FGO ANOTHER TALE   作:風仙

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第192話 白雪姫4

 返り血を浴びるのもNGとなるとどう戦えばいいのか? 実戦経験豊かなバーゲストもさすがに困惑したが、そこに後ろから同僚が飛び込んできた。

 

「仕方ねえ、私が相手するよ」

「バーヴァン・シー!? そうだな、頼んだ」

 

 なるほど飛び道具メインのバーヴァン・シーなら、接近させないように戦えるから問題ない。また彼女が木の枝の上に乗っているのは、武則天の宝具への対策だろう。

 バーゲストは少し下がって、静謐のハサンの相手を彼女に任せた。

 

「うーん、真名看破ってマジ便利だなあ」

 

 バーヴァン・シーが武則天と静謐のハサンの動きを目で追いつつ1人ごちた。

 サーヴァントにとって宝具とは象徴であり切り札であるそうで、逆に喰らう側にとっては最大の警戒対象になる。それをこちらだけ事前に教えてもらえるとか、これがチートとかイカサマとか呼ばれるずるっこ行為か。

 

「最っ高ね! それじゃアナタたちはやられ役らしく、ゴミになぁれぇ!!」

 

 サディスティックに(あざけ)りつつ、まずは小手調べに軽く魔力の矢をばらまくバーヴァン・シー。大小さまざまな黒い(やじり)のような形をしており、特殊な効果はないが大きなものは1本でもこの森の太い木を貫く威力がある。

 すると静謐のハサンは大きく横に跳んで避けると同時に短刀を数本投げてきた。当然毒を塗ってあるだろう。

 

「さすがに元素人じゃないみたいね。でも暗殺者(アサシン)弓兵(アーチャー)と飛び道具対決するなんてナンセンスぅー♪」

 

 バーヴァン・シーはバレリーナのようにくるっと身を翻して短刀をかわしつつ、先ほどの倍の数の矢を放って静謐のハサンと、ついでに酷吏たちも攻撃した。

 狙いは甘いが数と威力は十分な乱射を静謐のハサンは避け切れず、何本かが体をかすめて肉をえぐられ血が飛び散る。酷吏も何人か倒された。

 

「くっ……つ、強い」

 

 静謐のハサンの暗殺スタイルはハニートラップ的な方法がメインであり、樹上の少女が言う通り射撃戦で弓兵と張り合えるほどの技量はない。

 ただケガをして出血したのは彼女にとって有利な要素でもある。純粋に攻撃の手数が増えるのだから。

 ……弓兵相手には意味のないものだけれど。

 しかしまだ打つ手はある。静謐は木の陰に隠れると、1度真上に跳躍してから木の幹を蹴って別の木の陰に移動した。

 そこで木を掴んだ手を放して少しだけ自由落下してから、また木の幹を蹴って次の木の陰に飛ぶ。

 つまり隠れるのと3次元移動を織り交ぜることで弓兵少女を攪乱しようとしたのだ。

 

「んんっ!? な、なかなか考えたな」

 

 静謐のハサンは動きがかなり素早い上に時々短刀を投げて来るし、武則天も心得たものでたまに針を飛ばして牽制してくる。バーヴァン・シーは両方から目を離せないわけで、童話の役柄で押しつけられた仮初の関係のくせに連携が取れているのがメンドくさくて小面憎い。地形をうまく利用している点もちょっちムカつく。

 

「でもざぁんねん♪ 宝具ってのを持ってるのはおまえたちだけじゃねえんだよ」

 

 バーヴァン・シーがいったん射撃を停止し、代わりにファンシーな金槌と大きな釘を取り出す。いわゆる丑の刻参りの呪いだ。

 藁人形は通常は対象の髪の毛や爪など肉体の一部から作り出すのだが、対象が見えているのならイメージだけで何とかなる。

 この呪術は普通は「人を呪わば穴二つ」になる危険なものだが、宝具化に伴って自身の被害は連続使用しなければ無視できる程度に収まっていた。

 

