FGO ANOTHER TALE   作:風仙

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第34話 浜辺のレジャー

 光己たちは帰還のことは明日考えることにして、今は海水浴をめいっぱい楽しんでいた。

 マシュは水泳は初めてということで、段蔵とブラダマンテに教えてもらっている。他のメンバーは水かけっこをしていた。

 

「……って、なんで俺ばっかり狙うんだ!?」

 

 そこで、なぜか光己は4人に集中攻撃をくらっていた。

 

「だってその、ますたぁ以外の方とやっても面白くありませんから」

「だよねぇ」

 

 清姫がちょっときまり悪いのか、目をそらしながら言い訳し、ヒルドがその尻馬に乗る。スルーズとオルトリンデも、無言ながら同じ意見のようだ。

 それは光己も理解できる。清姫とワルキューレ姉妹はそういう遊びをするような間柄でもないし、姉妹は自分たちでやり合うくらいなら、3人で組んで別の者にと思うだろう。

 しかし納得はできない。

 

「ええい、だからってやられっ放しでいられるか! 今までの訓練の成果を見せてやる」

 

 今は4人に包囲されているが、こういう時はまず一点突破を図るべきだ。光己は魔力放出で地面を蹴って、1番近くにいたオルトリンデに飛びかかった。

 しかしいくら仲は良いからといって水着の女子に襲い掛かるとは、むしろ彼が1番夏の魔力で理性やモラルから解放されているようだ。

 

「きゃー」

 

 オルトリンデは露骨に棒読みな悲鳴を上げつつ、くるっと踵を返して逃げ出した。しかし間に合わず、後ろから抱きすくめられてしまう。

 

「お!?」

 

 まさか本当に捕まえられるとは思っていなかった光己の心臓がどきっと高鳴る。何しろ胸から下腹部にかけて、彼女の背中とお尻にぴったりくっついてしまったのだ。肩越しにのぞくたわわなふくらみに視線が釘付けである。手が勝手に吸い寄せられるのを止めるのが大変だった。

 その両手は、今は彼女のお腹をかかえている。彼女の手が手首にそえられているが、引っぺがそうとする様子はないので、乗ってくれているのだろう。

 じかに触れあった濡れた素肌は、戦いになればあんなに強いのに、今は普通の女の子のようにやわらかかった。

 

「きゃー、捕まってしまいました」

 

 オルトリンデの棒読みな声で光己は我に返った。彼女がせっかく乗ってくれているのだから、こちらもちゃんとエンターテインメントせねば。

 光己は改めて彼女のお腹をきゅっと抱いて固定すると、そのまま回れ右して追ってきた清姫たちに体を向けた。

 

「おおっと、そこで止まってもらおうか。オルトリンデのいの……貞操が惜しかったらな!?」

「なっ、年若い少女を盾にするとは勇士として……いえ、最後のマスターがサーヴァントの後ろに隠れるのは、いたって当然の話ですね」

 

 スルーズは光己を糾弾しようとしたが途中でやめた。貞操云々についてスルーした意図は不明である。

 しかしそこに過敏に反応する者もいた。

 

「安珍様ぁぁぁ! 貞操ならわたくしがいくらでも差し上げるというのに、なぜ他の女性をぉ!?」

 

 言うまでもなく、両目がぐるぐる渦巻きになった清姫だ。コワイ! 恐怖を覚えた光己はサーヴァントたちに阻止を頼んだ。

 

「スルーズ、ヒルド! 清姫を止めるんだ」

「はい」

 

 2人が清姫の左右から腕を取って止める。当然清姫は困惑した。

 

「な、わたくしはお2人の妹さん?を助けようとしてるのになぜ」

「だってほら、清姫だと勢いあまって、オルトリンデまで吹っ飛ばしちゃいそうだし」

「うっ、それは」

 

 ヒルドの的確な指摘に、清姫は抗弁できずひるんでしまった。光己が勝ち誇って高笑いする。

 

「ふはははは、悔しいか清姫!? 悔しかろうのぅ。そこで俺がオルトリンデにえっちいことするのをおめおめと見守っているがいい」

 

 光己は開放感のあまりかすっかり悪役ムーブになって、右手はオルトリンデのお腹に置いたまま、左手はまず少女の頬をやさしく撫でた後、指先で首すじをついーっとなぞっていく。

 

「ん……ッ、マス、ター……」

 

 すると彼女の歳に似合わぬ妙に艶っぽい声がこぼれてきたので、光己はゾクッとしてしまった。もっと聞きたくなって、さらに下の方に指を這わせる。

 同時に右手を上げていき、おっぱいの高さで合流しようとしたまさにその時。

 

「とぉ―う! たとえマスターといえども、悪事を働くのは見逃せません。ブラダマンテ、正義を成します!」

 

 突然彼の背後に長身の少女が現れて、両手を真上に持ち上げ羽交い絞めにされてしまった。ここからがいい所なのに何てこと!?

