五百年の約束   作:シバヤ

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あけましておめでとうございます!
新年一発目となります!


第10話

 

今日は土曜日

依頼された物をまとめて俺が届けに行く日だ

うちは平日で父さんが作り上げて、休日で俺が届けに行くようになってる

それでも上手く連携が取れてるってことだ

 

「次は……向こうに行ったところか」

「あのー、すみません。少しよろしいでありますか?」

「はい、なんでしょうか?」

 

話しかけられたのは金髪の女の子

歳は同じくらいかな

大きなキャリーバッグがあるが海外からの観光客かな?

 

「実は迷ってしまいまして、少し道を教えていただきたいのです」

「なるほど、わかりました。それでどこに向かいたいのですか?」

 

道に迷ってしまったのか

確かにここら辺は都会と違って目印になるものが無いからな

 

「ここなのですが、地図を見てもわからなくなってしまいまして」

「えーっと……ああ、それならそこの坂を下ればこの目印のところに着きますよ。そうすればこの地図通りすぐです」

「そうでありますか!ありがとうございます!とっても助かりましたよ!」

「いえ、俺も役に立てなら何よりです」

 

人の役に立てるのはいつも嬉しいもんだな

しかし……あの女の子から感じたものはなんだ?

そうだ、これは将臣と似たものを感じたけど……

一体なんだろうな

 

「きゃああああぁぁぁぁっ!?」

「うわああああああっ!?」

 

今のはさっきの子の悲鳴!?

それにもう一つあった!けどなんか聞き覚えがあるような……

とりあえず向かってみないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

坂を下ってみたらさっきの女の子と将臣、それに常陸さんがいた

二つ目の悲鳴は将臣のものだったのか

 

「先程悲鳴が聞こえたけど……大丈夫そうだな」

「さっきの親切な方ではありませんか!」

「おや、何かしてあげたんですか?」

「道案内をしてあげただけですよ。それよりも何もなさそうで何よりです」

 

どこも怪我してなさそうだし、笑顔でいるから間違いない

 

「心配をおかけして申し訳ないでした。わたしはレナ・リヒテナウアーであります」

「俺は操真久遠、よろしく」

「彼女は志那都荘の新しい従業員の方で留学のために来られたそうですよ」

 

なるほど、それで大きい荷物というわけか

 

「じゃあ、紹介も終わったようだし、これからどうしようか?旅館には三時までに行けばいいって言われてるから、まだ少し時間があるけど」

「あの……希望を言ってもよろしいでしょうか?」

「もちろんです。行きたい場所がありますか?」

「実は……わたし、ずっと走り回っていたせいで……昼食もまだでありまして、大変お腹が空きましたぁぁ〜〜」

 

そういや、俺もお昼食べてないからお腹空いたな

家出ててからずっと配達してたんだっけ

 

「あはは、じゃあ、どこか食事に行こうか」

「何か食べたい物はありますか?」

「スシ!テンプラ!焼き鳥!」

「寿司ならここら辺で美味しい場所知ってるが」

「意外な情報網だな、久遠って食べることすきだっけ?」

「甘いものはな。ただいろいろな所を回ってるからそれなりに情報が入るし、途中で食べたりするんだよ」

 

一回家に帰ってなんてしたら面倒だからな

続きがあろうが終わりだろうが外食する時が多いんだ

 

「じゃあ操真君、案内してもらってもいいですか?」

「ええ、もちろんです。確か次の配達場所もすぐ近くだし、先にこっちの仕事を済ませても構いませんか?」

「はい!大丈夫でありますよ」

「ありがとうございます、それでは行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

配達を終えて、俺が知ってる寿司屋に入った

ここは何回かお邪魔してるから味が美味いのは知っている

 

「にぎりのセット、ワサビアリアリでお願いします!」

「俺はワサビ抜きのやつお願いします」

「あいよ!」

「おっすし、おっすし〜。お寿司が食べられるなんて感謝感電飴あられですよ〜」

 

なんか微妙に違ってないか?

