五百年の約束   作:シバヤ

13 / 23
第13話

目覚めていつもの早朝のランニング

山で倒れかけたが、一日寝たら回復したから今では万全だ

今日は休日ということもあり、時間には余裕がある

少し早いが公民館を回って戻るか

 

「はっ……はっ……ん?」

 

人がいるが将臣じゃない……あれは

 

「廉太郎?何やってんだ?」

「将臣が剣道の練習を再開したって聞いたから確認しに来たんだけど、強制的に俺も参加させられることに……それで久遠はなんでここに来たんだよ」

「俺は早朝のランニング」

「うげぇ、お前もかよ……」

 

嫌そうな顔された

ま、廉太郎はこういうことしないからな

そう話してると、玄十郎さんが戻ってきた

 

「おはようございます。玄十郎さん」

「おはよう。いつもの走り込みかな?」

「はい。廉太郎が珍しくここにいたので、少し寄ってみました」

「廉太郎はたるんでおるからな。少しばかりの修行というやつだ」

「……玄十郎さん。せっかくなので、今日は俺も参加させてもらってもいいですか?」

「それは構わんが……久遠君ならばワシの指導などいらないと思うが」

「いえ、玄十郎さんほどの実力者の指導。確実にいい経験になると思いますので」

 

ハードなのはわかってる

それでも将臣を少しでも戦えるようにしたんだ

俺もそれを少しでも知ってみたいからな

 

「わかった。それなら将臣が来てから始めるとするか」

「はい、よろしくお願いします」

 

挨拶をして少ししたら、将臣が来た

俺がいつもの時間より少し早くランニングを始めただけだから将臣が来るまではさほど時間がかからなかったようだ

こうして俺は、将臣と廉太郎とトレーニングのメニューをこなしていった

 

「廉太郎!そこで寝るな、ちゃんと最後まで走らんか!」

「うぃーっす!……うっぷ……横っ腹、いてぇ……」

「だから休むな、廉太郎!」

「うぃーーっす!!」

「廉太郎!!!」

「うぃーーーっすっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、今日はこれまで」

「は、はぁ、はぁあ、ありがとう……ございましたはぁ、はぁ、はぁ」

「ありがとうございました、今日はいい経験になりました」

 

廉太郎はかなりバテてるな

いきなりこんなメニューやりゃすぐバテるのも無理はない

俺は基礎体力はかなりついてる方だからな

 

「うむ、それは何よりだ。久遠君さえ良ければいつでも将臣の特訓に付き合っても構わん」

「はい、ありがとうございます」

「久遠、お前よくそんな涼しい顔してられんなぁ。それに将臣も、よくこんなメニューを毎日こなしてるなぁ」

「そうか?でも結構疲れたのは確かだ」

 

息は整ってるがキツくは感じた

これを毎日やるってなるとそりゃ将臣もあれだけ強くなれるのは納得出来る

 

「少しは身体も慣れてきた。それでも祖父ちゃんには、全然勝てないんだけどな。一本もまともに打ち込めない」

「お前は起こりがあるからわかりやすい。打ちたいという気が急いて、次の動作が丸見えだからな。それに対して久遠君は既に完成されておる。動作が全く読めず、常に落ち着いていて、こちらの動作を読み取られる」

 

玄十郎さん凄いな……

前手合わせしたことあるけど、それだけでそこまでわかるなんて

 

「さてと、終わったことだしそろそろ帰るか」

「そういえばお前ら、今日はどうしてる?」

「午後からは祖父ちゃんのトレーニング、それ以外は、特に用事はない」

「俺は特にないから何か作ってようかなぁって思ってる」

 

たまに何か作ることが、いずれの経験に役になることもあるからな

暇な時は剣の修行、物作り、本を読んだりして時間を潰してる

 

「たまには休んだ方がいいんじゃないの?毎日ハードなことしてたら、逆に身体を壊すぞ」

「そうだな……そんな日があってもいいかもしれんな」

「祖父ちゃん?」

「今日は足さばきと素振りだけで、軽めに終わらせてもいいかもしれん」

 

確かにその二種類なら今のメニューや聞いた夕方やってるのと比べると軽いもんだな

 

