五百年の約束   作:シバヤ

14 / 23

長らくお待たせしました!
約1ヵ月ぶりになってしまいました

少しリドルジョーカーの方を優先してしまった結果こうなってしまいましたが、こうして更新しておりますので、引き続きお話をお楽しみください
それでは本編をどうぞ!


第14話

 

再び合流し、俺たちは山の中に入っていった

将臣は叢雨丸を布で包み持っていた

俺はというとそのまま腰にさして持っている

都牟刈村は元々の形状は木刀だからな、俺が刀を抜かない限りは木刀のままだから銃刀法違反にはならない……はずだ

ちなみに予想通り竿は現地調達だ

 

「というか久遠はなんで木刀なんか持ってきてるんだ?」

「ん?ああ、まあお守りみたいなもんだから気にすんな」

「鉈で釣りをするんですか?」

「そうじゃなくて。ちょっと待っててくださいね」

 

廉太郎は藪の奥へ入っていく

ここいらは手頃な竹とか生えてるからな

実際に持ってきて説明しようとしてるんだろう

少ししたら手頃な竹を数本持って戻ってきた

 

「あとは竹の先に釣り糸を括り付けて、針も結んで……ほい、完成っと」

「おー、とても簡単ですね。これがSAO。日本では、こうやって釣りをするのですか?」

「もっとちゃんとした釣具は沢山あるよ。でもお遊び程度で、道具にこだわりを持ってるわけでもなければ、これで十分」

 

昔……五百年前はこんなちゃんとしたもんじゃなかったからな

今ではこんな釣竿でも簡単に作れるから現代のありがたみがよくわかる

 

「さて、釣竿も用意できたことだし、川まで下りますか」

「私、釣りなんて初めてです」

「わたしはお父さんと何度かしたことがあります」

「釣りはワタシも初めてかもしれません」

「へー、なんか意外ですね」

「サバイバルの特訓とかやってるもんだとばかり」

「クナイで仕留めたり、つかみ取りすることはあったのですが……」

 

やっぱり忍者か、常識がずれてる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水温は暖かく、なおかつ自然の中だから涼しい

釣りをするにはいい環境だな

 

「ほら、スカンポ食う?」

「あ、懐かしいな」

「俺も貰ってもいいか?」

「もちろん、ほらよ」

「サンキュ」

 

酸っぱいだけの微妙なもんだけど、なんか癖になるんだよな

 

「スカンポ?」

「あれ?知らない?」

「正式にはイタドリというんですよ」

 

俺も名称は知らなかったな

巫女姫様も知らなかったとはな

というわけで巫女姫様とレナさんも食べることに

 

「まず皮をむきます」

「皮をむきます」

「むきますむきます〜♪」

「そして一気に齧ります」

「齧りますっ」

「がぶっとな♪」

 

これ初めて食べる時一気に齧ると酸っぱいの強すぎてきついんじゃないかな?って思った時にはもう既に遅かった

 

「しゅっぱっ!?しゅっぱいっ!」

「おぉぅ!?これは……ワサビほどではありませんが、なかなかキますね……」

「嘘吐き……騙しましたね、こんなの生で食べるものじゃありませんよね」

「そんなことないよ?あむあむ」

「あむあむ……小春だって生で食べてたよ?」

「というか俺たちがこの酸っぱさに慣れてるだけじゃないのか?あむあむ」

 

あー酸っぱい、けれど懐かしい

最近は俺も食べてなかったからな

巫女姫様とレナさんは渋そうな顔をしてらっしゃる

 

「そもそも、スカンポって料理出来るのかな?塩かけるくらいは聞いたことあるけど」

「俺は天ぷらとかにして作ったことがあるぞ?」

「調理できますよ。オーソドックスなのは操真君が言ってた天ぷらとか炒めものですね」

「へー、そうなんだ?」

「ああ、でもまずは酸味は抜かないといけないからな。だったこれシュウ酸だから身体にあまりよくないし」

「「「「……え!?」」」」

 

なんか四人分の反応が聞こえたんだが?