 

「ブ、ブラダマンテ!? ええい、なんて空気が読めない娘なんだ。止めに入るにしてもせめてあと3時間待つ慈悲はないのか」

「3時間ってどれだけですか……とにかく、悪は許しません。さあ皆さん、不埒なマスターを成敗しちゃいましょう!」

「ちょ!?」

 

 こうして光己は、なぜかマシュも加えた5人がかりで、ざぱざぱと海水をかけられまくったのだった。まる。

 

 

 

 

 

 

 お昼ご飯はサンドイッチである。カルデアでつくってきた物だ。

 明日からは食事は光己とマシュだけになるかも知れないが、今日は全員で食べることにしていた。砂浜にシートを敷いて、みんなで座って仲良く食べているが、あぐらをかいて座った光己の脚の間には、清姫が横向きに三角座りしている。

 

「はい、あーんして下さいますたぁ!」

 

 このサンドイッチのいくつかは彼女が作ったものなので、こうする権利はあるといえるだろう。基本和食系の彼女だが、洋食も簡単なものならちょっと教えてもらえば作れるのだ。

 

「おー、あーん」

 

 光己は機嫌よくそれに応じていた。さりげなく彼女の腰を軽く抱いていたりする。もう片方の手はサンドイッチを持っていて、これは彼女に食べさせてあげる分だ。

 ちなみにこれは彼自身が作った物で、清姫にサンドイッチの作り方を教えたのも彼である。

 

「じゃあお返し。あーん」

「あーん!」

 

 自分でつくったごはんを愛する旦那様と密着しながら食べさせっことあって、清姫のご機嫌も天元突破であった。しかしそれにも終わりの時は来る。

 

「それじゃそろそろ交代だね!」

 

 無情にもワルキューレ姉妹が退席を要求してきたのだ。光己が食べられる量には限度があるので、食べさせっこは1個ずつで交代という協定なのである。

 もちろん希望者限定だが。

 

「むー」

 

 清姫は恨めしげに唸りつつも、仕方ないので抱っこ席から退席した。その後釜にヒルドがしゅたっと腰掛ける。

 

「それじゃあたしたちの番だねっ! いつもよくしてくれるマスターにサービスサービスぅ!」

「いやあ、俺の方が世話になりっ放しなのにここまでしてもらえて感激だな!」

 

 ヒルドとは冬木以来の付き合いだし、メンタルの波長も合ってすっかり仲良くなったので、こんなこともわりと積極的にしてくれるのだ。光己も彼女の腰を抱いて好意を示したが、そこでまさかスルーズとオルトリンデが、後ろから背中にぴったり張りついてくれるとは。

 窓、じゃなかったおっぱいが、おっぱいが当たってる!

 

「おお!? いやマジ嬉しいけどスルーズまで!?」

 

 オルトリンデとはフランス以来で相応に親しくなっているからまだ分かるが、スルーズは昨日迎えたばかりなのに。

 

「はい。でも私たちは同期して記憶を共有できますし、意見を違えることはありませんので」

 

 つまり、たとえばヒルドが光己と食べさせっこすると決めたら、スルーズとオルトリンデも付き合ってくれるということになるわけだ。手間が省ける話だが、これは1人に嫌われたら全員に嫌われるということでもあるので、必ずしもお得とはいえない。

 

「あー、そういえばそんなこと聞いてたような。

 でも記憶だけもらうのと、実際に体験するのは違うんじゃない?」

「じゃ、これからはマスターが体験させてください」

 

 スルーズが鼻にかかった声で、光己の耳元にささやきながらしなだれかかる。オルトリンデも真似して上体をすりつけてきた。

 

「おおぉ、何というモテ期……!?」

 

 水着美少女3人にちやほやされて、光己はすっかり有頂天である。一方先ほどまでの覇者だった清姫は、ぐぬぬと歯を軋ませていた。

 

「あざとい、さすがわるきゅぅれあざとい」

 

 相互理解のため、昨晩カルデアの図書室で読んだ資料によれば、ワルキューレの仕事は勇士の勧誘と接待であるという。つまり、男性に喜ばれて好かれるための立ち居振る舞いについてはプロ、生前は箱入り娘だった清姫がかなう相手ではないというわけだ。

