五百年の約束   作:シバヤ

15 / 23

早めに出来上がったのですが、いつもよりは短くなってしまいました
それと少し久遠がらしくない姿を見せてしまいます…


第15話

 

「なに?新しい欠片が見つかっただって?」

「ああ、今朝ムラサメちゃんが見つけたからって」

「そうか…」

 

結局俺は何もしてやれてない……

あの時から同じ、何も変わって──いや、こんな悲観になってるとムラサメに怒られる

俺は俺らしく、前向きにならないと

 

「それで夕方以降になるんだが、駒川さんのところに行くんだ。なにか途中経過だが、報告があるらしい」

「巫女姫様と常陸さんも一緒に行くんだろ?あまり大勢で行くと迷惑かもしれん。だから俺には分かったことだけ教えてくれないか?俺も別に調べることがあるんだ」

「わかった。そういうことなら後で報告するよ」

「頼むな、将臣」

 

とりあえずは予想通り、欠片は複数ある事が確認された

だから大きくなれば声が聞こえ何か分かるはず

それはみづはさんの報告があってから考えよう

まずは智之様が残したものを調べないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

記憶を頼りに、智之様が隠した書物をいろいろ拝見したが、全く分からないことが多かった

 

「土地神がいて、1人は金髪の女神?もう1人は人ですらない?……どういうことなんだ?」

 

書物が多すぎてまだ全部が全部見れた訳じゃないが、まだまだ知らないことが多すぎた

これじゃ呪いを解くなんて夢のまた夢に…

 

「そういや、将臣から連絡が来ないな。もう夜だってのに──……今穢れを感じた?」

 

気配をたぐってみたが、山の方ではない?

街中に感じるし……何か嫌な予感がする

 

「父さん!ちょっと出かける!」

「こんな時間からどうした」

「なんか、嫌な予感がするんだ」

「……なら早く行け。お前の勘は当たる。手遅れになる前に急げ」

「ああ!」

 

早く、早く行かないと!

気配は近い、もう山の中じゃないのは確かだ

そして穢れの気配の近くにムラサメの気配も微かに感じる……

あいつの身に何かあったら、俺は……

 

「はぁ……はぁ……ここは、診療所?」

 

なんでここから……穢れの力が弱まってる。中で何か起きたってことだよな

すみませんみづはさん、無礼を承知で上がらせてもらいます

中に入ってみたらそこの光景は──

 

「なんだよこれ……」

 

棚がが倒れ、まるで荒らされているような光景だった

 

「うわぁぁっ!?」

「どうしたのだご主人!?身体が痛むのか!?」

「有地さん!しっかりして下さい、有地さん!」

「マサオミ!?衛生兵、衛生兵はどこですかー!?」

 

今の叫びは将臣!?それにムラサメと巫女姫様にレナさんまで!?

部屋の奥で何が起きてやがるんだよ!

 

「ムラサメ!一体何が起きてやがるんだ!」

「久遠!ご主人が、ご主人が!」

「将臣がどうした……ってなんで穢れがまとわりついて、神力が少し宿ってるんだ」

「説明は後でする!久遠の力で何とか出来ぬか!?」

「……わかった。何とかしてやるから取り乱すんじゃねえ」

 

離れた場所には、常陸さんも気絶して倒れてる

 

「巫女姫様とレナさんは常陸さんを。軽い衝撃で気絶してるだけですぐに目が覚めるはずです」

「は、はい!」

 

人に付いた穢れを祓うために使うのは初めてだけど……

今は俺がやるしかない、俺しか出来ないんだ

 

「クオン、一体何をするつもりですか?」

「大丈夫です。俺を信じて」

 

都牟刈村よ、頼む

想いがお前の力になるんだろ?なら将臣を助けてくれ

あの子の悲しむ姿は、もう見たくねぇんだ!

