FGO ANOTHER TALE   作:風仙

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第227話 軍師の弁舌

 ルーラーアルトリアが探知した4騎のリーダーポジである天草四郎も、ルーラーたちが1キロ弱の距離まで来たところで6人の存在を探知した。

 

「これは、今もうこちらに走って来ている……!? あちらのルーラーは私より探知範囲が広いということですか」

 

 本来ルーラーの探知範囲は当人の魔力等に関係なく10キロなのだが、ここでは魔霧にジャミングされているのか大幅に狭まっている。その狭まる度合いが天草の方が大きかったため、先方はこちらが探知できない距離で探知してアプローチしてきたというわけだ。

 

「これは迂闊でしたね。彼らが黒幕側かカルデア側かは分かりませんが、今から逃げるのは難しいですか……」

 

 アタランテとジャックは素早いが天草自身はそこそこだし、ナーサリーは見た目通り鈍足だ。といってナーサリーを誰かが抱えていくとその人が戦えなくなってしまう。どうしたものだろうか?

 

「悩んでる時間はありませんが……アタランテ殿、どうしましょうか?」

「ううむ、魔霧が吸収されているのと関係があるのか……? どちらにしても、ここはナーサリーの時と同じ手を使うしかなさそうだな」

 

 先方のルーラーの探知範囲が広いといっても、こちらの2倍3倍とまではいくまい。なので彼らをまず目の前まで引きつけてから、ジャバウォックで足止めしてその間に3キロも離れれば先方はこちらを見失うはずという計算である。足止め役がいるならナーサリーを抱えて走っても支障はないし。

 なおアタランテは来ているのがカルデアではなく黒幕側なら戦って斃してしまいたいという気持ちもあったが、4対6では厳しいのでそれは提案しなかった。

 

「そうですね。ナーサリー、頼めますか?」

「……うん」

 

 ナーサリーは頷くしかない。

 今回も建物の上から見ていたので、いったん地上に降りて逃走経路を確認しながら待っているとやがて6人の姿が現れた。メンツを見るにカルデア側のようである。

 先頭に立っているのはマシュで、しかもきっちり盾を構えているから矢で牽制するのは効き目が薄そうだ。マスターがいないのは、急いで来たからだろうか?

 

「仕方ないな。ナーサリー、頼む」

「うん。怖い人たち、帰って!」

 

 ナーサリーが本を開くと、ジャバウォックとトランプ兵が現れてマシュたちに襲いかかる。

 彼らの魔力量は前回とほぼ同じで、アタランテたちはこれなら3キロ逃げる程度の足止めはできると考えたが、今回はカルデア側の条件が違っていた。

 

「またそれ? どうせなら新しいの出してほしいんだけどな」

 

 ちょっとだけつまらなさそうにそう言いながら、アルクェイドがマシュの盾より前に進み出る。何しろアルビオンパワーの恩恵が1番大きいのは彼女なのだ。

 アルクェイドは光己と契約したことで「原初の一」の性能が上がったが、これによる出力上昇は地球の省エネ志向により敵より一段上までとなっている。しかし省エネを求めないアルビオンという別のバックアップ元があれば、敵の5倍でも10倍でも好きなだけパワーアップできるのだ。

 

「また逃げられるのは面倒だから、手早くいくわよ。くらえぇ、ハイパー真祖クロー!」

 

 アルクェイドが滑るような足取りでジャバウォックの足元まで接近し、ついで右掌を上に向けて大きく振り上げる。その指先から見えない衝撃波が火山の噴火のごとく噴き上がり、怪物の股間から脳天まで貫いて真っ二つに引き裂いた!

 ジャバウォックがそのまま左右に分かれて倒れるのを見て、ナーサリーが恐怖に(おのの)く。

 

「え、嘘……!?」

 

 当然トランプの兵士たちなど瞬殺であり、足止め策はあっさり崩壊してしまった。前回は通用したのに、これがカルデアの本気ということか!?