 

「リヒテナウアーさんは、どうしてわざわざ日本に留学に?」

「昔から日本が大好きでありましたので。あ、レナでヘーキですよ」

「でもなんで東京とかじゃなく、わざわざ穂織に?」

「それはですねー、わたしのgreat-great-grandfatherが、穂織を訪れたことがあるのですよ」

「高祖父のことかな、お祖父ちゃんのお祖父ちゃんだな」

「はい、わたしのお祖父ちゃんが、日本の話を沢山聞いたそうです。それをまた子供に伝えて。ですので、一族郎党みんな日本が好きですよ」

 

なるほどな、お祖父ちゃんとかからの話を聞けば子供なら憧れて来たくなるもんだ

 

「それでレナさんも、日本に興味を持ってここに?」

「はい!穂織では留学生の体制が整っておらず……旅館の見習いで頼み込んで、ようやく留学ができました」

「確かに、留学なんて一度も聞いた事ない話だからな。それで働きながら留学を?」

「それにわたしの家は裕福ではありませんので。働きながら留学、とてもありがたい話であります!」

「何か困ったことがあったら言って。力を貸すから」

「いつでも構いませんよ」

「もちろん俺もです。気楽に言ってください」

「はい、ありがとうございます」

「へい、にぎりお待ち」

 

おっきたきた

寿司なんて食べるのは久しぶり……だけど食べるのは少し待つか

これはただの勘しかないんだけど

 

「わお!おっすし、おっすし〜〜〜♪よっと」

「あ、お箸……ちゃんと使えるんですね」

「家でお母さんが日本の料理を調べて作ることもありましたので、お箸も慣れたものでありますよ。茶碗蒸しにカレーに雑炊、色々作ってもらいましたよ!」

「うん。むしろスプーンで食べるものばっかりだけどね」

「では、いただきます」

 

本当に箸の使い方上手だな

器用に使って、玉子を持ち上げてるし

 

「あーん……んっ、んんーー。ほんのり甘くて美味しいですね!」

「喜んでもらえてよかった」

「ありがとうございます、マコ」

 

次は雲丹の軍艦

あの勘は俺の杞憂だったか?

いやでもまだあれが乗っかってる物は食べてないから様子見だ

 

「んむ……んんー。これも美味しいですね!これはなんという魚ですか?」

「それは雲丹だね。魚ではないんだけど……英語だとなんだっけ?UNI?」

「確か……シーアーチン?」

「おー!きいたことはあります。イタリアの方でも食べられますね」

「多分それかな」

「こんなに美味しい物だったのですね。素晴らしいです!それでは、次は……これ、知ってます。イカですね。あーん──ンンっ!?」

 

こりゃビンゴだな

ワサビは無理っぽいと来た

顔は真っ赤で涙流してるほどだし

 

「とても、おいひぃ、れす……うう……」

「全然美味しそうに見えないけど……」

「もしかしてワサビ、ダメでした?」

「でもワサビ抜きを頼んだのは久遠だよな?」

「ああ、俺だ。というかこれはもしかしたらと思って頼んだんだ。レナさん、俺はワサビ平気なので交換しましょうか」

「あ、ありがとうございますぅ……」

 

さて、それじゃ俺も食べるとするか

ワサビは……まぁ増し増しじゃなければ食べれるから普通に平気だ

 

「あむ……うん、これくらいの量はいい」

「久遠、こうなることわかってワサビ抜き頼んだのか?」

「いや、外国人でもワサビ平気な人はいると思うから。食べれる場合と食べられない場合どっちでもいいように俺はワサビ抜き頼んだだけさ」

 

あーお寿司美味しいー

ワサビがつーんと来るけど程よいからそれもまたいい

 

「んー!イカが美味しいでありますよー♪」

 

ワサビ抜きのイカを食べてさっきのような反応はなくなった

念の為だったけど頼んでおいてよかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寿司を食べ終えて、レナさんは満足の様子

他にもやりたいことがあるけどどうやら時間が迫っているらしい

ということで志那都荘に向かっていた

 

