王書   作:につけ丸

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004:勝敗の行方

 翌朝。まだ夜が明けていない暁時。そんな朝とも夜とも呼べない曖昧な時間に祐一は肌寒さを感じて目が覚めた。

 全身を襲う疲労感や痛みは既になく、さっぱりとした気分で起床する事が出来た。まだ覚醒しきっていない頭で、周りを見渡す。

 なーんもねぇ……。

 薄暗い中でも、まだ残る星明かりで、周りの景色は見えた。見渡す限りの荒野と、少し先にアラビア海であろう海が見える。そんな見慣れない景色に、ここが日本では無いと唐突に突き付けられた気がした。

 まあ……今更か。とそこまで考えたところで、我が旅の侶伴が居ない事にふと気付く。見れば焚き火の火も消えており、役目を終えた炭だけが寂しげにあるだけだ。

 

「おーい! パルヴェーズ!」

 

 叫んでみるが、返事は……無い。おかしい。

 んん~? これは……ひょっとして、ひょっとするのか? 

 意識が完全に覚醒する。祐一は背筋に気持ちの悪い汗が吹き出るのを感じながら、いいや、それは無い! と言い聞かせてもう一度辺りを見渡し、彼の名を呼ぶ。

 ……だが、やはり答えはない。何処かに居る。……はず。

 そう思うが、疑う心が顔を出す。

 すぐさま打ち消すように思考をカットする。

 だが、すぐに「置いて行かれたんじゃ?」と言う考えが出てくる。──シャラップ! 

 騙されたんじゃね……? ──シャラッップ! 

 ホントは連れて行く気なんてなかったんじゃ……? ──シャァァラッッップ! 

 

 

 …………………………。

 

 

 ………………。

 

 

 …………。

 

 ……。

 

 

 

 

「おお、小僧。もう起きておったか。陽が昇ると同じくして目を覚ますとは、感心感心。やはり一日の始まりには黎明の光を浴び、朝露の雫を感じねば始まらぬのう」

「───わあああ!!!」

「なんじゃ、朝から。騒がしいやつじゃの」

 

 思考の海に埋没していた祐一は、突然気配も無く現れた(祐一視点)パルヴェーズに、それこそ心臓が飛び出るほどの驚いた。

 

「な。何でもないっ。それよりどこ行ってたんだ? 見当たら無いから心配したぞ」

「いやなに。朝食の準備を、と思ってな。ちょいとそこまで釣りをしておったまで。……ほれ、見よ。なかなか良き釣果であったぞ」

 

 言われて見ればパルヴェーズの手には、木の枝が握られており、その先に十匹ほどの、種類は分からなかったが、中々大きな魚が吊ってあった。

 パルヴェーズは手際良くまた焚き火を起こすと、釣ってきた魚を焼き始め、そう間を置かずに焼けた魚の香りが祐一とパルヴェーズの鼻孔をくすぐった。

 と、同時にぐぅ~と誰かの腹の虫が荒涼たる大地に響いた。ニヤリと、祐一へ視線を向け、パルヴェーズが笑う。

 犯人は明白であった。祐一は誤魔化すように、焼いていた魚の一匹を、むんずと掴み、

 

「取ってきてくれて、ありがとう! いただきます!」

 

 と、少し語気を強めて言い捨て、貪り食った。パルヴェーズもそんな祐一を見ながらクスクス笑っていたが、やがて焼けた魚を手に取り、口にした。

 

 ○◎●

 

「よし、小僧。腹も膨れた事じゃし、一勝負と行こうでは無いか」

「なんだよ藪から棒に」

 

 朝食を食べ終え、弛緩した空気の中にいた祐一に、パルヴェーズがそんな事を言ってきた。

 

「おぬしとあってから、これまで。我とおぬしは一度も勝負をしておらぬ、と思ってのう。言うてはおらんかったが、我は勝負事が好きな性分でな。おぬしとも競い合いたいと常々思っておったんじゃ。かけっこ、知恵比べに、力比べ。何でも良い。例え、おぬしの得手であっても構わぬぞ?」

