ヤミヤミの実で宵闇の妖怪   作:にゃもし。

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バナロ島の決闘 “ 火拳 ” vs “ 七武海 ”
20話 オモチャと影


 

 

 バナロ島にある町の大通り。普段は人で溢れかえっているであろうその場所は今は閑散としており、エースと対峙している七武海の二人──モリアとドフラミンゴを除いて人の姿はどこにも見当たらない。

 

 

「キシシシシシッ!! 生きている仲間がいると面倒だな? そうは思わないか?」

 

 

 地面にあるモリアの影から無数の丸い体躯をしたコウモリが生み出され、それが大口を開いてエースへと襲いかかり、そこへ……

 

 

「フッフッフッフ。どうした? 『火拳のエース』? 自慢の“火”は見せないのか? ……ああ、どこかの()()()()()()()()()()が建物ごと火に焼かれたら、何のために助けに来たのか分からなくなるよなァ?」

 

 

 そう言いながらコウモリもろともエースに向けてドフラミンゴが指先から出した“糸”を弾丸のように飛ばしてくる。さらに“糸”でできた自分そっくりの人形を操ってぶつけてくる。

 

 

「……ああ、そうそう。建物は燃えやすい木造だから気をつけてくれ。フッフッフッフ」

 

 

 取って付けたような、わざとらしい言い方で警告を促すドフラミンゴにエースは舌打ちを一つ打って地面を転がりながら躱す。その後も二人の七武海は遠距離攻撃を主体に仕掛け、時折モリアがエースの影を切り取ろうと己の影と場所を入れ替えて接近するが、そのたびにエースは己の体を流動体に変化させ、あるいは火が放つ閃光で自分の影を掻き消して回避してみせる。

 

 

「ちぃっ! キリがねえ! おい、ドフラミンゴ! とっとと()()()()()を盾にして、エースにぶつけろ!!」

 

「俺に命令するなモリア。……だが面倒なのも事実だ」

 

 

 悪態を吐くモリアにしかめっ面をするドフラミンゴ。しかしモリアと同じく煩わらしく思ったのか、片手を前に、まるで人形を操るかのような動きを見せると……

 

 

「……さあ、感動のご対面だ。フッフッフッフ」

 

 

 指の動きと連動するように周囲の建物の中から幾つもの人影が飛び出し、そのままエースへと武器を手に襲いかかる。

 

 

 そして……

 

 

 後ろ手で手錠を嵌められ地面に俯せになって倒れているエース。その周囲には武装した男たちが涙を流しながら立っている。彼らはみなエースを船長とした『スペード海賊団』の乗組員であり、ドフラミンゴが能力で操ってエースに海楼石を嵌めさせたのである。

 

 

「キシシシシシ。手こずらせやがって、おいドフラミンゴ! さっさと始めろ!!」

 

「堪え性のないやつだ。……とはいえ、七武海二人を相手にここまで粘るとはな、さすがは白ひげ海賊団の隊長……といったところか? フッフッフッフ」

 

 

 息を切らして地べたに座って両足を伸ばしているモリアと、モリアとは対称にまだ余裕を見せるドフラミンゴ。やがてドフラミンゴの下に大男を連れた少女が現れ、その少女に命令を下す。

 

 

「シュガー…… ()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 シュガーと呼ばれた少女は二つ返事で頷くと次々に掌で船員を軽く触れてオモチャに変えていき、ほどなくして全員がオモチャに変わった。

 

 

「フッフッフッフ。なぜこんな場所にオモチャがあるのか、今となっちゃ俺もお前も分かっちゃいないだろうが、大方この俺と敵対していたお前の味方なんだろう。……オモチャにされると本人を除いて記憶から忘れられてしまう。……それがシュガーの能力だ」

 

 

 そしてエースの下までゆったりと歩いて近づき被っている帽子をはねのけ、髪を無造作に掴んで持ち上げる。

 

 

「海賊王ゴール・D・ロジャー。ろくでもない父親を持ってしまったお前に同情して選択肢をくれてやろう。オモチャにされるが生き残れる未来と、このまま海軍に引き渡されて殺される未来。……さあ、好きな方を選べ」

 

 

 薄ら笑いを浮かべながら問うドフラミンゴに対してエースは睨みつけながら叫ぶ。

 

 

「俺の親父は白ひげだ!! 親父に忘れられるぐらいなら!! 死んだ方がマシだ!!!!」

  

 

 そう吼えるエースにドフラミンゴは「フッフッフッフ」と片手を顔に当てて一頻り笑った後、

 

 

「そうか、それは残念だ。……まあ、お前ならそう答えるだろうとは思っていたけどな」

 

 

 それから電伝虫でエース捕縛の報を受けた海軍が現場に急行、エースを連行していき、オモチャにされたスペード海賊団のクルーは……

 

 

「あのエースに味方をした、ということはこのガラクタどもは元々は『白ひげ海賊団』のメンバーなんだろ? さぞかし活きのいいゾンビが出来上がるぜ! キシシシシシッ!」

 

 

 ……と、モリアに影を切り取られ、あげく労働力としてドフラミンゴが治める『ドレスローザ』へと連れていかれた。

 

 

 

 

【シャボンディ諸島】

 

 

 品位を感じさせるレストランの一室。そこに礼服で身だしなみを整えたルーミア一味と黒のドレスで着飾ったルーミアが席に着いていた。

 

 やがて出入口の扉が開かれ、目的の人物が現れたのを確認したルーミアは口を開く。

 

 

「ようこそ、ドンキホーテ・ミョスガルド聖。あなたがここに来たということは……今は亡きオトヒメ王妃に諭され“人間”にして貰った──と考えていいのかなー?」

 

 

 テーブルに両ひじをつけ、手の甲にアゴを乗せた少女を見てミョスガルドは眉をひそめる。理由の一つとして、とてもじゃないが28歳には見えないからだ。それと……

 

 

「──魚人島にいる魚人、および人魚を全員あなたの“奴隷”にしてしまえば……ある意味、手出しできにくい状況になると思わない?」

 

 

 聖地マリージョアにふらりと現れたラフィット。前もって彼からそんな提案を聞かされたからだ。

 

  




( ´・ω・)にゃもし。

■仕事の合間に執筆しました。土曜日、過ぎちゃったけど今のところ週一投稿。

■とりあえず文字を埋めた感じ、誤字脱字おかしな表現ありましたら報告をお願いします。

■GW10日もいらん。3日で十分じゃろ。振替休日、考えた人を地獄に叩き落としたい。

■拙者、働きたくないでゴザル。
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