「で、遊びに行かない?祖父ちゃんの許しもでたことだしよ」

「俺は構わないぜ」

「遊びにって、どこに?」

「決めてないけど、午後は俺も暇を持て余してるから。とりあえず、あとで田心屋に集合ってことでどうだ?」

「そうだな……わかった。芦花姉の店に集合な?」

「そうだ。そういうことならば、一つ頼みがあるんだが──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早朝のトレーニングの後、家に戻ってから朝武さんと常陸さんの予定を聞き、空いていることを確認

次はレナさんを誘いに志那都荘へ向かう

 

「お休みですか、予想外ですね」

「というわけで、一緒に遊びに行かない?」

「そういうことであればわたし、お願いがあるのですが」

「はい、何でしょう?」

「わたし、ヨシノが着ているような服を着てみたい!折角、穂織に来たのですから」

「わかりました。では服を買いに行きましょうか」

「感謝乱撃雛あられ!それでは着替えてまいりますので、少々お待ちくださいませー」

 

そう言ってレナさんは志那都荘に戻り、少ししたら初めて会った時の服に着替えて戻ってきた

 

「それでは行きましょうか」

「あっ、服を買いに行く前にちょっといいかな?久遠も誘ってるんだけどギリギリまで作業するらしいから呼びに来て欲しいって言われてるんだ」

「確かクオンの家は鍛冶屋でしたよね?是非行って見たいです!」

「俺も初めてなんだよね、それじゃあ行こっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここが、久遠の家で鍛冶屋操真か……

見た目はなんというか……普通だな

とりあえず声をかけてみるか

 

「すみませーん!」

 

声をかけてみたら、中から男の人が出てきた

久遠のお父さんかな?

 

「あいよ、何か用で……おお!巫女姫さんに茉子ちゃんじゃないか!アレの調整かい?」

「お久しぶりです、要さん」

「今日は違いますよ〜」

「そうかい、ん?そっちの少年は……玄十郎さんのお孫さんだったか?それでそっちは留学してきた……レナちゃんだったよな」

「は、はい。有地将臣です」

「レナ・リヒテナウアーと申します」

「それで、今日はどうしたんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……さっぱりだ」

 

資料が足らず、山で聞いたキーワードについて調べたけど何の成果もでない……

何かしらあると思ったんだけど……いや、まだ見つけてないのかもしれない

また探してみないと

ん、外で声がする。将臣達が来たのかな?

準備はしてあるから、すぐに部屋を出る

 

「すまない、みんな来てたんだな」

「さっき来たばっかりだから気にしないでくれ」

「ここがクオンのお家なんですね!」

「そうだよ、かなり昔から続いている、伝統ある鍛冶屋だ」

「折角なので何か作ってもらいたいです!でも何にしようか迷ってしまいますね」

「うちはいつでもやってるから、作りたいものが決まったら教えてくれればいいよ」

「わかりました!その時はよろしくお願いしますね」

「承りました。それじゃあ父さん、遊びに行ってくる」

「ああ、楽しんでこいよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでも田心屋に行く前に、レナさんの服を買いに行くことになってるらしい

レナさんと巫女姫様はさっそく店の中に入っていった

レナさんに合うサイズの服なんてあるのか?

だってあのでかさだぞ?

見た時外国ってスゲーなって思ってしまったよ

 

「とにかく、そっちは任せるよ」

「一緒に服を選ばないんですか?」

「そういうセンス、俺にはないから」

「俺も穂織独特のアレンジが効いたやつはあまり買わないからな、和服ならなんとかなるんだけど」

「着替えをする女の子を眺めるのも楽しいものですよ?ふふっ」

「確かに興味はあるんだけど……中が女の人ばっかりだから、ちょっと恥ずかしい」

「将臣と同じく」

 

こうも女性ばっかりだと、居場所がなく感じるからな

それに俺も将臣もいい歳の男、下手にうろつけば不審者扱いされちまうのがオチだ

 

「長くなりそうなら、その時は教えて」

「わかりました。それでは」

 

常陸さんも楽しそうに店の中に入っていく

俺は将臣と二人で店の前で時間を潰すことに

 

「女の子の服選びだから、時間かかりそうだな」

「それに今日は日差しも強く暑いしな。そこまで長引かないといいんだけど」

 

始めはかなり時間かかると思っていたけれど、一時間弱で済んだ

女の子の買い物にすれば短いほうなんじゃないかな

 

