SICオーズIN戦姫絶唱シンフォギア   作:クロトダン

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ルナアタック編最終回!

燃え上がれオーズ!!


今回の黒ウォズ、あまりの出来事にいつものキレがなくて吹いた(笑)

カウント・ザ・メダル!

現在オーズが使えるメダルは?

タカ×1

ライオン×1

クワガタ×1

サイ×1

クジャク(Empty)×1

トラ×1

カマキリ(Empty)×1

ゴリラ×1

コンドル(Empty)×1

チーター(Empty)×1

バッタ×1

ゾウ×1


奇跡と唄と不死鳥コンボ

――玲司視点――

 

 

気が付くと俺は、真っ白な空間に浮かんでいた。

 

「ここは……?そうか、俺はカ・ディンギルの爆発に巻き込まれて・・・死んだんだっけ?」

 

身体がふわふわする感覚に違和感を感じながら俺は両手を見下ろし、ここにくる前の事を思い出す。

 

「俺は、これで終わりなのか…?ん?」

 

胸に穴が空いた感覚を誤魔化そうと手を当てて強く抑え込んでいると、どこからか声が聞こえた。

俺は声が聞こえた方向に顔を向け、そちらに近付いていく。

 

「あれは……光?……くっ!?」

 

しばらく進んで行くと前方に光が見えた。それに手を伸ばすと突然強く輝きだし、光に包み込まれる。

 

 

 

 

「………一体何が……っ!?」

 

光が収まり目を開けると、先ほどいた空間とは全く違う、城のような場所に立っていた。

 

「なんだ?ここは・・・」

 

俺は驚き下を覗きこんで周りを見渡してみる。建物の造りとさっきから騒いでる人々の服装を観るに、どことなく中世の時代のようだ。

 

 

――ワァァァァァッ!――

 

 

――王様ぁぁぁぁっ!!――

 

 

「王様・・・王様って、誰のことだ?」

 

疑問を浮かべ首を傾げる。すると俺の背後から、王冠を被り赤いマントを翻した男が現れた。

男が現れた途端人々の歓声が強くなり、思わず耳を押さえてしまう。

 

王様と呼ばれた男が右手を挙げると、あがっていた歓声がピタリと止む。静まった頃を見計らい、王は人々に向けて口を開いた。

 

『聞いてくれ、我が親愛なる民達よ!我は遂にッ!ノイズに対抗できる力を!手に入れた!』

 

 

――ワァァァァァッ!――

 

 

王が放った言葉に、人々から再び歓声が上がる。それを見た王は嬉しそうに頷き、後ろに控えさせていたフード付きのローブを纏った人物を呼ぶ。そいつは直ぐに王の元に近寄り、その両手に持っていたどこか見覚えがある長方形の黒い箱と赤黄緑の三枚のメダルを王に渡す。

 

「あれって、オーカテドラルとコアメダル!?なんで・・・」

 

その光景に疑問が浮かぶ。王がオーカテドラルを腹部に当てると、飛び出した帯が腰に巻かれてオーズドライバーになる。

次に王は三枚のコアメダルをオーズドライバーにセットし、オースキャナーを右手に持って人々の前である言霊を口にした。

 

 

『変身!』

 

 

――タ・ト・バ!タトバ・タ・ト・バ!!――

 

 

――ワァァァァァッ!――

 

 

――王!――

 

――王!――

 

――王!――

 

――王!――

 

――王!――

 

 

「…そうか、ここは……800年前のオーズの時代、か」

 

俺は王が変身した姿を見て、漸くここが何処なのか分かった。

 

 

 

 

それから、王がオーズの力で現れたノイズを何度も倒していく姿を見た。

俺と同じ姿なのに怯えられず、それどころか喜ばれる。その姿はまさしく、王に相応しい行動だった。

 

『王よ・・・その力があれば、この世界をその手中に収める事さえ容易き事でしょう。なのに何故、その力を護る為だけに使うのですか?』

 

ある時、王は臣下の一人から質問された。その質問は、欲深い人間からすれば当然のもの。しかし、この優しき謙虚な王は違った。その家臣の方を振り向き、優しげな笑みを浮かべながら口を開く。

 