「ふぅん。ま、いいぜ! 俺も暇だしな! それに勝負するなら、約束しようぜ」

「ほう? 約束とな。ふふ、ただの勝負事であっても、趣向を凝らそうと言う姿勢は好ましく思うぞ、小僧。それで、どのような約束じゃ?」

「名前だよ」

「む?」

「呼び方だよ呼び方。パルヴェーズはさ、俺の事を名前で呼んだこと無いじゃん? いつも少年か小僧ってしか呼ばないだろ。俺はパルヴェーズって呼んでるのに不公平じゃないか? それに俺達はもう友達だろ? もっと気安く行こうぜ! って事で、俺が勝ったら名前で呼ぶことっ!」

「ははは! 何と、そんな事か! ふふふ、我に願う事など、戦勝への祈りや、戦への加護とばかり考えておったが、このような事を申す者が出て来るとは!」

 

 パルヴェーズは一つ、強く頷くと、

 

「相分かった! 小僧……いや、我が友よ! その約束……我に勝つ事ができたなら、必ず叶えると誓おう!」

「言ったな! ……よぉし、絶対勝つ!」

 

 と最初は威勢よくパルヴェーズに挑んだ祐一だったが……。

 結局、かけっこから始まり、力比べ、将棋風の知恵比べ、遠投、水泳、魚釣り、コイントス、じゃんけんに至るまで、あらゆる勝負で全敗を喫してしまった。

 

 

 ○◎●

 

 

「あ……あり得ない……ッ!」

 

 まさに疲労困憊と言う体で、地面に突っ伏す。全敗という事実に押し潰されて。

 祐一は生まれてこの方ここまで連敗を重ねた事が無かった。

 故郷の幼馴染みとも、先程パルヴェーズと競い合ったような勝負は日常茶飯事だった。だが、勝負で一度や二度負ける事はあれど、負ければ負けるほどに意識が研ぎ澄まされ、祐一が勝ちを拾えなかった事など無きに等しかった。

 

 俺は勝ちに愛されている! 

 同世代の相手はもとより、年上であっても構わず勝ってきた祐一。これまでの人生を勝利の記憶で彩られた少年が、そう慢心するのも無理からぬ事だった。

 それがどうだ? この無残な結果は。

 この目の前に立つ華奢と言っても良い少年は、見た目と全く合致しないほど、卓越した能力を豊富に持っていた。

 かけっこ一つとっても、パルヴェーズの人間離れした特異さが浮き彫りになった。

 そもそも舗装されていない悪路でのかけっこなのだ。それに、悪道の走り方は、幼い頃から野山を駆けていた祐一の得手とする所であった。

 しかし、そんな祐一を俊敏な『いたち』と喩えるなら、パルヴェーズは『風』。それも疾風と言ってもいいほどの。──結果は言わずもがなである。

 

 出っ鼻から敗北した祐一は、勝ち誇るパルヴェーズにその後も"しつこい"ほど挑んだが結果は変わらなかった。

 祐一もパルヴェーズとの勝負でなにも手をこまねいていた訳ではない。やがて祐一はパルヴェーズに勝つ事に主眼を置く事にして、勝負の種目を変えては果敢に挑んだ。

 そして一勝も出来ずにけちょんけちょんにやられ、こうして地面に倒れ込んでいた。

 

 全力で競っていた為に気付かなかったがブレザーは、しとどに溢れる汗でびしょびしょだった。

 元々祐一が着ていたブレザーは、海水に浸かってしまい昨日からずっと磯臭くなっていたのだが、その上に汗臭さまで追加され、ちょっと近寄り難い臭いを漂わせていた……。

 すでに太陽からは刺すような日光と熱気を放たれており、ここが日本では無く、遠く離れた国……それも砂漠ばっかりだと思っていた地域だと、改めて突き付けられた。

 すぐ近くの海からは、潮風と共にむせ込むような湿気が運ばれて来ており、まるで蒸し風呂の中に居るような気分に陥った。

 

