東方project 〜嫌われ者は幻想郷で報われる〜 作:タルト
前回のあらすじ
師匠に2時間説教食らった
今日は土曜日、部活があるめんどいからサボるつもりでいたら、師匠が行けというので渋々行くことにした。ちなみに弓道部だ、部活自体は好きだった、女子の一人が殴ってきてむかついたのでやり返したら、俺がいきなり殴ったことになり、謹慎になった、謹慎明け一発目だから、行きにくいけど、師匠に言われたらしょうがない。
「いってきまーす。」
「はい、いってらっしゃい。」
~弓道場~
「こんにちは、お願いします。」
はぁ、やだやだ入った瞬間聞こえてくる。
『見ろよ暴力魔だ。』
『あいつ、何かいきなり殴ってくるからね。みんなあいつと関わらんほうがいいよ。』
はいはい、お前がやんなきゃ俺は何もしねーよ。この暴力の件で、俺は部活でも学校でも孤立するようになった。学校では仲良くしてくれる奴が、二人いるけど、また利用しとるんじゃないかと疑ってしまう。そもそもの話だが、男女平等を謳っているこの国で、男子が女子に殴られてやり返すと男子が悪くなるのはおかしい。
「整列。」
主将の声で、全員整列する、こっから、外部コーチの先生の話を聞いて稽古を開始する。
~1時間後~
「休憩11時まで休め。」
始まった休憩時間この時間が何より苦痛だ、稽古中なら稽古に集中できるが、何もせず陰口を聞こえないふりするのはキツイ。そして、水筒忘れた、6月の夏日だ、クソあちぃ。
「すみませーん。」
どっかで聞いたことのある声だ、嫌な予感がする。
「はい、何でしょうか。」
あ、女たらしの山本が行った、モテないくせに。こいつ俺のこと馬鹿にするくせに典型的なイキリ隠キャみたいな顔してるからな・・・
「あの、悠人呼んで頂けますか?」
師匠だぁーなんでー。こんなとこに。あ、後ろに居眠り門番が。
「あんな屑に何の用が・・・」
そもそも家族かもしれないのに、よくんな事言えるよな。あ、殺気やべぇよちびりそう。
「あの・・どなたか存じませんが・・・」
ヤッベェ、このままじゃ師匠が・・・殺人罪に・・・
「師匠、落ち着いてください。」
「でも・・・」
『あの人達美人じゃね?』
『あのカスのこと伝えて俺達の好感度上げようぜ。』
あいつら・・・人がせっかく守ってやったのに。
「あの、何があったか知りませんが、その屑から離れたほうがいいですよ。」
あーあ、やっちゃったよ。
「いい加減にしてください!!悠人は屑じゃありません!!」
居眠り門番、気だよ。
「そいつ、女子のこと殴って、痣作ったんですよ。そんなのと一緒に居たら暴力されますよ。」
はぁめんどくせぇ。
「ホントですか?何があったんですか?」
「ホントですよ師匠、俺は兄に教えられたやられたらやり返せを実行したまでです。どうせ理解されないから全貌は話しませんが・・・」
「そんなことありません、話してください。」
そう言って、師匠が俺を抱き寄せる。
「はい、話すので、離していただけると///」
「あ、すみません///。」
可愛い
「なら最初から、まあ、4月に入部したときの話です、まぁ、俺も新しい環境で普通に友達ごっこでもして浮かないようにしようとしました。で、帰りの時携帯を付けたら、そこにいる、山谷とかいう女がいきなり気持ち悪いと言って来たので、知らねーよ見んなカスって言い返しました、すると、足を思いっ切り踏まれました、でもその時は、無視しました。でしばらくそういう状況が続きました、で、イラついたのか、思いっ切り脛を蹴られました。で、俺も人間です痛みも感じれば、ムカつきもするんです、で、殴りました。その光景は4月から全員見ていたはずなのに、事情聴取の時は、全員が俺がいきなり殴ったことにしました、そのせいで、俺は、2日間授業参加禁止で窓もない埃だらけの空間に閉じ込められ、喘息の発作が起きても、甘えるなの一言で無視されました、その後、一週間奉仕活動プラス放課後は、5時まで残され、土日も登校するということに。さらに、俺の関係のない辻本ってやつにほかの奴らがやったイジメを俺のせいにしてそれで、殴るけるの暴行を女子を殴った奴を成敗するっていう大義名分のもとやってきた。という感じですね。」
「う、嘘つくな!!俺たちは殴ってはいないぞ!」
あ、引っかかったザマァwww。
「ふーん殴っては、ねぇ?」
ヤバい二ヤつきが止まらん。
「あ、ち、違う、やっぱ全部嘘だ!?」