『分からないかな?この力を使うことで国を護る事、それは民を護る事に繋がる。

我は、民達が1日でも多く笑顔が続いて欲しい、そう強く願っているのだよ。その為に我はこの力を振るい続ける。この欲望のままにな。それに、世界を手にしてどうなる?我の心は既に、この国の民の笑顔によって満たされている。これ以上高望みすれば、身を滅ぼすだけだ。大切なのは、身の丈にあった望みを抱く事。そして我の器は、この国の事で一杯なのだよ』

 

その言葉を聞いた臣下は頭を下げ、自分の浅はかな考えを王に謝罪した。

 

 

『―これが、800年前の王の抱いた欲望。彼はただ、民達の笑顔の為にその力を振るい続けた。だが彼は最初、その為に力を求めたのではない。それは……―』

 

その光景を観ていると突然謎の声が聞こえ、辺りに響き渡る。

 

 

場面が変わり、月明かりに照らされた城のバルコニーで星空を見上げていた彼の元に一人の女が歩み寄って行った。

女に気付いた王は優しい笑みを浮かべて女と手を繋ぎ、共に宝石箱のような満天の星を見上げる。

 

 

『―愛なんだよ―』

 

「何故そこで愛!?」

 

謎の声が言った言葉に突っ込みを入れたが、謎の声は無視して俺に問いかけた。

 

『今代のオーズよ……お前は、何の為にその力を振るう?』

 

「何の為……俺が、俺が力を使う理由は……」

 

謎の声の言葉を聞いて、何故この力を使うと決めた理由を思い出そうとする。その時――。

 

『♪~♪~』

 

「歌?」

 

優しい歌が俺の耳に入り込み、身体の芯に染み渡った。暖かく、力強い歌だ。

 

「なんだ?この歌・・・心が、暖かくなる……これは、この歌は、一体……?」

 

 

『シンフォギアァァァァァァァァァッ!!』

 

 

聞こえてくる歌について考えていると、今度は背後から少女の叫び声が聞こえた。同時に、俺の意識が引き戻される。

 

 

 

 

目を開けると欠けた月が最初に視界に入った。

 

「ぐっ……俺は、生きている・・・のか?」

 

歌によって目が覚めた俺は、痛みに耐えながらゆっくりと身体を起こし、周りを見渡す。すると、少し離れた場所にライドが半壊した状態で横倒しになっているのを見つけた。

 

「ライド……」

 

立ち上がってライドに近寄り声をかける。しかし機能を停止したのか、返事は返って来なかった。

 

俺はライドの機体に触れ、最後まで付き合ってくれてありがとうと礼を零す。そして地面に散らばっていた三枚のコアメダルを拾いあげると、オーメダルネストから熱が感じた。

 

オーメダルネストからコアメダルを取り出すと、フィーネによって力を失った筈の【クジャクメダル】と【コンドルメダル】からドクン、ドクンと脈動するエネルギーが溢れているではないか。

まるでこの歌に反応してるかのように。

 

歌が終わると同時に、ここから離れた場所から四本の光が立ち上がった。そのすぐ後に少女達の声が空から聞こえ、上を見上げると、白い鎧を纏い、光輝く翼を生やして、空を舞う少女達が目に映る。

 

「……天、使?」

 

未だ戦闘が終わってないのにも関わらず、俺は場違いにも素直に口にした。

 

「あっ、オーズさん!無事だったんですね!」

 

「本当か!」

 

「オーズ……良かった、生きていたんだな……っ!」

 

俺に気付いた立花響の声に反応し、他の少女達もこちらを見る。

 

「オーズ…!!生きてたのか……この死に損ないがぁっ!!」

 

「フィーネ……っ!」

 

俺に気付いたフィーネが顔を歪めて、怒りが籠った瞳をこちらに睨みつける。

 

「何故だ!何故だ何故だ何故だ何故だっ!!何故貴様は私の邪魔をする!?化け物の分際で!!

800年前の時もッ!そして今もッ!貴様は、貴様は一体何がしたいんだ!!答えろ魔王ッ!!」

 

フィーネは頭をかきむしり、子供のように取り乱しながら問う。

 

(そうだ、俺はこの力を使う理由は既に決まっていたんだ!)

