東方project 〜嫌われ者は幻想郷で報われる〜 作:タルト
是非、感想などもお寄せください。
前回のあらすじ
空間がバカンと開いた
開いた空間から、無数の目の様なものがギョロギョロと蠢いていた。すると中から、金髪の女性が出てきた。多分この人が妖怪の賢者だな。
「紫、外来人連れてくるなら私に一言言いなさいって言ったわよね。」
「ちょっと、霊夢、今回は私じゃないわよ!?」
「じゃあ誰がこんなこと出来るって言うのよ?」
「多分、彼の能力じゃないかしら?霊夢、調べてあげたら?」
能力?あるわけないじゃん、俺に。
「そうね、じゃあ調べてみましょ。ちょっと待ってなさい。」
そう言って、神社に入っていった。
~1分後~
「はい、悠人こっちに来なさい、で、この札を手に持ってちょっと意識を集中させてみて。」
札を受け取った俺は、言われた通りに意識を札に集中させた。すると、札が光を放った。
「うおっ、眩しっ!!」
「貸しなさい、三つ能力があるわね。」
「うそん、ちょい見せて。」
そこには、
"点と点を繋ぐ程度の能力"
"模倣する程度の能力"
"指定した事象を優先する程度の能力"
と書いてあった。
「なるほどね、多分あんたは、無意識のうちに、この"点と点を繋ぐ程度の能力"を使って来たのね。」
「なるほど、ねぇ、君幻想郷に住む気はないかしら?」
んなこと急に言われても、でも、ジジイとババアは、青森に曾祖母ちゃんの介護に行ってるし、兄ちゃんは大阪の大学に行ってるし、父さんと母さんは海外に赴任中だし、妹はそれに付いて行って、7人で住むことを想定された家に一人で住むのは流石に寂しいからどうしようか。でもなー幻想郷の奴らに嫌われたらこっちでもボッチまっしぐらだからなー。
「あの、すみません、此処にこいしは来てませんか?」
「あら、さとりじゃない、こいしなら見てないけど。」
「あのすみません、間違ってたらアレなんですけど、こいしさんってあなたの色違いみたいな方ですか?」
「ええ、なぜそれを?」
「いや、そこの神社の裏側に居ますよ。」
そう、今俺は、模倣する程度の能力とやらで、漫画の技も模倣できるか試そうと思って、試しに透視権を模倣してみた、できたみたい。
「なるほど、あなたの能力の一つでしたか。」
ん?能力の一つって言ったよな、確かに透視って分かったなら能力って分かる、が、一つってことは俺の能力が複数ある前提で話している、俺の能力は、今来たこの幼女に解るわけがない、つー事は、この幼女の能力は、心を読む、もしくは、相手の能力を知る能力、考えを覗く能力、のどれかだな。
「私の能力は、心を読む程度の能力です。」
さとり・・・心を読む・・・悟り妖怪か、悟りと言うより、小五ロリじゃん。
「誰がロリですか、先ほども幼女などと、これでも私はあなたの何倍も生きているのですよ。」
喋らなくても意思疎通ができる、すげー便利な能力じゃん、羨ましい。
「羨ましいですか?この地底の住人達におそれられた力が。心を読むのですよ。恐ろしくないのですか?」
別に、読まれても困ることはないな。怖くもない。
「でも、心を読まれて気分が良いわけない、って。」
確かに気分はよくないけど、別に生まれ持っての能力ならしょうがないじゃん。
「優しいのですね。」
「ねぇ、話し戻すけど、幻想郷に住む気は無い?」
「今は無いかな」
「・・・そう」
「霊夢さんや、トイレ貸してくれんかのー?」
「良いわよ、入って右の奥のほうにあるわ。」
「サンキュー」
~さとりside~
私は妹のこいしを探して、博麗神社に来ていた、すると、知らない男性がいたので、心を読んでみると今日幻想入りしたらしい。そして恐ろしいものを見てしまった。彼の心にはとても深い闇があった。
「霊夢、紫、彼に気を付けたほうが良いですよ、彼は、確かに優しいけれど、心に途轍もない孤独への恐怖がありました、そして『生きているなんて無駄、どうせ死んだら終わり、文明の進化、種の保存、数億年後には太陽が膨張して地球を飲み込んでハイ終わりなーんにも残らない、何なら俺がこの能力で人類殲滅してから自殺しようかな』と考えていました、彼は、今非常に不安定で、精神的にもまだまだ未熟、一人暮らしが悪い方向に向かってます。」
「なら、私が退治して・・・」
「ですが、彼が正しい方向に進めば、幻想郷にとってプラスになりますよ?」
「ならどうやって。」
さて、どうしましょうか、彼は、孤独を恐れている、孤独じゃ無くなれば良い・・・、そして、修行をして、能力を使いこなせれば、必ず幻想郷の為になる。
「霊夢、彼を、救う方法が一つあるわよ。」
なるほど、さすがは妖怪の賢者、その手がありましたね。
~さとりsideout~
ふースッキリしたー
「霊夢、彼を、救う方法が一つあるわよ。」
救う?俺には関係ねーか。
「トイレさんきゅー」
「んで、俺どーやって帰んの?」
「その前に、ちょっといいかしら?」
「良いけど、どうしました?」
俺、何かやらかしたか。
「あなたの能力で、幻想郷と外の世界を行き来することができるの、それで一つお願いしてもいいかしら?」
「事にもよりけりだがな。」
「えぇ、実はこの幻想郷の住人としばらく一緒に暮らしてほしいの。」
はぁ?なんつった。一緒に暮らしてほしい?