「やっぱ?」
喋れば喋るほど墓穴掘るよな、山本君、同じクラスなことが恥ずかしいよ。
「ハァ、くっだらねぇ、先生俺帰ります。」
そう言って俺は、そそくさとリュックを持って帰った。
~帰り道~
「あの話は本当なんですか?だとしたら学校に抗議しに行きましょう。」
「そうですよ、悠人さんが我慢する必要なんてないですよ。」
師匠と居眠り門番さんが俺を慰めてくれた。
「一ついいですか、居眠り門番さんの名前は何というのですか?」
「居眠り門番ってひどいですよ、私の名前は、紅美鈴です。美鈴と呼んでください。あと、敬語もいいですよ、幻想郷の方々は基本名前呼びでタメ口ですから。」
「なら、そうさせてもらうわ。ところで、美鈴は何しに来たんだ?」
「そうでした、お手合わせの日を決めに来たんです。」
「今日で良いなら今日やるぞ。」
「はい、お願いします。」
そして俺たちは、家に帰り、シャワーを浴びて、幻想郷に向かった。
~紅魔館~
「やっぱでっけーな。」
因みに師匠は、霊夢に喝入れに行くらしい。ドンマイ霊夢。
「あ、こっちですよー悠人さーん!」
美鈴の声が聞こえてくる。
「おっす、始める前に、ノーレッジさんに挨拶してきて良いか?」
「それでは、案内させていただきます。」
あ、ありがてぇ、俺だけだと絶対に迷う。
「それでは、こっちです。」
~図書館前~
「どうぞ、お入りください。」
「あら、いらっしゃい、また来たの?」
「はい、この間のお礼と、あと、前俺の読んでる本を読んでみたいと言ってたので、持ってきました。」
「あら、ありがとう。」
俺が渡したのは、とある魔術の禁書目録1~10巻だ、これならまだ、人に見せられる。
「あ、そういえば、どうやってここに来たの?」
「俺の能力です。」
「それはさっきから私のことを見ないのとかんけいあるの?」
あるっちゃある。
「まぁ、能力が三つありまして、此処に来たのが、一つ目点と点を繋ぐ程度の能力、でノーレッジさんを見ないのが、模倣する程度の能力で透視能力を模倣したので、下手したら、裸見てしまうかもしれないので。」
「そ、そうなの///。それで、三つ目は?」
「指定した事象を優先する程度の能力です。」
「そうなの。」
「で、ノーレッジさんにお願いがあるのですけど、魔法を教えてくれませんか?」
「パチュリーで良いわよ。」
「わかった、で、教えてくれますか?」
「良いわよ、あと、敬語はやめて頂戴。」
この人もか・・・幻想郷の人たちはコミュ力の塊かよ。
「魔法を教えるのは良いわよ。」
その時、扉が開いた。
「あら、あなたがあの血の持ち主ね。私はレミリア・スカーレットこの紅魔館の主よ。あなたが高峰悠人ね、よろしく。」
この女ヤバい。と思った俺は、思いっ切り後ろにとんだ。
「あら、失礼ね、レディから逃げるなんて。」
「何がレディだよ、殺気沈めろよ。」
「あら、ごめんなさい。」
「いやこっちこそ失礼した。いきなり後ろに跳んだりして、気を悪くしたなら謝る。すまなかった。」
「いいのよ、また血がもらえれば。」
「そんじゃ、ま、美鈴手合わせしようぜ。」
~紅魔館前~
「なぁ、一つ頼んで良いか、俺に中国拳法教えてくれんか。」
「良いですよ、じゃあ、始めましょうか。」
ルールは、制限時間は15分能力の使用は禁止、純粋な力だけでの勝負、降参または気絶したら負け。時間オーバーしたらレミリアに判断してもらう。
「それじゃ、始めなさい。」
開始の合図と同時に、美鈴が突っ込んでくる。
「セイッ!!」
顔面目掛けて、拳が飛んできた、俺は、手をクロスにしてガードした。
「痛っ!?」
スゲーパワーだな。
「お返しだっ!!」
美鈴の足に思いっ切り蹴りを入れた。
「甘いですよっ!」
跳んでよけられた、が、
「かかったな、アホがッ!!」
跳んだ美鈴に、拳を入れる。
「がはっ!?」
~10分後~
俺は満身創痍だが、美鈴はまだ余裕がある。次の攻撃で決まる、一矢報いないと気が済まない、できるかわからないけど、『ニ虎流・奥技・鬼鏖』 ミスれば内臓がイく。
「行きます!!」
来た、これは、腹にドストレート。いけるか。あたる寸前に拳を掴み、力を流しつつ、脱力した体に力を通らせ、足を踏ん張って俺の力を乗せ、最後は本気で固めた俺の拳を腹に叩き込む。
ドスン
鈍い音が響く、立っているのは・・・・美鈴
(ちくしょう・・・負けちまった。)
そして俺は意識を手放した・・・
次回へ続く