「ここが志那都荘だよ」

「とても素敵でありますね!」

「ちょっと待ってて。人を呼んでくるから。すみませーん」

「はい。すぐに参ります」

 

そうして出てきたのはこの志那都荘の女将、猪谷さん

 

「お待たせいたしました。あ、将臣さん。大旦那さんですね、少々お待ち下さい」

「そっちもなんですけど、先に一つありまして。新しい従業員の人を案内してきました。祖父ちゃんに頼まれていて」

「そうだったんですか。お忙しい中、お手数をお掛けしました。有り難うございます。初めまして。志那都荘の女将、猪谷心子といいます」

「レナ・リヒテナウアーです。今日からお世話になります。モトコさん」

「旅館では、女将と呼んでください」

「はい、わかりました。オカミ」

 

これで案内は無事に達成出来たってことだな

 

「ん?ああ、もう来ていたのか、将臣」

「ああ、うん。ちゃんと案内してきたよ。こちらが、レナ・リヒテナウアーさん」

「鞍馬玄十郎だ、よろしく頼む」

「こちらは、志那都荘の大旦那さんです」

「レナ・リヒテナウアーであります。よろしくお願い致します」

「期待をしているよ」

「はい!わたし、頑張ります!それからマサオミ、マコ、クオン。案内をしてくれてありがとうございました。厚く怨霊申し上げます」

「すごい絶妙な間違え方だ」

「……?」

 

御礼って言いたかったんだろうな

怨霊じゃ全く違う意味になっちゃうし

 

「お気になさらず、今後ともよろしくお願いしますね」

「はい!こちらこそ!」

「俺の家は鍛冶屋をやってて他にも陶芸品なんかも作ったりしてます。良かったら遊びに来てください」

「鍛冶屋ですか?伝統がありそうで面白そうです!今度ぜひ遊びに行きますね!」

「将臣、彼女の荷物を部屋まで運べ。あの大きさでは大変だろう」

「分かった」

「今日はありがとう、常陸さん。それに久遠もいろいろとな」

「いえいえ」

「俺は楽しかったから気にすんな」

 

最初は道案内から始まったけど、なんだかんだでレナさんと話したりして結構楽しめたからな

ついてきてよかった

 

「俺は祖父ちゃんに用事があって、もう少しここに残るから。買い物に戻ってくれても大丈夫だよ。あとは俺だけでも心配ない」

「わかりました。それでは、ワタシはここで」

「俺も父さんに仕事終わったこと報告しないといけないから」

「ありがとうございました、マコ、クオン」

「お役に立てたならよかったです」

「では、ここで失礼しますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのレナさんから感じたのはなんだろう……

将臣からも似たのを感じたし、常陸さんは何かわかるのかな

 

「常陸さん、少しお話が」

「あは、もしかしてムラサメ様と何か進展がありましたか?」

「パフェを食べさせたぐらいですが……って違います!その事は掘り返さないでください!」

「ムラサメ様がパフェを食べられたのですか?さすが操真君、やりますね〜」

「だからそうじゃなくて!レナさんの事なんですが!」

 

俺にはこんな感じだけど、将臣もいじられてるのだろうか

もし違ったら俺はからかいがいがあるってことなのか……?

 

「レナさんがどうかされたのですか?」

「少し、何か特別なものを感じたんです。将臣もそれと似てるものを持ってまして、それで叢雨丸を引き抜けたってわかったんですが」

「ワタシは特に何も感じませんでしたけど……」

「つまり俺だけが感じ取れたってこと……声が聞こえるのと関係があるのか……?」

「ムラサメ様や芳乃様にもわからなければその考えで合ってるかもしれませんね」

「……わかりました。一応このことはまだみんなには話さないで貰えますか?確信がある訳では無いので」

「はい、わかりました」

 

もう少し何か確証が持てるものがあればいいんだけど……

前例がないこんな場合じゃ答えが見つかるまでは何もできないか

とりあえず、時が来るまでは待つべきか




ということでレナが出てきました
これでメインヒロイン全員出てきました
あとはどう√混ぜてくかな…
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