 

「そんなのは決まっている……俺は……いや、俺の名は……!!」

 

クジャクとコンドルのコアメダルから放たれる熱を右手に感じながら、俺は今まで名乗らないと決めていたあの言葉を、その意味と重みを背負うと覚悟を決めて口にした。

 

「《仮面ライダー》だ!!魔王でも化け物でもない……一人の仮面ライダー・・・愛と平和を願い望む戦士として!これ以上誰かが、涙を流すのを俺は見たくないッ!それが俺の欲望だッ!!

だから俺は!フィーネ・・・お前の欲望を……止めてみせる!!」

 

その言葉と共に、二枚のコアメダルを握る右手から炎が上がる。

上空にいる少女達から驚きの声が聞こえたが、不思議にも熱はなく、それどころか暖かさを感じる。それはまるで、過去の王が残した暖かい想いのように感じられた。

俺は目を閉じてコアメダルを握り締め、胸に当てる。コアメダルから流れてくる炎にここにいる人達の想いが込められており、さっきまで負っていた傷が癒え、更に身体に蓄積していた疲労が消えていくのを感じた。

 

「フィーネ!お前に見せてやるよ!コアメダルの……いや、人間の欲望が起こした奇跡を!!」

 

俺は目を開いてフィーネに宣言し、オーズドライバーからトラメダルとバッタメダルを抜く。そして力が戻り元の色を取り戻したクジャクメダルとコンドルメダルをオーズドライバーにセットし、オースキャナーを右手で握った。

 

「っ!?まさか……させるかぁぁぁっ!!」

 

【―IMPERIAL EDGE―】

 

俺がやろうとしている事に気付いたフィーネは、鞭を振り上げて俺の頭上から振り下ろす。衝撃と共に轟音が鳴り響き、俺の身体が土煙に包まれた。

 

「オーズゥゥゥッ!?」

 

「これで奴も……っ!?」

 

天羽奏が叫び、フィーネは俺を倒したと嗤う。だがしかし、奴の攻撃が当たる直前、俺コアメダルのスキャンするのが間に合った。俺の身体は、紅蓮と金の炎に包まれる。

 

 

 

――玲司視点、終了――

 

 

 

 

――同時刻――

 

 

――デザイア・コーポレーション、社長室――

 

 

社長室に設置してある石板が、炎に包まれるオーズに反応するように輝く。石板の上部に描かれた鳥類系の三枚のレリーフの内、クジャクとコンドルのレリーフが赤い色に染まると、鳥類系のレリーフから炎が沸き起こった。

それと同時に石板の欠けた部分が自動的に修復されていき、今まで見られなかった他の動物のレリーフが浮かび上がる。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!?素晴らしいッ!!

 

その光景を見た石板の前に立つ片桐眞人は、燃え続ける石板に狂喜の笑みを向け、両手を拡げて歓喜の声を挙げた。

 

「遂に……!遂にその名を受け入れたか、氷野君!!

漸くこの世界に、仮面ライダーが真に誕生した!もう一度改めてこの言葉を君送ろう……!

HAPPY BIRTHDAY !!この世界にようこそっ!

仮面ライダー……

 

オォォォォォォォズゥゥゥゥゥゥッ!!!!

 

 

 

――三人称視点――

 

 

――タカ!――

 

 

――クジャク!――

 

 

――コンドル!――

 

 

 

――タ~ジャ~ドル~~ッ!!――

 

 

 

その音声の後、土煙から炎が立ち昇り、炎から火の鳥が現れ頭上にいた装者達よりも空高く舞い上がった。

 

 

「………はぁッ!」

 

 

火の鳥が弾け飛ぶと、紅にそまったオーズが姿を現した。その背中からは3対の赤い翼【クジャクウイング】を展開し、孔雀の飾り羽のような虹色のエネルギーを広げる。

 

現れたオーズの姿は、先ほどまでと大きく変化していた。

 

タトバコンボの状態から大きく変化し、3倍に強化された超視力と周囲の空気の流れを敏感に察知しする、飛行に特化したスペックとなったタカヘッド・ブレイブ。

背中に畳んであった【クジャクウイング】を展開し、空中を超高速で飛行するクジャクボディ。

爪先に【ストライカーネイル】、踵に【ラプタードエッジ】と呼ばれる鋭利な爪を備え、膝から下を巨大なコンドルの鉤爪に変化させて炎の蹴擊を繰り出すコンドルレッグを備える天空の王者。

オーラングサークルは他のコンボのようにそれぞれのメダルをつなげたものではなく、一羽の不死鳥の模様になっている。

 