「そりゃまた、なんで?」
「幻想郷の住人への良い刺激になれば、と思って、アルバイトだと思ってくれればいいわ。もちろん報酬も出す。」
「でも俺学校もあるし・・・」
「大丈夫、二週間に3~5人交代で外の世界に住んでもらうわ。」
「まぁ、それなら・・・」
バイト、住み込みのバイトそう思おう。
「あと、この世界のことや、妖怪のこと、あなたの能力のこと外では、言わないで頂戴。」
「当然ですよ八雲さん」
「紫で良いわよ。」
何で幻想郷の奴らって、下の名前で呼ばせたがんの?
「わかったよ。紫。俺も悠人で良い。」
「それであなたの師匠を紹介するわ。」
「師匠?何の?」
「霊夢が調べたところ、あなたは魔力霊力ともに並みより少し上だったの。それでもし暴走したら危ないから、修行を付けてもらうことにしたわ。」
めんどくせー、嫌だー努力は嫌い。
「で、師匠とやらはどこに?」
「今呼ぶわ、ちょっと待って。」
すると境界に入っていった。霊夢に聞いたけど、紫の能力、便利だな。
「お待たせ~。」
桃髪の片手に手かせみたいなの、もう片方に包帯をぐるぐる巻きにした、前衛的なファッションの美人が出てきた。
「初めまして、茨木華扇です、これから、よろしくお願いします。」
「はい、師匠!」
ん?今師匠って呼んだ時表情緩んだな、よし、からかってみよう。
「いやー俺は幸せ者だなーこんな素敵な師匠に稽古付けて頂けるなんてー。」
すげぇ、めっちゃニヤニヤしてる可愛い」
「どうしたんですか、急に顔赤くして?」
「悠人あんたまた声に出てたわよ。」
霊夢が呆れ気味に告げてくる。
「悠人さん、あまり人をからかうのは良くありませんよ。」
さとりさんが諭すように言ってくる。
「悠人さん、からかったのですか?」
師匠からもの凄い殺気でてんだけど、やべーよ俺今日死ぬかもしれん。
「違うんですからかったわけじゃないんです、師匠の反応が可愛くてつい・・・」
また赤くなった。
「やっぱり悠人はスケコマシなんだぜ。」
「うるせーよ、白黒、誰がスケコマシだ!」
「白黒じゃないんだぜ。魔理沙だぜ!」
「そうかい、改めてよろしく。」
師匠まだ赤いよ、可愛い。
「あの、紫、そのバイトいつからなんだ?」
「三日後、でどう?」
「んじゃ決定。それで、どこで師匠に稽古つけてもらうの?」
「もちろんあなたの家よ。それもバイトとは別で。何かあれば、スキマで伝えるから、安心しなさい。」
「じゃあ、悠人、点と点を繋ぐ程度の能力使ってみなさい。先ずは、そうね、そこから、鳥居のとこつなげてみて。」
どうすんのかな、とりあえずイメージしてみるか、すると、周りを黒く塗ったような穴が開いた、手を突っ込んでみると鳥居の方から手が出た。
「おぉ、こんな感じか?」
「次はあんたの家をイメージしてみなさい。そうすれば帰れるわよ。明日もまた来なさい、人里をあんないしてあげるわ。」
「おぉサンキュー、お、家と繋がった、それじゃ帰るわ。師匠、行きましょう。」
「ええ、あ、家に付いたらお説教ですよ師匠をからかった罰です。」
そして、家に帰ると2時間説教食らった、怒ってても可愛かった。
次回へ続く
読んでくださった方ありがとうございました。
ついに主人公の能力が明らかになりました。
これからも応援よろしくお願いします