 

「せぇえやぁ!」

 

将臣の穢れが溜まってる所に都牟刈村を振り下ろす

普通の刀なら斬れてしまう、けれど都牟刈村は怨念、病魔や穢れなど負の力だけを削ぎ落とし、人を斬ることはできない智之様が造り上げたこの世でたった一つの神器だ

切った所から穢れが消えていくのがわかる

それに僅かに残った神力も共に

 

「斬らずに穢れを落としたのか!?」

「クソっ、俺の力じゃ全ては無理か……!」

「いや、久遠のおかげでご主人の顔がさっきより楽になってきてるぞ!」

「そうか、だけどこのままでいいって訳じゃねぇ。早く神社に連れてって残りの穢れを落とさねぇと。俺は将臣を、だから巫女姫様とレナさんは常陸さんをお願いします」

 

ぐっ、前に将臣を背負ったことがあるってのに今はそれ以上に重く感じやがる……!

都牟刈村の神力を使ったから俺自身の力が疲れて出せねぇってのか……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ありませんでしたっ!」

 

神社に戻ってから、俺はみんなに土下座をしていた

 

「俺が……俺が早く気がついていればこんなことには……常陸さんに怪我をさせることなく、将臣を今のような状態にさせずに済んだというのに!」

「そんな、頭を上げてください!」

「クオンが謝ることではないですよ」

「けれど……」

「2人の言う通りだ。それに何でもかんでも背負おうとするでない馬鹿者」

 

そう言ってたムラサメの声は震えていた……

 

「久遠が来てくれたから、迅速に動けたのだ。あまり自分を責めるでない……」

「……ああ……それより診療所で何があったんだ。どうしてあのような……」

「それはですね……」

 

話を聞いたら、どうやら皆が向かった時には既にああなってて、さらに祟り神がいたらしい

そこで戦闘をし、祓うためにムラサメが将臣に神力を渡したという

普通の人に神力を宿すなんてなんて無茶な……

どんな方法をしたかと聞いたら、何故かムラサメが顔を赤くし、答えるのを拒んだ。その姿を見て、俺は少し心が傷んだ……気がした

それとレナさんはムラサメのことが見えるらしい

それは予想だったけどそうだと思ってた。将臣と似たものを持ってたから

……祟り神が診療所にいた……山から下りてきた気配はしない、もし降りてきたとしてもここには結界があるからわかるはず

診療所似合ったのは診察等医療器具に将臣が渡した欠片……いや、そんなバカな?

だがこれはまだ仮説だ、報告するにしてもみづはさんの報告がいる

 

「だいたいは……わかりました……すみませんが、俺はこれで失礼します」

「操真君……ムラサメ様も仰ってましたが、自分を責めないでください」

「クオンは立派なことをしたと思いますよ」

「ありがとうございます。それでは」

 

少し気だるけな足取りでその場を後にした

わかってる、責めても何も起きないということぐらいは

けれど、俺は自分の無力差を感じてしまったんだ

 

「……なあムラサメ」

「どうしたのだ?」

「今は俺とお前の二人っきり。だから1つ聞きたいことがあるんだ」

「聞きたいこと?」

「ああ。……どうして小さい頃からお前の姿を見れなかったんだ?いや、避けていたと言うべきか?」

「……いつから気づいておった」

「この穂織はほかの街と比べると小さい。それに加え俺は仕事で街を回ることが多かった。なのにお前の姿が今まで見れなかったのはおかしいと思ったんだ」

 

前みんなと川に遊びに行った日に家で思いついた疑問

それがあまりにも気になってしまったんだ

 

「……そうだな、久遠には話すべきかもしれん。少し長くなるかもしれぬが構わぬか?」

「ああ、この月の下。誰も邪魔は入らないだろう、だから聞かせてほしい」





後半は少し卑屈になりすぎてますが、あまり責めないであげてください…友達思いゆえにこうなってしまったのです…
次はムラサメちゃん視点での過去の話になります
もしかしたら短いかも?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。