 だが今の祐一にとって、それはほんの些細な事でしかなかった。

 地面に倒れた祐一は四肢を投げ出し、仰向けになって空を仰いでいた。地べたに寝っ転がっているから背中に当たる石が痛い。だけどそれよりも、

 

 ──悔しい。

 祐一の胸中を占める感情。偽りない本音だった。

 ゴロリと体勢を変え、仰向けに寝っ転がりちらりと勝者である少年に目を向ける。

 

 パルヴェーズはくずおれた祐一から少し離れた所にある小岩に腰かけ、草笛を吹いていた。

 パルヴェーズの周りには、どこからやって来たのか、その音色に誘われて小鳥や小動物たちが現れ、静かに耳を傾けていた。

 美しい音色だ。

 祐一も山で遊んだ子供の嗜みとして草笛は吹けたし、自分でも上手い方だと思っていたが、パルヴェーズと比べたら月とスッポン。本当に同じ草なのか疑いたくなるほど綺麗な音色を響かせていた。

 

「……」

 

 ───勝ちたい。

 せめて一矢報いたい。祐一自身、こんなにも悔しいと思ったのは初めてだった。

 それにこのまま負け続けたら、パルヴェーズとは対等な友人ではいられないかも知れない。そんな一抹の不安すらあった。

 あの輝かしくも尊大で心清らかな少年はそんな些細で態度を変えるとは思えないが、祐一自身が納得出来なかったし、この友人にして恩人の少年には自分の名を一度くらいは呼んで欲しかった。

 ……まあ、そんな事、絶対に口には出さないが。

 

「───よっしゃ!」

 

 一つ気合を入れ、跳ね起きる。パルヴェーズの美技に陶然としていた小動物たちは祐一の気配に驚き、慌てて距離をとった。

 パルヴェーズも、草笛を止め、こちらへ微笑みかける。

 

「ふふ……。さて、次の勝負は何をするのじゃ?」

 

 祐一は拳から親指を立てて突き出し、自信満々に笑った。

 

 ○◎●

 

 

 彼らの手にはどこから拾ってきたのか、腰ほどまでありそうな少し長めの木の棒。

 そう、絶対の自信を持って祐一の選んだ勝負は「チャンバラ」だった。

 学校の帰り道、遠足の途中、ともすれば体育の授業中……己を漫画の主人公や、昔の侍に見立てて、棒や傘を振り回す、あのチャンバラだ。

 男の子ならば、生涯に一度はやるアレ。異世界に転生して、幼い頃から剣術を学ぶくらいには誰でもやるアレだ。

 そしてこのチャンバラこそ祐一が一番自信のある得手でもあった。しかし……

 

「ははは! 小僧、まさかこの我に武術で挑みかかろうとは、身の程知らずにもほどがあるぞ? それも剣術で挑むなど、古代の英雄たちですら憚った難事じゃぞ!」

 

 どうやら祐一が一番得意な事はパルヴェーズもまた長けているようだった。

 

「今度こそ、勝つ!」

 

 祐一は棒を右肩にあたるほどに、全開に引き絞り構えた。

 対してパルヴェーズは構えという物をとっておらず、軽く木の棒を振って調子を確かめていた。

 それでもどういう理屈なのか軽く振った木の枝から、軟風が疾走り、祐一の髪をさらりと撫でた。

 おいおい……ウッソだろ……? 

