇者を救うため、一刻も早く体を洗い終えねばなるまい。

 

「そういうプレイにしか見えませんけどねー」

 

 XXがあきれ顔で指摘した通り、オルトリンデは椅子に座ったままの光己と抱き合って、彼の首すじに顔をうずめてうっとりしていた。

 お尻をさわられても気にせず、甘ったるい喘ぎ声をあげている。「何かしてもらう」という体裁でなければOKらしい。

 

「んんっ、はあ……マスター……マスターの腕の中、とても幸せです……」

「オルトリンデ、順番ですからね」

「何のことでしょう……」

 

 ワルキューレズは意見を違えることがないそうだが、1つしかないものを取り合う場合は別のようだ……。

 3人は自分たちを機械に似ていると言ったことがあるが、もしかしたら命ある個体としての感情や欲求が芽生え始めてきたのかも知れない。

 

「ふぁ、ぁ……ン……マ、マスター、そこは……」

「ではそろそろ交代で」

 

 光己がどこをさわろうとしたかは不明だが、ヒルドが体を洗い終わるとスルーズは容赦なく彼の腕を引っぺがしてオルトリンデを楽園から叩き出した。

 ―――その後いろいろあってスルーズとオルトリンデが体を洗い終わったところで、ようやく光己の目隠しを外す。

 

「やっとか……って、みんな体洗い終わってる? ひどい、これが人間のやること(ry」

「うん、だってあたしたち人間じゃない(ry」

 

 その後すぐいつもの掛け合いをしたあたり、光己はさほど怒ってはいないようだ。

 まあ今日はまだ初日だし、明日という機会があるというのも大きいだろう。

 

「それでは体が冷めないように、もう1度お湯に浸かっておきましょう」

「うん」

 

 その後また4人でぴったりくっついて湯舟に入ってから、光己たちは温泉から出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 光己は更衣室では服を脱ぐ時と同様に、女性陣が体を拭くところと服を着るところは見させてもらえなかったが、7人の浴衣姿は実に絵になるものだった。

 デザインは白地に若草色の竹のような模様が入ったもので、外に竹林があるのを意識したものだろうか。

 露出度は非常に低いのだが、日本人としては風情を感じるし、さっぱりした色気もある。特にXXとカーマはバストが大きい上に浴衣を着なれていないので、谷間がチラ見えして大変良かった。

 亭内にもし卓球場があったら誘ってみたいものである。

 

「閻魔亭がいつ建てられたのかはわたくしも知りませんが、この浴衣は現代的なつくりですね。さすがは先生、全体としては伝統を守りつつ、良いものはしっかり取り入れておられるようです」

「そういえば女将さん料理指導の時もそんなこと言ってたね。これは夕ご飯は期待できそうだ」

 

 清姫はこういう細かい点にも感心していた。

 光己視点だと清姫と玉藻の前は十分以上に料理上手なのだが、そんな2人を未熟者扱いしている紅閻魔は古今の料理に通じまくった達人に違いない。光己は期待が高まるばかりであった。

 ―――女将に「男風呂から女性が出る時は他の客に見られないように」と注意を受けていたので、例によって認識阻害でごまかしてから更衣室から出る8人。すると女風呂勢が少し先で待っていた。

 一般的には男性より女性の方が入浴の時間は長いと言われるが、スキンシップ()の時間が長かったのだろう。

 

「あ、お待たせしちゃいましたか?」

「いえ、5分くらいだから気にしなくていいわ。それよりその……いえ、何でもないわ」

 

 光己がオルガマリーに声をかけると、オルガマリーは何か訊こうとしたようだが、思い直したらしく取り下げた。ちょっと顔が赤いが、多分気のせいだろう。

 

「今5時半だけど、どうしようかしら。大広間に行くには早いけど、亭内の散策をするには時間が足りないし」

「そういえば部屋割りをまだ決めていなかったのでは?」

 

 オルガマリーが空き時間の使い方を募集すると、マシュがそんなことを口にした。

 ところがそこに注意すべき情報がもたらされる。

 

「あ、すみません。今まで言いそこねてましたが、この建物の中に私たち以外のサーヴァントが1騎います」

「え!?」

 

 なんとジャンヌがサーヴァントの存在を感知していたのだ。これは確かに注意せねばならない。

 

「ええと、敵味方や真名まではまだ分からないのよね。どこにいるのかしら?」

「そうですね、本館の中にいてほとんど動きがありませんから、多分客室にいるのではないでしょうか」

「すると宿泊客かしら? 女将は『人以外であれば分け隔てなく迎える』と言っていたから、はぐれサーヴァントが泊まっていてもおかしくないものね」

 

 もちろんただの旅行者ではなく特異点の発生や存続にかかわっている重要人物である可能性もあるが、今すぐ訪ねるべきだろうか?

 

「うーん、こっちから押しかけるのは良くないのでは? 最初に会った雀が『破壊目的でお泊りになるお客様の案内はできない』って言ってましたから、こちらからケンカを売る形になるのは避けた方がいいと思いますが」

 

 光己の本音はもちろんこの慰安旅行をなるべく長引かせたいという私的な欲求なのだが、それについてはつつましく黙秘権を行使した。

 

「確かにねえ」

 

 そのサーヴァントがここを特異点たらしめた、あるいはオルガマリーたちがここに来る原因になった者であるなら、最終的に戦闘になる可能性が高い。それなら光己が言う通り、こちらからの接触は控える方が良さそうだ。

 何しろこの旅館の主はかの「白面金毛九尾の狐」に有無を言わさぬスパルタ指導をかませる「地獄の閻魔」なのだ。できる限り怒らせるのは避けるべきだろう。

 なおオルガマリーにもせっかくの休暇がすぐ終わるのはもったいないという気持ちはあったが、人の上に立つ者として当然口にはしなかった。

 

「つまり知らんぷりをするということですか?」

「ええ、ただしジャンヌは注意しておいてね。貴女にだけ負担をかけて悪いけれど」

 

 マシュの問いかけにオルガマリーはそう答えると、ジャンヌの方に顔を向けた。

 もちろんジャンヌはそんなことまったく気にしない聖女である。

 

「いえいえ、これもルーラーの仕事ですから気にしないで下さい」

「ありがとう、それじゃ部屋割りの話に戻りましょうか」

 

 未知のサーヴァントがいるなら、光己はともかくオルガマリーとアイリスフィールは安全重視で、マシュとジャンヌが同室になるべきだ。あと1人、(光己と同室になりたいという希望が薄い)ブラダマンテかタマモキャットに来てもらえば前衛後衛のバランスが取れる。

 光己と同室になりたい人は大勢いるから、見張り役の段蔵だけ固定にして、あとはジャンケンか何かでいいだろう。ジャンヌ2人とタマモ2人を別室にすれば、他に人間関係的な問題はないし。

 

「……こんなところかしらね。それじゃお風呂上がりだから、のんびり歩きながら行きましょうか」

「はい!」

 

 こうして多少の問題はかかえつつも、カルデア一行は美味しい夕ご飯が待つ大広間に向かったのだった。

 

 

 




 ワルキューレズがモルガンと妥協できるようになりました。
 ラグナロクが起こったらイギリスも戦場になるでしょうから、モルガンにとっても3姉妹がいてくれるのはプラスですし。
 それがいつになるかはまったく分からないのですが……。


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