「そーれっ! 『痛幻の哭奏(フェッチ・フェイルノート)』!!」

 

 バーヴァン・シーが「藁人形」に釘の先端を押しつけ、ついで釘の頭部を金槌でカーンと叩くと、当然に釘が人形の胸に刺さる。その直後、静謐本人も心臓に激痛が走った。

 

「がッ!?」

 

 痛みのあまり静謐は空中で姿勢を崩し、そのまま木の幹に背中を打ちつけて地面に落下した。それでもすぐ立ち上がったが、まだ痛みは激しくまともに動けない。

 そうと見た弓兵少女が追いかけて来る。とどめを刺す気かと思ったが、意外にも話しかけてきた。

 

「アッハハハハ! ブザマに逃げ回ったあげく墜落なんて見苦し~い♪

 そろそろおうちに帰った方がいいんじゃなぁい? 負け犬みたいに」

 

 バーヴァン・シーは自分の優位を確信すると、いや相手が自分が劣勢だと自覚していると判断するとかさにかかってこき下ろした。

 とはいえこの台詞は、もし静謐のハサンが逃げるなら背中は射たないという趣旨でもある。バーヴァン・シー的に主君を裏切って刃を向けるのは敵のすることであっても不愉快だが、逆に仮初の王だか商売相手だかのために命を捨てることもなかろうと思ったのだ。

 

「……いいえ。貴女の気遣いは嬉しく思いますが、ハサンの名を預かった者としてそうするわけにはいきません」

「へえ!?」

 

 すると仮面の女性はバーヴァン・シーの思惑を理解した上で断ってきた。ハサンというのが何なのかは分からないが、おそらく彼女にとって大変な名誉と責務を持ったものなのだろう。

 バーヴァン・シーは驚きかつ感心したが、現界した時に得た知識によると彼女のような誇り高き戦士に対してはしつこく勧めたり攻撃を手加減したりするのは失礼に当たるらしい。

 もとよりバーヴァン・シー自身にも負けられない理由がある。この先は情けもお遊びも無用のデスマッチだ。

 

「そっか、じゃあ仕方ないな。気持ち良く逝っちゃえぇぇ!」

 

 バーヴァン・シーが先ほどのさらに倍の矢を飛ばす。一方静謐の心臓、つまり霊核は見た目には傷ついていないものの深刻な損傷を受けており、もはや満足に戦うどころか矢を避けるのも難しかった。

 

「くぅぅ……!」

 

 それでもこのまま終わるわけにはいかない。静謐のハサンは文字通り死力を振り絞って、横に跳んでまた木の陰にもぐりこんだ。

 しかし今回の矢は威力も別格で、静謐が隠れた木をへし折ってしまった。次の矢が右肩と左腿に突き刺さる。

 

「ぐっ……!」

 

 これはいけない。最期の時が来たようだ。

 しかしハサンを名乗る者として、せめて1人くらいは道連れにしなければ。

 

(誰を……!?)

 

 弓兵少女は無理だ。投剣は通じなかったし、まして手が届く距離まで近づけるわけがない。

 ならば鎧を着た剣士か、それとも旗槍のルーラーか? この2人は飛び道具を持っていないようだから、接近戦に持ち込むことは可能だろう。

 

(いえ、ここはあの男性を……!)

 

 彼が弓兵少女たちのマスターなのだろうから、彼さえ倒せば勝利になるのだから。しかも狭い足場の上にいて、避けるのもままならないわけだし。

 といっても右と左にサーヴァントが1人ずついるから分の悪い賭けだが、何とか……!