「じゃんじゃかじゃーん!着替え完了でありますよ!」

 

店から出てきたレナさんは、着替え済みで先程とは違う格好だったがとても良く似合っている

服に合わせたのか、髪型も変わってるけどそれも可愛らしくいいと思う

 

「如何でしょうか、マサオミ、クオン?変ではありませんか?」

「よく似合ってる、可愛いと思う」

「ああ、とても良いと思うよ」

「おー、ありがとうございます!褒めてもらえて嬉しのですよ、ふふふ」

 

金髪の和服美少女か、なかなか趣があって良いな

レナさんはとても嬉しそうにしている

 

「それでは、田心屋に行きましょうか」

「タゴリヤ?」

「甘味処です。デザートなどを食べるお店ですよ」

「デザート!それは素晴らしい〜」

「それじゃあ早速行こう、すぐそこだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

将臣が言ってた通り、田心屋にすぐに着いた

今日は何を食べるかな〜

パフェ、プリン、団子……いや、ぜんざいかな?

店に入ると、小春ちゃんが迎えてくれた

将臣はどうやら小春ちゃんがバイトをしているのを知らなかったのか、少し話が始まった

あれ?巫女姫様と常陸さんの視線が……

 

「みんなで一緒に──」

「「……ジー……」」

「な、なに?変な目で俺を見たりして」

「……お兄ちゃん?お二人は……従兄弟ですよね?」

「以前からずっと思っていたのですが……有地さんはそっちの趣味をお持ちで?」

 

変な疑いをかけれてる……

やべ、笑いをこらえるの大変だ

 

「そっちの趣味?」

「その、ですね……確かにお互いのことを知り合うとは言いましたが……これはちょっと……さらけ出し過ぎではないかと」

「まさか有地さんに妹萌えのご趣味かおありとは」

「おー。シスコーンでありますか」

「違う!」

 

レナさんにまで……伝わった……

面白すぎるだろ……

 

「大丈夫です、友達ですからね。……受け入れる努力はします」

「よくわかりませんが……わたしもお兄ちゃんと呼んだ方がよいですか?それとも、お兄様?」

「ぷっ……ククッ……」

「小春は昔からずっとそう呼んでるだけで、俺が望んだわけじゃない!あと久遠お前笑いすぎだ!」

「お兄ちゃん、一体何を慌てて……わっ、わっ!?巫女姫様に常陸先輩、操真先輩にレナ先輩まで!」

 

今まで将臣と喋ってて気が付かなかったの小春ちゃんがようやくこっちに気がついた

いやでもおかげで面白いもんを見せてもらったよ

 

「こんにちは」

「お邪魔します」

「デザートを食べに来ましたよ。コハル!」

「や、小春ちゃん。バイト頑張ってるな」

「ど……どうしたのお兄ちゃん?このハーレムは何事?」

 

男女比が二三だからハーレム……ってことになるのか?

あと女顔だからってそっちにカウントしてないよな?

そういうのが嫌でこういう口調になったんだから

 

 

「みんなで一緒に行くことになって。ここで廉太郎と待ち合わせ」

「えー……廉兄が一緒なのー……?迷惑かけちゃうんじゃないかな……ちょっと心配だよ……」

「いらっしゃいませ、お客様」

「芦花姉」

「こんちはー」

「小春ちゃん、今は仕事中でしょ?まずはご案内」

「あ!そうでした!大変失礼いたしました。こちらにどうぞ」

「ありがとうございます」

 

俺たちは案内された席に座る

俺はいつも人が少ない時間帯を狙ってるからこう人がたくさんいるのは珍しく感じるな

 

「本日はご来店いただき、誠にありがとうございます。巫女姫様まで。どうぞ、ごゆるりとお過ごし下さい」

「ありがとうございます」

「こちら、この店を営んでる馬庭芦花さん」

 

将臣がお互いの紹介をしてくれた

俺はもう常連だから何回も来てるけど、レナさんは当たり前として、巫女姫様や常陸さんは初めて来るらしいからな

さて、今日は何を食べるか

あんみつとかアイスもいいけど、白玉ぜんざいとかいいよな

よし、今日は白玉ぜんざいにするか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせいたしました。こちら白玉ぜんざいでございます」

「ありがと、小春ちゃん」

 

田心屋のメニューは多分全部制覇したと言ってもいいけど、いつ食べても飽きやしない

なにせ一品がとてもこだわりの逸品だからな

 

「はぅふぁ〜〜……美味しい……とっても美味しいです」

「んんーーー……!ファッキンアメージング……!パフェ美味しいですね。とっても優しい甘さで、もう腰砕けですよ」

 

巫女姫様はかなりテンションが上がってるように見える

こんな巫女姫様を見るのは初めてか?