 

「一丁上がりね。ここからどうするのかしら?」

「ぐむむ、かくなる上はこの身を挺してでも……」

 

 普通に戦っても勝ち目は薄そうである。アタランテは宝具で突撃して相打ちに持ち込もうと開帳準備を始めたが、するとその気配を察したのか後方の東洋風男性が声をかけてきた。

 

「おっと、まあそう先走らずに。聞けば貴女はマスターとは何度も共闘した仲だとか。何故今回に限ってそこまで敵対するのですか?」

「―――」

 

 アタランテは会話でカルデアと和解するのは無理だと思っていたが、先方が持ちかけてきたのなら拒むこともない。先ほどの白い服の女がいったん下がったのを確認してから、こちらも臨戦態勢に入っていたジャックを手で押さえた上で話を始める。

 

「ああ、確かに彼らには世話になったし、今回も共に戦いたいという思いはある……が、私にはジャックを見捨てることはできない。

 逆に言えばジャックを受け入れてくれるなら文句はないのだが……汝らには無理な話だと思う」

「ジャック……そちらの黒い服の娘ですね。女性を大勢殺害したと聞いていますが」

 

 太公望はアタランテが子供好きなことは知っているが、だからといって殺人犯をかばうのは筋が通らないように思う。その疑問を率直に口に出すと、当人も分かっているのか露骨に表情を歪めた。

 

「ああ、それも分かっている……しかしジャックは外見通りの存在ではなく、堕胎された赤子の霊の集合体で、しかも私は他の聖杯戦争で彼女と会っていて、救おうとしたが救えなかったんだ。

 だから今回こそはどうにかしてやりたいと思っているのだが……」

 

 その方法として天草の宿願である「魂の物質化による全人類の救済」に同意して共闘しているのだが、本当にそれでうまくいくのかどうかには確信を持てていなかった。

 今はバーサーカーになっているせいで思考力が落ちているから尚更である。

 

「……? 赤子の霊の集合体がなぜ幼女になって、しかも刃物を持った殺人犯になるのですか?」

「……その辺は私にも分からんが、本人の自己認識はそうなっている」

 

 太公望はジャックの成り立ちにも疑問を持ったが、そこはアタランテも分からないようだった。

 仕方ないので、そこはスルーして話を進めることにする。

 

「……そうですか。それでジャック自身は何を望んでいるのですか?」

「母親の胎内に還ることだ。無理なのは何度も言われたし、私も分かっているのだが……」

 

 それこそ聖杯に願うくらいしか方法はない……とアタランテは思っていたが、驚くべきことに東洋男性はそれができると言ってきた。

 

「なるほど、当人にとっては自然で切実な願いですね。

 マスターに頼めばできると思いますよ。確約まではできませんが」

「なん……だと!? ほ、本当なのか!?」

 

 アタランテはカルデアのマスターがファヴニールの血を飲んで自身も竜になったことは知っているが、そんな大それた真似ができるとは聞いていない。上ずった声で訊き返すと、男性はごくあっさり頷いた。

 

「ええ、要はジャック殿が女性の胎内に収まる程度に小さくなればいいわけですから。

 といっても生身の人間では無理でしょうが、サーヴァントの身体はエーテルで出来てますからね。宝具で変身するサーヴァントがいるくらいですから、決して不可能なことではありません。

 ……情状酌量の余地はあるとはいえ殺人犯の願いをかなえていいのかという倫理的な問題はありますし、もし我々の中に被害者の遺族がいたら大惨事でしたが、幸いにしてそういう話は聞いていません。

 マスターは話が分かるお方ですから、ジャック殿の願いをかなえる方が人類全体としては得だと説けば分かって下さるでしょう」

「遺族、か」

 

 アタランテは「被害者の遺族」という言葉に少し胸が痛んだが、ここまで来たら立ち止まれない。そのまま話を続けた。

 

「……確かにあのマスターなら分かってくれそうだな。いつの間にそんな芸当ができるようになったかは本人に聞くとして、人類全体としては得とはどういうことなんだ?」

「ジャック殿が戦わずしてリタイアする上に、アタランテ殿がカルデア(こちら)につく。これが1つめですね」

「……」

 