 たらりと冷や汗が額を伝った。ちょっと早まったかな……と萎れる心に「えぇい行くぞ!」と喝を入れ、パルヴェーズを見据える。

 

 その瞬間スイッチ切り替わったように、鋭い彼の眼光に、覇気が灯った。

 そこには瞬刻前の、パルヴェーズに気圧されていた姿は、無い。あるのは自分の勝利を疑わない、向こう見ずな戦士の姿。

 パルヴェーズは、そんな祐一を見ては、目を細めて微笑み、

 

「善き哉、善き哉。良い目をしておる。己の勝利を疑わず、勝利への道を模索する目じゃ。小僧、おぬしは善き戦士となるじゃろう。この我が約束しよう」

「当然! そんで、この勝負。俺が、勝つ!」

「ふふ、それは叶わぬ。我は最強にして、全ての勝利を掴むものなれば、おぬしが勝てる通りはあるまいよ」

 

 互いに笑い合う。

 

 舌戦はそこまでだった。祐一はかつて無いほど意識が研ぎ澄まされ引き絞った棒を強く感じていた。じりじりとした暑さが祐一を苛める……だがいまの祐一には全く気にならなかった。

 眼前に立つパルヴェーズを、強く見据える。

 そんな祐一に対しパルヴェーズは全くの自然体だった。棒を片手で持って構えとは言えないような構えで祐一と対峙していた。

 それなのに……。

 

 打ち込んで、勝てるビジョンが浮かばない……!

 すでにイメージの中では数十通りほど、パルヴェーズに打ち込んでいた。しかし全てイメージで受け止められるか、躱され、次の返す一撃で敗北する未来しか視えなかった。

 古代の英雄や、戦国時代を駆け抜けた兵達……そんな武の頂に迫らんとする者達と相対している様な、圧倒的な威圧感。パルヴェーズと自分の間には、大霊峰のごとく高く分厚い壁がある様にも思えて仕方が無い。

 ───心で負けるな! 

 祐一は、弱い己をぶん殴って、強い自分を呼び起こす。それでも、状況は変わらない。苦境を脱する道は見つからないままだ。

 

 祐一はこの時点で若干の焦りが生まれていた。

 どうにか、しないと……! 焦燥が、心の表面に浮かび上がる。

 

 その時だった。

 

 ───ゆらり……。パルヴェーズの身体が揺れ、彼の軸が振れたのだ。

 咄嗟に身体が動いた。だが瞬時に悟る。俺は動かされたのだ! と。

 体勢を崩したように見えたパルヴェーズは、祐一が動いた瞬間に、どっかと大地を踏みしめ、祐一を迎え打つ態勢に入った。

 こうなりゃ……───守りごと、ぶっ叩く……! 

 祐一の決断に、逡巡はなかった。もう動き出したのだ。これに賭ける! 

 乾坤一擲。後がなくなった祐一の、唯一にして絶対の策だった。

 

 引き絞った棒を、袈裟斬りに振り下ろす! 

 

 しかしその全力の一振りに、パルヴェーズは腕をわずかに掲げただけだった。速い。祐一には、辛うじてその動きが見えた。

 するり、と絡め取るように手に持っていた棒で渾身の一撃を受け流す。己の力を完全に流された。

 絶望的なまでの技量差。いっそ清々しいほどの美技に酔いしれそうになる。それは今まで幼馴染み達と数え切れない程チャンバラをやって来た祐一ですら感じた事の無い感覚だった。

 パルヴェーズが言っていた自信に満ちた言葉は虚言ではないと思い知らされた。

 

 重心が変わり、体勢が崩れる。そしてパルヴェーズの受け流し終え、自由になった棒が迫る! 

 速い! パルヴェーズが放つ一撃は、あり得ないほど速かった。

 そもそも、そこらに落ちていた木の棒なのだ。なにか加工されている訳でもなく、枯れてはいるが枝はそのまま付いている。中もスカスカで、容易に振れるものでは無い。

 それでも祐一は山で、長年培った経験から、この類の棒の振り方は熟知していた。そのためどれくらいの速さで振れて、どれくらいの衝撃で壊れるかも理解していた。

 しかしパルヴェーズが振るう棒は、祐一の知識に無いほど速く、またそれ程の速い速度が出るほど強く振ったのなら、確実に棒が折れると言うのが、彼の経験から導き出された答えだった。

 だが今こうしてパルヴェーズが振るう棒は折れていない。

 その事は常なら驚嘆する事だったが、この少年なら易々とやってのけても不思議じゃない。

 今までの戦歴を振り返って、祐一は思った。

 

(多分、この速度が出せるのは今回だけ。一度外してしまえば、次は無い。棒が折れる……はずだ。俺がこの攻撃を躱せるか、そこが正念場だ!)