 

「参ります……! 死んで、下さい」

 

 どの道これで死ぬのだ。静謐は霊基を燃やして最後の力に変えながら、ムササビのように木の枝から枝へ跳んで少年の元に奔った。

 

「チッ、マスター狙いか!」

 

 バーヴァン・シーは静謐の狙いにすぐ気づいたが、位置関係的に先ほどのように乱射するとマスターに当たりかねない。ならばと単発の精密射撃で確実に当てようとすると、またも武則天の魔力針に邪魔されてしまう。

 

「甘いわ!」

「あぁもうメンドくさい!」

 

 一方ジャンヌとバーゲストは周りに酷吏がいて追いつけそうになかった。エリザベートとゼノビアはメリュジーヌの援護に行っているので、今光己の傍らにいるのはジャンヌオルタとシバの女王の2人である。

 

「させるかってーの!」

 

 静謐が木と木の間を跳んでいる瞬間を狙って、ジャンヌオルタが魔力弾を放つ。サーヴァントといえども飛行能力を持っていなければ空中で軌道を変えることはできないから躱すのは無理―――のはずだったが、なんと静謐は片手で魔力弾を下から押し上げて、その反作用で体を下げるという離れ業で黒い魔弾を回避してのけた。

 

「嘘っ!?」

「もう少し……!」

 

 代わりにその片手は潰れたが問題はない。とりあえず今のお返しとして、まだ生きている右手で敵の3人に1本ずつ短刀を投げた。

 

「わわっ!?」

 

 シバの煙は一瞬で広く展開できるものではないので、今この場では間に合わない。シバとジャンヌオルタは横にかがんで避けるしかなかった。

 真ん中にいる光己はそれもできないが、まだ手に持っていた盾をかざしてはじいた。

 

「なっ、盾……!?」

 

 まさか魔術師が武闘系サーヴァントの投擲をあっさり防ぐとは何という反射神経。静謐は大いに焦ったが、ここまで来て方針変更はできない。だって本当にもう少しなのだから。

 静謐は地上に降りると、地面を蹴って猛然と駆け出した。

 

「あと少し……!」

 

 標的まで7~8メートルというところか。半秒もかからない距離だ。盾で阻まれたとしても、その盾ごと押し倒せば手を触れることくらいはできるだろう。

 しかし少年の口元が一瞬光ったように見えた直後、左目に何か突き刺されたような鋭い痛みを感じた。

 

「痛っ!? 含み針か何か……!?」

 

 サーヴァント相手に魔術師がそんなことをするなんて予測できるはずがない。驚きと痛みで静謐の姿勢が乱れたのは致し方ないことだろう。

 といっても熟練の暗殺者だけにその乱れはほんのわずかなものだったが、サーヴァント戦においてはそのわずかな時間と動作が命取りになり得る。勢いのまま前につんのめった静謐の顔面を、少年の盾が真正面からぶっ叩いた。

 

「んぶっ!?」

 

 しかもその腕力たるや、サーヴァント基準でも強い部類に入るというおかしなものだった。本当に何者なのかこの少年!?

 静謐はあやうく後ろに吹っ飛ばされるところだったが、必死で踏ん張り盾をつかんでそれを免れた。しかしその直後、背中から腿にかけて何ヶ所も痛みが走る。

 追って来た弓兵少女に射られたのだ。

 

「これでおしまい。消えちゃえぇ!!」

「うぅっ……ここまで……来たのに……」

 

 痛みとともに(まりょく)が抜けて、静謐の視界が絶望の暗い色に染まっていく。

 ついに目の前まで近づけた少年に手を伸ばそうにも、盾が邪魔で届かない。脚はまた矢が刺さってもう動かない。

 これで、終わり……!?