 1人リタイア1人引き抜きという話に天草がわずかに頬をひきつらせたが、太公望は丁重に気づかなかったフリをした。

 天草が太公望の話を邪魔したらそれこそアタランテ&ジャックと決裂することになるし、仮に天草がそれでも邪魔する猪武者であったとしても、間にアルクェイドとマシュと小次郎がいる。今太公望が天草を恐れる必要はないのだった。

 当然ながら、4騎と接触する前に真名看破は済ませているし。

 

(とはいえ、天草殿はマスターには会わせたくないものですが……)

 

 光己が歴史に強い方だからか、太公望は現界の時に天草についての知識をもらっていた。それによれば彼は敬虔なキリスト教徒だそうで、現在の光己を見たらサタン認定して敵対しかねないからだ。

 実際あの黒い蝙蝠の翼は悪魔的な雰囲気がすごいから冤罪とはいえないし。せめて天使の翼もできていればプラマイゼロになるかも知れないのだけれど。

 まあその辺は天草の意向次第だから、今はアタランテ&ジャックに集中すべきである。

 

「もう1つは、ジャック殿が願いをかなえた上で『座』に帰る、つまりその記憶を持ち帰れば召喚される動機がなくなりますし、仮に召喚されてもその願いをかなえる必要はありません。要するに、ジャック殿が殺人を犯す必然性がなくなることです」

「なるほど、それは素晴らしい流れだな!」

 

 アタランテはそもそも赤子の霊が聖杯戦争(ころしあい)に参加すること自体をよく思っていない。太公望の考えに諸手を挙げて同意した。

 しかしあと1つだけ解決すべきことがある。

 

「あと問題は、母親になってくれる女性をどうやって探すかだが……」

「探すまでもないでしょう。若くて健康で子供好きで、しかもジャック殿をとても気にかけている女性が今ここにいるのですから」

「おお!」

 

 アタランテがぱーっと表情を明るくしてぽんと手を打つ。

 この後どう転んでも出産にはならないのだから、生身の人間に頼む必要はないのだ。

 

「確かにその通りだな。いやここで他の女に頼むようでは私の矜持が疑われるというものだ。

 よし決めたぞ。ジャック、私が汝のお母さんになってやる!」

「え、ほんとに!?」

 

 ジャックは太公望の話はよく分からなかったがアタランテの立候補には大変喜んで、しかし何か早とちりしたらしくいきなり両手にナイフを構えた。恐怖を覚えたアタランテが慌てて1歩跳び下がる。

 

「待て待て今すぐじゃない! カルデアのマスターが、汝を母親のお腹の中に入れるくらい小さくしてくれるそうだからその後だ」

「…………うん。よく分からないけど分かった」

 

 ジャックは敵であるカルデアのマスターがそんな大層なことしてくれるだろうかという疑念はあったが、今までのやり方ではうまくいかなかったのも事実である。他にいい方法があるわけでもないので、ここは2人の提案に乗ることにした。

 しかし気がかりがまだ1つ残っている。

 

「わたしたちはそれでいいとして、ナーサリーはどうなるの?」

「ナーサリー殿ですか? そうですね、ジャック殿を処さないのにナーサリー殿を処するのは道理に合いません。この後ロンドン市民に危害を加えるとか僕たちの邪魔をするとかしない限り、戦う理由はないですね。

 アタランテ殿と一緒にこちらに来てもらっても構いませんが、もちろん無理強いはしませんよ」

 

 太公望がいたって穏やかにそう言いながらナーサリーに顔を向けると、ナーサリーはびくっと震えて天草の後ろに隠れてしまった。

 太公望が怖いとか信用できないとかではなく、アルクェイドの超暴力に恐れをなしているのだろう。

 そしてこうなると、次は太公望と天草が話すことになる。

 

「―――さて。話の流れで2人引き抜いてしまいましたが、そもそも貴方はなぜカルデアにも黒幕にも加わらず第三勢力をしているのですか? 天草四郎殿」

 

 さりげなく真名看破済みであることを明かしつつ直球で太公望が訊ねると、天草もぱっと見は飄々とした感じで、同様に看破済みであることを示してきた。

 

「これはこれは、かの太公望姜子牙殿と差し向いで話せるとはまことに光栄です」

 