 

「い、今さらそんなこと言われても……もう食べちゃったよ?それに久遠だって食べてたし……」

「と言っても、食べ過ぎるのは禁物という程度で、気にする程ではありませんよ、あは」

「び、びっくりした……」

「脅かさないでくださいよ、もうっ」

「あはは。すみません、つい」

 

なんか巫女姫様にいじわるしたのってこれが初めてだよな

まさかこんな話し合いができるなんて、思ってもなかった

 

さて、将臣と廉太郎、巫女姫様とレナさんは釣り

常陸さんは山菜を集めに行くことに

俺は……少し向かいたい場所があるからな

 

「俺はちょっとだけ個人的な用があるから、女の子組は任せるぞ?」

「それは構わないけど、お前は?」

「なんだトイレか?そんな遠回しな言い方しなくても、子供じゃあるまいし」

「ちげーよ、ただご先祖さま縁の物があってな。せっかくだし挨拶をしに」

「なんだってこんな山の中にあるんだ?」

「それはご先祖さまのちょっとした事情だな。そういうことだからちょっと行ってくる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山を少し進んだところにひっそりとある小さな墓

俺の前世でありご先祖様である智之様のお墓だ

神々の天罰による衰弱が周りに伝染るかわからないからとこうして山奥に墓を建てたんだ

智之様以外の代々の人は別のお墓で眠ってる

 

『自分の墓を見るなんて変な気分だな』

「そ、その声!智之様ですか!?」

『ああ、お前の中にいるが都牟刈村と墓があるから話せんのかもな』

 

自分の眠ってる場所に神力が宿ってる都牟刈村

それが触媒となって俺と同化してるのに話せるってことなのかな

 

『それより久遠。お前に伝えておくことがある。前に山に入った時ぶっ倒れたろ?』

「はい……誰かの記憶とかがいっぺんに流てきて耐えれなく……」

『恐らくだがあれが何なのかわかるかもしれん』

「ほ、本当ですか!?」

『ああ、だから俺が隠した神や昔話が書いてある本を探せ。どこに隠したかは記憶を辿ればわかる』

「わ、わかりました!」

『ん、どうやら時間だな。儂はお前であり、お前は儂だ。儂の記憶でも遺品なんでも使え。それじゃあまたお前とくっつくぜ。……また懐かしいもんだ』

 

声が聞こえなくなった

また俺と一つになったんだろう

遺品とあなたの進んだ人生、使わせてもらいます

 

「久遠ではないか。こんなところで何しておる」

「ムラサメか。見ての通り挨拶をしに来たんだ」

「吾輩だけが知ってるかと思っておったが、やはり操真の家の者は知っておったのだな」

「そりゃ俺のご先祖様だからな。みんなと遊びに来たけど近くまで来たからせっかくと思って。山に入ってるってことは欠片を探してるのか?」

「うむ。けれどまだ見つからなくてのう……」

 

気配も微弱で大きさも小さく見つけるのは困難だ

俺が探し回ってもあまり変わらないかもな

 

「吾輩はこのまま探しておるから久遠は皆の所に行くが良い。待っておるのだろう?」

「そうだな、あまり待たせるのも悪いか。それじゃあまたなにかわかったら教えてくれ」

「うむ。もちろんだ」

 

一人で任せるのも悪い気がするけど、みんなの所に行けって言ってくれたんだからな

その気持ちを無下にする訳にはいかないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりの安全な山の中だから来た道とは違う道を選んで、川に戻る

せっかくだしいろんなものを見ていきたいって思ったからな

 

「……あばばばばばばばば……」

 

……なんだ今の声

この山って妖怪でも出るのか?

 

「高いっ……めっちゃ高い……っ」

 

高い……?上に何かいるのか?

