今回は四天王3人目!さぁ、どんな敵でしょうか!?お楽しみにです!
アユーラは、魔法を使うことが出来る。美しく、時に牙を見せるその魔法は、2人を苦しめていくことになる。
そんなことがわかっていても、瞳とカイは諦めない。せっかく努力しまくってハルを倒してきた。今回もあの時のように倒さなくては。
どうすれば倒すことができるか。今はまだ分からない。ただ、作戦は今までと同じ、隙を見つけることだった。
そういえば、1階と2階を結ぶ階段前に来ても、凛の姿が見えない。どこまで行けば凛がいるのだろうか。ゴールの無いマラソンをするような感覚だった。
でも、1つ言えることがある。アユーラにも隙はある。最初話しているとき、なんとなく前を見続ける魔法使いに思えた。
前を見続ける=前しか見ていないため、後ろからの攻撃に弱い
上の方程式が正しければ、この試合も勝てる。2人の力を使えば。
「まぁ、今出ていったらさっきまでやったこと、見逃してやっても良いけど~。かかってくるなら、ぐっちゃぐちゃのぼっこんぼっこんだよ!」
笑顔で言ってくる部分が怖かったが、それよりも恐ろしく思えるのがアユーラの姿である。
立っているのを見るだけでも威圧感があり、むしろ押し返されてしまいそうな状態だった。因みに、すぐ後ろは壁だった。
「分かってるな。四天王の中でも最強クラスのアユーラ。落ち着いて倒すんだ。」
「こっちだって夢想郷で鍛えたものがあるからね。」
お互い自信を持ち、アユーラに近づいていく。と、そのときだった。アユーラの姿が急に消えてしまった。どこかに逃げてしまったのかと思ってしまった。
そう思っていた2秒後である。急に後ろから激しい痛みが襲いかかってきた。反射的に後ろに攻撃する2人だが、後ろには誰もいない。何が起こったんだと考えていると、今度は階段の方から何か聞こえてきた。
「あれれ?さっきまでの大口どこ行っちゃったのかな?これ、もしかして何が起こったか分からない奴!?」
無言になってしまった2人。笑顔がますます恐ろしく思えるようになった。だって、こっちは余裕が無いのに、あっちは軽々動いているのだから。
ここで、カイが昔の記憶を1つだけ思い出した。かなり前の話だから、合っているかさえも分からない。
カイによると、彼女の能力はあらゆるものを騙す程度の能力。何が起こったか分からない。不思議な魔法で攻撃してくる。
普段騙されにくい瞳だが、騙されない程度の能力なんて持っている筈がない。ここで、瞳が弱点となりそうな部分をいくつか整理してみた。
1つめに、相手は連続で魔法を出せるかということだ。仮に連続で出せなかったとする。相手が攻撃をミスした瞬間に攻めれば上手く行く。
2つめに、近接系か遠方系かである。それによって戦い方も変わる。
3つめに、どのように攻撃してくるかだ。四方八方攻撃するならこちらも負けず劣らず先制で攻撃し、前からだけなら後ろからまわるべきだ。
これらを確認できるかは分からないが、確認出来ないと勝利への道筋が消えてしまうのは確実だ。落ち着いて見ることにした。
あれこれ考えているうちに、アユーラが一気に攻撃してくる。
「そろそろ終わらせたいけど、じっくり戦いたいな~。炎符 ルービックファイア」
どこか出口があると思っていた。しかし、どこにもなかった。完全に炎の密室に入り、出れなくなってしまったネズミのようになった。
どんなときでも諦めるわけにはいかない。瞳は地面を見たり、炎の近くまで行ったりしたが、何も案が思い付かない。
そんなとき、カイが秘策を使った。実はカイは僅かだが魔法を知っている。使えはしないが、それぞれの弱点は覚えていたのだ。
5年前、彼女が強制的にここに連れ去られたときに覚えさせられたようだ。しかし、彼女は魔法を使うのを断った。本当はこんなところで働きたくなかったからだ。
そのとき、ここのリーダーからはこう言われた。
「もし魔法を使えるようになったら、この中で最強クラスの者となり、全世界を制覇できるのだぞ?」
でも、カイは断った。自分が最強になれなくてもいい。ただ、あいつのいいなりにはなりたくなかったのだ。今だって、あの判断は後悔していない。
そこで、瞳が思ったのは1つだけだった。
アユーラは全世界を制覇しようとしている。
仮に彼女が同じような事を言われて魔法を使うようになったとしよう。そのとき彼女は世界を制覇したかった。そうに違いない。
負けたら、夢想郷の桜が切り落とされてしまうだろう。そうでなくても、桜は放置されてしまうだろう。
「絶対に、止める!」
目の前にある炎から脱出する方法を、カイは知っていた。知っていたというか、うろ覚えだった。でも、やってみるしかない。
「炎から脱出する方法は1つだ。すぐに炎の中を駆け抜ける!」
「えっ!?」
あまりにもリスクが高い。こんなのやってられるか!と思ってしまいそうになった。しかし、一か八か。これしかないなら!