 

それは【タカ】、【クジャク】、【コンドル】をオーズドライバーにセットし変身した、仮面ライダーオーズの鳥類系コンボ形態……

天空を支配し、その身に宿る炎で敵対する者全てを焼き尽くす、炎の戦士。

 

その名も……仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボ・・・

 

フィーネの手によって失った欲望の力が今、ここに復活した。

 

「赤い……オーズ?」

 

「綺麗……っ」

 

「すげぇ……!」

 

「まるで……不死鳥みたいだ」

 

少女達の驚き声を挙げているとフィーネは顔を歪めてオーズの姿を見上げる。

 

「炎のオーズか…!800年前、敵対する者を全て燃やし尽くした紅蓮の炎!

その焔で、私を焼き尽くすつもりか?」

 

「違う!この姿は、ここにいる人々から紡いだ想いによって復活した姿!お前を倒す為ではなく、お前のその欲望を止める為の……想いの力だ!!」

 

オーズは手を振り払い、フィーネの言葉を強く否定する。

 

「だが、例え限定解除したギアと炎のコンボがあろうと、私を止められると思うなぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

フィーネが声を張り上げソロモンの杖を上に掲げると、光が放たれる。光がある高さまで上がると光が弾け飛び、リディアン音楽院を囲むように大量のノイズが現れた。

 

「こんなに大量に…!」

 

「はっ!全員まとめてぶちかましてやる!」

 

「私達も雪音に続くぞ!」

 

「は、はい!」

 

大量のノイズを前にした装者達だったが、クリスが先行してノイズの元に向かい、翼と響もクリスの後に続いて飛んで行く。

 

「……オーズ!」

 

「ん?」

 

彼女達に遅れてその場にいた奏はオーズの近くまで飛んで彼に話しかけた。

 

「あんたには色々言いたい事があったけど、これだけは言っておく!……あんたが無事で、本当に良かったよ!」

 

言い終えた奏は、照れ隠しに直ぐ身体の向きを変えて街に現れた大量のノイズを倒しに向かった。

 

「ほう…?貴様一人で、この私を相手にするか?」

 

「ああ、そうだ。言っただろ?お前の欲望を止めると…」

 

「……ふ、私を舐めるなよ!オーズ!!」

 

フィーネはソロモンの杖を左手に持ち、自身の身体を飛翔させた。空中を飛んでいるオーズに向かい、右手に持った鞭を鋭く振るう。

だが――、

 

―シュッ―

 

「消えっ……ガッ!?」

 

フィーネの鞭がオーズに当たる直前、オーズの姿がかき消えた。鞭が何もない空間を切り裂きフィーネは驚いていたが、下方からオーズが繰り出した炎を纏う強烈な蹴りが彼女の腹部を繰り上げる。

そしてオーズは身体を捻り、追撃言わんばかりにフィーネの背中に踵を振り落とした。フィーネの身体は落下して地面に激突。土煙が舞い上がる。

 

「その鎧は空を飛べるみたいだが、タジャドルコンボの超音速飛翔には遠く及ばないらしいな。お前の鞭すら、今の俺には止まって見える」

 

オーズはゆっくりと地面に降りながら、地面に落下したフィーネに声をかける。

 

「ぐぅ…っ!なっ、再生が遅いだとっ!?どういう事だ!?」

 

フィーネは地面に手を着いて身体を起こしオーズの姿を睨み付ける。その腹部と背中には大きな火傷が出来ていて、ネフシュタンの修復能力で身体を再生させていた。しかし、コンボの力のせいか傷の治りが遅くなかなか再生しないようだ。

 

「まだ俺の攻撃は終わってないぞ、フィーネ!」

 

左手を前に、右手を横に伸ばした構えを取ったオーズは地面を蹴り、フィーネに向かって駆け出す。そして、拳と蹴りを織り混ぜたコンビネーション攻撃を繰り出した。

フィーネは完全に修復が終わってない身体を動かしてオーズの攻撃を捌いていくが、オーズの鋭い蹴りがフィーネの身体を後方に蹴り飛ばす。

 

「がぁっ!?……くっ、舐めるなぁぁぁぁっ!!」

 