 

「いえ……まだ、まだ1つだけ方法が!」

 

 今度は矢が後頭部と延髄に刺さったが、まだ数秒は保つ。静謐はぐっと上体を起こすと、短刀でみずからの咽喉を掻き切った。

 

「なっ……!?」

 

 あまりのことに光己たちが呆然と硬直する。4人が我に返ったのは、静謐の咽喉の傷口から噴き出した大量の毒の血が光己の頭にぶっかけられた後だった。

 

 

 

 

 

 

 光己が普通の魔術師だったならこれで死んでいたところだが、幸いにして彼は「五巨竜の血鎧(アーマー・オブ・クイントスター)」略して無敵アーマーと称する能力により、毒物や呪詛の類に対しても強力な耐性を持っている。平気な顔で立っていたが、それを見た静謐の驚きの表情は、ここまでしたのに倒せなかったという落胆ではなく、生きていてくれたという喜びと、その人ともうお別れなのだという名残惜しさがないまざった複雑なものだった。

 

(ああぁぁ、私に触れるどころか血を浴びても平気な人がいるなんて……。

 もし次があるのなら、どうか味方として……)

 

 静謐のハサンはいわゆる「毒の娘」であり、触れた相手は彼女の意志とはかかわりなく死んでしまう。それは暗殺の手段としては良くても、私人として誰かと深いかかわりを持つことは難しくなるものだった。なので彼女の毒が効かない人というのは、彼女にとって人間大の宝石のように特別で貴重な存在なのである。

 ただ静謐は致命傷を複数受けている上に霊基も燃やし尽くしていて、その旨を口に出す力も残っていなかった。

 そして無言のまま、光の粒子となって座に還っていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 静謐のハサンが退去すると、ジャンヌオルタとシバの女王も我に返って光己の身を心配し始めた。

 

「ちょ、ちょっとマスター大丈夫なの!? 頭から血をかぶってるけど」

「はわぁぁぁ!? マ、マスターに今亡くなられると困るんですけどぉ~!?」

「いや、大丈夫だって」

 

 光己はそう答えはしたが、静謐の毒が1種類だけとは限らない。遅効性のより強い猛毒が混じっているといった可能性もある。何か手を打っておくべきだろうか?

 

「そうだ、白い私の宝具なら解毒できるんじゃないかしら」

「その手があったか! でもちょっと遠いし戦ってる最中だから、普通に呼ぶだけじゃ聞こえなさそうだな」

「私がひとっ走り行って呼んできてもいいけど?」

 

 マスターの命がかかっているだけにジャンヌオルタは普段より親切だったが、これにはちょっと難点がある。戦争で最も被害が出るのは退却戦であり、2人がこちらに戻ってくる時に武則天や酷吏たちに追いすがられてケガをするのではないかということだ。

 

「そうだ、こういう時こそ令呪だ」

 

 令呪によるワープならそうした問題はない。光己がさっそく、左手の甲をジャンヌの方に向けて令呪を起動させる。

 

「令呪を以て命じる。お姉ちゃん、ここに来て(viens ici)!!」

 

 必要もないのにあえてフランス語を使う、いやその単語を知っているあたり本当に重傷であった……。

 無断で移動させるのではなく、一瞬ではあるが事前に主旨を伝えるようにしたので、突然光己の2メートル前に出現、つまりいきなり目の前の光景が変わったジャンヌに混乱した様子は見られなかった。

 

「マスター、何事……っきゃああ!?」

 

 ただどんな理由で呼ぶかまでは伝えられなかったので、マスターの頭と顔が血まみれなのを見て絶叫したのは仕方ないことだった……。

 

「マ、マスター!? だ、大丈夫なのですか!? い、いえ早く治療を!?」

「あー、今は大丈夫だから落ち着いて。静謐のハサンが自分で咽喉を切って溢れた血を浴びただけ……いやかなり大事だけど、とにかく今は平気だから」

「そ、そうですか……ああ、そういえば彼女は全身が毒だと私が看破したのでしたね。

 マスターの方に走っていくのはちらっと見ましたが、自分で咽喉を切ってまでとは恐ろしい執念ですね」

「うん、1人で敵中突破なんてしようとする奴はやっぱり気迫が違うと思った」

 

 ローマで戦ったスパルタクスも、オケアノスにいたメアリーもそうだった。そういうド根性はこちらに向けず、魔術王や魔神柱に向けてくれればいいのに。

 

