ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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16話 嘲笑う海賊たち

 

 

【ジャヤ島】

 

 

 「ルフィ」に敗れた「ベラミー」を制裁するためジャヤ島に現れた「ドフラミンゴ」。彼はモックタウンでベラミーに制裁を加えた後、「ルーミア」を探して猿山連合軍がいる東の海岸を訪れた。

 

 しかし、件の人物はそこにはおらず、聞けばルフィと一緒に「空島」へ向かったという。そこでドフラミンゴはベラミーを呼び出すことにした。空島に送るために……

 

 

 

 

「副船長として断固反対だ!! 突き上げる海流(ノックアップストリーム)で『空島』なんてバカげてる!! 考え直せ!! ベラミー!!」

 

 

 声を荒らげて喋っているのはベラミー海賊団の副船長である「サーキース」。そして彼と対話をしているのは一味の船長である「ベラミー」。彼らは東の海岸で待ち構えていたドフラミンゴから……

 

 

「やつらが空島で()()()()()()()()、調べてこい」

 

 

 ──と言い渡され、その後ドフラミンゴは「用事がある」と言い残して文字通り空を飛んで彼らの前からいなくなった。

 

 

 

 

「どうしても行くなら一人で行ってくれ、ここでお別れだ」

 

 

 散々、仲間内で言い争った後、サーキースたちは船に乗り込み、ベラミーをその場に一人残して出航していった。

 

 

「……船はなんとか調達する。時間までには間に合わせる」

 

 

 船が見えなくなるまで見送った後、ベラミーは振り返らずにクリケットたちにそう言い放ち、街のある方角──モックタウンへと歩き始める。

 

 

「いけ好かねぇ連中だが、ああなっちまったら憐れだな……」

「ああ、見ていてハラハラしたぜ」

 

 

 複雑な表情を見せるマシラとショウジョウ。

 

 

「やつらが決めたことだ。他人の俺たちがどうこう言う筋合いはねぇ。それよりもやつが船を調達したときのために準備をしとけ」

 

 

 クリケットの指示の下、猿山連合軍はのろのろと動き出す。そんな中、ベラミーが去っていった方角を眺めながらクリケットは声には出さずに……

 

 

(……ドフラミンゴの命令を無視するわけにはいかねぇ。かといって船員を危ない目に遇わせられない。……だから、さっきのような茶番をして意図的に別れた。……とまあ、見ず知らずの赤の他人どもにそう伝えるのは余計なお世話だろうな……)

 

 

 クリケットはそう思いながらタバコに火をつけて、吸い始めた。そして……

 

 

(……それよりもドフラミンゴが小娘に目をつけた方が問題だな、何事もなければいいんだが……)

 

 

 

 

【ジャヤ島──モックタウン】

 

 

 ホテルにある一室。豪華な作りをしているその部屋にドフラミンゴは備え付けられているイスに深々と腰掛けて寛いでいた。そこに一人の巨漢がベランダに現れて、室内へと入っていく。

 

 

「フッフッフッ。お前がメッセンジャーとはな? 海軍はえらく張り切ってるようだな? 暴君?」

 

「電伝虫だと盗聴される恐れがある」

 

 

 モックタウンにあるホテルの一つ「トロピカルホテル」。そこは今ドフラミンゴが貸し切っており、従業員以外、誰も入れさせないようにしてあった。そこに七武海の一人「バーソロミュー・くま」が来訪してきたのである。

 

 

「準備が整った。バナロ島に来い」

 

「……ゲッコー・モリアがうまいことやったわけか、あのぐーたら野郎が、フッフッフッ。お前はこの後どうするんだ? まさか、それだけ伝えてサヨナラってわけじゃないだろ?」

 

「お前に言う必要はない」

 

「フッフッフッ。この小娘だろ?」

 

 

 新聞に掲載されていたルーミアの顔写真を手に取ってヒラヒラさせるも、くまは無言を貫く。

 

 

「俺の部下にも調べさせてるが、ほとんど何も分かっちゃいない。このなりで28歳ってことぐらいしかな? それすらも怪しいがな、フッフッフッ」

 

 

 得意気に話すも、肝心のくまの姿はどこにも見当たらない。ただただ開け放たれた窓のカーテンがそよ風で揺れるのみ。

 

 

「フッフッフッ、せっかちな野郎だ。……まあ、俺も行くとするか……」

 

 

 やおら立ち上がるとドフラミンゴは誰に言うわけでもなく言った。

 

 

「──『エース』の捕縛に……!!」

 

 

 部屋の中でドフラミンゴの笑い声である「フッフッフッ」が響く。  

 

 

 

 

【ウォーターセブン】

 

 

 木箱等が並べて積まれている倉庫の一画。そこにある木箱をイス代わりにしてラフィットとオーガーは座っていた。

 

 

「ラフィットさん! オーガーさん! 例の麦わらの一味が来ました!!」 

 

 

 そこへ息を切らしながら一人の男が麦わらの一味がこの島に来たことを伝えた。ラフィットとオーガーはこの地にやって来たはいいがガレーラカンパニー、あるいはフランキー一家の手によって解散させられた元海賊でなおかつ、監獄送りを免れた人間たちを集めた。自分たちの手足にするために。それも民衆にいても目立たないような連中を。二人は彼らを使ってウォーターセブン等の情勢を逐一に手に入れていたのである。

 

 

「ホホホ。ようやく来ましたか」

 

「やつらがこの地に来るのは避けられない運命だったか……」

 

「では、彼らがこれから起こすであろう騒動に便乗させてもらいましょうか?」

 

 

 手に持ったステッキで器用にシルクハットのつばを上げながらラフィットは言った。

 

 

 

 

 そして……

 

 

【空島スカイピア】

 

 

 ある日の空島スカイピア。突如、上空の白い雲を裂いて一人の少女が空から落ちてきた。カマキリはなぜか胸に手を当てた仰向けの状態でゆっくりと降りてくる少女を指差しつつワイパーに向かって叫ぶ。

 

 

「ワイパー!! 月からルーミアが帰ってきやがった!!」

 

「そんなもん見りゃ分かる!! あんな非常識ができるのはあの女しかいない!!」

 

 

 シャンディアの部族はルーミアの登場に困惑し、ルーミアの手下たちはボスの帰還に歓喜の雄叫びを発した。

 

 




ざわ…   ざわ…
( ´・ω・)にゃもし。

■ここまで読んでくれてアリガトウございます。

■朝4時頃に書き上げたよ。あとのこまけぇことは活動報告にでも書くべ。

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