フィーネはオーズに向けて鞭を繰り出したが、オーズは左腕をオーラングルサークルに翳す。するとオーズの左腕に胸のオーラングルサークルと同じ模様が彫り込まれた、オーメダルのエネルギーを解放する【タジャスピナー】が装着、フィーネの鞭を受け止めた。

 

「っ!?防いだだと!?」

 

「ふっ…はぁっ!!」

 

「ぐぅっ!!」

 

小盾を上に上げて鞭をかち上げ、タジャスピナーを前に突き出して炎弾を飛ばしてフィーネを吹き飛ばした。

 

「ぬぅぅ・・・どういう、事だ……ッ、何故、身体の再生が遅い!?一体、私に何をした!?オーズ!!」

 

「別に、俺は何もしてないさ。俺にわかるのは、コアメダルを通して感じる……人々の欲望(想い)の力という事だ!!」

 

「想い……だと!?ふざけているのか!」

 

「待たせたなオーズ!」

 

オーズの言葉に激昂するフィーネ。その時、二人の頭上から声が聞こえた。

 

「どれだけいようが、所詮はノイズ!あたしらの敵じゃねーよ!」

 

「もう貴様に手はない、降伏しろフィーネ!」

 

「手がない……だと……?クク……否!私にはこの手がある!」

 

大きく言い放ち、フィーネはソロモンの杖を自身の腹に突き刺した。

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

それを見た五人は驚愕の声を挙げるが、フィーネの変化はまだ終わらない。

未だ残っているノイズが一体、また一体とフィーネの身体を取り込み……否、逆にフィーネがノイズを取り込んでいき、その姿とサイズを変えていく。

 

『来たれ…っ、デュランダル!!』

 

ノイズを取り込んだフィーネは巨大になった手を伸ばし、破壊されたカ・ディンギルの地面を砕いて地下に設置してあるデュランダルを取り込む。そして地面を砕きながらその姿を巨大な姿、黙示録の赤き竜へと変えた。

赤き竜の頭部から閃光が放たれると、着弾地点で爆発が起こった。

 

「街が!」

 

『逆さ鱗に触れたのだ……相応の覚悟は、出来ておろうな?』

 

フィーネの言葉を聞いた五人はすぐに動き、それぞれ赤き竜に攻撃を加える。が、傷付けた箇所が先ほどとは桁違いの速度で再生された。

 

「早すぎる!」

 

「こちらの攻撃が通じないとは!」

 

『いくら限定解除されたギアであっても、所詮は聖遺物の欠片から作られた玩具!完全聖遺物に対抗出来るなどと思うてくれるなっ!!』

 

「「「ッ!」」」

 

響とオーズを除いた三人はフィーネが言った言葉を聞いて、フィーネに対抗できる方法が頭に浮かび顔を見合わせる。

 

《聞いたか?》

 

「回線をオフにしろ」

 

「もう一度、やってみるぞ!」

 

「だが、そうなると……」

 

三人は後ろにいる響の顔を見る。

 

「え?えーと、やってみます!」

 

響は戸惑いつつも、両手を握りこんだ。

 

「オーズ、お前も手伝ってくれるか?」

 

「ああ。倒せる手があるなら、その案に乗ってやる」

 

「よし、それじゃ……行くぞ!」

 

響をその場に残して、四人は散開する。ある程度飛んでいくと翼はその場に滞空して剣を構え、オーズと奏は空高く舞い上がり、クリスは赤き竜に近づく。

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

【―蒼の一閃・滅破―】

 

翼が先ほどまでより更に大きくさせたアームドギアを振り下ろすと、通常より強力な斬撃が赤き竜の身体を傷がつき、風穴が開いた。

 

「喰らいな!」

 

傷つけた場所は修復されるが、完全に修復される前にクリスが中に侵入。内部にいるフィーネに向けて光のミサイルを撃ち出し、爆煙に包まれた。

 

『くっ、小賢しい!…っ!?』

 

「はぁぁぁぁっ!貰ったぁぁぁぁっ!!」

 

【―ULTIMATE∞COMET―】

 

フィーネは蔓延した煙を排出しようとシャッターを消すと、開いた視界の先に光を纏った奏が槍を突き出し高速で接近して来る。フィーネは咄嗟に光の壁を展開、奏が突き出した槍とぶつかりあい爆発を起こした。

 

その衝撃によって、フィーネが持っていたデュランダルが飛び出した。

 