「走り抜けろ!」
カイの一言で、二人は走り出した。業火のなか、目の前には何もないかのように。
走りはじめてからたったの3秒で抜けた。流石に建物の中では大きな炎を作ることが出来なかったようだ。
なんとか助かったが、アユーラは続けて攻撃してくる。
「ちっ、脱出されちまったか。ならば、水符 オーバーウォーター!」
今度はなんだと思った途端、上から水が降ってくる。ただの水かと思いきや、当たってみると。
「痛っ!ちょ!」
神経を攻撃してくる水、まさしく魔法でもあり悪魔でもある水だった。しかも、泳いで逃げようとしても逃げ場が無い。
「どうすれば!」
瞳が色々考えてるうちに、急激に水が消えていった。カイの方を見てみると。
「あーらら、水ならさっきの炎で焼いちゃえば良いんだよね?」
カイはルービックファイアで出た炎を動かして、全部の水を蒸発させてしまった。
「くっ、ならば最後の手段!これで2人ともぺちょんぺちょんにしちゃう!黒符 ラストエンペラー!」
目の前が真っ暗になる。どうやら、カイも何も見えてないようだ。これでは攻撃が出来ない。
アユーラの声はずっと前から聞こえてくるが、どこにいるか分からない。すると。
「今度こそ、水符 オーバーウォーター!」
「痛ーーー……!」
瞳は何も見えないまま、ただ体力だけを奪われていく。そのときだった。
「心符 ファイアウォッチ!」
またもや目の前の水が消えた。数時間前の記憶を思い出した。カイの技である。
「カイ……。」
しばらく言葉が思い浮かばなかった。今ここに一人でいたら、確実にやられていた。その後の事は、考えたくもない。
「さぁ、もたもたせずに倒すんだよ!瞳。自分に自信をもって?」
「分かってるよ。」
ここに来て明るい会話になった。アユーラも無駄に動きまわって疲れきっているようだ。ここが仕留めるチャンスだった。
階段の前で汗をかいているアユーラを両サイドから囲み、一斉に攻撃する。
「心符 グランドウォッチ!」
「休符 チェンジハート!」
「うわっ!あぃぁぁぁぁあぃあぁぁあぃあ!」
そのままアユーラの意識はどっかに吹っ飛んでいった。数時間すればふよふよしていた魂はアユーラの体の中に戻るだろう。その間に急いで階段をかけ上がった。
2階につく。またカイの指示通り動き出す。一度道を間違えれば地獄行き。闇の中をさ迷うただ1つの雲のように、静かに動いていった。
それから、どんどん階数が上がっていった。6階になった。
「やぁやぁ。久しぶりだね、カイ。」
また、落ち着いた感じの者が目の前に立つ。 終
unit profile 5 アユーラ
年齢 3205
能力 目標を定める程度の能力
血液型 S
好物 闇の炎