 そのやり取りはアルクェイドが(うっわー、2人ともうさんくさ! マスターさんてば大変ね!)と内心で評した通りのものだったが、天草はこの顔ぶれを相手に腹芸は無意味と見たのか本題に入ると雰囲気も態度も改めた。

 

「ええ、私もキリスト教徒の端くれとして、魔術王という大敵から人類を救うという偉業には賛成ですとも。ですがそれ以上に、どうしても譲れない願いがあるのです」

「ほう……その願いとは?」

「人類の救済です。いえ人理修復ではなくて、あらゆる悪が駆逐された『この世全ての善』が実現された世界をつくることです。

 そのために、聖杯による奇跡で人類全員に第三魔法『魂の物質化』を付与するというのが私の願いです」

「…………ほほう」

 

 その壮大で真摯な願いに太公望はさすがに即答はできず、しばし黙考してからゆっくりと言葉を紡いだ。

 

「大変尊い願いだと思います。

 ですが―――魂の物質化という方法では、悪がない世界はつくれませんよ」

「……何故です?」

 

 天草は自分の願いに強い執着を持っているが、ダメ出ししてきたのが太公望ほどの知恵者となればその理由を訊かざるを得ない。むろん太公望も真面目に答えた。

 

「貴方がいう魂の物質化と同義、つまり不老不死を達成した人間でも争い、殺し合うからですよ。いえ仙人は不死ではありませんがほぼ不老で疫病や貧困といった生活上の不安もなく、しかも世俗の欲望や執着をおおむね捨てた人たちです。それでも闘争心や党派性はなくせず、徒党を組んで殺し合ったのですよ」

「…………」

 

 実際に見聞き・体験した人物の発言は重い。天草はすぐには反論できなかった。

 なおヒロインXXもサーヴァントユニヴァースという、人類すべてがサーヴァント化≒魂の物質化をした世界から来ていて、しかもそこはヴィランとダークマター企業がはびこる末法の世であるのだが、軍師が真剣に話をしている最中なので口出しは控えた。

 

「あ、そういえばマスターがバナナ型神話について話していましたね。まさにこの問題そのものじゃないですか」

 

 太公望がふとそう言って軽く首をかしげる。

 魂の物質化とは人間がバナナから石になる、アダムとイブが再び生命の樹の実を食べるという一大ムーブメントなわけだが、実際これにはまだ考察しておくべき点があった。

 

「それと仮にあなたの願いがかなったとして、子供は新しく生まれるのですか? 今いる人間が死なないのに生まれるのなら当然人口爆発しますし、生まれないなら世代交代がなく今存在する者だけが成長も老化もなく同じ年代のまま存在し続けるわけですから、『変化がない行き詰まった世界』と見なされて剪定される恐れも出てきますが」

 

 ここで最後の仮定がもし正しかった場合ルシフェルは本当に世界と人類の救い主ということになるのだが、初対面のキリスト教徒の前で口にするのは避けた。まあ当然の配慮といえよう……。

 天草の方は魂の物質化をした人間が子供をつくるかどうかは考えたことがなかったが、それより「剪定される」という危険そうなセンテンスの方が気にかかった。

 

「行き詰まった世界が剪定される、というのはどういうことなのですか?」

「ああ、これははぐれサーヴァントではなかなか知り得ない話でしたね。ではまず、並行世界というものがあることはご存知ですか?」

「ええ、言葉の意味くらいは」

「それなら話が早い。実際宇宙には無数の並行世界があるのですが、実は宇宙のリソースは有限で、存在できる世界の数には上限があるのですよ」

「な……!?」

 

 これには天草も心臓が止まる思いだった。まさか「世界」自体が生まれたり死んだりしているというのか!?