「それが、勝利の切り札だ!」

 

「っ!」

 

「勝利を逃すな!掴み取れ、響!」

 

「ちょせぇ!」

 

クリスが拳銃で響が掴み取れるようにデュランダルを弾き、響は手を伸ばして掴み取る。

 

―ドクンッ―

 

デュランダルを掴んだ響の身体が一瞬で黒く染まり、デュランダルから光が輝き出した。

 

響が自身の中にある破壊衝動に抗いながらデュランダルを握り締めていると地上にあるシェルターの扉が吹き飛び、中から風鳴弦十郎が出てきて響に発破をかける。

 

「正念場だっ! 踏ん張りどころだろうがっ!!」

 

「っ!!」

 

「強く自分を意識してください!」

 

「昨日までの自分を!」

 

「これからなりたい自分を!」

 

弦十郎に続いて緒川、藤尭、友里がシェルターから出てきて響に声をかける。

 

「ミんナ…!」

 

声をかけられた響は呑み込まれそうになった意識を繋いだ。そして翼、クリス、奏が響の周りに集まり、彼女の肩に触れて声をかける。

 

「屈するな立花。お前が抱えた胸の覚悟、私に見せてくれ」

 

「お前を信じ、お前に全部賭けてんだ! お前が自分を信じなくてどうするだよ!」

 

「その拳は誰かと繋ぎ合わせる為のものだって言ったのはお前だろ!お前の想いはその程度じゃないって所を見せてくれよ!」

 

それに続くように地上から再び声がかけられる。

 

「あなたのお節介を!」

 

「あんたの人助けを!」

 

「今日は私たちが!」

 

響のクラスメイトである寺島詩織、板場弓美、安藤創世が響に声をかける。

 

だが、それをフィーネは黙っていなかった。

 

『かしましいっ!黙らせてやる!!これで消し飛べっ!!』

 

フィーネは赤き竜に残っていたデュランダルのエネルギーをかき集め始めた。赤き竜の頭部から光が漏れる。

そして光線を響達を向けて繰り出そうとしたその時。

 

 

――スキャニングチャージ!!――

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!セイヤァァァァァァァァッ!!」

 

竜の頭上からオーズが、能力解放で巨大な鉤爪に変化したコンドルレッグによる必殺の蹴擊、【プロミネンスドロップ】を叩き込む。その鉤爪は赤き竜の頭部を抉り、蹴り砕いた。

 

「オーズ、貴様ぁぁぁぁっ!!」

 

「そのままいけっ!」

 

オーズは響にそう言って、フィーネに向けてタジャスピナーの炎弾を撃ち続ける。

 

「グググ、ガアアアァァァァァッ!!」

 

「響ぃぃぃぃーーーーーっ!!」

 

「はっ!」

 

小日向未来の叫びに破壊衝動に呑み込まれそうになった響の意識を取り戻す。

 

「そうだ……この衝動に、塗り潰されてなるものかぁ!」

 

その言葉の後に黒く染まっていた響の身体が元の姿戻ると光の翼が大きく拡がった。

 

『その力…、何を束ねたっ!?』

 

「響き合う皆の歌声がくれた、シンフォギアだあああああっ!!」

 

【―Synchrogazer―】

 

響は両手に握った光輝くデュランダルを赤き竜に向けて振り下ろし、赤き竜を上から真っ二つに斬り裂きながら爆発が起こる。

 

『完全聖遺物同士の対消滅……!?どうしたネフシュタン! 再生だっ!!

 

この身、砕けてなるものかァァァァァァァァッ!!

 

再生しようとフィーネが叫び声を挙げるが、完全聖遺物同士の対消滅によってネフシュタンの再生能力が停止され、フィーネの身体は爆発に包まれた。

 

こうして、一人の女の欲望が生み出した戦いはこれで終結した。

 

 

――三人称視点、終了――




ああ、燃え尽きたよ……真っ白にな……。

気付いたらこの文字数になって自分でもびっくりしました。

区切ろうにも中途半端になってしまい、悩んだ結果この長文です。

さて、次回はG編突入までの前日譚を投稿する予定です。それを投稿したら、G編に入ります。

そして、来週のジオウに翔一君が来る!イヤッホーイ!来週が楽しみだ!

それでは皆さん、次回の投稿にまた会いましょう!
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