「それはそうと、毒の治療お願いしていい? 今は平気と言ったけど、後遺症とかあるかも知れないから」

「なるほど、そういうことでしたか。分かりました。では宝具……いえ洗礼詠唱の方がいいですね」

 

 洗礼詠唱とは魔術儀式の1つで、呪いを解いたり霊体を浄化したりするのに用いられる。解毒用のものではないが、サーヴァントは血も霊体だから有効だ。

 

「主の恵みは深く、慈しみは永久(とこしえ)に絶えず……」

 

 ジャンヌが詠唱を始めると周囲に神々しい雰囲気がたちこめ、静謐の血が静かに蒸発していく。効果覿面(てきめん)のようだ。

 するとバーヴァン・シーが木の枝の上から声をかけてきた。

 

「ええと、マスターはもう大丈夫ってことでいいのか?」

「うん。心配してくれてありがと」

「べ、別におまえの心配したんじゃねえよ。おまえが死んだらお母様に会えなくなるから気になっただけだ」

 

 光己が礼を言うと、バーヴァン・シーはそっぽを向いて前線に戻ってしまった。

 ジャンヌが本陣に来たから前線は今バーゲスト1人しかいないので早く戻るべきなのは事実だが、まさに古き良きツンデレそのままの振る舞いであった……。

 一方武則天は細かい経緯は森の中で距離もあるので分からなかったが、弓兵少女が無事戻ってきたのなら作戦失敗であることは分かる。もう援軍はないので、これ以上戦っても勝ち目はない。

 

「よし、退くぞ!」

 

 ためらいも未練もなく、あっさり回れ右して逃走を始める武則天。その仲間の死を何とも思っていないような態度にバーヴァン・シーが怒りの声を上げる。

 

「あ、あの女自分だけ逃げる気か……!?」

 

 しかし見方を変えると、たとえばバーヴァン・シーがモルガンと一緒に強大な敵と戦っていて、もう勝てないと判断したバーヴァン・シーが死を覚悟して囮になるとしたら、モルガンには死なずに生きて帰って欲しいと思うわけで。つまり武則天は静謐の思いを酌んだからこそ、一見は無情に見える行動をしたのかも知れない。

 

「……いや待て。毒女は単にハサンとかいうのに殉じただけで、武則天のためじゃなかったって可能性もあるよな。それなら武則天も一緒に死ぬ義理ねえし」

 

 難しいものである。まあいずれにしても武則天を逃がす理由にはならないのだが。

 バーゲストも当然追撃に移ろうとしたが、その最初の一歩を踏み出した地面がぬかるんでそのまま身体ごと下に落ちてしまった。

 

「おおっ!?」

 

 武則天がこっそり宝具を仕込んでいたのだ。空を飛べないバーゲストに底なしの毒沼から脱出するすべはないし、バーヴァン・シーも自分では助けようがない。

 慌ててUターンし、マスターに事の次第を報告する。

 

「マスター、やべえ! バーゲストの奴が武則天の宝具くらって毒壺に落ちた」

「デジマ!?」

 

 光己はついさっきジャンヌを呼んでいなければバーゲストを助ける方法を思いつかなかったかも知れないが、今はすぐ実行できた。

 

「れ、令呪を以て命じる。バーゲスト、ここに来い!」

「……す、すまん。助かった」

 

 救出されたバーゲストは濃紫色の毒酒まみれでさすがにグロッキーだったが、命に別状はないようである。すぐ治療を始めたが、この状況では武則天を追うことはできない。

 

「うーむ、令呪を2画使って取り逃がすとは。まあたまにはこんなこともあるか……」

「そうね。それに1人は倒したんだし、気にすることないわよ」

「ええ、それにまだ戦いは終わっていませんから」

 

 光己の述懐にジャンヌ2人がそんなことを言った。そう、まだ敵は残っているのである。

 

 

 

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