木の上に何かいると思い、上を見渡すと──

 

「何やってるんですか?常陸さん」

「ああっ!操真君!」

「そんな高いところにいると危ないですよ。忍者なんだから高所恐怖症でもあるまいし」

「恥ずかしながら、高いところはどうにも苦手でぇぇ……ひぃんっ!?」

「……マジで?」

 

でもかなり怖がってる

あれは嘘じゃないっぽくマジもんだ

って動こうとしてるから危ないって!

 

「今助けに行きますから動かないでください!」

「そんな、危ないですよ」

「高所恐怖症の人が登る方が危ないです。少し待っててください」

 

木に登るためにまず手触りを確認するが、結構丈夫なやつだな

これならすぐ登れそう

普段鍛えてる身体と、昔の感覚のおかげで木にはスイスイ登れて、すぐに常陸さんのところにたどり着いた

 

「さて、降りますから背中に捕まってください」

「は、はいぃ……ありがとうございます」

 

幹が太いし、常陸さんのいたところはちょうど枝分かれで座れるようにもなってたからなんなく背中にしがみついてもらうことができた

やっぱり女の子は軽いし……背中に柔らかい感触が……

ってそんな邪念を持ったら落ちる!今は平静を保たなければ!

登った時とは違い、慎重に降りていき、無事に下りることが出来た

 

「もう大丈夫ですよ」

「ご迷惑をおかけして、本当にすみませんでした」

「それにしてもなんで高所恐怖症なのに木に登ったんですか?」

「雛が巣から落ちてしまってたみたいで、戻してあげないとかわいそうじゃないですか」

「雛?」

 

木の上の方、さっきまで常陸さんがいたところに視線を戻すと巣があった

なるほど、それでこうなったわけか

 

「それにしても高所恐怖症なんて意外ですね。これで常陸さんの弱みを握りましたよ」

「高いところは子供の頃からずっとダメで……でもワタシは操真君の弱点たくさん知ってますよ!」

「ぐっ……」

 

ダメだ、一生掛けてもこの子には勝てる気がしない

弱みという弱みを握らない限り、俺に勝ち目はなさそうだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこったで、時間が過ぎていくのはあっという間

今日はとても楽しい1日になった。廉太郎に感謝だな

いくら都牟刈村と叢雨丸があるとはいえ夜になるとまずいから空がオレンジ色になる前には山を下りた

全員で分けるにはちょっと足りないが、今日は川魚と山菜という収穫があった

俺の家は今は2人だけだから少しだけ貰って、あとは将臣たちとレナさんに譲った

 

「今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです!可愛い服を買って、釣りをして魚まで手に入れて」

「いや、俺も楽しかったから」

「俺も今日はとても楽しめました。こんな日は久しぶりです」

 

友達と遊ぶなんて学生らしいことは本当に久しぶりだった

 

「それでは、わたしはこの辺りで失礼いたします」

「途中まで送っていくよ」

「それには及びません。道は覚えておりますので。それでは皆様、また学院で」

「はい。また週明けに」

「板長さんがどのように料理したのか、教えてくださいね」

「わかりました!それでは皆様、オタッシャデー」

 

勢いよく手を振って、レナさんは坂を下りていく

お達者でなんて、最後までレナさんらしかったな

 

「それでは、ワタシたちも帰りましょうか」

「俺もここらで帰るとしますよ」

「今日はありがとうございました、鞍馬君。機会があったらまた遊びましょう」

「それでは失礼いたします」

「じゃあな」

「また学院でな」

「あ、ああ…………やっぱ、全然脈がなさそうだな……はぁぁ……俺も帰ろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家に帰って、今日取ったものでご飯を作り、横になりつつ今日を振り返ってた

とても楽しく、充実した1日だった

それに智之様にも久しく話せ、ムラサメとも会えた

今思えば春祭りでムラサメを見かけ、将臣が叢雨丸を抜いてからこんな楽しくもありつつあるな

 

「……あれ?なんで俺はあの日に初めてムラサメを見かけたんだ?」

 

この穂織にずっといて、俺は姿が見えたから機会があれば見れたはず

でもあの時が初めて見たはずだよな……

これは……何か事情でもあったのか?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。