それにレナさんも喜んでるが、畳や温泉は言えないのに、腰砕けなんて日本語を知ってるんだ?

 

「ちなみにこれってテイクアウトできるの?」

「できるよ。プリンもパフェもお団子も」

「パフェも?」

「中で出すよりも簡単な盛り付けにして、その分値段も下げてね。食べ歩きできるようにした方がいいかな、って」

「それは買いやすくていいですねー」

「くーちゃんのお父さんなんて毎回持ち帰り頼むくらいだしね」

「要さんって甘党なんですか?」

「父さんっていうかうちの家族ほとんどみんなだよ」

 

辛いのがダメとかそういうのはあるけど甘いのが苦手なんて聞いたことがないな

 

「この和気あいあいとした雰囲気は一体……常陸さんに巫女姫様まで……なにがどうなっているんだ?」

「おう、遅かったな廉太郎。どうやら将臣が誘ったらしいんだ」

「それで巫女姫と常陸さんも一緒に?」

「ああ。問題ないよな?」

「そりゃもちろん」

 

廉太郎だからな、そう言うと思ってた

 

「ありがとうございます」

「すみません、当然お邪魔してしまって」

「いやいや、むしろ嬉しい限りですよ!それにレナちゃんも、その服初めて見るけど可愛いよ、ヤバいよ」

「やばい……?わたしの服はやばいのでしょうか?」

「ああいや、いい意味でね。ヤバいくらい似合ってるってこと。凄まじく可愛いね、雰囲気も変わってていいよ。意外と和服もいけるね」

 

さっそく悪い癖が出たな

女の子をよくナンパしてるだけはある

 

「まさかこんな展開になるとは……今日は楽しい一日になりそうだ」

「…………」

「なんだよ、何か用事か?あ、もしかして『お兄ちゃんを取られちゃうかもっ』って嫉妬してる?」

「は?そんなこと思うわけないでしょ。廉兄が何かよからぬことを考えてるって思ってただけ。本当、変なことしないでよ。恥をかくのは家族なんだからね」

 

兄妹喧嘩?が始まった

相変わらず仲がいい兄妹だ

 

「俺も一緒にいるから。変なことはさせないって」

「そうそう。将臣と俺に任せておきな」

「……。本当、目を離しちゃだめだからね?」

「はいはい。小春ちゃんはこっちに来てお仕事、お仕事〜」

「やっぱり心配だよ〜、お姉ちゃ〜ん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと……で、結局どうしようか?」

「今日は暑いですから……人混みは避けた方がいいかもしれませんね」

「確かに。それじゃあ……あ、久々に山で釣りでもするか?」

「釣りか。それに自然の中だし涼しそうだな」

「え?山に入るのか?」

「温泉があるから川の水温も高めで、この時期でも魚が釣れるんだ。むしろ夏になると水温が高くなりすぎて、魚の数が少なくなるくらいだ。将臣も久しぶりだろ?」

「確かに興味はあるけど……」

 

ああ、そういうことか

祟り神のことがあるから山に入るのはどうかと思っているんだな

と、思ったら巫女姫様と常陸さんが小声でなにか何か言ってた

きっと祟り神は大丈夫と説明してるんだろう

……でも俺も念のために都牟刈村を持ってくか

 

「釣りで構わないけど、忘れ物をしたから、一度取りに行かせてくれ」

「すまんな、俺もだ」

「あ、そうだ。だったら巫女姫様」

「はい?なんですか?」

「バケツを貸してもらえません?あと、のこぎりか……鉈があれば一緒に」

 

そういや昔は釣りは現地調達でよくやってたな

それで釣りすんのかな?

ともかく、さっさと都牟刈村を取りに戻るとするか




山で遊ぶ時のは次話です
予想よりも長くなってしまった笑
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。