 

 一瞬の思考。

 ここで何が何でも躱す。祐一は肚を決めた。

 閃電の如く、パルヴェーズの下からの掬い上げるような一撃が迫る。

 焦り、後悔、嫉妬、困惑。そんな、負の感情が祐一の心に溢れる。だが、そんな噴火した様に荒れ狂い、千々に乱れる心の中で、それでも乱れる感情を物ともしない、不変の想いがあった。

 

「勝ちたい」と。

「絶対に勝利を掴む」と言う、勝利への渇望が。

 

 そんな泰然とした冷徹な思考と、狂乱とした灼熱の思考が、矛盾せずに祐一の心に存在していたのだ。

 彼の生涯の中で初めての感覚。

 祐一の視界はここに至って、更にクリアとなった。パルヴェーズの攻撃の軌道が何となく感じ取れる。

 視界に入る者がモノクロへ変わり、コマ送りのように断続的になった。周囲の、音、風、物、気配、あらゆるものが、脳に伝わって来る。思考が途方も無く加速する。

 

 それは「心眼」と呼ばれる武術の奥義。その、初歩の初歩だった。

 この時、祐一は、パルヴェーズとの勝負の中で、戦士としての殻を一つ破り、果てしない武道の階の前に立った、とも言えた。

 

 迫る一撃を見切り、祐一は崩れた重心を逆に利用する。倒れる身体をそのままに、流れるようにステップを踏んで、横へ飛び退ったのだ。

 

「お……らァッあっ!」

 

 ───ヒュン! 

 空振ったパルヴェーズの一撃。その風切り音が祐一の耳朶を叩く。

 頭から地面に突っ込む。ゴロゴロと無様だが……それでもしっかりと、祐一はあの必殺の一撃を避ける事ができたのだ! 

 顔を上げパルヴェーズを見る。

 パルヴェーズの少し驚いたような顔が、痛快だった。

 にやりと笑う。すぐ様立ち上がり、持っていた棒を大きく持ち上げ、大上段に構える。

 祐一史上で最高の高揚と興奮の中にあった。

 

 驚いていたパルヴェーズも、フッと口角を吊り上げ、今度はしっかりと木の棒を中段に構える。

 祐一が不敵に笑えば、パルヴェーズは静かに微笑むそんな凪いだ、静謐な時間が流れた。

 

「───だああああああああ!!!」

 

「───フッ!」

 

 停滞は一瞬だった。祐一が『動』とするならパルヴェーズは『静』。

 祐一は大上段に棒を振り上げ、パルヴェーズを唐竹割りにしようと迫る。対してパルヴェーズは中段の構えを解き、脇構えのまま祐一へ駆けた。

 一瞬の交錯。

 祐一には勝利の確信があった。パルヴェーズの持っている木の棒は……限界だ。

 

 もう打ち合えるほどではない、と確信していた。

 そして今……全力で打ち合った! 

 勝った! それを裏付けるように片方の棒が中程から折れ、宙を舞う。

 ────決着だ。

 祐一は勝負の終局を感じ取り、静かに瞑目していた。

 ふ……と、一つ息を吐く。

 勝利を確信した祐一は、ちょっと勿体ぶって、今まで共に戦った、手の中にある棒を見る。

 

 ───中程から消し飛んでいた。

 

「───あっれぇぇぇぇぇええ!!!???」

 

 いまさら脳天に激痛が走って果てしなく広いペルシアの土地に、祐一の絶叫が響き渡った。

 

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