 しかも3人は単に勇士候補にコナをかけているだけというわけではなく、「よくしてくれるマスターにサービス」というのも嘘ではないので、ケチをつけにくいのである。

 

「うー。えっちなのはいけない(ry」

 

 マシュは自作サンドイッチは用意していたものの、彼の膝の間に乗り込んでお肌のふれ合いをする度胸はないらしく、負け犬ムーブであった。子兎のような口つきで、サンドイッチをはもはもと頬張っている。

 ブラダマンテと段蔵は食べさせっこには関心がないらしく、並んで普通に食べていた。

 その間に光己たちは、ヒルドの番が終わってオルトリンデが席につく。

 

「オルトリンデもやってくれるんだな。それじゃさっきの続きもしよう!」

 

 夏の魔力と水着美少女たちの魅力で普段より200%増しのハイになった光己は、さっそくオルトリンデの背中や首すじ、うなじといった弱そうな所を指先で攻め始めた。

 オルトリンデはくすぐったそうに小さく身をよじらせたが、嫌がる様子はない。こちらも開放的になっているのだろうか。

 

「きゃ、ぁ……マスター、あの、そんなにされたら、せっかくのマスター手作りのサンドイッチが食べられなく」

「サンドイッチは冷めてまずくなるものじゃないから大丈夫だよ。ゆっくり食べてくれていいから」

「んぅ……」

 

 そんな感じでオルトリンデと存分にスキンシップして親交を深めたら、最後はスルーズの番である。

 

「じゃ、あーんして」

「はい」

 

 こんなことできるんだったらフランクフルトでも作ってくればよかったなー、などと邪なことを考えつつも、普通に?食べさせっこをする光己。もちろんスルーズの腰を抱いたり背中を撫でたりと、お肌のふれ合いで親近感を深めることも怠らない。

 

「……ん。マスターの手、あたたかいですね」

 

 するとスルーズはそんなことを言いながら、つややかな手と指で光己の背中を撫で返したりしてくれた。落ち着いた雰囲気の彼女だけに艶っぽい声は聞かせてもらえなかったが、不満などはまったくない。

 そして名残惜しくも食べ終わった後は、一休みしたらビーチバレーである。一般人とサーヴァントでは身体能力に差がありすぎるので、光己は主に審判だが、むしろそのおかげでサーヴァントたちの伸びやかな肢体が躍動するさまを合法的に鑑賞できてラッキーであった。

 

(おおぉ、やっぱブラダマンテが1番でかいな……!)

 

 ジャンプしてスパイクする時などもう絶景だ。着地した時にぶるんっと揺れるのに気を取られすぎて、1度アウトの判定をしそこねて怒られたくらいである。

 その後は定番の追いかけっこなどもした。捕まったり捕まえたり時にはずみで水着のヒモ結びをほどきたいと思ったりしたが、好感度ダウンは必至なのでできなかった。

 

(くくぅっ、ヘタレ! 俺のヘタレ!)

「あははー、マスターのえっち」

 

 もっとも一部のサーヴァントたちには読まれていて、それでも抱きついたりしてくれるのだから、夏の魔力のおかげとはいえ相当仲良くなったのは確かだと、己を慰める思春期ボーイなのだった。

 そして日が傾きかけてきた頃、カルデア一行は夕食の支度を始めていた。定番のバーベキューである。

 

「今回はワイバーン肉じゃないから、みんな新鮮な気持ちで食べてくれ!」

 

 それもカルデアの冷蔵庫からいただいてきた、21世紀産の牛・豚・鶏の肉と野菜だ。ワイバーンじゃない肉は久しぶりなのである。

 

「おー!」

 

 ヒルドが元気よく握り拳をかかげて、さっそく調理が始まった。

 最初に焼けた肉を、まずはマスターが箸でつまんで口に運ぶ。

 

「おお、美味……」

 

 運動で腹をすかせていた光己が満足そうに舌鼓を打つ。何だかんだ言って最後のマスターも悪くないと思った。

 ではいよいよ皆でということで音頭を取ろうとしたところで、不意に段蔵が手を挙げる。

 

「ん、どうかした?」

「はい、あちらから人影が……走ってくる、速い!? この速さはおそらく戦士系のサーヴァント、それも3騎もいます。皆様お気をつけ下さい!」

「えええっ!?」

 

 なぜこんな所にサーヴァントが3騎も現れるのか。光己たちは首をかしげつつも、とにかく防衛態勢に入るのだった。

 




 まじんさんお迎え成功ー! 配布石ほとんど使っちゃいましたが良しとしよう。でも50連くらいやって以蔵さんは1枚とかPUどうなってるんだろう。
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