 

「ええ。そこで『死ぬ』というか消え去るのが今言った『変化がなくなった世界』なのですよ。

 一応、この世界は変化があるということで存続できる世界らしいですが」

「…………手放しに喜んでいいことかどうかは分かりませんが、安心はしました」

 

 自分たちの世界の存続が他の世界の犠牲の上に成り立っていると考えると心苦しくはあるのだが、他の世界、まして宇宙のリソースなんて一介のサーヴァントの身ではいかんともしがたい。天草は深く言及することは避けた。

 

「しかし、それが事実だという根拠はあるのですか?」

「ええ、何しろその剪定された世界出身、しかもその世界の主権者だったサーヴァントが実際にカルデアにいますからね。

 それとは別に、剪定が予定された世界―――『異聞帯』と呼んでいるのですが―――に侵入されて追い出そうとしている最中の世界から来たサーヴァントもいます」

「……」

 

 天草はもう反論の言葉すら思いつかない。

 いや「剪定される恐れも出る」というのは根拠こそあるがあくまで推測に過ぎないのだが、無視していい話ではないわけで。

 しかし太公望は天草が考えをまとめる前に話題を変えてきた。

 

「―――というかですね。悪がない善なる世界を望むのであれば、それそのものを願えばいいのでは?

 全人類がブッダやキリストのような聖者になったら、その日の内に地上のあらゆる悪徳は消えてなくなるでしょう」

「おお、なるほど!」

 

 言われてみればその通りだ。魂の物質化は目的ではなく手段であって、直接目的を達成できるならその方が良いに決まっているではないか!

 

「キリストが幸福だったかどうかは僕には分かりませんが、ブッダは幸福だったでしょうからね」

「……なぜそう言えるのです?」

 

 自分が信じる教えの教祖が他の教祖に劣っていると言われたように感じて天草は目を細めたが、太公望とて根拠なく発言したのではない。

 

「だってブッダは悟りを開いた者ですからね。内なる平和とかそういう境地にあるわけですから、世俗の一般人よりは幸せなんじゃないですか?」

「……それはまあ」

 

 これは反論しにくい。ブッダについては確かにそうだし、キリスト自身の幸不幸なんて天草に分かることではないのだ。

 なお2人が想定している「ブッダやキリストのような聖者」というのはあくまで「ような」であって、ブッダやキリストそのものになるのではない。つまり聖者並みの悟性や愛を持つだけで性格や嗜好や職業適性は個々に異なるから、社会の運営と存続はできるはずだ。

 

「しかしこれだと次世代の善性は保証されませんね。さすがの聖杯もそこまで面倒見てくれるかどうか分かりませんし……いえ親や社会が愛と善に満ちていれば、子供もそのようになってくれるでしょうか」

 

 これまた悩ましい問題である。先ほどの人口爆発か剪定かの問題もあるし、今ここで結論を出すのは無理そうだ。

 ではどうしようかと天草が悩んでいると、太公望は自分でかけたハシゴを外してきた。

 

「ただマスターを初めとするカルデア職員がブッダのようになったら闘争心をなくして人理修復に取り組めなくなるかも知れませんので、今はやめておいて欲しいところですが」

 

 何しろ「仏は人類の存亡について関与しない」と言われているくらいなので、あまり楽観はできないのだ。そういうことは人類の脅威が完全に取り除かれてからにしてほしいと思う。

 たった1人の願望で全人類の身体や価値観を改変する行為の是非という根本的な問題はまた別だが。

 

「う、うーん。それもそうではありますが。

 カルデアの職員だけは例外にしてくれなんて細かい望みが実現される保証はないわけですし」

 

 人理修復が失敗になっては本末転倒である。天草は唸るしかなかった。

 とりあえず、異聞帯と剪定について当人に詳しい話を聞きたい。天草が太公望にそれを頼むと、なぜか太公望はちょっと渋い顔をした。

 

「うーん、それは構いませんが……マスターの姿を見ても驚く、のはいいですが襲いかかったりしないで下さいね」

「……? アタランテ殿とジャックが世話になる方に無体なことをするつもりはありませんが」

「ならいいですが……あとはナーサリー殿ですね。どうしますか?」

「う、うーん。みんなが行くなら私も行くわ」

 

 こうして、天草一党は4人そろってカルデアのマスターに会いに行くことになったのだった。

 

 

 




 太公望が強い……! これがFGO原作でも封神演義原作でも活躍しまくった軍師の実力か……。


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